運動会と言えば、カメラ片手の親御さん。 こちらもどうやらセオリー通り。 あれ?でも、なんだかその量が普通じゃない…? 「なんだかうちの子達が大活躍だね!辰子さん。」 「本当ね!こーちゃん。あ、フィルム終わっちゃった。」 「大丈夫!フィルム、いっぱい買っといたから!」 「もー、こーちゃんたら用意がいいんだから!」 「だってうちの子達の勇姿をたくさん残しておきたかったし。」 「そうね、うちの子達は本当に可愛いから。」 「辰子さんの子だもん!」 「あら、こーちゃんの子だからよ!」 「あははははは!」 「うふふふふふ!」 …真に幸せな夫婦である。(頭が) 「あ!次はお兄ちゃんの借り物競争だよ!」 「本当だ、あら、あの子達お兄ちゃんの応援かしら?」 「うわー、すごい人気だねー。無理も無いか、お兄ちゃんは辰子さんに似てしっかりさんだから」 「あら、こーちゃんに似て優しいからよ!」 「あははははは!」 「うふふふふふ!」 …近くの人が砂吐いて倒れたんで、そろそろご勘弁願えませんでしょうか…? 「わー、お兄ちゃんがんばれーーー!!」 「あれ?お兄ちゃんなんだかこっちに向かってない?」 「本当だ…僕達にかな?はっ!ど、どうする辰子さん、紙に書いてあるのが尊敬する人とかだったら!!」 「ど、どうしようこーちゃん!!」 「お父さん、お母さん、一緒に来てください!!」 「「はい!!!!」」 ―――そして――― 『さーて、1位でゴールインしたのは青組の錦木椎奈選手ですが、この借り物競争、正しく借りられたのか、厳しいジャッジがあります!さーあ、判定は!?・…○です、大きな丸が出ました!椎奈選手1位確定―――!!!』 「ね、ねえお兄ちゃん、紙、何て書いてあったのかなあー、なんて」 「あ、お母さんも気になるなあーなんて」 「紙、ですか…(ダメだ、言えない!バカップルだったなんて・・・!!お父さんとお母さんしか思い浮かばなかったなんて・・・!!)」 しかし目をきらきらさせて自分の言葉を待つ両親に、本当のことを言えるような椎奈では、当然無くて… 「あの、『仲良し夫婦』…でした。」 と、超意訳を繰り出して切り抜けるのでした。(苦労人) 「えー、照れちゃうなー!ねー、辰子さん?」 「本当よー!お兄ちゃんたらおませさんなんだから!ねえ、こーちゃん?」 「あははははは!」 「うふふふふふ!」 その光景を遠くから眺め、ジャッジを下した係りは「俺は正しかった…!」と、小さくガッツポーズしたとかしないとか。 バカップルもとい仲良し夫婦に、誰かツッコミ入れろよ!とか思いつつも、断固として運動会は続く。 |
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