| カオス |
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ギリシア神話の神々の系譜を紐解けば、一番最初は「カオス」からはじまる。ギリシア神話においては最初の原初の存在で、だだっぴろい空間に何かがごちゃごちゃと散らばる形のない物質。何もないところからは何も生まれないので、カオスとは何もない空間のことではない。このカオスからガイア(大地)、エロス(愛)、ニュクス(夜)などの原初の存在が生まれます。
「混乱」といった意味はルネサンス以降につけられたもので、ギリシア語本来の言葉でいうと「深い穴、あるいは空虚」といった感じの言葉です。 |
| ティターン |
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カオスから生まれた最初の子がガイア、生命の源である「母なる大地」である。
そのガイアから生まれたのがウラノス(天空)。(ウラノスは夫なしで生まれた。)そしてウラノスとガイアとが交わり、ティタン神族(Titans)と呼ばれる12人の神々が生まれることになる。 12人の名前はオケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリオン、イアペトス、テイア、レア、テミス、ムネモシュネ、ポイベ、テテュス、クロノスです。 父ウラノスは好色であり、ガイアとの仲も冷え切っていた。母ガイアが鉄の鎌をクロノスに与えると、クロノスはその意を察し、ウラノスがガイアと交じろうとした時を狙い、その鎌でウラノスを去勢してしまうのであった。アレをずばっと切り落としてしまう。痛い話だ。男根を失ったウラノスは家長の座をクロノスに奪われるのであった。 (この時、ウラノスから滴り落ちる血で復讐の女神エリニュス、巨人ギガンテスなどが生まれている。また落ちた男根は泡となってキプロス島に流れ着き、そこで愛の女神アフロディテとなる。) さてティタン神族のその後である。 実権(つまりは王の座)を握ったクロノスは姉レアとの間に6人の子をもうけるが、自分がしたように子供の1人に自分が追放されるという警告を受けたクロノスは生まれてきた子をみんな飲み込んでしまう。だが、6番目の子供だけがレアが妊娠を隠したおかげで命が助かる。この子供がゼウスにあたるわけだ。(6人とはヘスティア、デメテル、ヘラ、ポセイドン、ハデス、ゼウスである。) ゼウスはクレタ島で育てられ、そして帰って来た。クロノスに飲み込まれた兄弟は吐き薬によって吐き出された。ここにゼウスの兄弟達とクロノスの兄弟、つまりティタン神族との間に世代闘争が起きることになった。 戦いはゼウスの勝利となり、ティタン神族は地獄であるタルタロスに落とされることになる。 |
| ギガンテス |
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単数形でいうとギガスであり、複数形でギガンテス。 ウラノスが去勢された時に滴り落ちた血から生まれた巨人たちである。ティタン神族とは兄弟分になる。 ゼウスがティタン神族との戦争に勝利した後、このギガンテスたちと二回目の戦争(ギガントマキア:巨人の戦)になり、これに勝利している。 |
| ヘカトンケイル |
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ヘカトンケイルはウラノス(天空)とガイア(大地)の間に生まれた3人の巨人で、百本の腕と五十の頭を持つ。名前はそれぞれ、コットス、プリアレス、ギュゲスである。 生まれはウラノスとガイアの間の子供にあたり、ちょうどティタン神族とは兄弟になる。だが、クロノスは彼らをタルタロス(地獄の深淵)に閉じ込めてしまうのであった。 彼らはゼウスにより解放され、この時に神々の酒ネクタルと神々の食事アムブロシアを与えられている。それで、その後のゼウスvsティタン神族との戦いではゼウス側につき、合計300の腕で岩石を次々と途切れることなく投げつけて勝利への援護を行いました。 ティタン神族との戦いに勝利した後、ヘカトンケイルはタルタロスへと戻されれ、タルタロスに閉じ込めたティタン神族を見張る門番となります。 |
