砂漠色の悪夢




―――彼は独りだった

流れる砂のマントを翻し。

―――彼は孤独だった

白いドレスを身にまとう少女と共に歩き出す。

―――だから、彼は恐れた






『再び仲間を失い、孤独になることに』


「るりくん?」
真珠姫がきょとんとした目でこちらを見つめる。
「どうかしたの?何だかボーッとしてたわよ。」
「あ、いや。ちょっと考え事をしてただけだ。」
頬に笑みを浮かべ、彼女を安心させる。

次なる街、断崖の町ガトを目指し、現在リュオン街道を移動中。枯れた木々に見つめられながら、草も生えぬ枯れた地の道を歩いていく。
よくぞこんなにも荒れたものだ、と心の中で感心する。

そして、ふと。
此処と似たような景色を見たことがある、と思った。

立ち止まり、果てのない荒野の地平線を見つめる。
あれは何年前だったか。たった独りで迷い彷徨った、あの砂漠と似ていた。

思い出すだけで背筋が震える、あの景色と…。

何も無くて。無さ過ぎて。
生き物なんか全然居なくて。
歩いても歩いても、同じ景色ばかりで。

”殺風景”

地平線の果てまで地獄のように砂漠が広がっていた。
そして拷問みたいに赤く暑い太陽に照らされて…



怖かった。
怖かった。
怖かった。


このまま独り死んで行くのだろうか。


いや、むしろその方が楽なのではないだろうか。



けれど、孤独に死ぬなんて嫌だ…



俺は生まれてから、死ぬまで、孤独な運命なのか…?



そして、砂漠でドサッと倒れた。
もう、頬や体に触れる砂漠の砂が熱いとかそういうことはどうでも良かった。立ち上がろうとしても、歩き疲れた足は言うことを聞かないし、立ち上がったところで助かる術があるとは思えない。



その時、そっと俺に手を差し伸べてくれたのは―――。


「るりくん!」
「……えっ?」
急いで我に返る。
「今日はどうしたの?何度も呼んでもボーッとしてるし…。」
真珠姫が顔をしかめる。ああ、こういう表情をするとは、本当に心配してくれたんだな。
「すまん。何でもない。さあ、行こうか。」
再び歩き出す二人。そしてさりげなく、真珠姫のか細いをつなぐ。
「え?るりくん、手…。」
突然のことに驚き、きょとんとした顔をこちらに向ける。
「いいじゃないか、たまには。今はしばらくこうしていたいんだ。」
青空の下。優しい笑みを浮かべて。






昔のことなんて気にしなくていい。

今はただ、

仲間と共に過ごせれば、

この幸せなひと時を、

精一杯過ごせれば、


孤独への恐れも、いつかの砂漠での悪夢も、

ほんのひと時だけでも

忘れることができるから―――。



+コメント+
サイトでは初小説です。まあ謎多くしてよく分からぬ作品に仕上がってしまいましたが;;;瑠璃が真珠姫の存在の大切さを改めて感じる、そんな旅路です。



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