今回には補足説明がつきます

最後に書かれておりますので

先に読んでおくか、または後でお読みになってください

 

 

ジャイアンとロボ 〜デパートが静止する日〜

 来るべき近未来。人類は経済の安定化を達成し、今一度バブルを実現させた。

 だがその輝かしい繁栄のかげで激しくぶつかり合う二つの力があった。

 バーゲンセールを狙う悪の秘密結社BS団

 「我等の50%OFFのために」

 かたや、それに対抗すべく世界各国より集められた商人のエキスパート達、”特売バーゲン機構”

 そしてその中に史上最強のロボット、ジャイアンとロボを操縦し、カツアゲを働く一人の少年の姿があった。

 名を草間笑作!!

 「盗れ!ジャイアンとロボ!」

 

 

 Episode‐6 ツケと赤字〜全てはビッグ・セールのために〜 

 

 

 

 

 ――― BS団基地内部 ―――

 その場は先進技術をつんだコンピュータが置いてあり、

 大きなモニタにより通信がなされていた。

 そして十傑集の内、五人が集まり、

 問屋がいた。

 長い棒のようなものが複数、下からその場へ伸びていた。

 この場にいる計六名が全員その上に一本一人ずつという形でのっていた。

 位置としては、問屋の少し上の方に十傑集の五人がいる。

 さて、ここは普段なら各地からの定期連絡、

 または、割り引き情報、

 そして株、通貨の上下情報等がおこなわれてきた。

 だが、今は少し違った。

 各地からの連絡には違いないが。

 どれも、非常連絡だった。

 「BS団ロシア支部、モーター作動不能のため作戦中止の許可をお願いしたい!」

 「イギリス支部、フォアグラの不景気現象のエネルギーがここまで及んだため、急遽脱出します」

 「こちらニューヨーク、バリバリの絶好調で稼動中!!・・・・でももうだめです・・・グハッ!!」

 「タミヤ製品復活の予定を教えられたし」

 「こちらアラビア工作隊、応答されたし、電池切れのためこれが最後の通信になります」

 「アラスカ支部・・・火炎・・系・・・聖獣・・・・使いの・・

    ・・・ブレーダーも・・・これ以上は・・・・・守・・れ・・・ない・・・・・と・・・・・」

 そしてすべての通信がきれた。

 マントを羽織った十傑集、激安魔王犯人(混世魔王樊瑞)がモニタから目を離し振り返り口を開いた。

 「諸君、これで良いのか?」

 「ベリーグッド!!」

 なぜかこの場にいないはずの、むしろ死んだはずのイワシが親指を立てている。

 だが、それはやはり幻であった。

 一瞬浮かび上がり、そして霧のように消えていく。

 嗚呼・・・オモチャのイワシよ君は永遠にみんなの心の中に生き続けているのだろう。

 ですが、やはり死人は死人なので。

 ここでは無視しましょう。

 「ふむ・・・今回のデパート静止作戦、普通とはおもえん」

 クリームケーキ(暮れなずむ幽鬼)も無視してそれに答える。

 「そお、貴様が如き新参者が

   消臭王人上位に立つは不快極まる事なりけり・・・」

 「十円玉(十常寺)の言う事ももっともだ」

 命の金の十円玉(命の金の十常寺)に対し

 白菜の沢庵(白昼の残月)がパイプの煙をゆっくりと吐き出しそれにうなずく。 

 「うむ、確かにもっともだ」

 クリームケーキがうなずく。

 「まったくもってもっともだ」

 犯人がうなずく。

 「もっともこの上ない事じゃ」

 甘党のアスパラガス(激動のカラワザキ)

 すなわち甘党のじい様もうなずく。

 だが、十円玉の言葉の意味を理解したものは一人もいなかった。

 セリフに時代がかかっていて、古臭すぎたのだ。

 数秒ほど沈黙があった。

 会話が途切れてしまったのだ。

 気まずい雰囲気がただよう。

 仕方が無いので、じい様は無理やり話をすすめる事にした。

 「ととと問問問問屋問屋問屋問屋問屋とかいったな、若造・・・・

   我々の納得いくようにデパート静止作戦を説明してもらいたい?」

 じい様はオプション画面の音声チェックで連打したかのように

 キャンセルをかけて言った。

 「それに、消臭のポリデントの行方に関してもだ」

 問屋はなにも言えなかった。

 ポリデントがああなることなど誰が予測しようか。

 むしろ、その時の問屋の目的は叶ったのだが、

 たしかに、結果はいっしょなのだろうが、

 何分過程が違いすぎるため、

 何を言って良いかわからない。

 ただ、顔をしかめ悩んでいる。

 この場をどうおさめるか?どう誤魔化すか?

 むしろどう伝えるか・・・?・・だろうか・・・・

 それにしても、時折笑いをこらえているように見えるのは気のせいだろうか?

 なんしろ今の問屋の状況は

 馬鹿の考え休むに似たりと言う言葉にぴったりだろう。

 「どうした?何故黙っている」

 問屋は困っている。

 「十傑集裁判にかけられる前に

    すべてを報告した方が良いぞ」

 問屋はとっても困っている。

 「さあ、返答やいかに問屋よ」

 問屋はやっぱり困っている。

 「いざいざいざ!!」

 「そ、それは・・・・・」

 問屋はめっちゃ困っている 

 「仕方が無い・・・」

 皆一斉に片手を前に出し波動を集中させた。

 そして彼等の乗る丸い台が下に下がって行き

 問屋と同じ高さへと動かされた。

 すなわち問屋に向けて腕が上がっているのだ。

 これは問屋にしてみれば恐ろしい事この上ないであろう。

 そして、その手が問屋に狙いをさだめ合わされたその時・・・・

 「そこまで」

 その場に声が響いた。

 「「「「「え?」」」」」

 ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!

 ドガドガドガドガドガ――ン!!

 皆、声に驚いて気を放ってしまった・・・・・・

 結果としてはすべて問屋にクリーンヒットだ。

 問屋に凄まじい衝撃が体の内部に抉り込まれる様に突き刺さった。

 体のいたる所から血と煙が現われ。

 周りには、肉の焼けた匂いが漂った。

 皆、冷汗を出している。

 犯人が声の主を探し上を向くと、

 円柱の台がもう一つ下がってきていた。

 それも宙に浮きながら。

 今更だが、どういう仕組みなっているのかはわからない。

 当然それにも人が乗っているわけであり。

 それこそが、声の主でもあり。

 更に言えば、BGMはパチンコ店で良く流れそうなアレである(五話参照)。

 誰かと言えば言うまでも無いのだが、

 その横には、コ・ンニャクもいる。

 「ほう、調理師トンカツソース・五円の御出ましか」

 犯人が五円の方を向きそう言った。

 コ・ンニャクには何も言わない。

 そして、下では手で「問屋を早く隠せ」

 っと言っている。

 五円は、問屋?の丁度頭の上あたりに止まった。

 さて、この上にある「?」はなんだろう?

