茶柱物語  第1部


〜第1章 旅立ち〜

 ここはある平和な世界の一つの村。まわりは緑にかこまれて、不思議な家に不思議な生き物が住んでいる。平和すぎてつまらないほど平和が何百年も続いた。
 しかし、ある日のこと、空が突然暗くなり、魔物が出現するようになった。人々はこれに怯えた。そして、黒い影が出現、その名はダーク定次郎。この世界を支配しようとしているのであった。
 さて、この村の名は茶柱村。平和な村であったが支配されてしまった。そこに住む若者、マルチャとゲンマイはどうにかしようと考えた。そして、
「ダーク定さ(ダーク定次郎のあだ名)を倒す旅に出よう!」
と決意したのだった。そこで、村の長老、カクゾーの家に行くと、
「これを持っていきなさい。」
と、長細い棒をもらった。
「これは茶柱ソードという武器だ。役に立つだろうから持っていきなさい。」
 茶柱ソードを手に入れマルチャとゲンマイの旅は始まったのだった。
 しばらく歩いていくと、最初のダンジョン、茶柱の洞窟が近づいてきた。中に入っていくととても暗く、なかなか前に進むことができない。そして、3時間後‥‥
「お前たち、ここはとおさないぞ。」
 洞窟の主、フェクト・ハープが現れた。足が2本で目が1つの恐ろしい化け物である。
「いくぞ、ゲンマイ!」
 マルチャとゲンマイはフェクト・ハープの弱点である目を攻撃、何とか倒すことができた。そして出口が見えてきた。洞窟を抜けると次の村、アップルティー村が見えてきた。


〜第2章 恐怖のリンゴ〜

 マルチャとゲンマイはアップルティー村にたどり着いた。アップルティー村は茶柱村より少し大きく、奥に大きなリンゴ畑がある。2人はとりあえず休むことにした。そこへ、
「た、旅のお方、こ、この村を救ってくだされ。」
と、何十人もの人が2人に近寄ってきた。聞くと奥のリンゴ畑には魔物、デス・アップルがいるという。
「よし、そういうことならそいつを倒しましょう。」
 そういうわけで奥のリンゴ畑に向かった2人。しばらく歩いていくと何やら棒のようなものが現れた。
「待てぃ、ここの道は通せないな。」
 よく見てみると手足が生えていて、顔もある棒だった。そいつはいきなりこっちに突撃してきた。
「そっちがその気なら戦ってやる。」
 マルチャは茶柱ソードを振り下ろした。すると見事にその棒に当たった。
「いててて、もっと手加減してくれよ。」
 弱すぎるそいつを2人は呆然と見つめていると、
「オレの名はテリヤー、この村の救世主だ!」
 話を聞いてみると、村の人たちのためにデス・アップルを倒しにいったという。しかしボコボコにやられ、手下になったという。
「あんたは強ェ!仲間にしてくれェ!」
 テリヤーを仲間に加えた一行は、デス・アップルのいるリンゴ畑へと向かったのであった。
5時間後、長い一本道の先にリンゴ畑が見えてきた。一行はもうクタクタである。畑に着くとすぐ、
「おっ、あそこにリンゴがあるぞ。」
 テリヤーがリンゴを1つむしって食べた。すると、
「く、苦しい‥‥。」
 なんと、それは毒リンゴだったのだ。そして、
「リンゴ畑を荒らすヤツは誰だぁ!!」
 奥から巨大なリンゴの魔導士、デス・アップルが現れた。
「そいつを助けたければ、この私を倒してみろ!」
 デス・アップルは杖をゲンマイにつきつける。
「くらえ、リンゴ魔法メテオ・アップル!」
とその瞬間、巨大な炎のリンゴがいくつも降ってきた。そのいくつかがゲンマイに当たり、重傷を負ってしまった。
「大丈夫か、ゲンマイ!ゆ、許さないぞ!」
「貴様もくらえ、リンゴ魔法フレア・アップル!」
 デス・アップルの杖から爆弾リンゴが飛び出した。
「負けるかぁ!!」
 マルチャは茶柱ソードで爆弾リンゴを打ち返そうとする。
「行っけぇぇ!」
 カキーン!マルチャはついに爆弾リンゴを打ち返す!
「な、何ぃぃぃぃ!」
 リンゴはデス・アップルに直撃し爆発!こっぱみじんに砕け散った。
「や、やったぞー!ゲンマイ、テリヤー、大丈夫か?」
 テリヤーは元に戻ったがゲンマイはかなりの傷を負っていた。大急ぎでゲンマイをかつぎ走るマルチャたちであった。
 翌日、ゲンマイは回復し元気になった。
「ほ、本当にありがとうございました。」
「いえいえ、では、またどこかで。」
 村の人たちに感謝されマルチャたちは次の村へと旅立った。


