ジャイアンとロボ 〜デパートが静止する日〜

 来るべき近未来。人類は物不足の問題を解決し、今一度バブルを実現させた。

 だがその輝かしい繁栄のかげに激しくぶつかり合う二つの力があった。

   バーゲンセールを狙う悪の秘密結社BS団

 「我等の半額のために」

 かたや、それに対抗すべく世界各国より集められた商人のエキスパート達、”特売バーゲン機構”

   そしてその中に史上最強のロボ、ジャイアンとロボを操縦する、青春を失った一人の少年の姿があった。

 名を草間笑作!!

 「盗れ!ジャイアンとロボ!」

 

 

 

   Episode5・真実の隣町デパート〜過ぎ去りし少年院のあの日々〜

 

 とある街の空

 まばゆき光と共に街は消えていった・・・・・

 その中には当然デパートもスーパーもあった、コンビニもあった

 だが全て吹き飛んでしまった

 店も商品も・・・・・・

 商品を失った者はもはや商人ではない

 瓦礫の中には赤字のみが残る

 悪い報告でもやはり上に伝えなければならないのが下っ端のつらいところ・・・

 とある、多数の社員がそれぞれ状況を報告している

 「大借金は上海のような物を爆破した後、忽然と姿を消したままです」

 「わかりません。上海の炎の中には、一切の反応を得る事が出来ないのです」

 「いえ、間違いありません。その証拠に新しく使い始めたモーターは正常に動いています」

 等々たくさんの報告がなされていた

 ちなみにその返答は上から順に以下の通りである

 「まったく、役立たずめ」

 「お前の頭の反応が鈍いだけじゃないのか?」

 「どこにそんなもの隠してた!?お前なんかクビだ!!」

 酷いものである

 だが、それも仕方のない事なのかもしれない

 登場キャラにはすまないが・・・・

 これこそがこの物語の世界観なのだ

 これがこの世界の真実であり事実なのだ

 これはけして見放しているわけではない

 やむをえない犠牲なのだ

 笑いは犠牲ナシには得られないのか?

 他人の不幸は蜜の味とはよく言ったものである

 はっきり言ってどうしようもない物語だ

 

 

 

 

 

 「・・・・・・というわけなんだな?」

 いきなり会話を終らせた人物

 例の如く面倒くさがりの借金長官である

 「毎回思うのですが、長官はほんとにわかってらっしゃるのですか?」

 酒味醂が命知らずな事を聞く

 「わかっているに決まっているだろう。それにその方が都合が良いだろう?」

 「しかし、私のセリフが・・・・」

 「私は早く君のそばから離れたいのだよ、酒先生」

 「そんな・・・・」

 元ネタからは想像も出来ないようなセリフを吐きヘリに乗ろうとする

 「じゃあ私はもう行くから、アドバルーンを探しに行ってくれ」

 「はい・・・・」

 酒味醂の声にやる気はない

 長官はヘリに乗り込みそら彼方上空へと飛び立っていってしまった

 酒味醂たちも移動を始めた

 しかし彼等はまだ知らない

 実はすでに一人ほど目標地点についているという事に・・・・・

 そいつは雪山を駆け上っていた

 凄まじい量の荷物運び、客への素早い対応

 その様に鍛えられた彼にはこの程度の雪山を駆け上がるなどわけない事だった

 

 

 

 

 

 

 雪山で何かを探す様にさまよう男がいた

 その男の名は鍋牛

 鍋牛は笑作を探しているフリをしている

 アドバルーンが落ちた時、笑作は諸々の都合の関係により行方不明になっていたのだ

 さて問題であるのは笑作が行方不明というところではなく

 鍋牛は探しているフリをしているだけというところである

 実は鍋牛の目的は他にあった

 山とはとてつもなく危険なものである

 雪山となればさらに危険が増すというもの

 そういうところほど人の目は届いていない

 何があるかはわからない

 何もないかもしれない

 だが、ひょっとしたら何か発見があるかもしれない

 もしもそこに何かあるとするなら?

