筆塗りについての私見 その2 このコンテンツの導入と塗装の面積について。
最近、144の話のみならず筆塗りに付いて掲示板でも多くの話が出るようになった。スケールアヴィエーションに連載中の田中氏の影響も大きい事と思う。筆塗りや塗装技術に限った事ではないが、こういった「技法」は、現実では実に様々な要因が複雑に絡みあっており、やはり経験がものを言ってしまう。誌面では伝えきれない、スペースの都合で触れる事の出来ない部分もかなりあると思うし、言葉で伝えるには困難と言う部分が多い事も否定できないであろう。
また、技法というのは時としてどうしても「相性」の悪い方も有る。その方の性格やスキル、嗜好、知識、技法にであった時期等にも大きく左右される。これらの事から、僕自身の経験を語る事や自身の考えを語る言葉が少しでもお役に立てば望外の喜びと考え、拙い文章で、どうしようもない経験をここに綴って見る事とした。
今回は前回列記した「要因」のうち、塗装の面積について。
2.塗装の面積、塗分け・・・
塗装の面積は、広いか狭いか?と言う事であるし、「塗分け」とは、上下などのツートンか、迷彩か、直線か曲線か、クッキリか、ぼかしか・・・と言う事である。
広いとか狭いと言う表現も相対的なものでしかないため、非常に判りにくいと思うし、その他の要因によっては「狭い面積」が「広い面積」と感じることもあるだろう。
と言う意味で非常に判り難いと思いますが、「一筆で描ききれる面積と筆の太さ」の関係と考えていただけるとわかりやすいかも知れない。
たとえば、全く突起物の無い平面であれば、極端な言い方をすれば塗ろうとする面と同じ幅の平筆で塗装することが可能ですよね?逆に、いくら広い部分でも突起がたくさんあれば、筆が引っ掛ってしまい「一発塗り」は出来ない。このあたりを考慮に入れながら、筆を選んだり「複数塗り」か「一発塗り」かなどを考えるわけである。もちろん、他の要因隠ぺい力だとか、塗料の厚みとか、艶具合とか・・・も考慮しなければならないが。
話をシンプルにするために、まずは全く突起の無い平面で隠ぺい力や塗料の厚みなどを無視して考えてみよう。僕は、この場合まず間違いなく幅広の平筆による「一発塗り」を選ぶ。この場合は、何と言っても塗料をたっぷりと含ませること。それで、筆によって塗料を「乗せていく」感じ。まさに、塗ると言うより乗せる、引っ張るという表現が妥当だと思う。この場合も二度塗りしないよう、また、同じ場所に何度も筆を運ばないように(<同じ事か^^;)すべきである。しかし、重ね塗りなどと違い、「未塗装の場所」は残さない、後から塗らないと言う感じで作業を進めたい。これは、ある程度の塗料の量によって塗装をしているので、一気に仕上げないと「塗料自体の厚み」による段差が生じてしまうからである。ここは、「塗分け」にも通じる部分であるので、頭の隅にとどめておいて頂きたい。
また、この「一発塗り」には他の色との重ね塗りに弱いと言う事も考えて置かねばなるまい。塗料の量が多いと言う事は、溶剤の量も多い、乾燥時間もやや長いと言う事にほかならない。したがって、色を重ねた場合、下の色が溶かされて滲み出してくることがあるので、これは要注意である。
今回(2004/06/21)製作したアオシマのキングコブラ。上面の「青」はこの一発塗りである。突起と言っても筆が引っ掛らない程度のもの(ここではリベット)ならば、あまり問題にならない。つやつやに仕上がっているのがお判りいただけると思うのだが。アオシマ 1/72 キングコブラ製作記
反対に狭い範囲や、マーキングなどの多層がけを行う場合はどうだろう?こちらはスケビに詳しく書かれているので、あまり詳しくは述べない。しかし、こちらの技法は筆に含ませる塗料の薄さ、量などが重要になる。一発塗りと異なり、塗り残しはしないにこしたことは無いが、あわてて修正せず、しばらく時間をおいて塗った方が良い。すなわち、被膜が薄いので、充分に乾いた状態で次の一筆をサッと
かける感じである。
先に「量」と書いたのは、この部分である。薄い塗料を使用しているため、溶剤が多く含まれる(こちらは絶対量というより、塗料と溶剤の比と言う事)。したがって、半乾き状態などで重ね塗りすれば、塗ると言うより拭き取っている感じになってしまう。理想は誌面にも書かれていたが、書いた端から乾いて行く状態。これもコツをつかまないと上手く通じない。意外に上手くいってるつもりが全く上手くないという誤解も各人のレベルでは生じているかもしれない。こちらの塗り方は、「塗料の厚み」はあまり考えず「何度も塗る」と言う事を考えると良いと思う。
さて、もう一方の塗分けの話に進もう。と思ったのだが、申し訳ないことに誌面の都合上、次回に・・・ってどんな都合じゃ!誌面の都合って・・・(^^;