――メールが届いています

 電子的な音と共に、オレのパソコンにメールの受信を知らせるメッセージが飛び出た。
 慌てず、落ち着いてその内容を読むオレ。
 思わず、歓喜の声が漏れてしまう。
「ククッ……ついに。ついに、オレの時代が来た!」






















 ARMORED CROSS KANON
             〜北川戦記〜


 ――MISSION 01――






















「イヤッフーーーーーーーーーーーー!」
 メールを読んでからというもの、浮かれっぱなしのオレ。
 でも、やっと念願のレイヴンになることが出来たのだ。これが、嬉しくなくて何だというのか。
 ちなみに、レイヴンというのはACと呼ばれる巨大ロボットに乗って、あらゆる任務を遂行する傭兵のことだ。まあ、この話をするとACやこの世界について詳しく説明しなくてはならないので、それはおいおい説明していこう。
 まあ、実際のところ、レイヴン試験の終了時点で結果は分かっていたのだが、やはり、ちゃんとした報告が帰ってくると嬉しいものなのだ。
 オレは、堪えきれずにもう一度叫んだ。
「ヨシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「あの」
「うりゃぁああぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぁ!」
「ねえ」
「ほちょぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 ごそごそ(←何かを取り出す音)
「エンドルフェィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぶべっ!?(ドゴスっ!」
 ぶほおっ!? い、一体、何が?
「何事!?」
「こんにちは」
 オレが、振り向くと、そこには腰まで届くロングヘアーと、大きい瞳が印象的な美少女が立っていた……その手に、巨大なハリセンと思わしきものを持って。
「ええっと、君は誰でせう? っていうか、その手に持っているものは一体?」
 オレは、おずおずと聞く。
「ハリセン、だよ」
「君の名前が?」
 だとしたら、驚きだ。
「違うよ〜」
 妙にほわほわした感じに返答してくる。何というか、緊張感と言う言葉が、そっくり抜けてしまったような娘だ。
 まあ、それはそれとして、いきなり人の家に侵入したきた人間に、ハリセンで突っ込みを入れられるとはどういう状況なのだろう。
「はっ」
 まさか、この娘は実を言うと、オレの……ファン!?
 まだ、レイヴンになって間もないと言うのに(注・というか、試験以外のミッションは一つもこなしておりません)。
 いや、もしかすると、オレがレイヴンになる前からファンだったのかも。
 だとすれば……
「ストーカーかっ!!」

 ゴスッ! バキィィ!!

 殴られた(ハリセンで)。
「殴ったね!? ダディにも殴られたことなかったのに!」
「殴ってないよ。叩いたんだよ」
 何つー言い訳だ。しかも、さっきと変わらず、ほわほわした表情のまま、そう言ってのけるのだから恐れ入る。
 っていうか、もしかしたら、本気で言っているのかもしれない。
 何となく、このまま色々口論(?)していても、不毛に会話が空回りするだけのような予感がする。
「まあ、いいや。真面目に聞くけど、君は一体誰なんだ? 何で、ここにいる?」
 とりあえず、オレのほうから折れた。
 彼女は、目の前で、はっとするような仕草を見せる。
「ああっ、そうだった。えっと、あれ? わたし、どうしてここに来たんだっけ?」
 ……からかわれているのだろうか? それとも、天然? どちらにしても、厄介なことに変わりはないが。
「……とりあえず、名前くらいは、覚えているだろ?」
 オレは、どっと疲れが襲ってくるのを感じながら、半ば投げやりにそうぼやいた。
「うん。それくらいは。苗字は、水瀬。名前は、名雪。水瀬 名雪だよ」
 ほほう、水瀬 名雪とな。うむ、何となくどっかで聞いたことのあるような名前だが……ん?
「水瀬……名雪」
 しばらく、制止するオレ。水瀬と名乗った女の子は、そんなオレを覗き込むように見ている。
「って、オレの担当補佐官じゃねえかっ!」
 思い出した、確か、メールでそんな名前が書かれていたはずだった。
「あっ、そうだ。わたしってば、すっかり忘れてたよ」
「うぉおい! そんなこと忘れるなよぉ?」
 今、確信した。この娘はボケだ。究極の天然ボケだ。会って間もないが、それは断言出来るぞ。
「じゃあ、改めて」
 そんなオレの動揺をよそに、水瀬は別段どうと言う訳でもなく、自分のペースで話を切り出した。
「グローバル・コーテックスより派遣された、レイヴン・北川 潤の担当補佐官を勤めることになった、水瀬 名雪です。よろしくっ」