| キュクロプス(サイクロプス) |
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ヘシオドスとホメロスにより記述が異なるが、おおよそ一つ目の巨人であるという外観は一緒である。 ヘシオドスによれば、ヘカトンケイルと同様にウラノス(天空)とガイア(大地)との間に生まれた三人の一つ目巨人である。 ウラノスはキュクロプスを嫌い、タルタロスに投げ込み鎖でしばっておいたのだが、クロノスはウラノスへの反抗の時に役立てようとタルタロスから助け出す。だが、クロノスがウラノスを倒すことに成功するとキュクロプスを再びタルタロスに投げ込んでしまう。 次にキュクロプスを助け出したのはゼウスだった。キュクロプスはゼウスvsティタン神族の戦いでゼウス側につき、戦いに貢献したのであった。 キュクロプスはゼウスに対してゼウスの主力武器「雷電」を作り出した。つまりは神々の鍛冶職人という役職につき、ハデスにはかぶったものの姿を見えなくする「ハデスの帽子」(石ころ帽子ではない)、ポセイドンには三叉の矛(三叉戟)を作り出した。他、作品にはアポロンの弓、アテナの鎧など。 彼らの最期はアポロンによって殺される。 アポロンの息子アスクレピオスは医者の守護神であったが、とうとう死者をよみがえらせる方法まで発明する。禁断の領域を越える発明に対してゼウスは激怒し、アスクレピオスを雷電により撃ち殺してしまったのだ。 いくらアポロンといえどゼウスには歯向かえない。よって、息子を殺された復讐をゼウスではなく、死因となった雷電を作ったキュクロプスに向けたのである。 ホメロスによるキュクロプスの記述はこれとは違います。多くの人数のキュクロプスたちがどっかしらに住んでおり、野蛮で粗暴、家畜の生肉をかじるような生活をしているのである。 具体的に名前が出てくるのはオデュッセウスの話に登場する一匹狼のキュクロプス。名前はポリュペーモスといい、ポセイドンの息子にあたる。 ある日、ポリュペーモスの棲む洞窟にトロイア戦争の英雄オデュッセウスとその部下が入り込む。食糧をわけてもらおうとしたわけだが、ポリュペーモスは返答として部下を二人つかんで食ってしまい、オデュッセウスたちも洞窟の中に閉じ込めてしまう。いい餌(人間)が飛び込んできたと思ったのであろう。 次の日、ポリュペーモスはさらに四人を食ってしまう。おう、ボリボリとな。満腹になって気分がサイコーなポリュペーモスは眠りについたのだが、ここからオデュッセウスの反撃が始まる。太い燃え木を眠ってるポリュペーモスの一つ目に突き刺すのであった。 オデュッセウスは始めはポリュペーモスには名前を明かさず「誰でもない」と名乗っていた。そのため目をやられたポリュペーモスが仲間に助けを求めたが、仲間のキュクロプスは「誰でもないものがやったことなら、ゼウスのお考えであろう。」と手助けしてくれない。仕方なくポリュペーモスは洞窟に手探りで洞窟に戻り、洞窟の入り口をふさいでみるが、すでにオデュッセウスは脱出した後だった。 オデュッセウスの勝利に見えたこの事件だが、最後にオデュッセウスはポリュペーモスに自分の名前を明かしてしまう。犯人の名前がわかったポリュペーモスは父ポセイドンにオデュッセウスの旅を地獄の苦しみに変えてくれと願い、ポセイドンがそれに応じてポリュペーモスの復讐をするのであった。 ヘシオドス、ホメロスの後にもキュクロプスの話は作られ、火の神ヘパイストスの助手に任命し、シチリア島のエトナ山の鍛冶工房で働いたりしている。 |
| 三叉戟の皇帝/ネプチューン |
| 三叉戟の皇帝はイラスト、能力からして海の神ポセイドンであろう。クロノスとレアの間に生まれた6人のオリュンポス神族の1人であり、vsティタン神族戦、vsギガンテス戦が終わったあとに兄弟であるゼウスより海を任せられている。 トレードマークの三叉の矛(三叉戟)、あごひげなどは末弥純先生のイラストでしっかり再現されている。この三叉の矛はキュクロプスによって作られたものである。 海の神として知られるが、馬の神でもあり、地震の神でもある。 ローマ神話でポセイドンにあたるのがネプトゥヌス(ネプチューン)である。鉄巨兵の名前はギリシア神話、ローマ神話がごちゃまぜに使われていることになる。 |
