「ホントにいいの?」貴方をオレが抱けるとは思ってなかったから。無言で腕の中にいてくれて…嬉しい。
「…いいんだ」すごく嬉しい。
「じゃ…失礼します、と」ソルをベッドに横たえる。人を抱くのを初めてじゃない、そりゃ男を…は初めてだけど、だけど。この人は丁寧に扱わなきゃと…思ってる。それが逆にぎこちない動きになってしまって。
キスして手で触れて…大切にしたかった。オレが貴方を大切にしてるとわかって欲しかった。のに。
「んな事いい…。とっととヤれ」
そんな……色気もなんも雰囲気とかさぁ…ないん。でも言うとおりにしなきゃこの人はすぐいなくなるんだよね。
「…ん。はい。」でわ…準備を。気持ち良くしたいから。
「慣らさなくていいから、ぶち込め」
…だ〜か〜らぁ〜〜
「俺を抱くなら蹂躙しろ」
………さすがに頭も体も冷えたよ、ダンナ。
体が離れた事に不審がる貴方。もうオレに抱かせてやろうなんて思わなくなってもいいから…言わせて。
「…今まで寝た奴ってさ…ダンナのその言う事、利いたの?……利いたんだよ…ね」
「………」
「オレはさ…。ま、結局ヤる事は同じっていうかだけどさ…。違うから。つーかダンナのお願いでもさそれは利けない、利かないよ!うん!!」…黙って聞いてるけど、なんか信用というか…言う事だけは…って顔だね。うん、オレもそんな奇麗事信じられない。でも…伝えたいよ。少しでもいから貴方に伝わったらいいな。今更だけど、その!ダンナの言う事利いた奴らむかつくよ!
「ダンナは何でオレに抱かれてやろうと思ったの?」
「オレはさ、ダンナが好きだからさ。ダンナを気持ち良くして、オレも気持ち良くっ!て……」あ、結局ヤりたいんだろって顔。
「オレは貴方を大切に思ってるって貴方にわかってほしいよ」
「だから今の貴方は抱けない。」
「…次はなくてもいいよ。抱けなくても………やだけど。抱きたいですけど」
「ダンナがさ、そんな自分を痛めつけるんじゃなくて、気持ち良くなりたいんだったら、オレに…オレにしてほしいけど、抱かれてよ…」
「オレは何時でも何所でもOKだから!!ダンナがおねだりしてくれたらもうっっ!!!」
殴られると思いましたけど。殴られませんでした。
聞かないで出て行くとも思ったけど、聞いてくれてた。
ドアをすごい叩きつけて出て行くと思ったけど…静かに。静かに出て行った。閉まる音もしないくらい。
オレに抱かれなくても…やだけど、いいから、…自分を傷つけないんなら…いいよ。そんな風に思ってくれて、オレにしてほしいなら、オレほんとに、絶対、大切に…丁寧に。
オレが思っていたより、貴方は脆いから。自分の傷を自分で別の傷をつける事で誤魔化してるから。でもそれを……貴方自身は気づいてる?気づいたら壊れてしまう?
じゃあ気づかないで。
せめて自分を傷つけないで。
貴方は大切に丁寧に扱わなきゃ。オレはそう思ってる。
大切だから。
だから今は…抱けないよ。◆◆◆