 さて、ここいらである程度、説明しなくてはならないだろう。
 オレ達が住んでいる世界は、地下の巨大空洞を利用して作られた、巨大シェルターなのだ。
 地下世界・レイヤード。それが、オレ達の住む世界の名前だ。
 地下世界と言っても、人工ではあるけれど、海(とよんでもいい規模だろう)もあるし、空もある。自然環境のある程度は、地上となんら変わらない状態でここには存在している。
 何でも、大昔に起きた大災厄とやらで、地上は生命の住めないようになってしまったらしい、そんな時、人類が生き延びるために作られたと言われている。
 真偽はともかく、そう言った経緯から、オレ達人類は、もうかなり長いことこの地下世界で生活してきたのだ。
 だが、こんな地下世界でも、いや、だからこそ、か、人類が上手く立ち回っていくためには、法が必要だった。
 この世界で、その法とは『管理者』と呼ばれるAIプログラムだ。
 この世界のネットワークの全てを司り、地下世界の自然環境もある程度、自由に操作できると言われているそれは、正に、この地下世界において法であり、神に近しいものなのだ。
 とは言え、現在では『管理者』が、直接、個人に対して何かすると言ったことは少なく、直接的には、企業と呼ばれる巨大な組織が人類の動きを決めていると言ってもいい。
 幾つかある企業がある程度の均衡を保つことによって、人類は上手いこと今日まで生きながらえてきたと言う訳だ。
 だが、そんな勢力図の中、一つだけ例外がある。
 そう。それこそが、オレも含む、レイヴンと呼ばれる存在だ。
 最初にも軽く説明したが、レイヴンとは、目的によってその装備を柔軟に変更できる汎用性を持った、アーマード・コア(AC)と呼ばれる巨大ロボットにのって任務を遂行する傭兵のことである。
 そのレイヴン達を統括しているのが、傭兵組織グローバル・コーテックスだ。
 レイヴンと呼ばれる存在は、例外なくこの組織に所属している。逆に言えば、この組織に所属していなければ、正確にはレイヴンとは呼ばない。
 このグローバル・コーテックスが、企業から全く独立した力を持っているのは、レイヴン達の圧倒的な戦闘力のせいもあるが、それ以上に、『管理者』がレイヴンに対して、行動制限をかけることがほとんどないということだ。
 そして、このレイヴン達の存在こそが、企業同士の均衡を保っている最も大きな要因でもあるのだ。
 もしかしたら、『管理者』はそれが分かっていて、レイヴン達を自由にしているのかもしれない。


「それで、補佐担当官というのなら、仕事を取ってきてくれたのか?」
「うん。そうだよ。とりあえず、北川君は、まだ、ルーキーだからたいした仕事もないけれど」
 ぐさっと言うが、事実である。
 企業にとって、レイヴンを雇うのは、予定外の惨事に出会ってしまった時や、企業の力では対抗しきるのが難しい時など、当然ながら、重要ごとが絡んだ時である。
 つまり、そんな重要な任務に、右も左も分からないような(例外もあるが)新人レイヴンを使うことなどないと言っていい。
 新人レイヴンに与えられる仕事のほとんどは、それほど難度の高くないものばかりで、実際のところ企業の力でも割と簡単に解決できてしまうものばかりだ。
 では、いちいちそんなことに必要以上の経費を割いてまで、新人レイヴンを使うのは何故なのか?
 ぶっちゃけて言ってしまえば、将来的に使えるレイヴンにするための育成のようなものなのだ。将来的に、有効な戦力を作るための投資と言ってもいいかもしれない。
 まあ、色々、説明したが、つまるところオレにまわってくる仕事など、そうたいしたことはないということだ。それでも、危険なことに変わりはないが。
「ふーむ」
 任務の一覧表を見ながら、オレは唸った。
 さてと、どうしたものか。依頼は、二つ。
 それぞれ、クレストからのものと、グローバル・コーテックスからのものだ。
 ちなみに、クレストと言うのは、この世界で2番目に巨大な力を持った大手企業なのだ。
 早速、大きい企業にゴマをすっとくと言うもの悪くはないのだが……いきなり失敗したら、痛いしなあ。
「そうだな。とりあえず、グローバル・コーテックスからの依頼を受けようかな」
 実は、気が小さいオレは、多少の失敗なら何とかなる(と思う)グローバル・コーテックスの依頼を受けることにした。
「分かったよ。それじゃ、詳しい説明は、現地に向かいながらね」








