----------------------2002/12/06----------------------------
「これ、おねがいします。」
沙希はバイトに向かう途中で財布を購入した。
健二へのプレゼントだ。
『多少値が張る物にはしてみたものの、健二はそういうのににぶそうだしなぁ』
「プレゼントなので、包装をおねがいします。」
「恋人にですか?」
やはりこう聞かれるらしい。
「いえ、弟にです。」
なれているため、下世話な質問にももう腹を立てることもない。
「あ、失礼しました。」
店員は少し申し訳なさそうな感じで丁寧に包装してくれた。


「これ、おねがいします。」
健二はバイトに向かう途中でブーツを購入した。
沙希へのプレゼントだ。
『さて、多少は予想外の物送ってみたいしこのくらいの物なら大丈夫か…』
「プレゼントなので包装をお願いします。」
「恋人にですか?」
女物のブーツを買うのだから当然聞かれることか…。
「いえ、妹にです。」
いつものことだし、いちいち腹を立てるのもめんどうになっていた。
「大変失礼しました』
店員は事務的に謝罪して包装をはじめた。


----------------------2002/12/07----------------------------
『ハッピーバースデイ!』
両者の両親を交えての誕生会が始った。
両親達は、二人が生まれる前から交流があったらしい。
「じゃ、まずはプレゼントの交換からにするか。」
健二がいうと光一(健二の父)が苦笑いしながら
「こらこら、いきなりそういうのは味気ないだろう。」
と、言ってきた。
『いちいちそんなこと気にする必要もないだろうに』
と内心では思っているものの
いちいち反抗しても仕方ないようなことだったので、指示通りにすることにした。


両親達が世間話で盛り上がってる間にプレゼントの交換を済ませておくことにした。
「じゃ、これ」
「サンキュ」
互いに用意してきたプレゼントを渡す。
包装は開けない。
受け取ったときに互いは、
「あぁ、なるほど。やっぱりこれを選んできたか。毎度の事ながらよく気がついてる。」
と、思っていた。
沙希は、健二の財布の小銭入れのストッパーが壊れかけていたためそれを選んできた。
健二は、沙希がふだん使っている靴がだいぶ痛んでいるのをみたためそれを選んだのだ。


両親達は健二や沙希のことなどそっちのけで盛り上がっている。
ほどよく酒が回った所で今年の誕生会はお開きとなった。


「それじゃ、また明日。」
玄関まで沙希達一家を見送り、健二は部屋に戻った。
それが、二人の最後の誕生日だった。



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