筆塗りについての私見 その1 このコンテンツの導入と筆について。

 最近、144の話のみならず筆塗りに付いて掲示板でも多くの話が出るようになった。スケールアヴィエーションに連載中の田中氏の影響も大きい事と思う。筆塗りや塗装技術に限った事ではないが、こういった「技法」は、現実では実に様々な要因が複雑に絡みあっており、やはり経験がものを言ってしまう。誌面では伝えきれない、スペースの都合で触れる事の出来ない部分もかなりあると思うし、言葉で伝えるには困難と言う部分が多い事も否定できないであろう。

 また、技法というのは時としてどうしても「相性」の悪い方も有る。その方の性格やスキル、嗜好、知識、技法にであった時期等にも大きく左右される。これらの事から、僕自身の経験を語る事や自身の考えを語る言葉が少しでもお役に立てば望外の喜びと考え、拙い文章で、どうしようもない経験をここに綴って見る事とした。

 先ず、思いつきで筆塗りに影響を与えると思える「要因」を列記してみた。

  1. 筆の種類
  2. 塗装面積
  3. 塗料の種類
  4. 塗料の色調
  5. 塗料の濃さ
  6.  いわゆる面相筆で薄塗りを繰り返す事だけが技法では無い。一発塗りも時には大いに有効である。また、一口に「ムラ」と言っても実は個々人で気になる「ムラの種類」も全く違うことにも気をつけなければならない。こちらは、

  7. 顔料のばらつき
  8. 塗装面の平滑さ
  9. 塗装被膜の厚さ

などがあると思う。今回は、掲示板に書いちゃったけど、先ずは筆のお話から…

1.筆の種類 弘法筆を選ばず・・・? 

 よく聞く言葉「弘法筆を選ばず」と言うのは、私自身のなかでは、どのような筆でもその筆の特性を充分に生かした素晴らしい文字が書けると言う意味であると解釈しています。

プラモの塗装の場合、ここでいう「字」すなわち塗装の完成(イメージ)に向けてやっているので、筆は選ぶべきだと思います。弘法筆を選ばずと言うのは、どんな筆を使っても「良い字」が書ける

と言う意味で「同じ字」と言う意味ではありませんね。ところが、僕たちの場合、ある意味で「同じ字」を書こうとしていますので、やはり筆は選んだほうが良いですねと言う事になりますね。

 まず、筆には文字の場合も含めて個人で好き嫌いがあります。これは、たっぷりと塗料を筆に含ませて塗る方、穂先に少しだけ付けて塗る方、更に、たっぷりと「溶剤」を含ませた上で、穂先で塗料を「薄めながら」塗る方。各個人、塗装面積、塗る場所、イメージする仕上げの状態などにより全く条件は変わってきます。なおかつその場面に合わせて、最適な筆を使い分けると言う事はあまり多くないのでは?そうすると、自身の塗り方に対しての「最高」の筆ではなく、「最大公約数」的な筆を日常使うことになると思います。僕のよく使う面相は、筆の柄が竹で出来ている・・・(たぶん、手持ちの筆で最も安価なもの)・・・が最多出場だと思います。

 一般的な?タミヤの「面相」「高級面相」、細、極細等もすべて使用していますが、前述の竹柄に比べ極端に出番が少ないです。値段に拘らず、自身の価値観と使用感で確かめて下さい。判断基準は

自分自身です。ただ、一言添えると流石に高価な筆は・・・と実感できる事もありますので、気が向いた時にまた試してみると良いと思います。自身の気がつかないうちに、自分の取っている技法の条件が変わって(進歩している)場合もあり、そのことで筆のよさが実感できる事もありです。

筆の運びに関しては、エナメル(タミヤ)などでその伸び、筆致を確認実感し、その事を他の塗料でも実行できれば、ほとんど怖いもの無しになると思います。この時には、筆の好みも変わっていたり、持っている筆の種類も増えていると思いますよ。

もう一つ大事なのは、同じ種類の筆(同一メーカー、同一商品)であっても、個体差は大きいですよ、筆の場合。特に面相は、同じ商品でも買わない筆もあります。次の入荷を待っていたり・・・

結局このあたりも、経験値とか、実体験に寄らないとダメかも?その上、一時期本気で書道で生きて生きたいと考えたことのある僕は、筆へのこだわりは他人より強いかもしれないです。

 ただ、こだわりが・・・と言うのは「筆」に対するもので、自身のスキルには関係ありません。もちろん、書道の腕ももう地に落ちています。ってのは、言うまでもありません。(^^;) 


その2 塗装の面積についてを読む。