| ハデス |
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ポセイドン、ゼウス同様にクロノスとレアの間に生まれたオリュンポス神族であり、冥界を任されている。 冥界は死んだものが行き着く場所で、地獄ではない。生きるものの世界とはステュクス河によってわけられており、冥界は完全な闇の世界となっている。 聖闘士聖矢のハーデス編で描かれる冥界はダンテの作品「神曲」の地獄編をモチーフにしたものであるので、ギリシア神話の冥界とはちょっと違うものである。 ハデスの持つアイテムには「ハデスの帽子」があり、これをかぶると姿が見えなくなります。これもキュクロプスによる作品だが、残念ながらモンコレでは再現されていない。 ハデスは厳格だが、内気であまりぱっとしない。これではハデスと結婚したいと思う女神はいない。 そこでハデスはゼウスと嫁について相談する。そこで決まったのがペルセポネ(ゼウスとデメテルの間の娘。デメテルはゼウス同様のオリジナルのオリュンポス神族)をもらうことで、そうと決まればペルセポネが水仙の花を摘んでいるところに大地を割って現われて、連れ去ってしまったのであった。 ペルセポネはもちろん隙あれば冥界からの脱出を試みていたのだが、ハデスにより冥界のザクロの実を食べさせられており、冥界の食べ物を食べたら必ず冥界に戻らなければならないという掟により、ペルセポネは1年の1/3を冥界で暮らすことになったのである。 なお、ペルセポネは植物の生長をつかさどっており、農作物に収穫のサイクルが発生するのはペルセポネが一年の1/3は冥界にいるからだとされている。 |
| ボルカノ |
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ギリシア神話における火の神は、かまどの女神ヘスティアと、破壊的な炎の神ヘパイストスにわかれる。ヘパイストスは火山の神であるが、転じて鍛冶の神となり、鍛冶仕事ができるのはヘパイストスのおかげとなった。このギリシア神話のヘパイストスに相当する神をローマ神話ではウルカヌスとした。ウルカヌスよりラテン語のウォルカノ(volcano)が発生している。 ヘパイストスの妻はアフロディーテであるが、これはアフロディーテにふられたゼウスが勝手に決めたことのようだ。また、ヘパイストスは鍛冶の仕事場ではキュクロプスを助手として使っている。 |
| ウェスタ |
| モンコレでは「ウェスタの鎮静剤」に名前を見ることができる。 ギリシア神話のかまどの女神ヘスティア(クロノスとレアの間に生まれた長女)にあたるローマの女神がウェスタである。やっぱりかまどの女神である。 アポロン、ポセイドンがヘスティアに求婚をしているが、ヘスティアはこれを断っている。求愛に応えると仕事ができなくなるのを恐れてのことで、そのためヘスティアの巫女は処女でなくてはならない。 あんまり神話は存在しないので神話上、重要なポジションにもついてないのだが、ローマではウェスタが守護神となっているためにローマでは大規模なウェスタ神殿が存在していた。 |
| キューピッド |
| カオスが最初に生んだ子供の一人で「愛、肉体的な欲望」をあらわすものがエロスであるが、これがローマ神話ではクピド、英語でCupidとなる。 愛に取り付かれると心かき乱され、なにもかも放り出して恋人の胸に飛び込んでいく。それは人であっても神であっても同じである。よって、ヘシオドスが説明するエロスはティタン神族よりもさらに原初の存在であるとしていた。 時がたつにつれ、エロスの創造的な面がひきたてられ、抒情詩人の間などではエロスは若い子供の姿の神でアフロディーテとアレスの息子とされるようになった。モンコレのイラストデザインはこちらのものである。 