 隠されたそれが何かに使えれば

 商品アイディア、または店のイメージアップにつながるもの

 商人という人種は危険があればあるほど燃えるのだ

 何に燃えるかという事は、言うまでもないだろう

 さて、ここまで説明しておきながら

 今更これが夢の話であるとはなんとも言い難い話だ

 と言っても、今言ってしまったのだから、もう仕方がない

 鍋牛の意識は雪山の山中にあった

 だが、体はとある洞窟の中にあった

 気温はゼロに近い

 もちろんこの後鍋牛は、予測通りの結果となる

 

 

 

 

 

 

 

 ここは雪山のとある洞窟の中

 そのなかに金0はいた

 そこは、どこかに利用されていたのか、ある程度の道具があった

 金0使えそうな物を物色しはじめた

 コートやら毛布やら銃やら「ピーーー!」やら「ガーーー!」やら「ザーーー!」やら・・・・

 ちなみに一部音声が乱れたようですが

 けっして放送禁止用語に触れているというわけではなく

 たんなる事故です

 え?信じられない?

 じゃあもう一回言ってあげましょう

 「ピーーー!」と「ガーーー!」と「ザーーー!」です

 あれ、また聞こえませんでした?

 おかしいですね・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがすんでおりました

 ある日おじいさんは山へ・・・・「ピーーー!」・・・・

 不意をついたつもりだったんですけどね・・・

 ここまでくると偶然ではないでしょうね

 おそらくこれも放送禁止用語なのでしょう

 まことに残念ですがこれを伝える事は無理みたいです

 ああ、実に残念だ

 本当は教えてあげたかったのに・・・・

 世の中には仕方のない事ってのはあるもんですねぇ

 いやはや、なんとも・・・・

 まあとりあえず、話を戻してみましょう

 さて、問題の金0はというと・・・

 「土地も寒い、懐も寒い、世の中やっぱ銭やねぇ・・・」

 愚痴っていました

 喋り方が変わっているのは気分でしょう

 「銭さえあれば、こんなめにあわんでも良かったのに・・・・

    つらい目にあうのはいつも下っ端・・・・・

      銭のあるヤツは今頃温かい場所で一杯やってるんでしょうねぇえぇえぇえぇえ!!」

 この後数分ほど続くのですが

 こんなやつに付き合っていてもしかたがないので

 放っておきましょう

 

 

 

 

 そして、その数分後・・・・・

 鍋牛は無事介抱され、金0の懐は暖まり

 あとは、助けを待つのみとなった。

 決して助ける方に回る気は無い

 笑作はこのまま放っておかれるのだろうか?

 少なくとも、この時、この二人には放っておかれた

 「オレはよぉ・・・・」

 鍋牛が金0に話しかけた

 「まだ幼い頃に、BS団とは言えこの手で実の親を・・・・」

 「別にあんたの事何て聞いてないわよ」

 ・・・・話が途切れた

 それからさらに数分が経過した・・・・

 いったいあの会話からどこがどうなってこうなったのか

 二人はかなり恋人関係的な雰囲気になってしまった

 愛に言葉はいらない・・・・っと言うのは嘘っぽいが

 そういう事にしておこう

 「金0・・・」

 「鍋牛・・・・」

 あ・・・

 喋ったから、やはり嘘になってもらおう

 しかし、元ネタから考えると金0には風呂桶がいたはず

 何をしているんだ?金0!

 二人が見詰め合うなか・・・・・

 銃声は鳴り響いた

 バギューーン!!

 鍋牛が死んだ

 金0は弾が飛んできたと思われる外を見た

 金0の判断は正しかった

 他に誰もいない洞窟の中から弾が飛んでくるはずが無い

 金0の見事な名推理だ

 外には、人影があった

 まだ銃は構えている

 銃口は金0に向けられている

 人影は低い声で言った

 「この物語に、ロマンスは必要無い・・・」

 そして引き金は引かれた

 バギューーン!!

