ニューポール17C

Nieuport 17C


 ベベ(ベビィ)の愛称で親しまれた11型の後継機で、ベベのマイナーチェンジ版である16型ともども同盟国単座機を凌駕する性能を期待されて、西部戦線の空に登場したニューポール単座機の傑作である。極めて機動性に優れ、多くのパイロットが好んだ機体であったが、一葉半形式の宿命か相変わらず下翼の強度に問題があり、降下中に翼が外れるなどの怖れがあった。それは本機の出現に驚いて同様の主翼形式を模倣した、アルバトロスD.III以降にも訪れた欠陥でもあった。
 はじめは上翼面のルイス機銃1挺だけの武装で、依然として射撃照準は不安定だったし、弾倉の交換には立ち上がらなければならなかった──そのため上翼に操舵用の把手が付いている──のを、鹵獲した同調装置を国産化して機首にビッカース機銃を設置、射撃性能の向上を図った。もっとも、このときすでに敵方は機銃2挺を標準装備としており(おまけにその代表格であるアルバトロス単座機は防弾性能も高かった)、相対的な攻撃力の貧弱さは否めない。なお、搭乗員の好みによってビッカースとルイスの2挺装備とした機体もあるが、当然飛行性能は著しく低下した。

○ニューポール製作株式会社Societe Anonyme des Etablissements Nieuport製、1916.5〜1917.4
●110馬力ル・ローン9J回転式エンジン1基、最高速度177km/h、実用限界高度5300m、乗員1名、7.7mmルイス機銃1挺またはビッカース・マクシムMk.I機銃1挺

 モデルはシャルル・ウジェーヌ・ジュール・マリ・ナンジェッセCharles Eugene Jules Marie Nungesserの1916年夏の乗機(N65飛行中隊、機番N1891)である。フォンク、ギヌメール、そして第三席を占めるナンジェッセをもって、仏軍エースの三羽がらすができあがる。
 ナンジェッセは典型的なラテン情熱家で、スポーツ万能でくるまと女が大好き。騎兵として参戦した直後に捕虜になり、敵参謀本部の車を奪って脱走に成功するほど冒険的な性格からか、被弾、負傷することが多かった上に、一度は単独交通事故(いわゆる「自爆」)で前線を退いている。そのくせ傷(それも重傷を負うこと2回)が癒えないうちから前線に復帰するくらいに火遊びが相当好きだったようで、もちろん女性に大もてだったのは写真を見れば判る。略装よりは正装と、出撃するときですら常に着飾ることはまるでランヌ将軍のごとく、かの有名なパーソナルマーキングはその戦歴の最初から愛機に描かれていた。戦前は南米で自動車レースをやっていたり、戦後は曲芸飛行や映画出演までこなすびっこで金歯だらけ(被撃墜でほとんど折った)の快男児だったが、最後はパリからニューヨークを目指して飛び立った挙げ句、とうとう音信不通となってしまった。
 常に冷静で仲間思いだが、尊大なのが玉に瑕のルネ・フォンク、優男に見えて熱いヤツ、ジョルジュ・ギヌメール、傷だらけのクールなスポーツマン、シャルル・ナンジェッセ。誰かこの3人で同人誌描いてもおかしくない取り合わせだと思うのだが、そこの貴女どうですかだめですかはい。

●休戦時階級中尉。公認戦果45機。1927年5月8日、大西洋無着陸横断飛行の途路に消息を絶つ。


 キットは老舗のエッシー。エアフィクスに比べると意外とパーツの合いは良い。モールドもまあまあ。バリもまあまあ。

 組み上げは大して手間はかからない。目立つ継ぎ目のパテ盛りヤスリがけをする程度。ダボもちゃんと機能していて、その辺はなかなか優秀だ。コクピット内は簡素なので、計器盤を追加してやる。風防もその辺の透明プラ板を切って自作。安定板支柱だけは使い物にならないので、0.5ミリ真鍮線で自作。

 主翼はVストラット固定なのでちょっと厄介。先に下側を普通の接着剤で固定して、完全に固着する前に上翼を瞬間接着剤でくっつける。胴体支柱はあとから付けるほうがラク。

 本機はシルバードープ一色なので塗装も簡単。はみ出た接着剤の後処理も簡単。デカールの出来も良い。連合国機はローゼンジパターンがないだけ作業がラクである。その分、物足りない気もするけど気のせいだ。

 張線は今回も0.2ミリピアノ線。全部で18本と、比較的少ないのが幸い。ただし操縦索はめんどうだ。ラダー上部索は本来安定板の隅っこを貫通しているのだが、ここに穴を開けると穴なんだか切り込みなんだか判らなくなるので、割愛した。飛行張線の一部と車軸の張線は最後に、残りは胴体と主翼が組み上がった時点で張ってしまうのがラク。エルロン操縦索はそれっぽく胴体につけておく。


よく見えないけど風防と計器盤は自作。

張線は比較的楽。

一葉半の名の通り、下翼面積は上翼の半分以下。
INDEXへ戻る 写真はすべてOLYMPUS E-300 + Lydith3,5/30による

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