 問屋ではないのか?

 そうお思いであろう。

 その通り、問屋の意識はまだ回復してはおりません。

 では、そこにいるのは?

 これは、ベニヤ板で作られた看板が立っているのです。

 その看板には問屋がこちらに向かって人差し指を立て

 さわやかな笑顔を向けながら

 「君も、BS団でエリート営業ビジネスマンになろう!」

 等と書いてあった。

 もはや、バレ様の無い完璧な偽装だ。

 犯人も他の皆もホッ、と一安心。

 おっと、安心するのはまだ早い。

 そう犯人は気がついた。

 なんとか五円の意識を問屋に向けさせ無いようにしなければ

 「ところで、五円」

 「なんでしょう?」

 「最近の富士山はどう思う?」

 「富士山ですか?」

 「ああ、富士山だ」

 「そうですねぇ・・・私としては、

    少々日程をずらしてはいかがかな?問・・・・・」

 おっと危ない。

 「うがやああべべべべろべべげぇぇぇ!!」

 五円が問屋の方を向きそうになったのを感じて

 犯人が凄まじい声を上げた。

 「な・・なんですかな?犯人殿。

    急に下品極まりない声を出して・・・・

      それでは我々の士気にかかわりますぞ」

 五円がセンスで口元を隠し犯人に言った。

 「いや、すまない

   急に持病である脱水症状の発作がな・・・・」

 「そうですか、それなら仕方が無いですね。

    体は大事にしてくださいよ。決戦の日は着々と近づいているのですからね」

 そう、決戦の日は近づいているのだ。

 いつまでも争っているわけにはいかない。

 決着はつけなければならないのだ。

 そして決着をつけるべき相手は、特売バーゲン機構だ。

 おや、どうやら問屋が気がついたようだ。

 「ん、私はどうしたのだ・・・・なんだ、この看板は!?」

 当然のことだろうが、慌てる問屋。

 「どうなされました。問屋」

 五円は振り向きもせず、センスで口元を隠しそう言った。

 「おや、五円殿いつからそこに?

    あ!ンニャク殿!!あの時どこに行っておられた!?(五話の最後のとこね)」

 「何をお慌てです。問屋」

 五円は目だけ問屋に向けるようにして問いかけた。

 コ・ンニャクは黙っている。

 「何をなどではありません!あの時・・・・」

 「アバボバボボ・・・・・ゴボゴボゴボ・・・・・・・」

 問屋が言いかけたその時、五円は泡を吹いて倒れてしまった。

 バッターン!!

 「とと・・・ととと問んん・・・屋・が・・ふふ二人・・・・・・ブクブクブク」

 看板と本物を見て気絶してしまったようだ。

 五円は看板だと気づかなかったのだ。

 「ああ!!五円殿!!

    一体どういう事か!!?むしろこの看板は何なのだ?」

 「看板などどうでもいい!!

     邪魔者が倒れたところで、話を先に進めるぞ!」

 犯人がここぞとばかりにいきがる。

 ものすごいいきがり様だ。

 踊りつきと言う所がそのすごさを物語っている。

 その踊りはもはや、文章では説明のしようがない。

 どうやら彼は気持ちの表現が下手なようだ。

 でも自分では豊かだと思っているらしい。

 「犯人殿、五円殿にそのような言い方、酷いのではないですか!?」

 「まあ、聞け。ここに証拠たる人物がいる」

 「なんの事です?犯人殿」

 話がそれまくっていたので、

 何の話をしていたのかわからなくなり始めてきていた。

 ちなみに、しばらく犯人以外の十傑集の方々はセリフが無く、

 そして、まだもうちょっとの間、セリフは無いと予測されるので

 みんなゴロンと横になっていたり、お茶をすすっていたり、

 カルタしてたり、大豆洗ってたり、カルタしてたり、

 書類まとめてたり、カルタしてたり、他にもカルタとかカルタとかカルタとか・・・・・

 中でも一番人気があったのは、

 DANGUNでした。

 もう皆ストライクリボルバーに夢中です。

 ですが、ハイパーGフォースも見かけられました。

 もはやこれは、次の勝負が楽しみと言うほか無いでしょう。

 それはさておき、

 何の話かと言うと、

 「消臭のポリデントの行方の事だ」

 犯人は問屋に教えてあげました

 「・・・・・・・・・・・」

 問屋は、そういえばそうだったなぁ・・・っと思いながら

 再び困ってしまった。

 しかし、気になることもあります。

 犯人の言う証拠とは・・・・

 「それで、その人物とは?」

 問屋は犯人に聞きました。

 犯人は軽く笑うような表情を見せ、

 マントを広げました

 「消臭のポリデントの娘、

    サニー・ジャ・ダメジャンだ」

 中からは、犯人の身長の半分くらいの女の子が出ていき・・・・

 バタッ!

 そのまま倒れました。

 マントの中にずっといたため暑かったのでしょう。

 「あああ!重要な方まで倒れてしまった!

    これじゃホントに、ダメジャン!!」

 犯人は嘆き叫びその場に崩れ去った。

 問屋は勝った。

 一つの戦いに。

 別に問屋は何もしていないのだが。

 これはたしかに勝利以外の何ものでもない。

 そしてこの後、約二十分後にサニーと五円は目覚め。

 看板を片付けていないため、五円は再び気絶し、

 更に約十分後、五円が目覚めそれが看板だという事を説明し、

 説明に約五分を要したため、

 合計約三十五分後、ようやく本題に入ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 ――――三十分前――――

 五円は倒れ、サニーも倒れ。

 問屋と犯人が向き合い。

 他の十傑集は蚊屋の外となった。

 まあ、とりあえず今ここで注目すべきところは

 問屋と犯人である。

 他は、すまないがどうでも良いとしておこう

 問屋と犯人が何故向き合っているか。

 それはたまたま位置的に向かい合っている、

 と言うこともあるのだが、

 それ以上にこの二人が話をする事にしたと言う事実にある。

 時間を無駄にしないために。

 あらかじめ話せる事は話しておくようにするのだ。

 交渉事をする時は必要不可欠な事である。

 この話をスムーズにエレガントにそしてファイティングに進めるために

 二人は話し合わねばならないのだ。

 だが、話は進まない。

 なかなか最初の一歩が踏み出せないでいる。

 二人は、少し気を紛らわすため

 過去を思い出していた。

 だが、この状況で紛らわすことが必要なのかどうかは、定かではない。

 それでは、二人の過去を少しのぞいてみよう。

 

 ――――犯人の過去――――

 さて、皆さんは怪人赤マントという怪談話をご存知だろうか?

 この場合別に知らなくても良いのですが

 少し関わってきます。

 それは、犯人が小学校5年生の時であった。

 「やーい!赤マント赤マント」

 犯人はいじめられていました。

 何故なら、この時から犯人は背中にマントを羽織っていたからです。

 それが原因で皆から、「赤マント」と呼ばれていました。

 ですが、犯人のマントは別に赤じゃありません。

 子供はそんな細かいことは気にしません。

 そんなある日、犯人と他数名で王様ゲームらしきものをやりました。

 さて、皆さんは王様ゲームと言う遊びをご存知だろうか?