 金0は頭部を撃ちぬかれ、その場に倒れこんだ

 「悪いが次の出番まで眠っていてもらおうか」

 グシャッ!!

 二人とも頭を砕かれた

 再生までに時間がかかってしまう

 おそらく、宣言通り次の出番まで蘇る事は無いだろう

 人影は再び雪山へと消えていった

 ちなみに、このような人物は元ネタの方にはまったく出ておりません

 もし名前などが欲しい場合は

 流離いの通行人A・・・っとでも呼んでおいて下さい

 

 

 

 

 

 

 

 シャアアアァァァァァーーーーー!!

 雪山にモーター音が鳴り響く

 スポーツカーだ

 そんなものがこんなところになぜ?また、どうやって?

 だが、走っている

 これが現実だ

 運転席にはサングラスをかけたお坊さんが乗っている

 一升瓶だ

 ボリュームはMAXで音楽を流している

 時々お札を投げて目印にしてある

 一升瓶が軽くスピードを落した

 周りを見渡すためだ

 しかし、スピードを落しただけで止まろうとはしない

 何故か?

 こっそり聞いてみることにしよう

 一升瓶は語る

 「ふふん、何て愚問を、せっかく風を感じているんだ。

   これを止める何て、おバカさんのやる事さ、ベイビィー。」

 とにかく、こうして一升瓶はあたりを見回した

 遠くから雪を撒き散らしながら凄まじいスピードで何かが走ってくる何かを確認した

 体中が包帯で巻かれていて誰だかはわからない

 帽子とコートでわかる気もするが

 この時一升瓶は色眼鏡をかけていて何がなんだか判別がつかなかった

 「しまった!味方ににしては早すぎる

    いや、早いにこした事は無いんだが・・・・」

 走ってきたその人物は問答無用で一升瓶に殴りかかった

 バキッ!ドコッ!!ゲシッ!!!

 一升瓶は血を吐きながら吹っ飛んだ

 さっきも言いましたが、車は止まってはいません

 まだスピードを落しただけです

 走っていたわけでありますから・・・・

 つまり、車から振り落とされた形になるわけである

 そして殴られて無理な体勢から落ちる

 グォキイィッ!!!

 何かが狂った

 とても人型とは思えなかった

 「同士討ちはごめんでね。一方的にやらせてもらった。

    では、この車はオレが買い取らせてもらうぜ」

 その男は金を置いて車を持っていってしまった

 後に残された一升瓶の面影のある塊は雪に埋もれる事となった

 「こ・・・・・この商売方法は・・・・・」

 それが一升瓶、人生最後の言葉であった

 だが、すぐに第二の人生が始まる事になるので

 重みが無いのも事実である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここは、雪山にある洞窟の中

 金0達がいるところではない

 別の場所だ

 そこには問屋がいた

 そして、行方不明のはずの笑作がいた

 なんと、問屋が介抱していたのだ

 驚くべき事に、問屋が良い事をしているのだ

 いや、助ける相手が相手なだけにあまり良い事とは言えないのだが・・・

 とにかく問屋はこの時、善意の心で笑作を助けたのだ

 もちろんみかえりを求めて助けたわけでもない

 しつこい様だが、本当に善意で助けたのだ

 ふと、問屋が笑作の額に手をのせた

 その手を笑作が掴んだ

 問屋は驚いた

 そして笑作の顔に目をやった

 だが、笑作の様子がおかしい

 寝ぼけているのだろうか?

