Meteor 〜その後〜
「気持ち、いいな」
大地に吹き渡る風を感じながら、クラウドは言う。
「ほんとうねー。前は大変だったから、こんな風感じられなかったよねー」
クラウドの横で、伸びをしながらティファも言う。
2人は、ミッドガルを見下ろす丘にいる。
あのセフィロス・・・メテオの決戦から、もう半年経っていた。
クラウドは崩壊したミッドガルを、見るともなく見ながら、
世界のどこかにいる仲間を思い出していた。
シド。
シェラと相変わらずの生活を送りつつ、
宇宙に残したロケットのことでも考えているだろうか。
あの時は、俺達はどうなることかとも思ったけれど。
ナナキ。
ゴンガガ村で、どうしているだろうか。
おじいさん、亡くなったし。
でも、お前のことだから・・・元気だよな。
ヴィンセント。
いつも寡黙で、冷静なヤツ。
でも、またどこかで会えるよな。
ケット・シー。
ゴールドソーサーにいるんだろうか。
お前の正体を知った時は、驚いたよ。
でも、神羅の人間なのに・・・仲間でいてくれた。
ユフィ。
約束通りマテリアやったっけ?
ウータイで親父さんとは、仲良くやってるのか?
・・・お前のことだから、相変わらずかもな。
・・・バレット。
マリンと仲良く暮らしてるのはいいけどさ・・・。
この前、ティファと行った時は、さすがに引いたよ。
今度会った時は・・・アレは止めてくれよな。
「どうしたの?」
「いや・・・」
バレットのことを思い出した瞬間、クラウドは吹き出してしまった。
不思議そうなティファの声に、クラウドはどうにか笑いをこらえる。
「・・・この前、バレットに会っただろ?」
「あ。あの・・・アレ、ね・・・」
クラウドの笑みに、ティファも苦笑いした。
「バレットが、あんなことするヤツだとは、思わなかった」
「ほんとほんと。私も初めて見ちゃったわ。あんなの」
クラウドとティファが、久々にバレットに会いに行った時、
バレットは、すっかり主婦業をこなしていたのだ。
そこまではいい。いいのだが・・・・・・想像してほしい。
彼らが、ドアを開けた瞬間に見てしまったものは、
可愛らしいフリルのエプロンを、
あの一張羅の上から、ちゃっかり着たバレットの姿だった。
「「・・・・・・・・・・・・」」(2人ともご臨終♪)
言うまでもなく、2人とも固まって、マリンの「入ってよ、2人とも」との
一言があるまでは、動くことができなかったのだ。
・・・マリンは慣れてしまったのか、気にしていないようだ。
しばらく2人で思い出し笑いをしていた時、ティファはふと言った。
「ね、エアリス・・・のことなんだけど」
ためらいがちなティファに、クラウドは頷いた。
「ああ。俺も驚いた。まさか、生き返ったなんて・・・」
そう。メテオの後、2ヶ月ほどして。
クラウドは、シドが運転する、ハイウィインドに乗せてもらい、
あのエアリスとの別れの地・・・忘らるる都に行ったのだ。
―――――悲しみで行くことのなかった、その地に。
そして祭壇に行くと・・・エアリスが立っていた。
「エアリス・・・?」
彼女は振り返り、「クラウド、また会えたね」と言ったのだ。
「エアリス!どうして・・・!」
「生き返ったのよ」
驚愕で目を見張ったクラウドに、エアリスは静かに言った。
「あの、ライフストリームの中で、母さんが『仲間のもとに帰りなさい』って。
だから、帰ってきたの。そして、『また会えるように』って祈ってたの」
「エアリス・・・」
今まで言いたいことは、たくさん、あった。
でも・・・彼が紡いだ言葉は「お帰り、エアリス」だけだった。
「言いたいことは、たくさんあるんだ。でも、もういい。
一緒に、戻ろうぜ・・・仲間の所に」
「うん!」
ハイウインドに戻った時の、シドの顔。
そして、エアリスの母の顔。
久々に集まった仲間の顔。
みんな、驚き、そして・・・心から喜んだ。
いつもは陽気なケット・シーさえも、ハンカチを手にしていた。
「あの時・・・良かったよな」
「まあね。でも」
ティファは、クラウドの蒼い瞳を見つめた。
「今の平和が一番じゃない?」
クラウドも、頷いた。
「もちろんさ」
2人の間に、何か暖かいモノが流れる。心地よい風が吹く。
「さ、戻ろうか。久しぶりにみんなに会いたくなったよ」
「そうね。会いに行こっか!」
彼らは笑い声を残し、丘を下りていった。
<END>
いやー、やってしまいました。
バレットさんのフリルのエプロン姿。
以前、ゴールドソーサーでバレットとクラウド2人で、舞台に上がってしまったら,
きっとバレットは・・・・・・
・・・・・・というのを想像したのが、この物語を生み出してくれたのですよ・・・(爆)