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今日も変な人を見た。多いね、最近。 パンをくわえながら「遅刻遅刻――!」といって走るセーラー服を着た女子学生が、曲がり角でかっこいい男子学生にぶつかり、それが今日転入してくる転校生だった。 なんて漫画みたいな話がありますが。 まあ今日似たようなことがありました。 大学の帰り、横浜駅の事。 俺はある意味で一人の人間とぶつかった。 雑誌をくわえてダッシュするおっさんを見た。 ぶつかったってのは、ようは変なおっさんが、俺のハートに。ということだ。これは衝撃だった。 雑誌をくわえてダッシュ。この姿はパンをくわえて走る女子高生(以下パン子)に似てなくも無いですか俺(文法変 とりあえず、一種のときめきがあったのは確かだ。 素敵ではないか。 両手はフリーなのになぜか雑誌をくわえて走るおっさんも。 通勤帰りのはずなのに両手がフリーなおっさんも。 さらに付け加えるべきはそのフォームだろう。 両手をピンと伸ばし、腕の最小の動きで、最大の遠心力・バランス力を得る走法。 これは日本全国一億人のパン子の誰一人としてなしえないものだ。 こいつは出来る。 すれ違う瞬間、直感的にそう思った。 だが、パン子はおっさんに対して決定的なアドバンテージを有している。 それはほほえましさ。 もっと純粋に言えば愛だ。 おっさんがいくらパン子のまね(?)をしようとも、若い男の愛をつかむ事は出来ない。 そんな哀れなおっさんを見ていた俺は、アドバイスしたくなる。 まあ俺も走りのプロフェッショナルではない故、鋭くキレたアドバイスをする事は出来ないかもしれないが、この思いが少しでもおっさんのタイムを縮めてくれるとうれしい(問題がすりかわってるような そんな俺に言わせるなら「おっさん、それは朝やるものだよ」と。 言わせれば「おっさん、くわえるもの違うよ」と。 言わせれば「おっさん、着ているもの違うよ」と。 うむ。 以上の三点を押さえれば、まず間違いなくタイムは縮まる。 復習しようか。 1、朝に走る 2、雑誌ではなくトーストをくわえる 3、セーラー服を着る うむ。特に大きな違いはセーラー服だな。これは決定的なパン子との差だ。これがパン子とのタイム差の一番の要因に間違いない。 セーラー服は強力な装備だ。スカートは読者も知ってのとおり、プリーツスカートが最も強力である。 プリーツスカートはあの無数のヒダが風の微妙な流れにも反応して変化し、風の抵抗を押さえるにくわえ。 さらには強力なダウンフォースを生み出して、高速なコーナーインによるコースアウトを防いでくれる。 だが、どうにも疑問が残る。 おっさんはこれでタイムが縮まるから解決。残った疑問はそのセーラー服のポテンシャル故のものだ。 だが、どうして体育では体操服などを着用するのだろうか、セーラー服の性能をレーシングカーにたとえれば、体操服は中古で10万の白いワンボックスカーに過ぎないのに。 セーラー服を着れば、今の100Mのタイムが1秒は縮まる。 いや、昔の女子の体操服ならまだ救いはあったのだ、ブルマーが風の抵抗を少なくし、タイムをあげる。男子は昔から不利にたたされていたのだが。 まあ、男は絶対に女より早いので、その必要も無いとは思うが。 ようは、何で現代の運動では、圧倒的ポテンシャルをもつセーラー服が着用されないのかと言う事だ。 かのカールルイスも、セーラー服さえ着てれば、100Mを6秒台で走る事も夢では無かったのに。 話は長くなったが、そして今までの話をひっくり返すようで悪いのだが、べつにセーラー服の全員着用を求めてるわけでもない。もちろん、ブルマーでもない。 あえて言うならスク……いや、あえては言わないでおこう。とりあえず着用の変化は求めてないのだ。 なぜなら、肝心な問題を見逃していたから。 俺は「おっさんが何して走ろうが、決して男の愛をつかむ事は無い」と言う現実を、不覚にも見逃していた。 ああ、今俺は悟った。「自分にはアマチュアランナーの指導は向いていない」と言う事に。 お詫びとして、今日から俺はトレーナーをやめる。何も言うな。止めるな。俺は決めた。こうでもないと示しがつかないだろう。 今まで応援し、支えてくれたみんな。 ありがとう。 そして ごめん。 最後までアテネはいけなかったね。 というか、俺いつのまにかトレーナーになってるね。 というか、なに言ってるんだ俺ね。 流れがいいからおしまいね。 「ゎ」に戻る トップページに戻る Copyright © Lock&Shift(http://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/8480/). All rights reserved. |