 「親父・・・お前の意思は・・・受継いでやるぜ・・・・

     木島さん・・・いつか・・・あなたを・・・・

        おれは、必ず・・・・・」

 笑作は寝言を言い、再び深く眠りについた

 問屋は、掴んできた笑作の手をやさしく握った

 問屋の意外な一面であった

 「木島さんって、誰だ・・・?」

 木島勇次・・・・・その名は多くの男たちにロマンをあたえた

 とある峠に残る、伝説の名だった

 それは、今から約一年半ほど時をさかのぼらなければならない

 つまり、笑作が11の時の話である

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 当時から、笑作はミニ四駆が好きだった

 それに、バイクも好きだった

 当然ケンカも好きだった

 ちなみに、この世界では10歳から免許が取れるようになっている

 ダッシュモーターシリーズの開発により、より速く、より安全になったため

 年齢の制限がどんどん無くなっていった結果だ

 もちろん笑作は免許を持っていた

 でも、無免で乗っていた時代もあった

 だが、それは過去の事・・・・

 笑作は過去に振り返らない

 前を見て突き進んでいる

 そんな前向きな性格から笑作は先生からも・・・

 「お前は将来大物になるぞ!」

 っと良く誉められたもんである

 それに対し笑作は・・・・

 「お前が小物すぎるだけなんだよ」

 と言いました

 そんな大物ぶりを見せている笑作はついに、

 国のえらい方からマークされる事になりました

 どんな意味でマークされているのかは知りませんが

 まだ見られているだけです

 声はかかっていません

 とっても安全です

 だから笑作はこの時、この事には気づいていませんでした

 ですがある日、他のところから声がかかりました

 ある笑作の友人がこう言うのです

 「うちのグループといっしょに走らないか?」

 笑作の運命の決定的第一歩が始まろうとしていました

 

 

 

 

 その世界には年齢などはあまり関係無かった

 別に誰がえらいだのというような事は無かった

 だが、尊敬する側、される側等というようなことはあった

 これに関しての上下を決めるのは

 まずは力だ

 強いものは尊敬される

 次に頭の良いやつだ

 色んな所の情報をたくさん仕入れ

 それを処理する

 そういうやつは色んなやつから頼られる

 後は、度胸や根性のあるやつ

 こういうヤツラが認められる

 そして、ここで一番の憧れをもたせる事ができるのは

 スピードを制したやつである

 無茶な運転というものがある

 だが、それをこなしてしまえば最高にカッコイイ

 あの場所でスピードを落すか?上げるか?

 二つに一つという単純で少ない選択だ

 だが、その意味は深い・・・・・・

 笑作はそこである人とであった

 それは”木島”と呼ばれる人だった

 その人は、そこにいる誰よりも速かった

 走れば必ず前にいる・・・・

 最先頭にいる

 一番前にはいつも、同じランプが輝いている

 笑作も速かった

 追いかけてみた

 だが、追いつけない

 笑作は必死になった

 いつかその前に出られるようにと・・・・

 笑作はさらに速くなった

 だが、その人もさらに速くなっていった

 いつも前を走っていた

 だが、突然、ランプが消えた・・・・

 事故だった

 その人に限ってありえない事だと思えた

 笑作だけではなく、みんながそう思った

 目の前に上がる煙が、炎が嘘と思えた

 だが、嘘ではなかった

 爆発音に警察が気付きやってきた

 笑作はその場に立ち尽くした

 ただ、その場所を見つめていた

 笑作を含め、他のメンバーもつかまった

 逃げたヤツもいたのかもしれない

 だが、笑作は覚えていない

 誰がいて、誰がいなかったのか・・・・

 すぐにみんなかえされた

 しかし、笑作は帰らなかった

 動く気がしなかった

 警官が説得してくる

 それがうっとうしかった

 仕方がないので、倒してみた

 他の場所に移された

 だが、場所を移されても、やることは同じだった

 警官は説得してくる、質問もしてくる

 だから、笑作のやることも同じだった

 警官に殴りかかった

 また場所を移された

 今度は、話が短かった

 すぐに終った

 その後、閉じ込められた

 笑作はため息をついた

 やっと一人になれた・・・・

 そう思った

 その場所で何日がすぎただろう?