 この場合は別に知らなくても良いのですが

 少し関わってきます。

 それは犯人が小学校5年生の時であった。

 犯人はいじめられていませんでした。

 何故なら、犯人は31回中31回、すべて王様役をやっていたからです。

 このゲーム中、犯人は皆から若様と呼ばれいたそうです。

 そして、ゲームが終わった頃・・・・・

 「これからお前、若マントな」

 新たなあだ名がつけられた瞬間でした。

 「アカマント」から「ワカマント」へ

 一文字変わりました

 良かったですね犯人。

 ですが、その後日、犯人達に不幸なニュースが入ってきました。

 犯人に「若マント」と名付けた彼が、行方不明になったそうです。

 その子の両親は警察に捜索願を出したそうですが。

 今だその子は見付かっていないそうです。

 それから何年かの月日がたち

 犯人は晴れて「若マント」から「激安魔王」の名を獲得しBS団に入団したそうな。

 ――――――――――――

 

 ―――問屋の過去―――

 その時代は世界が戦争に包まれていた時のことだった。

 多くの戦いが渦巻いていた。

 その戦いの数だけ、血は流れ、ドラマがあった。

 そしてこの場、広大なる荒野の中に血を流す二人の男がいた。

 そのうちの一人が問屋でありムニエル・キャビア・フォアグラ―であった。

 「ムニエル・・・・貴様、何故止めをささん!?」

 男はムニエルに言う 

 だが、ムニエルは何も言わず後ろを向きその場を去ろうとした。

 「止めを刺さずして大いなる力は手にはいらん。

     それを知っていながら、何故!?」

 男はムニエルに対し言葉を次々とぶつける。

 だが、ムニエルは黙ったままだった。

 「まさか、情けをかけているではあるまいな

   もしそうなら、それは俺を侮辱する事になる。

    俺のプライドを!誇りを貴様はなんだと思っている!?」

 ここでやっと、ムニエルは口を開いた。

 「それは勝者が選ぶ事だ。

    俺には俺の誇りもあり。プライドもある。」

 「なに?」

 「そう、ベーコンエッグとしての誇りがな」

 「貴様、まさかベーコンエッグとして生きるつもりか・・・・・」

 「それが俺のさだめであり、俺の選んだ道だ」

 そして、ムニエルはその場を後にした。

 それは数年前の、ある日の出来事だった・・・・・

 ――――――――――――――――――

 

 ・・・・・と、まあこんな事があったそうです。

 これが、いつあったのか

 それがまた真実なのかは誰にもわかりません。

 すべての答えは本人の心の中だけなのです。

 それはさておき、二人は話をはじめることにしたようです。

 「それでは犯人殿、

   今倒れた、その・・・サニー・ジャ・ダメジャンでしたかな?

      その人物が、どのような証拠になると言うのです?」

 「彼女は父親と強力なデンワ(テレパシー)でむすばれておる。

   つまり、ポリデントに何かあれば、サニーの身にも何かしら変化が起こるはず・・・・」

 「それで・・・・まだ何もないということですかな?」

 「そうだ。つまり、

   現在消臭のポリデントに関して

     まず死亡はありえないとなる。」

 問屋は思いがけないこの事実に

 心を大きく揺るがされたのでした。

 ですが、醜い心によりそれを強引に捻じ曲げようという考えにいたりました。

 「たしかに、デンワでつながれていれば

    何か、わかるのかもしれませんが・・・・・」

 「むぅ・・・・」

 問屋の何か言いたげな言葉に犯人が眉を強張らせた。

 「そのサニーとか言う娘が

    本当に事実のみを述べているとは限らないでしょう?

      嘘の報告をしているのかもしれませんぞ、犯人殿」

 「なっ!」

 問屋ははっきりいって、普通言ってはならないような事を言ってしまいました。

 ですが、犯人の心にわずかではありますが

 確実に疑いの心が芽生え始めていたのです。

 ですが、人は何かを信じなくては生きてはいけないものです。

 この今の犯人の場合では、

 信じるべきものはポリデントでありサニーなのです。

 問屋の言う事をそうやすやすと聞き入れることは出来ないのです。

 犯人はとりあえず気持ちをごまかすために

 舌を出してみました。

 次の瞬間には、

 犯人の心はとても晴れ晴れとしていたそうです。

 

 

 

 

 

 

 ――――現在―――――

 サニーと五円が目を覚まし

 全員がベスト状態となり、今この場にいる

 「ふっ、わかっていましたよ。そのくらい・・・・」

 なぜか五円がカッコつけている

 「この策士、トンカツソース五円が見ぬけないはずないでしょう?」

 たしかに、もっともなのだが

 なら何故倒れたんでしょう?

 数々の謎が渦巻く中、

 五円は一人無視されて、みんなは話を進めていた

 「皆には先ほど説明したが、この娘はポリデントの娘だ

    彼女は父親と強力なデンワでむすばれている。そうだな?サニー」

 サニーはうなずき

 「もし、父になにかあれば、私にもなにかしらの影響があるはず

    なのに、まだなにも・・・・」

 「だから、それはサニーが嘘を・・・・」 

 「さあ!彼の死亡はありえない事がわかったんだ」

 問屋は言葉をさえぎられた。

 「だから、それは・・・・」

 「答えてもらおうか?問屋!!」

 今度はじい様が問屋の邪魔をする

 今までセリフのなかった他の連中が

 次々と元気になっていった。

 「だか・・・」

 「「「「「問屋よ!返答やいかに!!」」」」」

 皆が問屋に問い詰めるその時・・・

 「よろしい!その問には私がお答えいたしましょう!」

 一人で勝手になにか叫んでいるバカがいました。

 その人物の名は、五円。

 当然無視されました。

 「「「「「問屋よ!返答やいかに!!」」」」」

 「だから、私の話を聞けっつ―の!」

 場が急激にしらけた。

 それは一人よがり見え見えのセリフだった。

 「カァァァ・・・・・・っぺ」

 誰かがつばを吐き捨てた。

 皆、「でしゃばんな、バカ」とか「うざいんだよなぁ・・・」などと言ってどっか行こうとしている。

 もう解散するようだ。

 当然五円はその場に一人取り残された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――BS団内部廊下―――

 解散した後、犯人はサニーを連れて少し休憩しようかと食堂へと向かっていった。

 ちなみに心中では、

 (さて、夕飯は何にしよう・・・・昨日の肉じゃがが残っている。

   あとは、味噌汁とサラダを作り、魚でも焼くか)

