パソコンのWindows化・人間のDo
s化20世紀の終わりから21世紀の始まりにかけて、パソコンの進歩や普及がすさまじい勢いで起きた。いま、こうして私が書いているように、個人の発言・発表の方法や、居ながらにして種々の情報を迅速に手に入れる方法を、今日われわれは手にしている。
すばらしい事だ。ありがたいことだ。しかし……
パソコンは「あれ、やっといて!」といっても動いてはくれない。命令以外の状況判断が出来ないからである。これまでは……
マウスやWindowsによってこの状況は変化しつつある(本当はWindowsではなくOS・ソフトの発達と書くべきでしょうが)。ある意味で「クリック」とは「これやって」と言う命令に等しい。(かなり強引な言い回しではあるが。)かつてのパソコンは、コマンドラインと呼ばれる命令文を入力しなければ動かなかった。1文字間違えても動いてはくれなかった。命令者が何をさせようとして、どのような命令を出せば自分が望んだ動きをしてくれるか、「人間様」には考える必要があった。
最近、このようなことが出来ない「人間様」が増えてきた(自戒を込めて)と思うのは、自分が経験を(年を)重ねて来ただけのせいなのだろうか?「オヤジ」の愚痴に過ぎないのであろうか?
最近の若い人の会話を聞いていると(私もまだ若いのだが)、単語だけ羅列して会話している。よくあれで通じる(ウソ!)ものだと感心する。例えば、
「日本地図無い?」
「何するの?」
「形が見たいの」
「ふうーん」
彼らは「A2」程度のマップケースの前で話をしていた。後で聞いてみると、地図を探している彼は、東京の○○区はどこにあるのかを探したかったらしい。(彼らの間でも、本来の目的は、もちろん通じていない。)
信じられない会話である。「A2」の大きさであれば、50万分の1くらいの大きさで1県が入るかどうかである。その場合でさえ「区」を見つけるのは困難であろう。付け加えると、彼らは「測量のプロ」である。
また、逆にこんな状況判断も出来ないのか!ということもあった。
「内容確認を急ぎ、今日中に客先の返事をもらう必要のある書類だから、すぐ送って」
(一部に着色原稿が含まれている。)
「あっ、さすがにカラーのままで送ると見えないことがあるから、一旦モノクロに焼いて見えるかどうか確認して送ってね」
「はい」
「送ってくれた?」
「はい」
「で、原稿は?」
「原稿?」
なんと、わざわざモノクロのコピーを焼いて丸ごと速達で郵送したらしい。彼女曰く
「だって、FAXしろなんて一言も聞いてないですよ!」
命令すれば、パソコンは動いてくれる。それは、命令が間違っていてもである。状況判断は出来ない。でも、人間がそうなってしまうと考えものだ。
確かに、「FAX」とは一言も言っていない。今日中に「相手の返答が必要」「カラーコピーではわからない」などの言葉から、判って欲しいと思うのは間違いのようだ。でも「速達」で郵送しても今日中に返答は無理だと思う。
この件に関しては、常日頃「出来ない事はきないと報告する様に」と指導している事が裏目に出たようだ。ただ、「報告」と言っているのであって、「事後報告しろ」でも「勝手な判断をしろ」という意味とは違うのつもりなのだけど。
ちなみに客先からの苦情の電話中に、メモをとろうとして
「ちょっと、鉛筆貸して…」
「鉛筆は無いです」
「?」
「けど、シャープペンシルならありますよ、ボールペンもありますが…」
「シャーペン」(「何でもいいから、早くよこせ!」心の叫び)
なんだか、パソコン相手なら「仕方がない」と思えるのだけど、相手が人間だと腹が立つ。私の人間が小さいせいなのだろう。
でも、パソコンに使われるのはごめんだ。技術系の仕事をしている私は、最近よくこんな会話を交わす、
「何でこんな結果が出るんだ?」(もちろん明らかな間違いについて)
「パソコンが(で)やったから間違いありません。」
そこに、「人間様」の主体性は皆無である。平気でこんな返事が返ってくる。
言ってやりたくなる。
「だったら、パソコンに給料払え!」
「第一、お前のうちの豆腐は、ダイヤモンドカッターで無ければ切れないのか!!!」
「パソコンは間違って無くても、お前(入力や条件)が間違ってるんだよ!」
SFのようにアンドロイドに人間が奴隷化される日も近いのかもしれない。いや既に一部では、もうそうなっているのかも…
状況判断や、優先順位が考慮できない。最近のいろいろな事件や事故を見て痛感する。便利になると人は退化する。しかし、「作業」はさせても、「考慮」は人間がすべきではないだろうか?便利になった分、その力を考える方に使うべきではあるまいか。
「人間は考える葦」
考える事をやめたとき、ただの「葦」になってしまう。
自戒を込めて、考える事に精を出そうと思う。「人間」であるために。その割には、文章力の無いエッセイだなぁ〜(^^;)
「おーーーーい、この書類焼いといてぇ〜〜〜」
「灰」
「………」
燃え尽きて おしまいだよ。