いたずら好きでわがままで、気が短い。最大の武器は金の矢と銀の矢で、金の矢は射られたものに恋の炎を燃え上がらせ、鉛の矢は嫌悪と憎しみを感じさせる。これにより、ひとりを金の矢で射て情熱を高ぶらせ、その人の好きな人に 鉛の矢をいて悲惨な結果をまねかせるのである。 ではローマ時代に作られたクピドの話。 あるところに2姉妹の王女の中にプシュケというとびきり美しい娘がいた。人々はあまりの美しさにこの世のウェヌス(ギリシアでいうアフロディーテ)だ、ウェヌス以上だというようになりました。 さぁ、嫉妬深い神様にとっては耐えがたきこと。ウェヌスは息子クピドにプシュケをこの世でもっとも醜い男と結婚させるようにいいました。しかし、クピドは逆にプシュケを好きになってしまい、彼女をある山の上の宮殿に隠して暮らしの面倒もみたのでした。ただ1つクピドの正体はあかさず、調べようとしないことを条件として。 プシュケの姉妹は行方不明のプシュケを探しに探してなんとか見つけることができたが、プシュケがVIP待遇の生活をしてるのにとてつもない嫉妬をした。そこできっと神であろうプシュケの夫のことを実は大蛇だと作り話をして、ランプとナイフを用意した。夜、プシュケの元に夫が来たらランプでかざしてナイフで刺せと。 夜。クピドがプシュケの横にもぐりこむとプシュケはランプをかざした。しかし・・・・、そこにいたのは大蛇ではなく、神の姿であった。けっして正体を見てはいけないと言われてたのに・・・・、プシュケはランプを落とし、ランプの炎はクピドの肩を焼いてしまった。クピドは仕方なくプシュケを宮殿から追放し、ウェヌスのもとに帰ったのであった。 さて姉たちに騙されたプシュケはとりあえず報復をする。姉たちにあの宮殿で神様が待ってるわと伝えた。山の上の宮殿には風が運んでくれていたのだが、この時は風はお休み中。そんなことを知らないプシュケの姉は崖から身を投じ、風に乗ることなくまっさかさまに墜死した。 さてウェヌスに反抗してもどうにもならないと考えたプシュケだが、そこでいきついた結論が謝ろうということ。だが、ウェヌスはそう簡単に許してはくれない。次々にきつい仕事をプシュケに与えていった。他の神々が助けてくれないなかなんとかこなしていたのだが、ウェヌスはここである作戦を思いつく。冥界からとある箱をとってこいと。プシュケは好奇心からその箱を開けてしまう。箱に入っていたのは死の眠りだったのだ! しかし、襲いかかる死の眠りから彼女を助けたものがいた。クピドであった。クピドは彼女をオリュンポスの山に連れて行き、ユピテルにもう許してくださいと願い出た。しぶしぶユピテルは承知し、ウェヌスをなだめて、プシュケにネクタルを与えた。神々の酒であるネクタルを飲むとプシュケは不死となったのだ。そしてプシュケは「喜び」と名付けられた女の子を生むのでした。 |
| アトラス |
| MC1のイラストでは惑星(地球)を支えてるように見えますが、神話上は空を支えてることになってます。古代ギリシア人が「空はなぜ落ちてこないのか」を考えたとき、遠くに見える高い山がつっかえ棒になってるに違いないと考えた。それにアトラスの神話がつけられたのだ。 その後、天は丸いものだとされその絵が描かれ、さらに丸い空が地球であると勘違いされて今の地球を支えるアトラスのイラストにいたっている。 1595年にレモルト・メルカトルが世界地図を発表するとき、地球をささえるアトラスの姿を世界地図の表紙にすることを思いつき、それから地図書のことを「アトラス」と言うようになりました。 ヘシオドスによれば彼はヘラクレス十二の難行の中に登場する。 生まれはティタン神族のイアペトス(ウラノスとガイアの娘)の子供でプロメテウスの兄弟にあたり、ティタン神族の一員である。 ティタン神族がゼウス率いるオリュンポス神族に敗れると、アトラスにも罰が与えられ、天空を支える役目を与えられている。 さて、ヘラクレス十二の難行の11番目は、太陽が沈む西の方向、アフリカを通って西の果てにあるというヘスペリスの園の黄金の林檎を取ってくることでした。 