 実は、家での食事で作れる時は犯人自らが作っているのだ。

 犯人はお料理が得意だったりする。

 そんなことを考えていると急にサニーが犯人の腕を掴んできた。

 「どうした?サニー・・・ん?・・・・」

 犯人が振りかえると、そこにはサニーがいた。

 当然だった。

 だが、その後ろの影はサニーのものではなかった。

 それは、ポリデントにそっくりだった。

 「気・・・気を・・つけろ・・・・犯人・・・・・

     全ては・・・・・・問屋・・・・の過・・・去・・・」

 デンワ能力だった。

 サニーはしゃべり終わると、そのまま倒れてしまった。

 犯人はそれを支え、抱き上げた。

 そして、犯人は

 (いやー・・・ポリデントにそっくりだったな・・・・)

 などと思い、首を傾げていた。

 だが、五分後デンワ能力なのだと察しを付け納得した。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 ―――量産泊本部―――

 笑作は目を覚ました。

 どうやら、先ほどまで寝ていたようだ。

 思い返すと、ヘリの中までは記憶がある。

 そこで眠ってしまったようだ。

 ふと横を見ると大きなカプセルのようなものがある。

 その中には水のようなものがいっぱいに入れてあり、金0が入っていた。

 「プフゥ!死体のホルマリン付け。

    ついに死んだんですね。金0さん」

 「それは違うよ、笑作くん」

 笑作はその声を聞いて、不機嫌そうに後ろを向くと、

 そこには酒味醂がいた。

 「気分を壊すな」

 ドガッ!

 「オゲェッ・・・」

 酒味醂は蹴られた。

 いつもの事だ。

 酒味醂が転がったその後ろには、一升瓶がいた。

 「あ、一升さん。じゃあ・・・・」

 「楊枝は、残念なことをした・・・・」

 ちなみに、一升瓶のせいである。

 「そうですか」

 笑作もなんとなくそんな気はしていたらしい。

 ふと笑作が外を見ると、

 そこには、値札がつき鎖につながれているジャイアンとロボがあった

 「すまないが笑作くん。今度こそロボを販売させてもらうよ。」

 また、酒味醂がでしゃばる。

 「これはいったいどういう事だ!」

 笑作は拳を握り締め、酒味醂に殴りかかろうとした。

 「これはお前と金0のためでもあるんだ」

 どこからともなく、発せられた声がそれを止めようとする。

 だが止まらなかった。

 「ええ!てめぇ言ってみろ!なんでこんな事しやがった!」

 「そ・・・それ・・・は・・・」

 酒味醂はボコボコに殴られまともに喋れない。

 一升瓶は見てみぬふり。

 「これはお前と金0のためでもあるんだ」

 そして、さっきの声さっきと同じセリフがまた・・・・

 だが、笑作達には聞こえていなかった。

 笑作はまだ殴っている。

 こうして、ロボの肩で煙草を吸いながら話しかけようとした男は、無視される事になった。

 殴り終えた後に、笑作が興味を示したのは、

 左肩の彼ではなく。

 右肩の妙な白い塊であった。

 雪かとも思ったが、違うらしい。

 笑作はとりあえず外の空気を吸いに出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――問屋の個室―――

 問屋は一人、ワインを片手に、音楽を聞きながら考え込んでいる。

 「父上ほど、ミニ四駆を、

   ホビー界を考えていた方はいなかった。

    それなのに、世間のヤツラは父上に汚名と屈辱をきせた。」

 問屋は、外のレース場を見た。

 「汚れた出来事を忘れようとするのなら、

    今再び思い出させてやろう。本当の夜の恐怖を、モーターの危険性を!」

 こうして、問屋は部屋を出て、

 出撃の準備をしようとした。

 だが、部屋を出てからワインをしまってない事に気がつき。

 冷蔵庫にワインを入れ、再び部屋を後にした。

 問屋は今度こそ出撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――BS団図書室―――

 ダン!

 犯人は机をたたいた。怒っているのだ。

 「おのれぇ、問屋め。よくもBS団を個人の復讐などに・・・・」

 犯人が怒り。サニーがそれを見守る中。

 巨大な機械の起動音が響き渡る。

 それがすぐに問屋のものだと二人はわかった。

 大借金の気を感じたからだ

 「サニーお前はここで待っていろ」

 「わかりました」

 サニーは、返事をし、そこで待つ事にした。

 犯人が図書室を離れ、少しした時に。

 異変が起こった。

 サニーはその異変に感づいた。

 下からなにかが来る。

 「うおおおぉぉ!!エスパー拳法地雷撃!」

 サニーの必殺技が放たれる。

 拳のあたった場所に凄まじい爆発が起こるはずなのだが。

 なにも起こらない。

 力が吸収されたのだ

 「なに!?」

 地面から黒い液体のようなものがサニーを襲う。

 サニーは悲鳴を上げる間も無くそれに取りこまれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――BS団本部 外―――

 「我々が、その気になれば大借金の一つや二つ!」

 「よし、行くぞ」

 「柿食えば、金が無くなり法隆寺!」

 十円玉がなにかを上に飛ばした。

 そして、それは上空高く舞い上がり、光を振りまいた。

 ホントはここで、ロボットが動き出すはずなのだが、

 モーターの使えない今それは動かなかった。

 皆、十円玉の事をバカだと思いはじめた。

 仕方なく皆走って行く事にした。

 その際分散し、三方にわかれた。

 

 

 

 

 

 

 ―――犯人・沢庵チーム―――

 走っている。走りまくっている。

 おっとこけた!!

 沢庵がこけた。

 犯人が足を引っ掛けたのだ

 これは卑怯だが、別にどうでも良い。

 「何をする、犯人!」

 沢庵は怒る。もっともだ。

 音速の速さからこけたのだ。

 その威力は凄まじい。

 「いや、あまりにスムーズなのでな・・・・」

 「余計な事はするな」

 「ところで、この事態五円はホントに見ぬけなかったと思うか?」

 「見ぬけなかったんじゃないか?」

 沢庵はあっさりと答えた。

 たしかに、最近五円はバカだ。

 だからと言って、このようなミスをするのだろうか?

 犯人は、いまいち納得できずにいた。

 「では、お前はそれを問いただしてくれば良かろう」

 「すまん」

 犯人は戻っていく。

 沢庵は先に進む。

 犯人は知らなかった。

 この先で沢庵が酷い目にあうことを、

 まだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――じい様・ケーキチーム―――

 こちらも走りまくっている。

 そして横から、カメラに使われるフラッシュがたかれまくっている。

 カメラマンも一流のやつばかりだ。

 「ええい!うっとうしい」

 ケーキは能力を使う事にした。

 彼の能力は、花粉を飛ばしどんな者でも

 花粉症にするというものだ。

 ハクション!

 ハクション!

 ハクション!

