RAIN THEN CREAR
第2章 浅葱色の島
プロローグ(前半)
高校生として最後の夏休みを1週間後に控えていた日、私はいつも通り坂を上って登校していまし
私は読書が大好きなので歩き読みをしていました。心地よい朝日の中でする読書はいいもので、しかもベルまで20分以上もあるのでゆっくり歩いても十分間に合います。そういうわけで私は前を見ず歩いていたんだけど・・・
ドンッ!!
詩音 「きゃあ!」
私はどうも不注意だったようで、人にぶつかってしまいました。ぶつかったときに感じた体型から恐らく男性であることは間違い無いんだけど・・・・・
詩音 「す、すいません」
??? 「おい、大丈夫か、双海?」
あれ、この声・・・・・
もしや、その声は・・・・・・・私は恐る恐る相手を見てみると・・・
詩音 「こ、神津先生!!す、すいませんでした!!私、本を読みながら歩いていて・・・・その・・・」
心臓が激しく鼓動するのが自分でも分かります。わ、私、神津先生にぶつかってしまったの・・・・・
え・・・とちなみに彼は澄空学園で国語を教えていらっしゃる神津響介教諭(25歳)です。
響介 「双海、気をつけるんだぞ、開巻有益と言うが、時と場所を考えて読書に臨まなければ己を傷つけてしまうからな・・・・・・ま、怪我が無くて何よりだ」
彼の特徴として、国語をおしえているからか、よく会話の中に格言などが入ったりすることが上げられます。また学校内では男女問わず人気が高く、その理由として優しいがあげられます。ただ優しいだけではただの優柔不断にきこえるから、言い換えれば思いやりがあるということでしょう。
何で私がこんなことを知っているかというと、私は彼に恋をしてしまっているのです・・・・
響介 「これからは気をつけるようにするんだよ。それじゃあ」
そう言うと先生は背筋をピンと伸ばして職員玄関から学校内に姿を消していってしまわれました
・・・・でも・・・・・彼は近いけど・・遠い
そもそも私は彼の教えを受けているものであるし、彼は教師
そんなの許されるはずが無い・・・・・・
そう・・・・近くて・・・・・遠い想い人・・・・・
まさか双海とぶつかるなんて・・・思わなかった
全くもって不注意だ!
俺は自分を戒めてから職員室のドアを開けた
確か今日は3年が現代文の漢字テストだったな・・・・
後、1時限は2年C組で現代文、2限は3年A組で漢文、1時間休みで4時限で3年B組で古文。5限は3年D組の古文・・・・・で、2年C組の授業は確か第3段の・・・・・まで行っていたから・・・・・・・・・
猿渡 「神津先生、おはようございます」
響介 「あ、猿渡先生、どうもおはようございます」
で、ここがこうなって・・・だからして・・・・
猿渡 「実は大河先生の実家で不幸があったそうで・・・できればしばらく神津先生に3年B組の担任をしてもらいたいんだが」
響介 「担任ですか?しかし僕は・・・・」
猿渡 「分かってるさ・・・だからこそ君に一度、担任をしてもらいたいと思ってね」
響介 「・・・・・分かりました引き受けましょう」
まあ、それ以外の選択は無いだろうが・・・・
もしかしたらこれが最初で最後の担任になるかもしれないしな・・・・・
3年B組の前に俺は立っていた
確かこのクラスは三上と今坂がいたな・・・・学園内でも1、2を争うバカカップル・・・・
てことはどうせ夫婦漫才やってるんだろうな・・・・・
まあ、若いって証拠か・・・・・って俺がまるで年寄りみたいな言い方だな、それ
あ、あと・・・・ここには双海もいたか・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、それはいけないんだ
彼女は俺の教え子・・・・そんな感情は捨てないと
でも・・・何故なんだろ・・・・・・
何で双海に・・・・・・・いや、そんな考えはいけない俺は・・・・・・・・なんだから・・・・・
唯笑 「と、いうわけで・・・・これより詩音ちゃんの恋を手伝おう作戦会議をはじめます!!」
詩音 「あの・・・・今坂さん・・私は・・・その・・・」
ここは放課後のバーガーワック。私は今坂さんに連行されて今ここで会議をしています。
そもそも今朝、臨時の担任として神津先生が教室に入ってきたとたん顔が真っ赤になってしまい保健室に逃走・・・そしてその後今坂さんと音羽さんに理由を聞かれて白状したところこうなってしまったのですが・・・・・・
みなも 「駄目ですよ双海さん!好きなら好きですって言わないときっと後悔しますよ!」
かおる 「そうそう、私達も応援するからさ」
さやか 「で、やっぱり攻略には相手の情報が必要だよね。私とととちゃんで神津先生に関する情報集めといたよ」
巴 「ま、この位楽勝だけどね」
私はすばらしい友人を持ったのかもしれない・・・・・
別に頼んでも無いのにここまでしてくれる人達・・・・
そう・・・彼女達の言う通り頑張って告白してみよう。後で告白しなかった後悔するよりも挑戦してみたほうがどんな結果になっても後悔はないだろうし・・・
巴 「と、いうことで神津先生に関する情報、公開ーーーーーーー!!・・・・しおにゃん、いいよね?」
詩音 「はい、私も是非知りたいです」
巴 「OK!じゃあ言うよ」
ととさんはレポートの束を見ている
巴 「神津響介、30歳、誕生日は12月30日、身長は176cm、体重は66kg、血液型はO型
経歴は・・・・・・澄空学園を卒業後、藤川大学の国文学科に入学、その後国語教師として澄空に帰ってきて現在に至る」
唯笑 「藤川大学って超難関の大学だよね、頭よかったんだ」
さやか 「そうみたいね、調べててびっくりしちゃったよ」
詩音 「あの・・・交友関係なんかはわかりますか?」
さやか 「もちろん!!どうも今のところ付き合っている人はいないみたいだよ。友達は携帯をちょっと調べさせてもらったけどほとんど登録されていなかったよ、ほとんどが学校の先生で、残りは本屋さんとかそんな感じ・・・」
かおる 「さやかちゃん・・・・よくそんなの調べれたね」
確かに携帯の履歴を見せてくれといって見せてくれる人はそういない気がしますが・・・じゃあどうやって・・・?
