「いい加減にしなさいよ!」

パメラの叫びが狭い部屋に響く

「だから…言ったじゃねーか」

フューレがうんざりした口調で返す

朝のたわいない口ゲンカ…それが、この二人の日常的な朝の風景である

「一言で良いのよ!一言で!何で言えないのよ!」

「だから!言っただろって!」

 

「ちっがーーーうっ!」

 

激化する一方の口ゲンカは

「私はバイトに行くの!『いってらっしゃ〜いVv』ぐらい言いなさいよー!」

とっても些細な事からはじまるものだ

「言えるか!んなこと!早く行けよ遅れるぞ」

パメラが出かける際、フューレがパメラの『いってきます』に対して『あぁ』としか返さ

ない事にパメラがついに痺れを切らせたのだ

 

とは言え、かれこれ10分以上怒鳴りあっている。

パメラは本当に悔しそうに顔をしかめて、ドアの前に立つ

「いってきます!」

「いってらっしゃーーーーーい」

それはもう見事な低い棒読みで。

               

 

バタンっ

と、何か特定の意志を感じさせるドアの閉まる音がした

パメラはフューレの頭を叩いて出ていき、頭を押さえたフューレだけが部屋に残される

 

だって仕方無いじゃないか

今まで言う必要も

言う相手も居なかったんだから…

 

 

「帰ってきたら…『おかえりなさい』か?」

想像して

面倒臭いと思いなと思う

それでも

フューレは意識せずに微笑んだ

 

(変だな)

誰かの帰りを待つと言うのは変な気持ちがするー

 

フューレの感じたそれが『幸せ』とか言うものなのだと

 

当人が気づくハズもなかった…

 
 

 

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