「海へ!!」
第4話
「D-Rが行く!!」

 
 ドーラ、がんばっちゃいます♪

 ドーラの朝は、『お嬢様』を起こすことから始まります。
 希代のネボスケの『お嬢様』は、ときどきドーラが起こしても起きなくて、お姉様に怒られてしまいます。
 そんな時は自分も怒られているようでちょっぴり恐いです。
 そして今朝もまた、ドーラは『お嬢様』を起こしにいきます。

 今日は『大事な用があるからちゃんと起こしてね』とお嬢様に言われていたので、少し乱暴に起こしてみます。
 かけ布団をはぎとって、ドーラはお嬢様に言いました。
「ほら、お嬢様、起きてください」
 お嬢様はうーん、もうちょとらけぇ、と言って枕を抱え込んでまた寝ようとしています。
 ドーラは昨日お嬢様に言われたことをもう一度言いました。
「今日はイーノさんと打ち合わせの約束をしていたんじゃないんですか?
 イーノさん、時間にはうるさいからって言ってたのお嬢様ですよ」
 ドーラの言葉に、お嬢様は過敏に反応すると、ガバっと立ち上がって時計を確認します。
 あー、もうこんな時間、なんでドーラちゃんと起こしてくんないの、とお嬢様は文句を言いながら着替えにかかります。
「お言葉ですがお嬢様、私は約束の時間から五分おきに4回おこしにきました」
 最初の3回は普通に起こそうとしてましたケド。
 起きなきゃちゃんと起こしたことになんないじゃない、と言ってお嬢様はお部屋を出ていきました。
「行ってらっしゃいませ〜♪」
 はたはたと手を振って、ドーラはお嬢様を見送りました。

 お嬢様のお部屋を片付けて、洗濯を終えると、ドーラは町に出ました。
 今日はお嬢様に頼まれたお買い物をするのです。
 お嬢様は、学術調査のためにラグオルの海へ行くそうです。ドーラも、荷物持ち兼お料理当番として付いていくことになりました。
 そこで、お嬢様は必要になりそうな物を適当にそろえといて、とドーラにクレジットカードを渡しました。
 ドーラは必要そうなものを前夜にリストアップしておきました。
 そこでまずは、ドラッグストアに向かいます。
「これと、これと、これと」
 ドーラは必要なものを端末に打ち込み、レジに持っていきます。
 レジのお姉さんはそれを見てなにか不思議な顔をしていました。
 そして、レジのお姉さんが復唱します。
「モノメイト500個、ディメイト450個、トリメイト300個、
 モノフルイド400個、ディフルイド300個、トリフルイド200個、
 ムーンアトマイザー、ソルアトマイザー各350個、スターアトマイザー150個。
 以上で・・・よろしいでしょうか・・・?」
「はい、間違いありません☆」
 お姉さんは、薬を大きなコンテナに入れてくれました。
 
 次に向かったのは、食料の調達です。
 ドーラは中間層のマーケットに行くと、日持ちしそうなものをかたっぱしから買いました。
 その総量、
 固形携帯食料1000食分。
 ドライフード600食分。
 調味料250種類。
 忘れちゃいけないおやつ、30000メセタ分。
 しこたま買った食料は、やっぱりコンテナに詰めて持って帰ることにしました。

 そして最後にやってきたのは、野外装備を売買するお店です。
 まずは、忘れちゃいけないジャングルブーツ。
 これがなくちゃ、密林を踏破するなんてできません。
 そして、テント。
 野外で安全に睡眠をとるには欠かせません。
 次に、万能なべ。
 このおなべ一つで、炒めものから揚げ物までなんでもござれ。
 そして最後に。
 劣悪環境対応スーツ。
『原子炉の中でも大丈夫』のキャッチコピー付きでした。
 やっぱりこれも、コンテナに入ります。

 3つのコンテナを台車に乗せて運んでいると、エルさんが話しかけてきました。
 あれ、ドーラなに運んでんの、とエルさんはききました。
「お嬢様のお使いです」
 にこやかにドーラはそう答え、お嬢様のもとへと急ぎます。
 がんばってね、とエルさんは応援してくれました。

 お屋敷につくと、お嬢様とイーノさんが待っていました。
 イーノさんはドーラの荷物を見てなんだそれ、と尋ねたので、ドーラはお嬢様に頼まれた準備です、と答えました。
 するとイーノさんは呆れたようにお前ら軍事演習でもやる気か、と言いました。
 お嬢様はこれくらいいるかもしれないじゃない、備えあれば愁いなしよ、と言いましたが、イーノさんはきっぱりはっきり邪魔だ、置いてけ、と言いました。
 お嬢様はえー、せっかく用意したのにぃー、と言っていましたが、イーノさんがお・い・て・け!!とコワい顔で言ったので、しぶしぶわかったわよぅ、と了承しました。
 お嬢様がそのあと、ドーラ、これ倉庫にお願いね、と言ったので、仕方なしにドーラはコンテナを倉庫にしまいました。
 その後、イーノさんが必要最低限のものをリストアップしてくれたのですが、その後の準備は結局夜までかかったので、出発は後日に伸びることになっちゃいました。
 わざわざ訪ねてきてくださったエルさんを追い返す羽目になったのは言うまでもありません。


「DーRが行く!!」おわり

*次回予告*

 彼は、射撃の名手だった。
 彼は、どんな離れた標的にも、銃弾を撃ち込むことができた。
 でも、こいつはちょっと勝手が違うような・・・?

 次回「海へ!!」
 第5話「Foxと鳥」

 狙うは一石二鳥、ってか。

目次に戻る/長屋に帰る/続きを読む