 カメラマン達はカメラどころではない。

 くしゃみが止まらず。

 涙で、前が見えない

 「あいも変わらず恐ろしい花粉使いよのう」

 じい様が口に出す。

 だが、実は心の中では

 (わしには通じないし、わしのがすごいけどね。ふふふん)

 とか考えてたりした。

 だが、言葉しか聞いてないケーキはいい気なもんだ

 「ふっふっふ、なんのぉ、あとは甘党のじい様に任せるとするか」

 それを聞いた、じい様は空を飛ぶための道具を出そうとしたが、

 慌てて出てきたせいか、部屋に忘れてきてしまったようだ。

 「しまった。置き忘れか!!!」

 二人の動きが止まってしまった。

 それは、まさに攻撃するには格好の餌食だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――十円玉―――

 十円玉は一人だった。

 別に、さっきの事が原因と言うわけではない。

 仲間外れというわけではない。

 人数的に仕方が無い。

 そして、周りには、ロボットの兵士が次々と出ていた。

 それを十円玉は呪文を唱え術にて応戦した。

 「時は金なり、果報は寝て待て。

    聞けぃ!全財産の響きあれ!!」

 チャリーン!チャリーン!

 お金の音を聞いたその兵士達は、次々と青白い炎に焼かれていった。

 そして、全滅したかに見えた。

 十円玉が横を見ると、人影を発見した。

 「まだ、残っていたか。算!」

 波動が地面をはっていくが、

 そいつによってかき消された。

 「否・・否否否!」

 気づかぬ間に、十円玉は何者かに飲み込まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――BS団特別試合場跡―――

 「五円。五円。どこにいる」

 「探す必要はありませんよ」

 空から流星の如く舞い降りた。

 三つの黒い影

 「こ・・・これは・・・・なんだっけ?」

 ホントは、ビッグセールに使える三つの運営者(三つの護衛団)

 包丁(ガルーダ)、天ぷら(ネプチューン)、シューズ(アキレス)であった。

 ちなみに、カッコ良く登場しようとした五円は、

 落下スピードに耐えきれず、泡を吹いて気絶。

 いつの間にやら彼らに捕まってしまった、他の十傑集は落ちるスピードは問題無かったが。

 地面にたたきつけられてしまったので、これまた気絶。

 そして、三つの運営者の並ぶその横には、

 BS団の最高責任者にて最高実力者、ビッグセールの姿があった。

 「は・・ははぁー!」

 犯人は頭を下げた。

 他の人は倒れていた。

 (そんな・・・ビッグセール様が姿をあらわすにはまだ早すぎるはず・・・

     ま・・・ますますわからなくなってしまったぞ。ポリデント。)

 その時なぜか、犯人の身体に悪寒がはしった。

 (これで役者はそろった・・・・

    あとは見守るだけ・・・・・・うへへへぇ・・・・)

 泡を吹き、涎を垂らし、気絶しながら五円はそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――量産泊本部 モーター処分所――― 

 笑作は一人、そこにいた。

 何かを考えるように。

 そこに声がかけられた。

 「よう」

 だが、それは笑作の耳には届かなかった。

 もう一度声をかけた。

 「よう」

 だが、届かなかった。

 声の主はついに怒り狂った

 「大漁を見ろ!楊枝を見ろ!あいつ等が、ブサイクでなくて何なんだ!!」

 その二人がホントにブサイクだったのかどうかはわからない

 それは笑作の耳には届かなかった。

 「だったら、金0だってブサイクだって考えれば良いじゃないか!?」

 この瞬間、笑作の耳に声が届けられた。

 「その通りだ」

 それを聞いた声の主は涙を流した。

 声の主の名は風呂桶ミンチ。パリ支部所属のエキスパートだった。

 「金0はたしかにブサイクだ」

 それもさだかではないが、そう言う事にしておこう。

 こうして、二人の中に友情が芽生えたのだった。

 そうした中、その場にあったモーターが急に作動し始めたのだ。

 「風呂桶!ここにいたのか!?」

 酒味醂が風呂桶に声をかけた。

 風呂桶にしてみれば、さっきからずっといたのに無視され続けていたのだ。

 だが、そんな事を気にしている場合ではなかった。

 「大変だ、今までにないほどの不景気エネルギーが地中を走っている」

 「じゃあ、まさか!」

 風呂桶と酒味醂は、ある程度予想を付けていた。

 だが、その予想は、かなり自分たちに不利なものだった。

 「大借金が銭湯ABCに向かっているのだ」

 「だが、予想よりはるかに早い・・・・」

 「酒先生、銭湯ABCってあの・・・・」

 「そうだ。今使う事の出きる最後の娯楽所。

   そして、その地こそ、十年前までタミヤ研究所と呼ばれていた場所だ!」

 その場所は、昔、時代の先行く技術を持っていた。

 タミヤ製品に溢れていた。

 デパートが並び、大繁盛だった。

 あの事件が起こるまでは・・・・・・

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 ―――荒野―――

 ズゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォォ・・・・・・!!

 あたりに波動の旋風を巻き起こし

 大借金は銭湯ABC(セントアーバーエー)へと向かっていた。

 「ハッハッハッハッハ

   見ていろ、2台で決着をつけてやる」

 操縦席にて、伝説のマシンを動かし

 勝利を確信し高らかに笑いがこだまする。

 だが、次にその顔は怒りと憎しみの顔に変わっていた。

 「フン、いくら名前や姿を変え

   その地を浄化しようとも、無駄なこと・・・

     何故なら!貴様等が健康の象徴としているその湯船の下にこそ

       我が父、レモン・キャビア・フォアグラ―が眠る地なのだ。」

 汚名をきせられた無念とともにな・・・・・

 問屋は最後に心でそう呟いた。

 「ご覧ください父上、

   すべてはここから始まり、ここで終わらせるのです。」

 問屋は再び勝利を確認するかのようにそう叫んだ。

 この瞬間、どれだけの人々が絶望したのだろうか?

 人々は思う、「これは報いなのだろうか」と

 一人の男は思う、「これは復讐なのだ」と

 だが、それを許さぬ者達がいる。

 そしてここに、その一人が立ちはだかる。

 問屋が、その場を破産させようと最後のスイッチを押そうとした。

 その瞬間、

 それが目に映った。

 「湯気・・・・・・」

 目の前のモニタに映る男の姿に

 問屋は動揺を隠しきれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――再び量産泊―――

 「しまった、私はまた肝心なところで

    判断を誤ってしまったのか・・・・・」

 「いや、せめてあちらに、借金長官がいるのが唯一の救いだ」

 その言葉を聞いた酒味醂はビビってつい、

 そして凄まじく、ホンゲー!!と言う顔をしてしまった。

 「なにい!!それではあまりにも、被害が大きすぎる(問屋の)」

 それを聞いた、風呂桶もつい、ホンゲー!!と言う顔をしてしまった。

 笑作は、やってらんねぇやって顔をしている。

 「まさか長官は・・・・・」

 「ああ、長官は間違いなくお使いになるおつもりだ。

      誰も抵抗することのできない、その姿と能力・・・・・」

 酒味醂と風呂桶はその能力の正体を知っている。

 笑作は知らない。

 だから笑作はわからなかった。

 何故二人が、冥福を祈っているのか。

 だが、借金長官の能力がそこまで凄まじいものだと言う事だけは

 笑作は理解する事ができた。

 その二人の態度と、遠くに感じる凄まじいばかりの気の波動によって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風の吹き荒れる荒野に、

 問屋の乗る大借金と、借金長官が向かい合う。

 問屋は動揺を隠しきれなかった。

 長官は前を隠しきれなかった。

 問屋は驚いている、いや、ビビっている。

 もう、むしろ、そんな言葉では言い表せはしない。

 大借金のカメラに映る、目の前の男借金。

 その姿、まさに風呂姿。

 腰にタオルを巻き、それ以外は身につけていない。

  「オエー―!!」

 問屋は吐く、もっともだ。

 長官は笑っている。

 「フッフッフ・・・・・」

 バッ!!!