なんとか至福の園の黄金の門の前までやってきたヘラクレスですが、その門は火を吐く竜(ラドン)によって守られており、くぐってはいるのは容易ではありません。そこでヘラクレスは、オリンポスの神々と戦った罰で追放された空をささえる巨人アトラスを見つけ、林檎を手に入れる方法をアトラスに聞きます。するとアトラスは、しばらく代わりに空を支えてくれたら林檎を取ってきてやろうと言いました。 ヘラクレスがかわりに天を支えると、アトラスが林檎をとってきました。するとアトラスはこう切り出しました。 「おれが林檎をとどけてやるよ」 もちろんアトラスはそのままばっくれる気でした。でもここでヘラクレスがこう切りかえしました。 「じゃあ、天を支える姿勢を直すから、ちょっとの間、天を支えてくれ。」 アトラスがヘラクレスにかわって天をささえると、今度はヘラクレスがばっくれてしまいました。見事にだまされたわけです。 こうしてヘラクレスは11番目の難行を遂げたのです。 ヘシオドスによって紹介されたこの物語をベースに、詩人オウィディウスはペルセウスの物語にアトラスをモーリタニアの王として登場させている。 メデューサの首を切り落としたペルセウスはのこりの2人のゴルゴンから逃げるため、ペガサスに乗ってぶっとばしていました。でも、さすがに夜になると怖いので、ヘスペリスたちの花咲く園の傍らでペガサスを止めました。そうアトラス王のいるところです。 ペルセウスはアトラス王に一晩休ませてくれないか申し出てみました。ところが、アトラスは人間不信にでもおちいってたのか、歓迎するどころか逆に打ちすえようとするではないですか。(実は予言により、ゼウスの息子がヘスペリスの庭にある黄金の林檎を盗むだろうと聞いていたのだ。) そこでペルセウスはとりたてのホヤホヤのメデューサの首をアトラス王に向けました。アトラスはたちまち石となり、天まで届く巨大な山脈(リビアのアトラス山脈)に変わりました。メデューサの首の犠牲者第1号の誕生でした。 |
| ラドン |
| 世界の西の果てにあるヘスペリスの園にある黄金の林檎を守っているのがラドンです。 黄金の林檎とはガイア(大地)がゼウスとヘラの結婚の祝いに贈った物で、黄金の実がなるリンゴである。そんな大切な黄金の林檎を守る任務をゼウスはヘスペリス(ヘスペリデス)という三人の眠りのニンフに与えることにしたのだ。だが、眠りのニンフゆえに得意技は眠ること。だからラドンという竜を助手としてつけたのである。 ラドンはとりあえず首が100個ぐらいあるらしい。100個もあればどれかの首は必ず起きてたことであろう。 ヘスペリスの園から黄金の林檎をとってくる羽目になったヘラクレスはこのラドンをどうしたのか? ストーリーはいくつも作られているが、まずはアトラスがヘラクレスの代わりに林檎を取ってきたというお話。強い強いアトラスならばラドンを恐れることはない。 ヘスペリスが盗賊に連れ去られようとしたところをヘラクレスに助けられたのでお礼にアトラスが林檎をプレゼントしたお話。前のパターンではヘスペリスはニュクス(夜)の娘たちであったが、こっちのパターンでは実はヘスペリスはアトラスの娘たちという設定になってる。 後はヘラクレスがラドンを倒してしまうお話。このほうが単刀直入ですな。 モンコレではドラジュニのプロモカードでラドーンが登場している。とりあえず首がいっぱいあるあたりがラドンだ。 |
| パンドラの箱 |
| パンドラの箱の話の前置きとして、プロメテウスの話をせねばなるまい。 プロメテウスはイアペトス(ウラノスとガイアの子)の息子でティタン神族の一員であるが、ゼウスvsティタン神族の戦いではゼウス側についている。プロメテウスの名前は「先を見る男」という意味である。 プロメテウスは人間を土から作り、火を与え、数字や文字を書くことなどを教えた。これに対してゼウスはプロメテウスへの対抗心が生まれていた。 さて、プロメテウスに対して決定的な事件が起きる。ゼウスへのお供え物の焼肉があったわけだが、プロメテウスが骨を脂肪でくるんだもの(こっちははずれ)と、肉、内臓などを牛の胃袋にかくしたもの(こっちがあたり)とを用意し、2つを選ばせたのだ。