 扉が開かれ、出ろといわれた

 だが、笑作は出なかった

 無理矢理、出されようとした

 抵抗した

 そうしたら、またそこにいるように言われた

 これが、何度か続いた

 ある日、見慣れない格好の男がやってきた

 迎えに来たのだと、言ってきた

 その男は、黒いスーツを着てサングラスをかけている

 不思議と笑作は嫌がらなかった

 外に出て、その男に尋ねてみた

 「・・・あなたは誰ですか?」

 「私は、君の味方だ。

   そして、君が今から戦うべき相手だ」

 え・・・・・

 言葉を発する前に笑作に、拳が襲いかかった

 速い!!

 一瞬反応が送れたが

 かわす事ができた

 紙一重だった

 だが、体勢を崩してしまった

 それをマズく思った笑作は、大きくとびのき距離をとった

 笑作は構えて両手に気をためた

 「でりゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 右、左と拳を繰り出し二つのエネルギー弾が男に向かって飛んでいく

 バゴォン!バゴォォン!

 狙いは外れてはいなかった

 だが、閃光と煙の中から現れたのは無傷のその男だった

 理由は笑作にもわかっていた

 その男は、ジャブを繰り出しエネルギー弾を弾き返したのだ

 そして、男の拳の先端には牛乳キャップがくっついていた

 牛乳キャップでエネルギー弾の衝撃を吸収したのだ

 あらゆる細菌を寄せ付けず、中身を守る

 その強度は計り知れない

 笑作は再び構えなおし気をためた

 だが、遅かった

 男の動くはさきほどより速く動き笑作をとらえた

 その時、なす術はなかった

 だが、攻撃はなかった

 肩に手を置かれた

 笑作は男の顔を見上げた

 「すまなかった、君の力が知りたかった

    私と一緒に来てくれ、私達に力を貸してくれ」

 男は、笑作の手を取りあるものを手渡した

 「これは君のお父さんから預かった物だ」 

 「親父から!?」

 笑作は渡された物を見た

 腕時計と、封筒だった

 封筒の中には手紙ともう一つ何かが入っていた

 笑作はとりあえず手紙を取り出し読むことにした

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

       わが息子、笑作へ

 

   こんにちは、お元気ですか?私はとっても元気な気がします。

  毎日暑くて寒い日が続きますね。でも時々ワサビが効いていて、とても美味しいです。

  そうそう、そういえばこの前パソコンを買いました。

  でも、やっぱりパソコンは難しく、なかなか言う事を効いてくれません。

  何を命令しても、ウンともスンとも言わなかったので、

  ブン殴ったら、突き抜けてしまいました。

  その日から、パソコンは電源すらつかなくなってしまいました。困ったものです。

  そこで私は決意しました。

  もっと丈夫で、もっとわかりやすい機械を作ろうと、2ヶ月かけて、その腕時計を作りました。

  私からの遺産だ受け取ってくれ。その腕時計とジャイアンとロボを。

  こういう事ははじめに書くべきだったのかもしれないが、

  おそらく、お前がこの手紙を見ている時には、私はすでにこの世にいないか、

  あるいは、行方をくらましている事だろう。

  だが、安心しろ、父さんは今でも元気だ!

  あっちゃー、こんな事書いたら生きてるのバレバレかぁ。

  たはは、いっけねぇ。

  でも多分、まあ、しばらくお前の前には現れないから。

  父さんは今とってもパラダイスな気分だ。

  しばらく厄介事とは関わりあいたくない。

  お前も私に会いに来るなんてしないでくれ。

  それじゃあ、あばよ!

 