 そして長官は身につけるその最後の一枚を

 なんと取り去ってしまった。

 「オエー――!!ゲロゲロゲロッ!め・目が・・目が腐るぅぉぅ・・・オエー!!

    こ、こいつ馬鹿か・・うっぷ・・・・。ままま、まさかス、スッポンッポンでこの大借金に挑むつもりか!?オゥエ・・・」

 「その通り,貴様などこの莫大なる借金一人で十分だ」

 長官は笑って答えた。

 何故笑っていられるのだろう?

 何がその通りなのだろう?

 一人で十分?そんな問題ではないのだ。

 問屋はもう頭がおかしくなりそうだった。

 混乱のどん底に落ちる問屋。

 だがしかし、長官は待ってくれなかった。

 いや、待ってくれるわけがなかった。

 もうやる気は満々である。

 空を飛び、拳を握り締め、拳に力を集中させる。

 そして大借金に突っ込んでいった。

 「うおおおおーーーーーーーー!!!!」

 問屋はたまったもんではありませんでした。

 どっちかっていうと視覚的に、

 カメラに映るものは、凄まじいスピードと気迫で迫る裸のオヤジ。

 この状況に誰が耐えれようか。

 いや、誰も耐えれまい。

 問屋の恐怖を笑うものなど誰もいないだろう。

 彼が臆病者だからと言うわけでは決してない。

 問屋に冥福を祈りましょう・・・・・

 ドゴーーーーーーーーン!!!

 凄まじい光と爆発音が起こった。

 爆風が吹き荒れる。

 そして、その場がどうなったか

 今は、誰も知る由もない・・・・・・

 だが、量産泊にて見守る。酒味醂と、風呂桶だけは

 この結果を想像する事ができたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 ―――またまた量産泊――――

 酒味醂はその場に泣き崩れた。

 「ああ・・・・私が判断を誤ったばっかりに

    問屋にあのような事を・・・・・これでは敵といえども

      あまりにも過酷すぎる・・・・・・くくぅっっ!」

 風呂桶は酒味醂など見向きもしないで、いや、チラッと見たかもしれないが

 一人考え込んでいた。

 (まさか、ヤツラが第三のマシンをあきらめるとは誤算だった・・・・・

      いや、ホントにあきらめたのか?伝説のマシンを・・・・・・)

 右手を顎にやり、そんなことを思っている時

 笑作は泣き崩れた酒味醂の襟首を掴み

 バシッ!バシッ!バシッ!

 三度殴った。

 「長官の能力がどれほどのものかは知らないが

     どうやら、泣いてる場合じゃないらしいぜ・・・」

 笑作は親指を後ろに向けそちらを指差した。

 その指差した方向の岩から、巨大な何かが飛び出そうとしている。

 「ハーッハッハッハッハ!!」

 巨大な岩から現われたそいつは

 ゴーレムを思わせるような姿だった。

 「あれは!まさか!フランスパン(ビックゴールド)!!」

 風呂桶ミンチは目を見開きそう叫んだ。

 そして、笑作と酒味醂も注目した。

 「ふっふっふ・・・・良くご存知だな・・・・」

 ボロ〜〜ン・・・・

 妙な効果音が流れた。

 その音と共にフランスパンの胸部よりそいつは現われた。

 「十傑集、カケイ・ガ・レッド(マスク・ザ・レッド)!!」

 「いかにも・・・・ゴホゴホ・・・」

 カケイ・ガ・レッド・・・その姿は

 下半身はその巨大なフランスパンの中に埋めていた。

 だが、下半身など問題ではなかった。

 上半身に問題があった。

 端が欠けたメガネのようなものをかけ。

 服は継ぎはぎだらけ

 顔はゲッソリと痩せていて、軽く青ざめている。

 それもそのはず、この男の家庭事情にかなり問題がありすぎた。

 今から6代前の時に

 悪徳な金貸しから金を借りてしまい。

 それから、ずっと借金に終われる毎日・・・・

 一生働いても返しきれない。

 10代先まで返し続けてやっと追いつくかもしれない・・・・

 ・・・・というくらいだ。

 小さい頃から働かされてきたレッドは

 長い間の重労働や過酷な経験をつみ

 そのおかげで超人的な力を身につける事ができた。

 そして、その力を見こまれ

 BS団の十傑集と言う地位につくことが出来た。

 他より、随分まともなお金をもらえる場所だった。

 レッドはその時初めて希望の光を見ることが出来そうな気がしてきたそうだ。

 その足がかりとなるのが

 こういう戦いの一つ一つだった。

 レッドは負けるわけにはいかなかった。

 過労にて先立っててしまった父

 もはや動く事すらままならない母

 家で看病と仕事を両立させる兄弟達

 そのためにも、レッドには決して失敗は許されなかった。

 その姿を見て

 あの笑作ですら涙を流している。

 「ふ・・風呂桶さん・・・・僕もう見てられません・・・・くっ・・・」

 思わず目をそらしてしまう

 「いや、見るんだ笑作、あれが現実だ!」

 再び目をむける

 「・・・・うくっ・・・・」

 涙が目にしみて滲んで見える。

 「わかりました。僕はもう目をそらしたりしません。

    迷わず戦います!!」

 笑作は決意を固めた。

 そこに酒味醂が・・・・・

 「そうだぞ、笑作君、逃げてはだめだ。

   それにヤツはあれでも十傑集、我々が束になっても勝てるかどうか・・・・・」

 バゴッ!!

 「ブフゥ!!!」

 余計な事を言ったので殴られた。

 「うるせえ、お前といっしょにするんじゃねぇ!!

   この役立たずが!!!」

 「はっ・・はが・・・・はっ・・・かはっ・・・・」

 口の中で歯がめり込み、ズタズタだった。

 そして、あまりにも強烈な衝撃をくらったため

 上半身の気管が痙攣を起こしている。

 それに気づいた風呂桶は、耳をおりまげ餃子を作り見守っている。

 だが、すぐに調子を取り戻し話を進めた。

 重大なことに気がついたからだ。

 「それにしても、我々の九大店長がいないのを良い事に

   ヤツラがここまで入り込んでいるとは」

 「フッフッフ・・・ゲホッ・・・私だけではないぞ。見よ!」

 レッドが右腕を上げた。

 笑作と風呂桶はそれが何を意味しているのかわからなかった。

 酒味醂は下に転がっていた。

 さて、困ったのはレッドであった。

 仕方ないのでもう一度やってみることにした。

 「見よ!」

 再び腕を上げた。

 だが、二人はまだわかっていなかった。

 レッドはどうしたら良いかわからなく。

 とりあえずそのポーズを保っていた。

 あれこれ考えた末5分後にその意味を理解した。

 レッドの腕の指し示す方向に何かあるのだと

 二人は、その方向に振り向いた。

 パチン!