「おお、さすがに広いな」
 オレがいまACに乗りながら、立っている場所は、アリーナと呼ばれる、ランク毎に区分けされたレイヴン同士が戦う場所だ。
 ここでは、日夜、互いのプライドや賞金をかけて、特にランカーと呼ばれる腕利きのレイヴン達が戦いを繰り広げているのだ。
 だが、今は、そんないつもの様子が嘘であるかのように、静まり返っている。アリーナの内部には、現在オレ一人がいるのみだ。
「さて、後は、敵さんが来るまで待機……か」
 白を基調としたACのカメラで周囲を見回しながら、オレはそんなことをぼやいた。
 オレの受けた仕事の内容は、アリーナに進行してくるテロ組織を妨害してくれと言うものだった。
 最近、確かに小規模ながら、グローバル・コーテックスに対して、妨害を企む連中がいると聞いたことがあるが、ここまで実力行使に出たのは初めてではないだろうか。
「とは言え、武装はたいしたことないらしいしな」
 少なくとも、ACにとってはそれほど脅威ではないとのこと。ならばこそ、このオレに仕事が回ってきた訳であるが。
 しかし、随分と遅い……そろそろ、来てもよさげなのだが。
「さてと、おおーい、オペレーターさん。敵は、まだなのか?」
 ACの通信機を通して、この声を聞いているはずのオペレーター水瀬 名雪に対して、オレはどちらかというと愚痴をこぼすかのように、そう言った。担当補佐官の役割には、仕事の斡旋の他に、こういったことも含まれているのだ。
 だが、そう言っても反応がない。通信機の調子がおかしいのだろうか?
 オレは、もう一度彼女の名前を呼んだ。
「うにゅう……いちごさんでー」
「いちごさんでー?」
 って何だ? オレは、悩んだ。
 もしかしたら、オレの知らないレイヴン達の間で使われる専門用語なのかもしれない。だとしたら、どういう意味が……
 ンな訳ないか。オレは、考えをあっさり撤回した。
 だいたい、レイヴンの間で、「オペレーター、いちごさんでーだ」「いちごさんでーですね。了解」などという会話が交わされているのだとすれば、かなり間抜けだ。聞いている分には、面白いだけだけど。
 任務の前で緊張しているので、ボケるのも結構難しいのだ。
 だいたい、ツッコミを入れてくれるやつがいないにのにぼけても仕方がない。相方(担当補佐官)は、完全にボケ方向だし。
「おーい、水瀬ぇ?」
「くー、うー」
 ……もしかして、寝ているのだろうか。
「おい、コラっ! 寝るな。っていうか、オペレーターが寝てたら、話にならないでショーーーー!?」
「くー」
「こおらっ、起きろっ! お父さん、怒っちゃうぞーーー!」
「うにゅ」
「ほらっ、やばいって。雪山で寝たらそのまま死んでしまうんだぞ!!」
 オレは、途中から訳の分からないことを交えつつ、水瀬を起こすべく大声を出し続けた。

 ・
 ・
 ・

 経過すること、数分、効果は、まるで見られなかった。
「くー、すー」
「うおぉ……て、手ごわい」
 もはや枯れ枯れになっている喉をさすりながら、オレはうめいた。
 オペレーターが寝ているなんて、話にならない。オペレーターが寝ていたため、敵の奇襲に気がつかず、任務失敗だ何てことになったら目も当てられないし……オレは、有り得そうな未来に身を震わせた。
 だから、そんなことが起きる前に、ヤツに再教育する必要がある! まずは、オペレーターの何たるかを説いた後、そうだな、オレの萌えるぽいんとを教えて、しかるべき後、メイド服などを(ブツブツ


「北川君。お仕事、お疲れ様。今日も凄い戦果だったね」
「ああ。まあ、大した事なかったがな。それよりも、水瀬……いや、名雪、プライベートの時は、分かっているだろ?」
「えっ、でも……」
「何をためらっているんだ? それに、決めたのはお前だろう?」
「……はい。ご主人様……今日も、名雪をいぢめてください……」


「ふっはあぁーーーーーーーーー!!」
 これだ! この路線だよ!! オレの未来予想図はこれだぁ!!
 しかし、相手はかなりの強敵だった。オレは、レイヴン就任そうそう、最大の強敵にぶつかってしまったらしい。だが!
 負けるわけには行かないのだ! プライド(というか、妄想)にかけても!
「必ず! 水瀬を起こして見せるぜぇ」
 オレが決意を新たにしたその瞬間、アリーナの奥のほうからシャッターの開く音。
「何だあ? 全く、人が気合を新たに任務に挑もうとしているってのに」
 ぶつくさこぼしながら、オレはACのカメラをその方向に向けた。
 そこに写ったのは、ACよりは小さいものの、やはり巨大なロボット。戦闘メカ、MTと呼ばれるものだった。
「……忘れてた」
 そう言えば、オレの任務ってこっちだったけ? もしかしたら、水瀬の天然ボケがうつったのかもしれない。(元からだという説は、却下だ)








 ダン! ダン! ダン!

 ライフルの発砲の音が、リズムよくアリーナの会場に響き渡る。
「よっしっ、一体目、撃破ぁ!」
 鈍い爆音をと紅い爆光を残して、逆脚MTが大破する。
「視える!(レーダーのお陰で)」
 移動を行いながら、急速に旋回する。画面に映るのは、先程の逆脚MTとは違う、小型のMT。
 刹那、そのMTから砲撃。
「おっとぅ」
 済んでのところでかわすオレ。お返しにとばかりに、ライフルを4発ほど連続で容赦なく叩き込む。

 ダン! ダン! ダン! ダン!