さやか 「弘明に協力してもらったの、あいつに廊下の窓から落ちかけてもらって、それを先生が助けている間に調べたの」
なんか無茶区茶してるような・・・・
さやか 「あの先生、携帯を携帯してないみたいでいつも机の上に置いてあるのよね・・・」
巴 「あと趣味とかも知りたい?」
詩音 「是非!」
巴 「お、やる気満万だね!趣味は読書と議論。好きな食べ物はバナ納豆パン」
唯笑 「あ、唯笑と同じだ♪」
変わったものが好きみたいですね・・・・・私は食べたこと無いけどすごく危険な食べ物だと聞いていますが・・・・・この前みたらしだんごパンというのを食べたときはそこそこいけたのですが・・・・
巴 「・・・・・・・で、好きな紅茶は・・・」
詩音 「紅茶を飲まれるのですか?」
巴 「そうみたい・・・・これが一番意外だったかな。あの先生、緑茶とか好きそうだし・・・・」
みなも 「部活に来ているときは大抵煎茶を飲んでますけど・・・」
詩音 「ああ・・・そう言えば伊吹さんは神津先生が顧問をなされている美術部に所属されていましたね・・」
みなも 「そうですよ」
巴 「で、好きな紅茶はダージリンだってさ」
成るほど・・・・確かに意外です。あの先生は和の雰囲気が体から溢れ出しているのですが、紅茶を飲まれるとは思いませんでした
唯笑 「これは攻略ポイントだね、詩音ちゃん」
詩音 「はい!そうですね。紅茶を飲まれるということがわかればこっちのものです!!」
かおる 「あ・・・・でも油断は禁物よ」
詩音 「禁物・・・?それはどのような食べ物でしょうか?」
唯笑 「???????」
かおる 「???????」
みなも 「??????」
巴 「しおにゃんが言ってるのって・・・・もしかして、もつ鍋なんかのもつの事?」
詩音 「ええ・・以前父からもつ鍋という料理について聞きましたので・・・」
鷹乃 「・・・・・全部で8900円です・・9000円からお預かりします。100円のおつりです」
店員と思われる少女が紙袋に入れた本を渡してきた。相変わらず敵意を持った目で見てくるな・・・まぁ興味ないが・・・・
俺はさっさと櫻書店から出ていった。店番をしているのがここの主人だったら何か話でもできるのだが・・・・・まあ、こんな日もあるか・・・・
響介 「しかし・・・・・双海の珍解答には笑わせてもらったな」
先日の期末テスト、3年B組の現代文の答えあわせを昼休みにしていて双海の解答をみて思わず噴出してしまった
問4 「おりから」という言葉を使って短文を作りなさい
解答 「おりから象が逃げた」
ちなみにこんな解答をしたのは学年で双海だけだった。しっかりしているようでどこか抜けているな・・・
さて・・・・・今日の晩飯は・・・・ご飯と味噌汁・・・・・あと漬物があれば十分だな・・・・あと味噌汁に大根でも入れるか・・・・よし!大根買って帰るか・・・・・・
俺はスーパー目指して歩き出した。セミの鳴き声が聞こえる。
響介 「もうすっかり夏だなぁ・・・・」
〜後書き〜
プロローグ長ッ!!
とりあえずこの話では神津先生がどんな人かイメージしていただければ結構です
あと、詩音の口調に関しては多少の誤幣があるかもしれません
さあ、あなたはこの先、響介ワールドに引きずり込まれるでしょう
プロローグ(後半)をお楽しみに!!