Page  エンジンの作成   
 

 エンジンルーム内は実車でもむき出しの配管が複雑にとり回しされ,さらに真上に跳ね上げるリアカウルの一番後方には大きなインタークーラーが鎮座し,エンジン本体はエンジンルーム内に上半身をつっこんでみないとなかなか見えません.
 カウルオープンのモデルでも,完成した際には下記の実車画像で見えている部分が見えることになりますので,この部分の作り込みがディテールアップのキーポイントになるようです.

 

 

1)エンジンの組立 

 エンジンの基本的な構成は下の写真の通りです.

 

 

2)エンジン周りの取り付けと塗装 

 エンジンブロック・インジェクター・排気管・スーパーチャージャーの各部品のバリをヤスリで削ったり,カッターナイフで削った後,#600番のサンドペーパーで平面な部分のみ表面をならします.
部品の表面を構成しているモールド(特に表面に向かって凸の線)は削って平らになってしまわないように,注意してサンディングします.
 これらの部品のディテール,精度は比較的満足できるものですが,それぞれの取り付け部分の孔が埋まっていることも多いので,あらかじめピンバイスで穴を開け直しておきます.
 また,エンジンブロック奥のディストリビューター部分は自作パーツを取り付けるため突起を削り取り,ヤスリでならした後取り付け用の孔(φ1.5mm)を開けておきます.
 なお,エンジンブロックは作業がし易いように,下図のように,φ1.5mmの針金で台座を作成,エンジンブロックの底に同径の穴を開け2点支持で固定しておきます.

 エンジン基本部分の塗装は全てエナメル塗料で色をのせました.
  ●エンジンブロック ;フラットアルミ(TAMIYA;#XF-16)
  ●ミッション部分 ;フラットブラック(TAMIYA;#XF-1)+ガンメタル(TAMIYA;#X-10)
  ●スーパーチャージャー本体 ; チタンシルバー(TAMIYA;X-32#)
 ●インジェクション ; セミグロスブラック(TAMIYA;#X-18)
 ●排気管 ; クロムシルバー(TAMIYA;#X-11)+ハルレッド(TAMIYA;#XF-9)
                  +フラットベース(TAMIYA;#X-21)
 カムカバーのABARTHの刻印はスカイブルー(TAMIYA;#X-14)をドライブラシ(筆に塗料を少量付け,新聞などの表面に塗りつけて塗料を落とす要領で筆を走らせ,かすれるくらい塗料が筆先に残った状態で,ABARTHの刻印の表面のみに色をのせる)で塗装しました.
 エナメル塗料は指で触ると簡単に退色,塗料の剥離を生じるため,取り付け前にとりあえずの塗装しておき(特に色の境界になる部分や取り付け後に筆が入らない部分を重点的に),取り付け後再度同色で仕上げ塗装をする覚悟が必要です.

 

 

3)タ−ボ,吸入系配管,インタークーラー取り付け 

 インタークーラーはやや筋堀りのモールドがあまいような気がしたので,目立てヤスリ,カッターナイフなどで筋堀を深くしておきました.
配管の部品はそのままでも取り付け用のダボが形成されていますが,形状の精度が悪く,そのままだと完全にはまらず,なおかつ強度不足なので,接合面をヤスリで平らにした後,双方にピンバイスでφ0.7mmの孔をあけ,φ0.6mm洋白線を挿入し,取り付け用の芯を入れるようにしました.
ただし,芯の挿入がきっちりタイトだと,組み付ける際に”遊び”がなく,最終的にエンジンを組み付ける際に,ジョイントのつじつまが合わなくなってしまうので,やや大きめのサイズのピンバイスで孔を開けておくか,または,ピンバイスで孔を開ける際に,まず,ピンバイスを直角に当てて通常通りに孔を開け,孔を開けた後,ピンバイスをこじる様にゴリゴリ回転させ,ピンバイスの腹を使って孔をドリル径より大きくするようにしておくと,それぞれのジョイントに”遊び”が形成され,組付けの際に完全につじつまが合いやすいです.

 各部品の色は下記の通りにしました.
  ●スーパーチャージャー配管 ; クロムシルバー(TAMIYA;#X-11)+艶消しホワイト(TAMIYA;#XF-2)
  ●ターボプロップ(吸気側) ; クロムシルバー(TAMIYA;#X-11)+艶消しホワイト(TAMIYA;#XF-2)
  ●ターボプロップ(排気側) ; クロムシルバー(TAMIYA;#X-11)+ハルレッド(TAMIYA;#XF-9)
                   +フラットベース(TAMIYA;#X-21)
  ●インタークーラー ; クロムシルバー(TAMIYA;#X-11)+艶消しホワイト(TAMIYA;#XF-2)
             +グリーン(TAMIYA;#X-5)

 実車では,吸入系の配管の接続部には,スカイブルーの色をした,おそらくプラスチック製の接続ブーツが存在するのでこれも再現しました.
 吸入の配管とは別の部品であることを強調するため,不要の白デカール(コンパチモデルで使わなかったラリー用ゼッケンなど)にエナメル塗料のスカイブルー(TAMIYA;#X-14)+艶消しホワイト(TAMIYA;#XF-2)+フラットベース(TAMIYA #X-21)を塗り,一晩換装させたものを短冊にカットし使用し,各配管の接続部分に巻き付けました.
 貼り付けは通常のデカールと同様,水の中に付けて剥離したものを貼り付けましたが,通常のデカールよりかなり硬いので,マークソフター(旧GUNZE=現GSIクレオス;Mr. MARK SOFTER)にしばらく浸したあと貼り付けを行っています.それでも接続部分など段の付いた部分に貼ることになるので浮いてしまい,部品になじまないため,乾燥後の脱落防止の目的で,貼り付けたデカールの帯がほぼ乾燥した時点で,周りから瞬間接着剤を流し込み,固定してしまい,完全乾燥後,前述調色したスカイブルーを再度塗装し仕上げました.
 なお,画像のターボプロップにはまっているのは,爪楊枝の先で,部品の固定のために差し込んでいるものですが,大体の大きさが判ると思います.