 小型であるゆえの耐久力の少なさか、そのMTは、あっさり破壊された。
「フハハ! やっぱり、オレってレイヴンの才能があるのかなー」
 はっきり言ってしまえば、この程度のMTなどレイヴンのあやつるACの敵ではなかった。
 オレのACは、全てが最安価の安物で構成されているが、それでもこのザマである。
 その後も、オレは余裕を見せながら、一体、二体、三体と、敵を順調に撃破していく。
「楽勝だな、こりゃあ」
 これなら、ファーストミッションは大金星を掲げられそうだな。

 バシュッゥ!

 オレは、再び、レーダーに映った敵の方向を向きながら、ミサイルを発射する。
 敵は、ミサイルによって破壊されながらも、最後の抵抗か、敵もミサイルを返してきた。だが、そんな高性能なミサイルではないのか、軌道はミサイルにしては素直だった。
「そんな、単調なミサイルが当たるはず――!?」

 ドォンッ!

 被弾。
 当たったのは、視認したミサイル……のはずもなかった。
 レーダーを確認してみると、新たな敵の機影が増えている。
「い、いつの間に」
 オレが、そう呟く間も惜しむかのように、敵は、さらに続けてやってきた。
 慌てて、先程、オレに被弾させた小型のMTにライフルの連射で、攻撃を仕掛ける。やはり、相手は、ろくに行動も取れず、

 ドゴォォンッ!!

 即座に破壊された。だが……
「くそっ、破壊するスピードよりも、敵の増える速度のほうが早い!?」

 ドシュゥ

 小型のバズーカ砲弾が飛んでくる。軌道は、単調、スピードは決して早くはない。かわすのは簡単だ……単発であるならば。

 ドンッ!

 しかし、被弾。
 とは言え、こればかりはどうしようもなかった。ミサイルをかわした後の移動先に、そんな弾がいきなり飛んできたのであれば、それをかわす術などないに等しい。少なくとも、レイヴンなりたてのオレには。
 オレは、多少のダメージを覚悟で、砲撃主のMTのもとへオーバードブースト(OB)と呼ばれる、コア自体に装着されたブースタを使った通常では考えられないほどの推進力を持った高速移動で、一気に接近した。

 ヴンッ……!

 低い唸り声のような音を上げて、左腕に装着したエネルギーブレード発生装置に、オレンジ色のエネルギーの力場が刃の形となって現れる。
「このぉっ」
 一刀両断。
 まさに、その言葉どおり、ブレードによって真っ二つに引き裂かれるMT。間もなく、二つに分かれた胴体も爆発を起こして消えうせた。
「くそっ、数が多い」
 アリーナの端から見渡してみると、すでのかなりの数のMTが集まっていた。
 いくら武装が貧弱だからと言って、これだけ数が集まってくると、さすがにACと言えども危うくなってくる。
 しかも、更に数が増え続けるような勢いだ。これ以上になってくると、さすがに新人レイヴン一人に任せるのは、難しい領域なんじゃないだろうか。
「オペレーター、敵の数が多い! どうなってんだ!?」
「くー、すー、いちごさんでー……は、もういいよぉ」
「いちごさんでーがもういいのは、こっちのほうじゃああぁぁーーーーーーー!」
 何だ、ソレは? お前の好物か!?
 まだ眠っているオペレーター水瀬 名雪に対して、大声でオレはそう叫んだ。
 とりあえず、グローバル・コーテックスには、担当補佐官が任務中に寝ないように教育してやってくださいと、一言注意してやろうと心の中で決意する。オレが、生き残れたらの話だが(泣)。