この選択でゼウスはプロメテウスにいっぱい食わされることになるのだ。 さぁ、怒ったゼウスは人間から火を奪い、地上で使えなくしてしまった。ところがプロメテウスはオリュンポス山にこっそりのぼり、再び人間が地上で火を使えるようにしてしまう。これにはさすがにゼウスもぶちきれた。プロメテウスは捕まってしまい、大きな円柱にくくりつけられる。そしてゼウスが使わした大鷲により、プロメテウスは肝臓を食われてしまうのだ。だが、プロメテウスは不死身である。毎日肝臓は再生し、そして毎日大鷲に食われるという永遠の罰をプロメテウスは課せられたのであった。 長い年月でプロメテウスが充分苦しむと、ゼウスの息子ヘラクレスがこの大鷲を退治し、プロメテウスを解放したのである。この話はヘラクレスの12の難行のうち、11番目のヘスペリスの園の話に含まれている。 さて、パンドラの話である。 プロメテウスにより火を取り戻した人間だが、これにも罰を与えねばなるまいとゼウスは考えた。そこで火の神ヘパイストスが女神の姿そっくりのパンドラを土くれから作り出した。パンドラは神々から悪女がもつにふさわしいあらゆるものを与えられた。家事の腕前、魅力、男心をくすぐる舌、よこしまな心などだ。パンドラとは「すべての贈り物を与えられた女」という意味なのだ。 こんな魅力的なパンドラがまだ女性が存在しない地上の世界へとおくりこまれた。行き先はプロメテウスの弟エピメテウスである。プロメテウスはゼウスからの贈り物は受け取るなと弟に伝えたが、エピメテウスはパンドラと結婚してしまうのであった。(エピメテウスは「後から考える男」の意味。) さらにゼウスはエピメテウスに「決して開けてはならぬ」と書かれた壷を贈った。エピメテウスはとりあえずは開けずにいたのだが、パンドラはそうはいかなかった。押さえがたい好奇心を持っているからである。ゼウスが壷の中につめこんでいたのはこの世のありとあらゆる悪である。詮索好きなパンドラはついにその壷をあけてしまうのである。 ストーリー的にはパンドラが急いで壷のふたを閉めたが、時すでに遅く、この世の中に災厄が振りまかれてしまったのだが、たった1つ壷の中には「希望」が残されていたという。残ってたからどうか、という続きはない。車田正美でも読めばわかるであろう。 神話でパンドラが開けたのは壷なのだが、このストーリーが紹介される中で壷は箱と間違えられ、そしてパンドラの箱(Pandora's box)という言葉になっています。 |
| パン |
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もともとは古いエジプトから豊穣と多産の神で、山羊の姿で表現されていた。それがギリシアに入って上半身が人間、下半身が山羊というスタイルが発生した。それでもって、毛深くして、角生やして、顔を赤くしてギリシア神話のパンのできあがりである。 家畜の群れがさわいだり怯えたりすることはパンの仕業として考えられた。だからパンには(人間や動物の)集団に一声で恐怖や混乱を引き起こす特殊能力があるのだと考えられた。「パニック(panic)」という英語が「パンによる恐怖(panic fear)」という言葉から由来してるのもうなづける。 この相手を混乱に陥れる特殊能力はかなり強力なもので、ゼウスvsギガンテスの戦いではゼウス側について、ギガンテスたちを文字通りパニックに陥れています。 普段は好色な神様でいつもニンフをおっかけています。 パン神がおいつめたニンフにシュリンクス(水の精でアルテミスに仕える)がいる。パン神に追いかけられるうちにラドン川に追い詰められたシュリンクス。パン神がシュリンクスに飛び掛かります!(ルパンが不二子に飛び掛るように。)シュリンクスは祈りました。「私の姿を葦にでも変えてくれ」と。この願いはシュリンクスの姉妹によってかなえられ、シュリンクスの姿は本当に葦に変わってしまいました。さぁ、目の前でニンフの姿が葦に変わってしまい、どうしようもなくなったパン神ですが、とにかくシュリンクスをそばに置いておきたかったので葦から笛を作りました。ギリシア語で笛のことをシュリンクスと言うのはそういうこと。 |
