O川学園小等部 秋の大運動会シリーズ 〜そのろく〜

≪ 借り物競争 ≫



運動会と言えば、カメラ片手の親御さん。
こちらもどうやらセオリー通り。
あれ?でも、なんだかその量が普通じゃない…?


「なんだかうちの子達が大活躍だね!辰子さん。」
「本当ね!こーちゃん。あ、フィルム終わっちゃった。」
「大丈夫!フィルム、いっぱい買っといたから!」
「もー、こーちゃんたら用意がいいんだから!」
「だってうちの子達の勇姿をたくさん残しておきたかったし。」
「そうね、うちの子達は本当に可愛いから。」
「辰子さんの子だもん!」
「あら、こーちゃんの子だからよ!」
「あははははは!」
「うふふふふふ!」
…真に幸せな夫婦である。(頭が)
「あ!次はお兄ちゃんの借り物競争だよ!」
「本当だ、あら、あの子達お兄ちゃんの応援かしら?」
「うわー、すごい人気だねー。無理も無いか、お兄ちゃんは辰子さんに似てしっかりさんだから」
「あら、こーちゃんに似て優しいからよ!」
「あははははは!」
「うふふふふふ!」
…近くの人が砂吐いて倒れたんで、そろそろご勘弁願えませんでしょうか…?

「わー、お兄ちゃんがんばれーーー!!」
「あれ?お兄ちゃんなんだかこっちに向かってない?」
「本当だ…僕達にかな?はっ!ど、どうする辰子さん、紙に書いてあるのが尊敬する人とかだったら!!」
「ど、どうしようこーちゃん!!」
「お父さん、お母さん、一緒に来てください!!」
「「はい!!!!」」

―――そして―――
『さーて、1位でゴールインしたのは青組の錦木椎奈選手ですが、この借り物競争、正しく借りられたのか、厳しいジャッジがあります!さーあ、判定は!?・…○です、大きな丸が出ました!椎奈選手1位確定―――!!!』

「ね、ねえお兄ちゃん、紙、何て書いてあったのかなあー、なんて」
「あ、お母さんも気になるなあーなんて」
「紙、ですか…(ダメだ、言えない!バカップルだったなんて・・・!!お父さんとお母さんしか思い浮かばなかったなんて・・・!!)」
しかし目をきらきらさせて自分の言葉を待つ両親に、本当のことを言えるような椎奈では、当然無くて…
「あの、『仲良し夫婦』…でした。」
と、超意訳を繰り出して切り抜けるのでした。(苦労人)
「えー、照れちゃうなー!ねー、辰子さん?」
「本当よー!お兄ちゃんたらおませさんなんだから!ねえ、こーちゃん?」
「あははははは!」
「うふふふふふ!」
その光景を遠くから眺め、ジャッジを下した係りは「俺は正しかった…!」と、小さくガッツポーズしたとかしないとか。

バカップルもとい仲良し夫婦に、誰かツッコミ入れろよ!とか思いつつも、断固として運動会は続く。



もう、何もコメントすることはないよ・・・とりあえず、その場にいなくてよかったぁ。
明らかに酸欠で倒れていたね。
しかも、コレ読んでる時になぜかどこからともなく本人達の声が!?
えっ?サウンドつき!?っと思ったのは私だけではあるまい。
げに恐ろしきはバカップルの威力のすさまじさ。
椎奈もほんと、苦労するよ。



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