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重い空気が辺りを包む・・・・・闇に染まった部屋には、月明かりがぼんやりと差し込む・・・・・ 二人は、微動もしなかった。ほんの一瞬・・・・ほんの一瞬の隙で勝負は決まる。 お互い、それを知っている。だから、隙を待つ。ジェフティンの手には、 しっかりと、己のモンスター・ピスロムが握り締められていた。長い静粛が続く・・・・・・ ギッッ ほんの一瞬に、敵の傍らには「ルイーズ」が召喚され、ジェフティンもすかさず ピスロムから1枚のカードを放つ!しかし、盾と立ち憚る者はなかった。 「死ね、小僧!!!!」 ビッ・・・・・・・小さな音が響き、ルイーズは粉々の粒子になっていた。 「速攻攻撃・『カオス・サイクロン』」 微風を起こし、ベットのシーツが靡く。そこには、黒い鎧を纏う少年がいた。 『命までは取らん。とっとと失せろ、雑魚』 鬼のような形相で、その刃を敵に突きつける漆黒の少年。敵はガタガタと震え、 足早に敗走していった。また、静粛が訪れる・・・・・・・ 「久しぶりだな、エデン。又、腕を上げたのか?」 『当たり前だ。俺も混沌(カオス)の血を継ぐのならば、日々、精進さねばならん』 少年の名はエデン。モンスターとしての正式な名称は『カオス・パラディン』あの伝説の 剣闘士・『カオス・ソルジャー』の血を継いだとされる混沌の伝説の戦士一族 (レジェンド・オブ・カオスファイターズ)の末裔である。彼は、ジェフティンの主力 モンスターの一人であり、ジェフティンの良き親友でもある。 「ありがとうな、エデン。又、力を貸してくれ。」 『もちろんだ』 殺気に満ちた目に、穏やかな感情がこもり、口に元には微かな笑みが浮かぶ。 「召喚獣・収集!!」 少年は、空でカードの姿になり、モンスター・ピスロムに吸い込まれていった。 夜は明ける・・・・・まだ霜が降りている、冬の朝。ジェフティンとクリスは、 エレクトロンに乗り込み、別なる大陸へと足を運ぶ・・・・・・ 静かな車内。カートを引いた若い女性が、客にビールを手渡す。不意にジェフティンが口を開いた。 「クリス、起きてるかい?」 「ああ・・・・・」 「もう気付いているよな?」 「もちろんだ・・・・・・囲まれているな・・・・」 「多分、Aランクのデュエリストが4,5人ってとこかな?気配に、全く気付かなかった。」 「Aランクとなると厄介だな・・・・しかし、ここまで俺たちの行動が読まれているとは・・・」 一般人には全く分からないと思うが、今奴らからは、まさに殺気が溢れ出し始めていた。 これはまずい 直感的、本能ともいわれるもので人間は危険を察知する。今、二人はまさにそれを察知している。恐ろしいまでの 危険を・・・・・ 「いくらなんでも、こんな民間人を巻き込むような真似はしないはずだ。少なくとも、この中にいる間は安全だが・・・・」 「・・・・・・・・・・仕方ないな、ジェフティン、『ヘヴン遺跡』を通るぞ」 「ヘヴン遺跡を!?」 ハッと、今自分の置かれている状況を思い出し声を潜め、言葉を続ける。 「で、でもさあヘヴン遺跡っていったら危険遺跡の一つに入るガーディアン守護神殿じゃないか。俺はまだCランク なんだぞ?」 「大丈夫、Bランクの俺がついてるんだ。それに、あの遺跡はかなり複雑になっている、迷路だ。奴らも追っては来ないさ。」 「でも、次の駅に降りるときには遺跡は、1qは通り過ぎてるじゃないか。どうするんだい?」 「そこがポイントだ。まず、俺がトイレに行って窓を開閉できるよう細工する。恐らく、見張りに一人ぐらい 付いてくるだろうが、トイレの中で何をしているのかまでは分からないだろう。次に、『幻影の妖精』にお前以外の 人間の目には俺の姿しか見えないようにする。そして、俺に化けた妖精と交代にトイレに来て一緒に脱出。妖精は 召喚獣・収集でピリオムの中に戻るっとまあ、こんな感じだ。脱出するのは遺跡が見え始める、長いトンネルを抜ける直前だ。一応、乗り逃げってことになっちまうがな・・・・(^^;」 「OK、脱出のときの衝撃はどうやって抑える?」 「大丈夫、あのトンネルの出口は遺跡が近し半円の形をしているから磁気が溜まりやすい。このエレクトロンは 空気中の電磁エネルギーを原料に動いているから、スピードが数秒、かなり落ちるはずだ。」 「分かった。」 二人の決死の脱出計画、行き着く先はヘヴン遺跡。この時、歴史の歯車は噛み合い、回りだした。ヘヴン遺跡・・・・かつて、神の忠実な家臣といわれその強大なパワーに人は恐れ慄いた・・・・ 青眼の三頭龍、門(ゲート)の守護者 彼らが眠る悪夢の遺跡・・・・・ |
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