 その女は、山積みされた書類と、同じように山積みに残されている問題のことを考えて、ため息を漏らした。
 その部屋は、仕事部屋にしては、華やかである。とは言え、プライベートの部屋には見えない。実際のところは、その部屋は、彼女の仕事部屋でもあるが、また接客部屋としても使われるためにそういった形になっている。
 毎度、毎度のことだが、やってくる仕事や問題は厄介なものばかりであった。レイヴンの任務の失敗による問題は言うに及ばず、最近では、グローバルコーテックスそのものに対して妨害行為を繰り返す集団からの被害問題も増えている。
 とは言え、そんなことに文句を言っても始まらない。最善のことは、出来ることから処理していく……それしかないのだから。
「失礼します。緊急のことで」
 扉を開けて、大柄の男が入っている。
 こんな大男が、自分のような小娘に対して、敬語を使っているのは滑稽に移るのだろうか。頭の中に浮かんだ考えとイメージに彼女はふと口元が緩むのを感じた。
 しかし、それも仕方のないことなのかもしれない。対面するその小娘が、強力な傭兵集団グローバルコーテックスの幹部であるとするならば。
「どうかしましたか?」
 女は、静かにそう答えた。
 部下に対しても、丁寧口調で対応する彼女の態度は、礼儀とか作法とかそういう以前の問題で、彼女の性格、性質によるものなのかもしれない。彼女は、それが誰であっても、常にその口調は緩やかであった。
「最近、問題になってきている反グローバルコーテックス集団のことなのです」
 またか。彼女は唸るような気持ちでそう考えた。半ば、予想できたことではあるのだが。
 男は続けた。
「奴等を牽制するために、連中のテロ計画の一端となっているアリーナ破壊の阻止に新人レイヴンを向かわせたのですが、こちらが予想していた戦力を大きく上回る戦力を投入していたようで」
「その件なら、既に対処しています。しばらく前に、追加でレイヴンをアリーナに向かわせました」
「は、はあ」
 男が軽く焦っているのを、視界の片隅に写しながら、彼女は、その視線を窓のほうに向けた。
 その瞳に映る空は、僅かに紅くなりはじめている。造られた空、地下世界の天井……。
 その女、倉田 佐祐理は、あまり好きではないこの空を見上げながら、今日も、いつもどおりにオーバーワークになりそうだと考えていた。感情に落胆の文字は、最早、浮かばなかった。








 状況は、圧倒的に不利だった。
 もうしばらく前からやばいとは思っていたが、それも本格的になってきたようだ。
 敵の数が減らない。いや、減らないのではない。減らしても、その分と同量か、或いは、それ以上のスピードで敵の数が増えているのだ。
「ちくしょう……マジでやばいな、これは」
 増え続ける敵を、それでも何とか撃破しながら、オレは、絶望的にぼやいた。
 このままでは、冗談抜きでミッション失敗どころか、自分の生命を失いかねない。オレの焦りは、募るばかりだった。
「くそっ、冗談じゃねえぞ!?」

 ドシュッ!

 ミサイルを遠距離から発射する。
 ターゲットにされたMTは、機動性に著しく劣るのか、回避もならないまま直撃を喰らって、そのまま二度と動かなくなる。
 だが、
「また、増えるのかよ!?」
 奥のシャッターから、更にMTが進入してくるのが見えた。
「くっ……そ」
 認めたくはなかったが、オレは諦めを感じ始めていた。
 正直、敵の物量は、新人レイヴンであるオレには圧倒的すぎる。
 こうなれば、逃走の手段を考えなくてはならないかもしれない。そんな風に、オレが考え始めた瞬間だった。
『てこずっているみたいだな?』
 通信。
 男の声だった。当然ながら、オペレータである水瀬の声ではない。(そもそも、ヤツは現在も寝ているのだ)
 同時に、敵が侵入してくるシャッターから、赤い何かが突入してくるのが見えた。

 ドドドドドドシュッ!

 空気の抜けるような音。赤い何者かは、進入と同時に、複数ロックオンで、MTに対して無数のミサイルを浴びせかけた。

 ズドォォォン!!

 辺りを、紅く染める爆発の光。今ので、随分とMTの数は減ったようだった。
 オレは、一瞬、呆気に取られたが、すぐに気を取り直して、ミサイルを放った何者かの姿を確認した。
「AC……」
 中量二脚に、同じく中量のコア(簡単に言えば、ボディにあたる部分のことだ)、マシンガンと、小型ミサイルを肩に、更には連動ミサイルも装備している。
 そして、何よりも気を引くのが、その機体の色だった。燃える様な、赤。
 これは、とオレは思った。
「シャ○っ!」
『ガ○ダムとはな!』
 この声、このノリ……オレは、こいつを知っている。
「相沢か!」
『違うな。赤い彗星の相沢 祐一だ』
「いや、それはもういいから」
 でも、その勢いでいくと、オレは、レイヤードの白いヤツとかいう風になるのだろうか? 微妙なネーミングだ。
 まあ、それはそれとして……
「お前、どうしてここに?」
『増援だ。敵の数が予測を大きく上まっているって話でな』
 やはり、敵のこの物量は、グローバル・コーテックスも予想外だったのか。
 オレは、一息ついた。何にせよ、これで何とかなるだろう。
 あの赤いACに乗っている相沢 祐一と言うやつは、オレがレイヴンになるしばらく前に、レイヴンになった男だ。
 企業からの仕事よりも、アリーナで活動していることが多く、既に中々の実力者として、アリーナランカー達には知れ渡っているらしい。
 そんなヤツが増援に来たのだ。更に言えば、ダメージを受けているものの、オレもいる。戦況は逆転したと言っていいだろう。
『さて、敵さんもそう待ってはくれないみたいだからな……派手に行くかっ!』
 相沢が吼える。
 敵もその動きを察知したのか、かなりの数が相沢のほうを向く。が、

 ダダダダダダダ!