 

 

 

4)ディストリビューター,プラグコード,点火プラグ作成装着 

 実車のディストリビューターは円筒形の頂上部側面から4本が並んで出ているタイプのようですが,1/43でそこまで完全に再現するのは不可能であると判断し(完成したらどうせ見えないが,Bosica等では見えないところもフルディテールなんだろうな〜なんて勝手に思っています),イグニッションコイルからの配線も含めた5本が1カ所から出るようにしました.
 すなわち,ストック部品の中から,適当な大きさの円筒形のもの選び,を3mm程度の高さに形成し,中心部にφ1.0mmの孔をピンバイスであけ,プラグコードはφ0.45mm(Modeler's;M053-300)を5本まとめて瞬間接着剤で固めて束にしたものを,ディストリビューターの先ほど開けた孔に通し固定し(下図左),乾燥後余分なコードをカットしました(下図右).

  

 ディストリビューター基部(エンジンへの取り付け側)にはφ0.6mmの孔を開け,同径の洋白線を組み込み,これを取り付け用の芯とし,エンジン本体に開けておいた孔に差し込み接着することにより,先ほど作成したディストリビューターを取り付け固定しました.

 ディスビー取り付け後,実車の配線にあわせながら,配線コードを適当な長さにをカットします.
プラグキャップは,外径φ0.8mm/内径φ0.4mmのアルミパイプを使用しました.
 このパイプを長めにカットし,内径をピンバイスでφ0.5mmに広げておいたものを4本用意し,その後,高さがカムカバー上面にそろうように再度カットした後,エンジンに接着する前に,先にプラグコード側に瞬間接着剤で装着しました,

 プラグキャップの部分を,赤(TAMIYA;#X-7)で塗装し,完全乾燥後,プラグキャップをエンジンカムカバー上面の孔に瞬間接着剤で接着し,エンジン側のプラグコードの装着を行いました.
 プラグコードはφ0.24mmのステンレスワイヤー(プロホビー;#33)で結紮しまとめましたが,このステンレスワイヤーを手で結紮するのは困難なので,手術用(医療用)小モスキート鉗子で両端を把持しタイトに結紮しました.一般には,ラジオペンチ2個で把持して結紮するのが妥当と思われます.また釣り用テグスでまとめてもよかったと思います.

 

 

 

5)  排気管 

 排気管もホワイトメタルの一体形成なので,当然エキゾーストパイプエンドには孔があいていません.
このため,エキゾーストパイプの部分を短くカットし,外径φ1.6mm/内径φ1.4mmの真鍮パイプを装着し,断端を斜めになるようにヤスリで形成しました.

 排気管はエンジンをシャーシに取り付けた後の微妙な位置あわせ(エンジンとシャーシの両方に固定されなおかつサイレンサードラムがシャーシまたは地面に対し水平で,かつ,2本の排気管が平行に並んでいること)が必要となるため,エンジン作成時に取り付けておくべきではないので,ここでは塗装のみにしておきます.
 排気管およびサイレンサーをチタンゴールド(TAMIYA;#X-31)+ダークコッパー(TAMIYA;#X-28)で塗り,サイレンサーには糊付き金属箔(Modeler's;メタルック)を帯状にカットしたものを巻き付けています.

 

 

6)  エンジン部分の最終仕上げ 

 エンジン部分の最終仕上げとして,軽めにウォッシングを施しました.エナメル塗料溶剤(TAMIYA;#X-20)にスモーク(TAMIYA;#X-19)と,ごく少量セミグロスブラック(TAMIYA;#X-18)を混ぜ,筆に多量に含ませた状態で全体的に塗りつけ,余分の塗料を搾った筆で吸い取り,陰影とエンジン部分の軽い油染みを表現しました.
 元来,彩色などの絵心のない私にとって,派手なウェザリングは苦手でもあり,嫌いなので,あくまで”言われてみればそうかもしれないな〜”という程度にとどめています.
 

 

 

7)  付記 

  今回の場合は,カウルおよびドアオープンのフルディテールモデルですので,私の技術の範囲では,かなり凝ったエンジンにしましたが,これでもフルディテールと言うには,エンジン前面のベルトがないなど,完成後見えない部分は省略形になっています.
  通常のプロポーショナルモデルでは,エンジンルームはカウルの中で,リアシールドはブロンズ入りで,またそのリアシールドの内側には開窓面をほとんど覆ってしまうような巨大なインタークーラー専用エアインテークとその奥に位置する吸気ダクトなどがエンジン本体の視野を妨げ,さらにはリアカウルのサイドシールドもスモークブラウンのため,完成後はエンジンはほとんど見えません.
  このため,私も,プロポーショナルモデルを作る際には,エンジンは給排気系も組み上げた後に一括でシルバーに塗装し,その後,おおざっぱに塗り分け,ウォッシング少々でコード類配管なし,さらに,次ページ以降に再現した鋼管フレームもキット通りにすることがほとんどです.
  但し,全く違った解釈として,上記のエンジンルームの妨げを全て省略し,カウルのシールドからエンジン内がよく見えるような構成に変更し,エンジンの特に上面やエンジンルーム内をフルディテールの凝った作りにするというのも,一つの”ハイセンスな作風”と言えると思います.

 

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