                        世界一の超男前・草間大博士より

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 笑作はとりあえず手紙を破り捨てた

 こんな内容の手紙を見れば破り捨てたくなるのも無理はない

 「おい、親父は今どこだ!」

 笑作は今すぐ殴りに行きたい気持ちが満々で聞いてみた

 「それは言えない、秘密事項だ」

 「っていうか、教えろよ!」

 笑作はツッコンだ

 「私の名前は、莫大なる借金だ

   皆には借金長官と呼ばれている」

 「そんな事聞いてねぇよ」

 「だが、どっちも本名ではない」

 「質問に答えろよ」

 こんなあからさまに漫才っぽい会話が続いてもなんともならないのだが

 さすがに、「棺桶の中だ」、とは言えないらしい

 実を言うと、すでに自分がやってしまったらしく・・・・

 まあ、すんでしまった事は仕方がない

 だが、そんな事を知らない笑作はさらに問い詰めた

 「親父はどこにいるんだ!ジャイアンとロボってなんなんだ!!」

 笑作は声を張りあげた

 その時・・・・

 「その問いには私がお答えいたしましょう!」

 チャーンチャンチャチャチャチャチャチャチャチャチャーーーーン!!

 昔、日本の軍で流れていた音楽と言いますか・・・・

 パチンコに流れる例の曲といいますか・・・・・

 その妙に明るい感じの曲と共に

 上空から宙に浮くエレベータのような物に乗り

 センスを前に広げながら、ちょび髭のオッサンが降りてきた

 人は彼を”トンカツソース・五円(諸葛亮・孔明)”と言う

 「お前はお呼びじゃないんだよ!!」

 バゴッ!!!

 借金長官が殴りかかった

 「調子こいてんじゃねぇぞ!コラ!!」

 笑作も蹴り飛ばした

 「はひふへほー」 

 五円は空高く飛ばされてしまいました

 登場してすぐこのような事になる何て

 かわいそうな五円・・・・

 ですが、仕方のないことです

 あんなムカツク登場の仕方をしたのですから

 こうして、五円を倒した事により

 この二人に熱い友情が芽生えました

 夕日をバックに二人の手を取り合う姿が映し出されている

 「さあ、私と共に行こう」

 「ああ」

 「だがその前に、その袋の中身をあそこに投げてみてくれないか?」

 そう言って長官はついさっきまでいた刑務所を指差した

 笑作は言われるままに袋の中身を投げつけた

 その中身がその場に届き地についたその時・・・・・

 ドゴオオオオオォォォォォーーーーーーン!!!!!!

 凄まじい爆音と爆風、そして炎が広がる

 その場にあった物は一瞬にて無くなってしまいました

 どうやら、袋の中身は「ピーーー!」だったようです

 こうして、一つの戦いは終った

 だが、笑作と借金長官の出会いにより

 また再び、新たなる戦いが始まろうとしている

 戦え!笑作

 負けるな!笑作

 地球の未来は君にかかっているのだ

                                続く・・・・・

 ―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「ううッ・・・・・感動だ・・・・

    何て感動的な話なんだ」

 問屋は笑作の頭の中を超能力で覗き見ていた

 「でも・・・木島さんほとんど関係無いじゃないか!!」

 つい大声を上げてしまった問屋

 それほど、笑作の過去の話にのめりこんでしまったという事なのだが、それはあまり良い結果には結びつかなかった。

 何故なら・・・・・

 「そこまでよ!!」

 問屋が振り返るとそこには、いつの間にか復活した金0が銃を構えていた。

 「しまった。呼び出した事をすっかり忘れていた」

 絶体絶命の危機に陥ってしまった問屋

 彼の運命やいかに・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 ――――――― 30分前 ――――――――――― 

 血まみれの中、鍋牛と金0は起きあがった

 ほんとはもっと寝ていたかったのだが、外から聞こえる声のせいで起こされた。

 外には、おそらく問屋の送りつけたと思われる音声式伝書鳩mk―34改良型X4が飛んでいた。

 まあ、早い話が空飛ぶカセットテープとスピーカーである。

 ここでも、ハイパーダッシュモーターは活躍だ。

 でも、恨んでるんならそんなの使うなよ問屋

 それはさておき・・・・・・

 伝書鳩はさっきから同じことを繰り返している

 「特売バーゲン機構エキスパートに告ぐ

   貴様等の仲間、草間笑作は預かった

     返してほしくば、私のところまでサンプルを持って来い

       私はここだ!ここにいる!!

