メッサーシュミットBf109
    Messerschmitt Bf109-F2


     F型(フリードリヒ)は海峡上におけるスピットファイアの出現により、すでに揺らいでいたエミールの優位性が今度こそ完全に崩れ去ったドイツ空軍が急ぎ用意させた、第3世代のメッサーシュミット戦闘機になる。ほぼ全面改設計に近い変更が施され、それまでのややずんぐりした機首は紡錘形の先鋭的なものへと変わった。尾翼の支柱は廃され、また主翼の設計も変更されており、翼端を伸長、フラップはラジエータ兼用となった。全体として洗練されたフォルムをもつことになったF型は、速度、機動性ともに向上し、同シリーズの最良機種とも云われる。初期の頃はしかし構造上の不安があり、F1での事故が相次いだことからF2では機尾に補強桁がついている。だがなによりもパイロットを失望させたのは軽量化に伴う武装の削減で、ガランドなどは改悪に等しいと不満を述べ、20ミリ翼内機銃を追加した通称ガランドスペシャルなる機体を作らせた。エンジンは新型のDB601Eが間に合わず、この時点ではDB601Nを搭載しているが、機体の改良に従ってエミール後期型より毎時20キロ余り速度が伸びている。

    ○メッサーシュミット社Messerschmitt A-G製、1940-41
    ●1200馬力ダイムラー・ベンツDB601N液冷エンジン1基、乗員1名、最高速度600km/h、実用限界高度11000m、MG/FF 15mm機銃1挺、MG17 7,92mm機銃2挺

     モデルはユルゲン・ハーダー少尉Ltn. Juergen Harderの1941年夏の乗機。1939年、大戦勃発後に空軍に入隊したハーダーは、独ソ戦開始時点で第53戦闘航空団第3飛行隊本部におり、初日の6月22日に初撃墜を記録する。本機はその直後の機体で、通常とは若干デザインの異なる本部つき戦技将校の円記号と、バトルオブブリテンのさなかに戦死した長兄の名前にちなむパーソナルマークのHARROが描かれている。
     東部戦線で10機を加算したユルゲンは、42年に北アフリカ戦線、43年にイタリア戦線と転戦し、そのスコアを60機まで伸ばした。派手な戦歴はないものの、着実に戦績を上げていった彼は、敗戦の年の1月には本土防衛のJG11司令官に昇格する。しかしそのわずか1ト月後に訓練中の与圧室事故で墜落、死亡してしまう。
     その全員が戦闘機乗りだったハーダー三兄弟は、最終的に全員が戦死を遂げた。

    ●最終階級少佐。公認戦果64機。1945年2月17日事故死。


     1/35ミリタリーシリーズなどでタミヤにキットを提供しているイタレリのキット。ヨーロッパの有名なメーカーのなかでは比較的よく成形されているので、お気楽モデリングならほとんど修正は要らない。シートベルトとか照準器なんかは自作せなあかんけどね。もちろん、わたくしは今回も作ってない。世の中にはエッチングパーツという便利なものも出回っているが、流通数はそんなに多くないし、置いてある店も少ない。まあ、要するに探すのがめんどうなだけだ。
     コクピット内装はアカデミーのものよりも単純だが、エアフィクスよりは数段マシだ。塗装指定のペールグリーンは少し明るすぎるので、グレーグリーン程度に暗い色で塗る。実際に使ったのはタミヤのRLMグレー。
     胴体の組み合わせ、主翼・尾翼の取り付けと、まずお気楽に進む。ガランドスペシャルの機銃口は切り落とす。尾輪が可動式なので(折り畳み状態にできる)これは固定。プロペラに限らず、やはり海外製品は無駄に可動部が多い。ダボ位置がしっかりしているお陰で、主脚周りはこれまでの4機中では一番作りやすい。
     塗装は41年夏の74/75/76迷彩。資料によって若干パターンが違うのだが、グリーンアローの冊子所収図版をベースにしてある。調色に手間をかけるのは趣味じゃないので、グンゼのアクリル塗料を使う。これまた便利なことに、ドイツ空軍色はあらかた揃っているからだ。しかしやはりというかなんというか、アクリル塗料は乾きがはやいせいか、筆むらが出てしまうのは未熟だからか。デカールは国籍標識とステンシルを除き、またも手描き。特にハーケンクロイツは欧州製品には付属していないので、毎回描く羽目になる。
     プロペラは別に塗装を済ませておき、最後に接合する。アンテナ線は0.2ミリ白金線。ピトー管は無くしちゃったので黄銅線で自作。制作環境はきれいにしておきましょう。


    ひきつづき機体下面。資料によっては翼端下面もRLM4イエロー。

    通常とはデザインの異なる技術将校のマーキングがコクピットの後ろに記入されている。

    因縁の「スペードのエース」はちゃんと機首にある。
INDEXへ戻る 写真はすべてKiev 19 + Mir-24Nによる

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