 凄まじい音を立てるマシンガンの連射に、敵は攻撃に転じる間にやられていく。
 それでも反撃してくるやつはいたが、破れかぶれの攻撃などがあたる相沢ではなかった。
 しかし、
「ランカーなだけはあるな。すげえな、アイツ」
 立体的な動きと言うのだろうか。敵として相対するのならば、かなり捉えにくい動きをしている。
 もしかしたら、オレが何をしなくてもこのまま敵を殲滅できてしまうのではないだろうか?
「むぅ、格好悪いような気もするが、それで報酬もらえるんだしなあ、無駄に弾を使うのもなんだし……」
 よぅし、ここは、弾の消費を抑えるためにも気持ち程度に攻撃していって……そんで、低予算でミッションの報酬を貰うしかない!
 ……
 待てよ?
 このミッションの報酬制度ってどんなんだったっけ。
 オレは、アリーナに向かう最中に交わされた水瀬との会話を思い出した。


「で、報酬はどうなってるんだ?」
「うん。この作戦は、敵に圧倒的な力の差を見せ付けて、戦意を削ぐことを目的にしているの。今後の敵の活動を抑止するためだね」
「ふんふん」
「だから、半端な戦果じゃ意味が無いんだよ」
「ほうほう」
「なので、敵を倒した数によって、報酬は決めさせてもらうことになっているから」
「つまり、出来合いだな?」
「そういうこと」


 思い出した。出来合いか〜。なるほど、出来合いね……
「おおおおおおおおっとぉ!?」
 オレは、思わず叫んだ。
 敵を倒した数によって報酬を決定するんじゃねえか! 
 つまり、このままぼうっとしていれば、報酬のほとんどを相沢にもっていかれることになる。現に、ヤツはすでにものすごい勢いで敵を破壊していっている。
 ……まずい。オレが倒した敵の数は、まだそう多くない。このままだと、機体修理費に、弾薬費で赤字になるかもしれない。
「うおおっ、こうしてられるかっ」
 そう言って意気込むオレ。
「よっしゃあっ、その敵、オレのために死んでくれぇぇーー!」

 ダン! ダン!

 オレは、逆脚のMTにライフルを打ち込む。
 敵は、そう時間もかからずに……

 ドシュッ! チュドォーーーン!

 アレ? 今、横からミサイルが飛んできたような……。
 そんでもって、オレが破壊する前に、そのミサイルによって破壊されたような……?
 オレは、飛んできたミサイルの方向にカメラを向けた。
 そこには、もうこちらには用はないとばかりに、別のMTにマシンガンやら、ミサイルやらを浴びせている赤いACの姿。
「ごぉらぁあああ! 相沢ぁ!!」
 今のは、横取りだ! 横取りですよね!?
 ちっくしょう。きっと、今のは相沢の撃墜数にカウントされるのだろうなあ。
「だが、これくらいでへこたれるオレじゃあない」
 次の獲物を――

 ドチューーンっ!

 ええと、じゃあ、その次をっと――

 ドゴォォーーン!

 ははは……負けるかってーの。さすがに、次こそは――

 チュドドドォォーーーン!!

 …………………
「……お、のれ……おのれ、相沢ぁぁーーーーー!!」
 何故!? 何故、オレが狙おうとした標的ばかり、破壊していくんだ!?
 狙ってる? きっと狙ってやっているのだな!?
 くそう、何て狡猾なヤツなんだ。
「卑怯だぞ、相沢!」
 通信機能使って、相沢に文句を言うオレ。
『はあ? 何言っているんだよ、お前。そんなことより、お前もちゃんと攻撃してくれよ』
「おのれー! この期に及んで、すっとぼけるとは……!!」
『何怒ってんだよ? 訳分かんねえなあ。通信きるぜ?』
 そう言うと、ブツッという音と共に通信は切れた。
 これは、よくない。このままでは、マジで相沢の独断場だ。
 とは言え、相沢の敵を倒すスピードは尋常ではない。かなり、攻撃的な戦法のせいだろう。軽い攻撃ならば、多少被弾しても攻撃に転じていく戦法だ。
 相沢を上回る勢いで敵を破壊するのは、かなりきついだろう。ならばっ! オレは、通信を再度、相沢機に繋いだ。
「大変だっ、相沢! お前の親父さんが、突然倒れたらしいぞ!」
『……』(←無視)
「いや、本当だって。なあ、信じたほうが、親父さんのためだぞ?」
『…………』(←激しく無視)
 むう、精神攻撃が効かないとは……やるな、相沢! だが、まだまだ、こんなものじゃないぞ。オレの精神攻撃(嫌がらせ)は!!
「いやあ、聞いてくれよ、相沢。
 オレさあ、この前、気分転換に散歩にいったんだよ。年寄りくさいかもしれないけど、けっこうな気分転換になるんだぜ?
 まあ、それはそれとして、オレはさ、いつも通りの場所の、こう、草の広がったさ……そういう場所の地面に寝っころがってたんだ。
 でもさ、問題はここからなんだ。起きたら、背中とか尻とかが真っ白になってたんだよ。
 どうしてだと思う?」
『……』(←無視。でもちょっと気になってる)
「ふふ、地下世界だけに、地が石灰(ちがせっかい)ってね! うはははははははは!!」
『……(怒)』(←無視。ちょっと怒り入ってる)
 むむむむむ、何と。アレは、この前、偶然思いついて、いつ話そうかと随分迷っていた自信作だと言うのに!
 予想以上。予想以上だぜえ……相沢 祐一!
 いや、もしかしたら、あまりに高度すぎて理解できなかったのかも。だというのなら、逆転の発想で……
「あっ、UFOだ!」
 むう、止まらないな。なかなか、わがままなやつだな。一体、何を言ったら止まってくれるんだ?
「危ない! ボールが飛んできたぞ、避けるんだ! 相沢!」
 避けた。ばっちりと、敵の弾を。
 って、それじゃ駄目だろうが!!
「おお、相沢。美人のお姉さんがお前のことを見つめているぞ!!」
 あ、ちょっとだけ止まった。