〜第3章 大魔導士との対決〜

 アップルティー村を旅立った一行は、次の村、ウーロン茶村へと旅立つ。しばらく歩くと、道におじいさんが倒れていた。
「あ、そこのお方、ちょっと助けて下さらんか?」
 見るとボロボロのローブ、今にも折れそうな杖のよぼよぼのおじいさんであった。一行はおじいさんをウーロン茶村まで連れて行くことにした。
「ありがとう、お若いの。」
 そしてしばらく歩くと、ウーロン茶村が見えてきた。
 ウーロン茶村は魔法の盛んな村で、村の奥には巨大な洞窟がある。噂によると、そこには大魔導士ウーロンが住んでいるらしい。
「あんたたち、悪いことは言わんから、あそこへ行くのはやめなさい。」
 突然、4本足の奇妙な生物が話しかけてきた。
「私の名はヘチョノ。偉大なる騎士、チャバランの馬である。チャバランもウーロンに挑戦しに行ったのだが、未だに戻ってこない。もう3日になる。あんたたちも戻ってこれないかもしれないぞ。」
 しかし、ダーク定さを倒すため、旅をしているマルチャたちは、こんなところで退くわけにはいかない。
「いや、オレたちは行くぜ。」
「心配だから、私もついていこう。」
 へチョノを仲間にし、一行は奥の洞窟へ入っていった。
 洞窟の中は暗く、なかなか前に進めない。
「兄貴!ここにスイッチがありやすぜ。」
 テリヤーが何かのスイッチを見つけた。点けてみる洞窟全体が明かりに照らされた。
「な、何だこれは!?」
 明かりの奥に一軒の家が現れた。そして、家の前で誰かが掃除をしている。
「あ、チャバラン!」
「おお、ヘチョノ!よくぞここへ来た!」
 腰に茶柱ソードを差し、鎧を着た騎士がいた。
「あ、あんた、ここで何してるんだ?」
「おお、あなた方がヘチョノを連れてきてくれたんですね。私はチャバラン。通りすがりの騎士ですが、ウーロンに挑戦しようとしたら、軽く倒されちゃったんですなぁ。そこでウーロン殿にいろいろ頼まれまして‥‥。」
「チ、チャバラン、情けない‥‥。」
「おや、何の騒ぎかな?」
 家からはなんと、村に来る途中で助けたおじいさんが出てきた。
「あ、ウーロン様、こちらは私のお友達でして‥‥。」
「おや、さっきの若者じゃないか。いやぁ、また会いましたなぁ。」
「ウ、ウーロン、オレたち、あんたに挑戦しに来たんだぜ!」
「ほう、君たちが?」
「や、やめときなさい、君!ウーロン様には敵わないよ!」
「いや、いい。チャバラン、この若者が勝ったらお前を解放してやってもよいぞ?」
「え、本当ですか?よし、頑張れ少年!」
「よし、場所を変えよう。奥へ来なさい。」
 奥に進み、一行はウーロンと戦うこととなった。
「いくぞ!マジック・ウーロン・ファイア!」
 ウーロンの杖から火が放たれた。マルチャはすぐ避ける。
「避けてばかりではいかんぞ!」
 次々と来る火の玉に、マルチャたちは避けるしかない。
「く、くっそー!」
 そのとき、マルチャとゲンマイの茶柱ソードが光り、大きくなった。
「な、何だこれは!?」
 巨大茶柱ソードは、ウーロンのマジック・ファイアを打ち返す!
「ほう、なかなかやるな!よし、これはどうだ?マジック・ウーロン・アルテマ・リトル!!」
 ウーロンの杖から魔法アルテマ・リトルが飛び出し、マルチャたちに直撃! 「うわぁぁぁぁ!!」
マルチャたちはふっとび、倒れこんでしまった。