         早く来ないと、行っちゃうよ!!」

 どうにも問屋は調子をこいているようにしか思えない

 しかも、「ここだ!ここにいる!!」なんていわれてわかるわけが無い

 だが、二人には居場所をつきとめる事何てわけない事だった

 「金0!やつの居場所はあっちだ!!

    ヤツと笑作の気を感じる」

 だったら最初から助けにいってやれよ!鍋牛!!

 「わかったわ」

 「よし!金0、時間が無い、瞬間移動だ」

 「OK」

 バシュン!!

 こうして、二人は問屋の元へと向かいましたとさ

 ですが、この話での瞬間移動は即ち宅配便である

 結果・・・・

 「はあ・・・はあ・・・・ゲホッ・・・・・ぐはぁ・・・」

 金0は寿命が縮まり血反吐を撒き散らしました

 「いやー、着いた着いた」

 鍋牛はいい気なものです

 「よくもはめてくれたわね。鍋牛!!」

 バキ!ドゴ!ドカ!

 「ぐはぁ」

 「死ねぇ!!!!」

 バギュンバギュンバギュゥン!!!

 「ぐぁ・・・おれぁ・・・・たしか・・・

    ここでお前・・・・に・・・・・撃たれる

      なんて・・・・・段取りじゃ・・・・なかったはずなのに・・・・・」

 鍋牛が苦しみもがく

 「とっととくたばりなさい」

 ゲシッ!

 こうして鍋牛はここより低い地面の場所へ転落していきましたとさ

 その落ちていく感覚と、薄れる意識の中・・・・

 鍋牛が見たものは・・・・

 「・・・・ま・・・まさか・・・・なんで・・・こいつが・・・・・

   う・・・うそ・・だろう・・・・」

 何を見たんだ鍋牛!

 こんな時こそ、その不死身の体を使って

 その真実を伝えるのがお前の役目じゃないのか!

 ここで役立てずしてどこで役立てる!!

 だが、役に立つ鍋牛ではなかった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 薄暗い洞窟の中、問屋の声により笑作は目を覚ました

 目の前には問屋、そして銃を構えた金0がいる

 「金0さん。助けにきてくれたんですね」

 「ええ」

 「鍋牛さんは?」

 「こいつのかわりに、さっき殺しといてあげたわ」

 「そのケースは、サンプルですね」

 「なに!それをよこせ!キャラメール」

 「ええ!!」

 金0は驚いた

 「やっぱり・・・・あなたはムニエル兄さんだったの・・・?」

 「その通りさ、どこからどう見たってムニエルさ。

   世界一の美男子ムニエル兄さんだよ。

     さあ、そのサンプルをこちらによこすんだ

      お前も、父上の遺言をかなえたいだろう?さあ!!」

 「いやよ!お父様はそんな事を望んでいない

   お父様は、私にいつまでもこの美貌を保ってもらいたいと願っているのよ!」

 「バカな。そんな事をお父上が望むはずが無い!

    っていうか、そんな美貌何てもの元々無い!!」

 「あなたはやっぱり、ムニエル兄さんなんかじゃないわ!!」

 バンバンバンバンバン!!

 金0は銃を乱射した

 問屋はそれを笑作を盾にして防いだ

 「うぎゃ―ーーーー!!!」

 全弾笑作に当ってしまった

 だが、何故か金0は得意そうな顔だった

 銃口にふーっと息を吹きかけカッコをつけてさえいる

 当然それを、笑作が見逃すはずも無く

 「このクソ女!!いてえじゃねぇか!!」

 バキバキドス!!!

 さっきの宅配便の消耗とこのダメージで

 金0のHPは0になってしまいました。

 金0は死んでしまった!

 「このサンプルはオレがいただいた」

 笑作はサンプルを持ち逃げした

 「待て」

 問屋がそれを追う

 だがいっこうに差は縮まらない

 「こうなったら仕方がない・・・

   サランラーーーーップ(ギャロップ)!!!」

 ズドーン!!!