 くそう。駄目だ。相沢のヤツ。少しはサービス精神出して、止まってくれりゃいいのに。(一回だけほんの少し止まったが、それきりだし)
 世の中、スマイルが0円なのだから(ファーストフード店のみ)、立ち止まりが0円くらいでもいいだろうに。自分で言ってて、意味が分からんが。
 仕方なしに、地道にライフルを撃つ始めるオレ。
 今回は、相沢も別の敵を狙っている。相変わらず、撃破は早いが。
 しかし!(きらーん)
「手が滑ったぁぁ!!」
 何故か(強調)、手元が狂ってしまい、ライフルの照準がずれてしまう。
 軌道のずれた弾は、MTではなく、相沢のACに不幸にも(強調)当たってしまった。
『てめえ、北川! 何しやがる!?』
「いやあ、すまんすまん。ちょっと、照準がずれちゃってさあ。まあ、よくある事故だよ」
『本当か? 怪しいぞ、思いっきり』
「本当だって、ほんと――ってうわああ! 足元に小石がっ!?」
 何故か(強調)、つまずいてしまうオレ。
 勢いで発射したミサイルは、これも不幸にも(しつこいが強調!)弧を描きながら、相沢のACに直撃した。

 ドォォン!

 もくもくと、爆煙の中から、ACの姿が見えてくる。その姿が、赤いのは、決して塗装だけのせいじゃないような気がした。
『北川ぁ! 今のは、確実に狙ったろ!?』
「いやいや、そんなことないって。足が滑っちゃったんだよ。それで、うっかり」
『うっかりで、ちゃんとしたロックオンが必要なミサイルが飛んでくるかあーーーーーーーーーーー!!』
「疑り深いヤツだなあ。気にし過ぎだってば」
 などと、オレが言い終わるか、終わらないかの間だった。

 ドォン! ドォン!

 ミサイル直撃。相沢が、不意に放ってきたものだった。
「相沢! おまっ、いきなり何しやがる! 味方に不意打ちして、恥ずかしくないのかっ!?」
『てめえが先にやってきたんだろうが!』
「あれは、不幸な事故だろう?」
『じゃあ、今のも不幸な事故だなあ?』
「何つーいい訳だ。自分のいいように、話を捻じ曲げやがって」
『お前がいえるか!』
「相沢……どうやら、お前とは分かり合えないようだな……」
 ゴゴゴゴゴゴゴ……
 などと言う、ジョジョばりの効果音が、(オレの脳内に)響き渡る。
『てめーは俺を怒らせた』
「よかろう。この北川 潤が直々にぶっ潰す!」
 周りのMT達が、とうも変な雰囲気に戸惑っているようだったが、オレは気にもしない。
 既に、オレの思考にはミッションのことなど欠片も残っていなかった。








