トワイライトシンドローム
〜究明編〜(PS)


もう6年前のゲームです。(2002年10月現在)

知ってる人は知っているし、ファンも結構いるようです。

ちなみに、発売元のヒューマンは今は潰れちゃってます。

時の流れの残酷さを感じます。


はっきりいって、このゲームは純粋にオススメしたいです。

とはいえ、ゲーム性は良いとはいえず操作性も悪い。

なのに、あえて薦めるのはそのシナリオの良さです。

好きなゲームは"真・三国無双"だと答える私ですが、

心に残るゲームはと聞かれれば、迷わずこのゲームの名を挙げます。

そんなに感動するのか?と思われるでしょうが、

良いシナリオというものが必ずしも感動ものとは限りません。

心に残り、そして我々に考えさせるという意味での良いシナリオということです。



FFはシナリオが良いという声をたまに聞きます。

Xにおいては、続編のX−2なんて物が出るくらいです。

どうせ、インターナショナル版を後だしジャンケンみたいに出すんでしょうけど。

話が逸れましたが、私もXやってた時は少しはいい話だと思いました。

が、1ヶ月もすればその内容は奇麗さっぱり忘れました。

それは、なぜか?

FFXのシナリオは、

人の好むものを、ウケるように料理したものだと感じられるのです。

例えるなら美男美女のロマンス・冒険・世界を救う・・・といったものを。

たしかに、いい話ではあるかもしれない。が、心にはズシリとこない。

現実離れ、というより完全に空想の世界と認識しているからかもしれません。

だが、"トワイライト"はズシリと重い。ボディーブローのように心に響くのです。

しかも、武蔵野など実在の地名がゲーム中に出るほど、私達に近い世界設定。

別に、世界を救ったりするわけではないので話の規模は小さい。

それがゆえに、テーマは身近で重いのです。

ちなみに本作のあらすじは、 6年たった今でも鮮明に覚えています。


さて、本題のゲーム内容について。

主人公は女子高生3人のホラーアドベンチャー。

ここで、ギャルゲーか・・・と思った人はストップ!!

髪の毛の色がパステルカラーだったり、超能力だの魔法をつかったり

噂されると恥ずかしいとほざかれたり
とか一切なし!

恐怖体験しすぎるとショック死する生々しいまでの普通の女子高生です。

生々しすぎておっはーやブッチホンを凌駕する死語をしゃべりますが。

とはいえ、3人それぞれはちゃんとキャラがたっており、

妹風・お姉さん風・・・違う。

大人びたリーダー格・霊感のあるグループの制止役・

そして"当時の"今時の女子高生という具合です。

シナリオもそうですが、この3人の最初(探索編)と最後の

関係の微妙な変化も注目すべき要素です。

本作はギャルゲーというより、ホラーと人間ドラマのハイブリットといえるでしょう。


ゲーム自体は、かなり単純なアドベンチャーです。

話は1話完結型(といっても大筋はつながっていますが)で、

選択肢によって、その最後が変わっていくマルチエンドタイプ。

グラフィックは、キャラクターは実写取込ですが

顔はぼかしてあるので、プレーヤーに想像の余地を残しています。

一枚絵は手書きで、背景はポリゴンを無闇に使っていません。

まぁ、奇麗とは言い難いのですが、それが逆に話の生々しさにしっくり来ています。


シナリオですが、やってない人の楽しみを減らしたくないので 詳しく言えません。

しかし、私が何故本作のシナリオを誉めるかを簡単に。

その理由の一つが、"夕闇の少年"のシナリオです。

このシナリオは、 いじめでの自殺者の話なのです。

脊髄反射でしゃべる人は

「ゲームでいじめを語るなんてふざけている!!」というでしょう


確かに、いじめ問題というのは軽々しく触れられる問題では在りません。

ましてやゲームとして、なんて下手をすれば叩かれ

ひどければ発売禁止にもなりかねません。

製作者側も理解していたはずです。

単にウケを狙うなら、恋愛物でもやってりゃいいんですから。

しかし、あえてこの"夕闇の少年"を入れた事に

私は製作者側の いじめ問題に対する姿勢の本気さと覚悟を見たのです。

さすがに、その覚悟の上のシナリオなだけに重いし深い。

この話を終えた後で、 いじめをやろうとする人間は畜生です。

特に、いじめられる側の心理描写が痛すぎます。(心が)

"いじめられている"という現実から目を逸らし、

どんなにひどい仕打ちを受けても、相手を仲間だと思い込み続ける・・・。


そしていじめる側は、その気持ちを踏みにじるように

暴力まで振るい、相手を追いつめる・・・。


正直、私はこのシナリオ中のいじめる側に本気で腹が立ちました。

私の説明では不十分ですが、

それほどまでに、真面目に正面からいじめというものを描いています。

更にマルチエンドなので、本当に真剣に考えて選択肢を選ばないと

無茶苦茶後味悪い結末が待っています。

偽善的じゃないか?とか、言われるかもしれません。

だが偽善であろうと無かろうと、考える事が重要だと思うのです。

このシナリオで主人公がとる行動は、正しいとは言えないかもしれない。

しかし、そういう疑問を感じる事こそが大事だと思います。

ちなみに攻略本は使って欲しくないです。

自分の行動の結果が、バーチャルとはいえ出るのですから。

いじめの全てを理解する事は不可能ですが、

少なくとも考えるきっかけにはなるでしょう。


計6話ありますが、 何れもなんらかの感情なり疑問を心に残すものばかり。

本作は、やった人の感想が是非とも聞きたいし、語りたいゲームです。

やった人は、掲示板なりメールなりで

感想を教えて欲しいです。(マジで)



このゲームは、続編がいくつか出ていますが

どれもCDを手裏剣にしたくなる内容なのでオススメできません。

続編では無いですが、本作と同じ制作スタッフの "夕闇通り探検隊"

本作を好きな人なら、是非やってみてください。

ちなみにシナリオは数倍重いです。

しかし、その結末はあなたの心に忘れていた何かを残すでしょう。

この"夕闇通り探検隊"も私の心に残るゲームです。

今現在、私にとって この2作を超えるシナリオのゲームはありません。


戦略的撤退