 上から、怪ロボットの頭部らしきものが降ってきた

 「面白い!ならばこっちもジャイアンとロボ!!」

 笑作は外に飛び出しロボを呼んだ

 ガオオオオオォォォォォン!!

 ロボは崖下から笑作の元へと飛んできた 

 「ウリハラエヌーーーース!!!」

 地面を突き破り、それは現れた

 笑作と問屋は驚きの目でそちらを見た

 見た事のある怪ロボット・・・・

 そしてその上にはつるッパゲで鼻がやたらとでかい男が立っていた

 「ハーッハッハッハッハッハ!!

    BS団のエキスパートオモチャのイワシ!!!

      さぁて、覚悟は良いか?草間笑作。そしてジャイアンとロボ」

 まさか、なんとこいつが生きていた!!

 あの時死んだはずでは?

 だが、こうして生きている!

 現実に生きているから仕方がない。

 「前回(3話)は不覚(自爆)を取ったが、もはやこのウリハラエヌスは

    以前のものとは一味も二味も違うぞ」

 「くっ・・・・」

 ミニ四駆好きの笑作にはこの違いがわかったようだ

 問屋はわからないようだ

 「気付いたようだな、草間笑作。

   モーターはプラズマダッシュモーター、

     ギア比は3.5:1

       ベアリング装備の肉抜きにも抜かりはない!!

        はーっはっはっはっはっは!!!!」

 イワシの笑い声がこだまする中

 ロボの拳がウリハラエヌスをとらえた

 「ビ、ビッグセールのために・・・・」

 ウリハラエヌスの装甲は簡単に突き破れてしまった

 いくらなんでも、戦闘用ロボットに肉抜きはしてはいけない

 イワシはウリハラエヌスと共に吹っ飛んでいく

 それにサランラップは巻きこまれる

 今度こそイワシの最後だろう

 ボカアァーーーーーーン!!!

 はるか彼方の空で爆発は起こった

 笑作は問屋を探したがそこにはいなかった

 「どういうことだ・・・・」

 笑作はその場に問屋がいないこと、

 そして、イワシが生きていたこと

 今回は不可解な事ばかりだった

 何やら妙な事になっていると今更思う笑作であった

 バラバラバラバラバラ

 笑作の思考をかき消すかのようにヘリの音が近づいてきている

 どうやら仲間の捜索隊が着いたようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その場にはポリデントがいた。

 そして、問屋が居た。

 「なんの真似だ、問屋」

 問屋はポリデントに銃を向けている。

 「これは、特売バーゲン機構の金0の銃・・・・

   ミスターポリデント、あなたは名誉の戦死を遂げるのだ」

 「ま、まさか、これもビッグセールのご意志なのか!?」

 バギューーーン!!

 銃声が雪山に響いた。

 ポリデントは無傷だった。

 「バカか貴様は、銃などがこのわしに通じると思ったか!!」

 もっともだった、銃弾をつかむ事すら出来るのだ。

 避ける事などもっとたやすいだろう・・・

 ポリデントは問屋の後ろに回りこんでいた。

 「貸せ!」

 ポリデントは問屋から銃を奪い取り得意げにくるくると回し始めた

 「ふん。馬鹿者めが!」

 ポリデントは銃を構え引き金を引いた。

 問屋は驚きのあまり目を見開いた。

 バギューーン!!

 銃声が鳴り響く

 問屋は無傷だった。

 ポリデントは銃を逆に構えていた様だった

 つまり・・・・

 自分に向けて撃ったのだ

 ポリデントは失っている義眼にその弾が当り、その勢いで谷底に落ちていってしまった!

 

                                −−−−つづく−−−−−

 

 

 

 ―――――――――――次回予告――――――――――――――――

  笑作はいつの間にか眠っていた。

  ベッドから起きあがり、笑作が見たものは

  カプセルの中の金0の姿だった

  笑作は思わず吹き出した。

  「ばふぅー!死体のホルマリン付け」

  次回 ツケと赤字〜全てはビッグ・セールのために〜

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