アシンメトリー
気が付けばどこかの宿だった。今までなにがあったのだろうかと俺は
見慣れない天井を見ながら溜息をひとつ吐いた。
(そっか。生きているんだ…)
それは妙に実感がなく、あの時は最後をルルノイエとともにする覚悟だったし。
それなのにこうして自分だけがのうのうと生きていた。
誰が助けたかも分からないし、誰が助かっているのかどうなっているのかも解る由もない。
隣に目をやると見知った同僚が寝息を立てている。 「あんたも無事だったんだな」
不思議な安堵感だった。
相変わらず、白い顔で寝てるのか死んでるのかわからない同僚、クルガンを見る。
俺等はまだ終わっちゃいねぇ?
誰に問うでもなく、俺は自問自答を繰り返す。
その答えはきっとクルガンが目覚めたらわかるだろう。
シードはまだ痛む右腕を天井に向けてあげた。
そして何もない虚空を掴む。
じゃぁ、何を守ればいい?
守るものを失ったし、これ以上守るべきものは?
また見つけてそして失うのか?
そっか、そうやって繰り返すんだ。
「今度は失いたくねぇな」
またクルガンの方を見やる。
………おはよう。
あぁ。おはよう。いつまで寝てんだよ。
いつものように交わされる他愛もない言葉。
失わないように、大事に大事に・・・・・・。
きっと ぼくらの明日なんて
始まりも終わりもなく
そこにぼくと君がいればいい
君の涙の色はきっと
にぶいぼくには見えやしないから
そう…だから何度も 君のその手を確かめる
手に入れたのは自由じゃなく
自由のまがい物ばかり
失くしたものは いちいち憶えちゃいない
(sikao suga/アシンメトリー)
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な…なにやらとてつもなくシークル萌えです…。
改めてスガ氏のこのタイトル曲を聞くと、めっちゃシークルですやん。(萌)
生き残り編をシークルモードで書いてみましたが・・・・・・・・。
私はだいたい小説のネタは歌詞から小出ししますので、曲も聞いてくださると
イメージがわかるのではないかと思います・・・。
2002/06/16…脱稿。