〜第4章 試練の道〜

 ウーロンの魔法でふっ飛ばされたマルチャたち。もう動く気力もなくなってしまった。
「つ、強い‥‥。」
 マルチャたちは心の中でもっと強くなりたいと願った。そこへウーロンが、 「若者よ、お前はもっと強くなる。いつかダーク定さを倒すことができるぞ!
よし、お前たちは『試練の道』に行くがいい。そしてこのわしを倒してみろ!」
 強くなれるのなら、行ってみたいと思うマルチャたちであった。
「チャバラン、お前はもうどこへ行ってもよいぞ。」
「ええ!?ほ、本当ですか!?や、やったぞー!よし少年、君たちだけじゃ心配だから私もついていこう。」
「え、別にいいけど‥‥。」
 チャバランを仲間に加え、旅を続けるマルチャたちであった。
 ウーロン茶村を出たが、『試練の道』など聞いたこともない一行は、どうすればいいか悩んでいた。
「『試練の道』ってどこにあるんだろう?」
「私は聞いたことがあるぞ。ウーロン茶村の近くに小さな山があるらしいんだが、その頂上が入り口らしいぞ。」
 チャバランの言う通り、地図にはウーロン茶村の近くに『ゾノカナ山』と書いてある。
「よし、そこに行こう。」
 ゾノカナ山までは地図によると近いので、楽勝だと思っていた一行だったが、坂道やうねりのひどい道など、進むのが大変である。
「仕方がない、行こう。」
 坂道は非常にきつい登り坂で、なかなか前に進めない。登っていくとどんどん傾斜がきつくなるばかりで、まだ3分の1くらいしか登っていないのにばててしまった。
「も、もう歩けん。」
 それでも歩き、歩き続けて3日後、遂に登り坂エリアは終了した。
「や、やっと終わったー!」
と思いきや、次のエリア、くねくね道が待っていた。
「こ、これは危険だな。」
 くねくね道はかなり曲がっている道で、しかも足場が狭いので、とても渡りにくい。
「た、助けてぇー!」
 ゲンマイが足をすべらせ落ちそうになった。歩いて、歩き続けて3日後、遂にくねくね道エリアが終了した。
「な、何だこりゃ!?」
 終わったのもつかの間、次のエリア、落石道が待ちかまえていた。
「こんなのに当たったらひとたまりもないぞ。」
 半径1メートルほどの岩が上から山ほど降ってくる。
「こ、こんなの通れるワケないぞ!」
 それでも進まなければならないマルチャたちは、なんとか落石を避けながら進む。途中、チャバランが何回も当たり、カブトがへこんでしまった。
「わ、私は大丈夫だから、みな先に進みなさい。」
と言っているうちに、ガツーン!
「い、いってー!!」
 チャバランの頭もへこんでしまった。
 避けて、避け続けて3日後、遂に落石エリアは終了。
「や、やっと着いたぞ。でもこんなにでかかったかなあ?」
 とにかく山に着いたので夢中で走っていく一行は、小さな扉を見つけた。
「ん、何の扉かな?」
 扉を開けてみるとそこには‥‥