 パチン・・・

 パチン!

 パチン・・・

 パチン!パチン!パチン!パチン!

 パチン・・・パチン・・・パチン・・・ザクッ・・・

 「うわぁあああ!!!」

 レッドの指し示した者にかかっていったエキスパートは足を抱え転げ回った。

 彼が指を鳴らした時閃光が走り、それがエキスパートに襲いかかったのだ。

 さらに、次々とエキスパートがそいつにかかっていくが

 すべて同じように指を鳴らされては足を抱え転げ回る。

 そして、ついにエキスパートの怒りが爆発し叫びとなった。

 「き・・貴様!・・・・名を・・名を名乗れ!!」

 そこでその男は動きを止めた。

 「ふふふ、良かろう」

 パチン!

 「うぎゃぁあああ!!」

 その者も他のものと同じ運命をたどった。

 「私の名は、みすぼらしきフィッシュサンド(素晴らしきヒィッツカラルド)」

 彼の能力は、指をならし収縮されたエネルギーを撃ちこみ、

 それを、カマイタチ化させ相手の爪を深爪の位置まで切るという恐ろしい技だ。

 しかも靴はまったくの無傷だという事が、また恐ろしい。

 「十傑集が一度に二人も・・・」

 エキスパートが足を抱えそう呟いた。

 「いやいや、君たちは実に運が良い

   今日は特別でね、もう一人きているんだよ」

 そうして、フィッシュサンドの指し示す方角にダムがある。

 そのダムの上に一人の男が立っていた。

 棒のようなものを持つ、長髪の男だった。

 彼の名は、関税の塩(直系の土鬼)

 そこに流れる水が如し激しくも、冷ややかな心を持つ男だ。

 それを見たエキスパート達は、船を出し出撃した。

 その先行には、九大店長に次ぐ実力者、カレー(花栄)と人参(黄信)の姿があった。

 「行け!行け!行けぇい!!」

 「ここを占拠されるは恥辱の限りよ、全員出陣じゃあ!!」

 「ウオオオオオオオオオォォォォォウ!!!」

 二人の、雄叫びは率いる兵士達の士気を高め、その戦闘能力を増大させた。

 関税の塩は、目を瞑り神経を研ぎ澄ませ、時を待つように心の中で木魚を鳴らした。

 ポク・・・ポク・・・ポク・・・

 ・・・チーン!!

 ザバアァーーーーンッ!!!

 水の中により、数人のさんど笠をかぶり、手に手ぬぐいを持った僧侶らしきものたちが現われた。

 「日ごろの感謝のお歳暮の、お礼を兼ねたお中元、

   正しき礼儀の名の元に、我等その名を タオルの詰め合わせ(血風連)!

     更に略してタオツメ!関税の塩様。まずは我等にお任せを・・・・」

 その言葉に関税の塩は頷いた。

 それを見たタオツメは、

 水の上を走り出し、手ぬぐいを特売バーゲン機構のエキスパートに向かって伸ばした。

 それはぐんぐん伸びる、気が込められているので伸縮自在、強度柔軟性が思いのままなのだ。

 複数の手ぬぐいはそれに込められたエネルギー同士が相乗効果で力をアップさせ竜巻の如く襲いかかった。

 バーゲン機構エキスパートも負けてはいない。

 「うおおおおお!!!

   七五三グレートタイガーアーチェリー!!!」

 虎の闘気を背負うカレーの弓から千歳飴が放たれる。それはさながらガトリングガンのように。

 その攻撃は、タオツメの手ぬぐい攻撃を相殺した。

 「トドメェい!!!」

 カレーは、チャンスと思い、千歳飴に闘気を込め撃ち放った。

 それは、稲妻のレーザー砲とでも表現するかのように凄まじいものだった。

 爆発を起こし、津波が起こった。

 誰もが仕留めたと思った。

 だが、違った。

 津波にまぎれ、手ぬぐいを振り回し。

 ヘリコプターのように飛んできたのだ。

 空中からなる飛空殺法の前にエキスパート達は戸惑い、すきを見せてしまった。

 船は沈められ、再び津波を起こし、この場の闘いは特売バーゲン機構の敗北となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――場所は変わらず量産泊内、金0の心の中―――

 さて、突然ですが皆様は人の心と言うものを、考えたことがあるだろうか?

 人の心には、必ず良い心と悪い心があるらしいのです。

 それは、どんな人も例外無くあるそうだ。

 では、人が良い事を、または悪い事をする確率は二分の一なのか?

 そうでは無い。

 心にも戦闘力があり、その強い方が選ばれるわけである。

 では、この金0の場合はどうなのだろう?

 ためしに、今、金0が心に思い浮かべている事を、そのままセリフとして聞いてみる事にしよう。

 「ケッケッケッケ、このカプセルの中にいれば、私は安全。

   それにしても、皆よく頑張るわねぇ、ホントに、ウケ・・ウケケケケケケ・・・

     まあ、せいぜい私に被害の無いようにやってもらいたいものですわねぇ。

      でも、この私の出番が近いってのに、誰も来ないってのはどういう了見かしら?

        まったく、どいつもこいつもとろとろやってんじゃないわよ。でも、風呂桶は来なくて良いわ。邪魔よ。」

 さて、彼女の心境がわかったであろうか?

 金0の心はどちらなのか?

 それは、彼女だけの秘密と言う所でしょう。

 それにしても、彼女はホントに人間なのでしょうか?

 いや、人間じゃないにしても我々の知る種族なのでしょうか?

 地球外、または目に見えない類のものではないのでしょうか?

 いやいやいや、更にそれ以外のものなのかもしれません。

 ですが、それもきっと彼女だけの秘密なのでしょう。

 それでは、最後に一言

 金0よ、いったい風呂桶と何があったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――量産泊内、ロボの格納庫付近―――

 風呂桶も酒味醂もやられた。

 レッドの操る巨大なフランスパンに踏まれ、足元を崩され、水流の中に落ちていった。

 笑作はロボの元へと向かう

 だが、レッドが見逃すはずが無い。

 「くらえ・・ゴホッ・・・・ロボの操縦機ごと踏み潰してくれるわ!」

 とても体調の悪そうなレッドは、フランスパンで笑作を踏み潰そうとする。

 バゴウウゥゥゥン!!