 時刻は、既に夕刻をとうに過ぎ、濃い蒼が空を支配していた。
 もうこの机についてからどれほど時間が過ぎたのだろう? 長いような気もするし、そう長くないような気もする。確かなのは、少なくとも短くはないということだった。
 曖昧な時間の感覚は、この役職についてからよく感じるようになった。いや、もともと時間の感覚など曖昧だが、それを差し引いても、以前より時間の感覚はおかしくなったのは確かだ。
 倉田 佐祐理は、こなしたノルマとまだ残る仕事の多さに、多少、疲れを感じながら、そんなことを考えていた。
 と、機械的な音をを立てて、突然ドアが開いた。
「し、失礼します」
 随分と焦っているようだが……その男は、少し前に、反グローバル・コーテックスの件で報告にやってきた男だった。
「どうかしましたか」
 ゆっくりと、そう答える。
 意識せずともこういった風に、丁寧な言葉が出てくるのが、この世界において便利であることに佐祐理が気づいたのは、そう昔のことではなかった。(それほど長い期間この仕事をしていた訳でもないのだが)
 部下に悪印象は与えず、上の理不尽なまでに横暴な態度の人間の対応にも、当然ながら役にたつ。
 皮肉なものだと思う。佐祐理自身は、実のこと、自分のこの性格が好きではなかった。
 男は、そんな彼女の心情に気づくはずもなく、やはり、焦ったままで返してきた。
「先程の反グローバル・コーテックスによるテロのことですが、問題が」
「また、予測外の戦力ですか?」
 とは言え、増援に向かわせたレイヴンは、最近、実力向上の著しい者であるはずだ。確か、相沢 祐一と言う名前だったか。そんなレイヴンに加え、まだ新人とは言え、レイヴンがもう一人ついているのだ。
 近年、戦力の急激な増加が見られる件の集団ではあるが、それでもやはり、それほどの脅威足りえない、小さな規模の集まりである。
 そんな連中が、二人ものレイヴンを相手を圧倒するほどの戦力を、一つの作戦に投入するとは考えられない。
「いえ、そう言う訳では」
 だが、男から帰ってきた答えは、それとも違うようだった、渋い顔をしながら答えを濁す男に、佐祐理は怪訝な顔をした。
 男は、その顔のままで続けた。
「どうも、アリーナが破壊されたようなのです」
「つまり、作戦失敗ということですか」
「いや、作戦自体は……成功した……と言っていいかもしれません」
 疑問符。
 よく分からない答えだった。アリーナが破壊されたと言うのに、目標は達成と言うのはどういうことなのだろう。
 普通の人間なら、多少はイライラしそうなものだが、佐祐理は慣れたものだった、落ち着いた物腰でゆっくりと聞き返す。
「どういうことですか?」
「どうやら、増援に向かったレイヴンと新人レイヴンが戦闘を始めてしまったらしく、その……」
 その先は、言わずとも分かった。
 作戦は、成功と言っていいのかも知れない。確かに、そんなことを見せ付けられれば、相手もレイヴンの恐ろしさを知ることになるだろう。
 増援に来たレイヴン同士が、仲間割れを始めて、その余波でアリーナを破壊したとなれば。








『このやろう、やるじゃねえか北川ァっ』
「まだまだ、ここからだ! 虐げられた報酬の痛み、ここで晴らしてくれる!!」
『まだ言うか、てめえはっ』
『くー、すー』
「お前が、横取りするから悪いんだろうが!」
『何おぅ!? 横取りじゃねえ、お前がちまちましてるのが悪いんだろうが!』
「おのれぇ! まだ、そんな言い訳をするかァ」
『くー、やっぱり、いちごさんでー……もうひとつ……すー』










 今回の収支報告

 収支金額
           成功報酬 ・・・・ 0
           追加報酬 ・・・・ 0
           特別加算 ・・・・ 9500

 支出金額
           弾薬清算 ・・・・ 7800
           機体修理 ・・・・ 12500
           特別減算 ・・・・ 1000000(アリーナ破壊)

           合計        −1010800

 レイヴンランク AHO

 現在所持金     −1010800


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あとがき:
 わあい、勢いに乗ってこんなん書いてしまいました。
 これは、連載ではありますが、一話完結式なので、自分の中では短編のつもりです。(と言って、都合のいい状況を作っておく)
 ちなみに、これはAC3の用語が頻繁に出てきますが、その都度、出来る限り説明していきます。場合によっては、ここ(あとがき)で補足しますので。
 とは言っても、知らなくても分かるように書くようにはしますので、ある程度は大丈夫かと思われます。後、設定には微妙に私の想像部分が入っていたり、実際のゲームと随分違ったりするものがありますので、ご注意を。
 この話で出てくるミッションは、やった方は分かるとは思いますが、序盤に登場するミッションの一つがモデルとなっています。
 実際には、ここまで大量の敵は出てこないし、僚機として駆けつけてくるACの構成や、パイロット(当たり前だ)は全然違いますし、どう根性入れてもアリーナ自体を破壊(汗)することは出来ません。
 あ、後、レイヴンランクに「AHO」なんてランクないですからね(爆。
 しかし、私はギャグ(といっていいのだと思う)を書くと北川は、想像以上の馬鹿になってしまうようです。
 これ、同盟の皆様が見たらどう思うかな? ああ、恐ろしい(ぉ……。

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