〜第5章 第2の試練〜

 ゾノカナ山の前の扉を開けると‥‥
「パンパカパーン!おめでとうございます。あなたは試練の道第1ステージをクリアいたしました。わたくし第2ステージを案内させていただくヤカタコンと申します。」
 頭がヤカンで足がタコの変な生物が中から出てきた。
「で、なんなの、その第2ステージって?」
「第2ステージは格闘家のミスター・パンチョと対戦してもらいます。ではこちらへどうぞ。」
 ヤカタコンに訳の分からぬままついていくと、ゾノカナ山入り口までたどりついた。山は近くで見るとかなりでかくなっていた。
「ねえ、試練の道ってどこまで続くの?」
「はい、第2ステージが終わりますと主の部屋、賢者ゾノカナ様のところまでご案内させていただきます。」
「け、賢者ゾノカナだって!?」
「チャバラン、知ってるの?」
「ひぃぃぃぃ、助けてぇー!!」
 ヤカタコンが悲鳴をあげる。魔物、デスバードが現れたのだ!
「お前たちを食ってやるぅ!」
「く、戦うしかないか‥‥。」
とその時、大きな手のひらがデスバードたちを張り手でやっつけたのだ。
「ぐがが、おのれぇ、パンチョ‥‥。」
「ヤカタコン、大丈夫か?」
 現れたのは大きな握り拳の形の体をしたパンチョであった。手には茶柱ソードが握られている。
「おお、ミスター・パンチョ!このご恩は一生忘れません。今、あなたのところに行こうとしてたんですよ。」
「ほお、君たちが挑戦者か。久しぶりに戦えるなぁ。」
「それでは、ここで対戦しましょう。」
 ゾノカナ山の岩場道で対戦することとなった。
「いくぞ、パンチョ必殺、テクニカル・パンチだ!」
 パンチョの体がグーに変形し、すごいスピードで突撃してくる!
「ならばこちらも!合体茶柱ソード!」
 マルチャ、ゲンマイ、チャバランの茶柱ソードが合体し、巨大茶柱ソードとなった。
「いくぜ!茶柱ギロチン!」
 茶柱ソードを思い切り振りおろす3人。ズドーン!見事パンチョに直撃!
「ぐぁぁ!くっ、なかなかやるな!よし、これならどうだ!パンチョ必殺、シールドハンド!」
 パンチョの体がパーに変形し、その場から動かなくなった。
「もう1回くらわせてやるぜ。」
 もう1度茶柱ギロチンをくらわせようとした。しかし、
「パシッ!!どうだ、そんなものは効かないぜ!!」
 パンチョが5本の指で茶柱ソードを受け止める。
「ハッハッハッ、次はこっちからいくぞ!パンチョ必殺、グレート・シザーズ!!」
 パンチョの体がチョキに変形し、突進して茶柱ソードにつかみかかる!
「どうだぁ!このグレート・シザーズはどんなものでもスパスパ切れるのだぁ!この剣もまっ二つに切ってやるぜ!」
 パンチョはグレート・シザーズで茶柱ソードを切ろうとした。しかし切れる様子はない。
「あ、あれ、おかしいな。こんなハズは‥‥。」
「今だ、必殺茶柱スマッシュ!」
 3人は茶柱ソードをパンチョごと岩にぶつけた!
「ぐ、ぐぁぁぁ。」
 パンチョに大ダメージを与え、マルチャたちは大勝利をおさめた。
「す、すごい、ミスター・パンチョを倒すとは。あなたたちには主の部屋に案内しましょう。」
「いや、その必要はないぞ。」  山奥から1人の老人が出てきた。ウーロンの数倍の体を持ち、杖も長く、にらみつける眼は鋭い。
「ゾ、ゾノカナ様‥‥。」
「あ、あいつは賢者ゾノカナ!ウーロンのライバルで、世界を滅ぼす力を持っているという、あの!」
 ゾノカナはゆっくりとこちらに近づいてきた。


第1部 終わり