 フランスパンの足が笑作の上に置かれた。

 だが、笑作は潰されてはいなかった。

 「なに!」

 笑作はフランスパンの攻撃を受け止め防いだのだ。

 「くっくっく・・・この俺を踏み潰すだと・・・

    ロボの操縦機ごと踏み潰すだと・・・・

     俺の本気はロボより強いぜ!!てりゃあぁ!!」

 なんと、笑作はフランスパンの攻撃を腕でささえ押し返した。

 笑作の正真正銘のバトルモードへ突入だ。

 当然、バランスを崩し倒れるフランスパン。

 自身の戦闘としては未熟な笑作が連続してフルパワーで闘う事が出来るのは、

 わずか二分間である。

 それ以上は、行動不能状態へとおちいる危険性がある。

 よって、その制限時間は守らねばならない。

 笑作は時間に余裕をもって戦う事にした。

 「一分以内で、かたをつける!!はあッ!」

 笑作は気を開放した。

 あたりに波動の風が吹き荒れる。

 暴風の中、レッドはフランスパンを起こした。

 「くっ・・・この力は・・ケホッ・・・・ヤツめ力を隠していたか・・・・」

 「つえりゃぁ!!」

 凄まじいスピードでフランスパンに近づき。

 「必殺!激烈タイタンパンチ!!」

 拳を叩き込んだ。

 重量トラック三台分ほど力がフランスパンの頭部にかかった。

 「ぐおおおぉぉ・・・・・なんというパワー・・・・」

 相当のダメージを与えたようだ。

 だが、笑作の攻撃は止まらない。

 今度は凄まじいスピードで前宙を繰り返した。

 その勢いでカカト落としを決めた。

 「スーパー殺法!大ハンマーキック!!」

 その威力、まさにジャンボジェット機の1.5倍の力だ。

 フランスパンは膝を崩し、攻撃を受けた場所からエネルギーがぬけていくのが目に見える。

 「ぐはぁ・・・・ゲホッ・・ゴホッ・・・このままでは勝てん・・・・」

 「はあ・・はあ・・やったか」

 笑作は、気の開放を一旦解いた。

 レッドは思う、今の状態では勝てないと。

 だが、勝たねばならない。

 自分の勝利をどれだけ家の者が喜んでくれるか。

 そして、次の仕事のまわりも良くなってくる。

 それを考えると、レッドは勝たずにはいられない。

 だが、体調が悪く、ここまでダメージをおったレッドに、

 ここから起き上がり、戦う力など残されていなかった。

 「くそう・・・・・・」

 悩み、苦しみ、悔やんだ。

 そしてレッドは、今出来る最後の手段を使う事にした。

 「すまない・・・・母上・・・兄弟達よ・・・・・今はもうこれしかない・・・・

    この償いは・・・・オレがバイトを増やし・・・・きっとする・・・・・」

 レッドはどこからともなくオニギリを取り出した。

 味噌の入った美味しいオニギリだ。

 本日、BS団にて支給されたオニギリだ。

 兄弟達にも食わせてやるつもりだった。

 母に持ちかえってやりたかった。

 だが、このままでは自分がやられてしまう。

 そうなれば、オニギリを届けるどころか、働くことも出来なくなってしまう。

 レッドは涙をのみ。

 そのオニギリを、全て食い尽くした。

 レッドの身体に栄養分が行き届く。

 普段はそれが十分に行なえない為に、

 実力の数%しか出せていなかった。

 たしかに、本調子ではない。

 だが、先ほどまでのレッドとは明らかに力が違う。

 その証拠に、フランスパンからぬけていったエネルギーが戻っている。

 いや、さっきとは比べ物にならないほどだ

 笑作もそれに気づいたらしい。

 「な・・なんだこの力は・・・」

 再び気を開放したが、笑作はこれに勝てる気がしなかった。

 そのパワーは先ほどの二十倍だ。

 レッドは、フランスパンを起こし。

 攻撃を仕掛けた。

 巨体にもかかわらず、そのスピードは凄まじかった。

 目ではとらえる事など不可能だった。

 その攻撃は、当然笑作にヒットする。

 「ぐあああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!」

 気を開放しているというのに、笑作はその攻撃に耐えられず吹っ飛んだ。

 バゴオオン!!ガラガラガラ・・・・・

 そこには、ちょうどロボの格納庫へと行くエレベーターがあった。

 壁と地面は崩れ落ち。

 笑作はそれに巻き込まれた。

 「どうだ?草間笑作。」

 笑作は、素早い判断でロボを動かそうとした。

 「ロ・・ロボ・・」

 だが、ロボが動き出す前にレッドの追い討ち攻撃があった。

 「くらえ!」

 笑作は再び吹っ飛んだ。

 「ぐあああぁぁぁぁ・・・・・!!」

 そして、飛んでいった先はと言うと・・・・・

 金0の入っているカプセルがある場所だった。

 そこで見事ジャストミート。

 「げぼぉばはぁあ!!」

 カプセルを突き破り、金0に激突した。

 肋骨は折れ、胃は破れ、内臓のほとんどに凄まじい衝撃が加わった。

 金0の口からは血が大量に出ている。

 自然の防衛本能からだろうか?

 金0は思わず能力を使い。

 その場から逃げようとした。

 だが、その規模はあまりにも大きかった。

 精神集中が無かった分、力の放出に抑えがきかないのだ。

 もう、後戻りは出来ない。

 こうして、何の覚悟も無いまま展開は最終決戦へと突っ走っていった。

 そして、金0も最後の時へと突っ走っていった。

 残された余命も、後わずかしかないのだ。

 

 

 

 

                      ―――つづく―――

 

 

 

 

 

 

 ―――――――― 次回予告 ―――――――――――――――

  さあ、風雲急告げる大展開!

  渦巻く十傑集の疑問の中、問屋が作戦を成功させるのか?

  大借金に立ち向かう、借金長官の能力はそれを阻止できるのか?

  いよいよ、決戦の時を迎え、銭湯ABCはその舞台となる。

  ついに、終局を迎えるこの時に、

  ただ一人不適な笑いを浮かべる男がここにいる。

  「ふっはっはっはっは、商品は全て私の思いのまま」

  次回ついに完結!!

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 〜〜〜〜〜〜補足説明〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 小ネタのような物です。あまりマジにならず

 本編同様、なるべく気軽にお読みください

 用語解説

 銭湯ABC・・・・読み方を「せんとうあーべーせー」っという風に

          「エービーシー」では無く「アーベーセー」と、昔

          言い方をするとしっくり来るかもしれない。

 

 その他解説

 今川監督・・・・ジャイアントロボ―地球が静止する日―の監督

          である。あの名シーンである長官のシーンは、

          夜中にオヤジが外でシャドーボクシングをして

          いる姿を見たら怖いよなぁ・・・・などと思い、考

          えいたらしい。

 芋側監督・・・・ジャイアンとロボ―デパートが静止する日―の

          監督である。あの名シーン(嫌な意味)である

          長官のシーンは、夜中に裸のオヤジがシャドー

          ボクシングしてたら怖いよなぁ・・・・などと思い、

          考えついたらしい。(大嘘です)

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