| ヒュプノシス |
| 綴りは「hypnosis」で、意味は「催眠」です。under hypnosis で「催眠術にかかって」という使い方になる。辞書にそう書いてある。 この言葉はギリシア神話の眠りの神ヒュプノス(Hypnos)に由来します。 生まれはニュクス(夜:カオスの娘)の子であり、兄弟にはタナトス(死)がいる。冥界に住んでおり、日の光を嫌っています。お姿は翼の生えた青年です。得意技は疲れた人に角から出る眠り薬をかけること。まぁ、眠ることで疲れがとれるわけだから嬉しい神様かもしれんが、ヒュプノスの先にはタナトス(死)が待ってることも・・・ 神話の中では活躍の場面はありませんが、聖闘士聖矢の中ではハーデスに仕える神として登場。エターナルドラウジネス!しかし聖闘士に同じ技は二度通じない・・・・・ ローマ時代に入ってからヒュプノスにモルフェウスという子供がいる設定にされた。夢の神なのだがヒュプノスと間違えられて催眠効果のある「モルヒネ」の由来とされました。 |
| ヘカテ |
| モンコレでは夜の女神を名乗っているが、ギリシア神話上では三叉路の神である。 幽霊や気味の悪い生き物をいっぱい飼っており、三叉路あたりをうろついてます。そこへ旅人がくると驚かすわけだ。 ヘカテのいたずらを避けるために、昔の人は三叉路に3つの顔か体をもつ像を置き、お供えをしています。 生まれはペルセスとアステリアの娘にあたる。※ペルセスはクレイオスの子、アステリアはコイオスとポイベの娘。クレイオス、コイオス、ポイベは共にウラノス(天)とガイア(大地)の子供でティタン神族であるから、ヘカテもティタン神族に入る。 |
| ニンフ |
| 美しく若い娘の姿の自然神である。泉の精とか、木の精とか、山や森とかいろんなニンフがいるのだ。 得意技は踊ること詩を作ること。 とにかくかわいい。そのため、好色なパン神がニンフを追い掛け回す風景はギリシア神話においては日常茶飯事であった。こう見えてもニンフは身持ちが固いのである。 |
| エコー |
| とっても話好きなニンフである。 ユピテル(ゼウス)の趣味は妻であるユノ(ヘラ)に隠れて浮気をすることなのだが、ユノの気をそらすためにエコーを使うことを思いついた。エコーがえんえんと面白い話をユノに聞かせていれば、その間ユピテルはし放題・・・・、のはずだったが、この計画はしっかりとユノにばれた。あわれなエコーはユノにより舌を結ばれて、相手の言葉の最後の部分を繰り返すことしかできなくなってしまった。そう、やまびこのように。 エコーはナルキッソスに恋をした。が、ナルキッソスに気持ちを伝えようとしても言葉が出ない。ナルキッソスの言葉の終わり部分を繰り返すだけ。文字通り話にならず、とうとうナルキッソスはエコーに見切りをつけてしまう。悲しみにくれたエコーはやせ衰えて声だけの存在となってしまうでした。 |
| ヒュドラ |
| ヘラクレスの12の難行の2番目が「レルネのヒュドラ退治」である。 生まれはギリシア神話最大のモンスター:テュポーンとエキドナの子供にあたる。とりあえず首がたくさんある水蛇です。 ヘラクレスはレルネの町をヒュドラから救い出すよう命じられたわけで、さっそく立ち向かったのだがヒュドラの特殊能力が実に手強い。首を1つ落とすとそこから新しいのが2本生えてくるのだ。きりがない。 さらにヒュドラの増援として巨大な蟹(女神ヘラがつかわせた)も現われてさすがにどうしようもない。そこでヘラクレスは甥のイオラオスを応援に呼びました。 ヘラクレスがとった作戦はヘラクレスがヒュドラの首を棍棒で落とし、傷口をイオラオスが燃え木で焼いて復活を防ぐことでした。これが見事にはまり、こうしてヒュドラは退治されました。 |
| オルトロス |
| ヘラクレスの12の難行の十番目、三ツ頭の怪物ゲリュオンが飼ってる赤い牛を捕まえる話の中で登場します。 ゲリュオンはゴルゴン3姉妹の1人メデューサの子孫にあたります。まずメデューサとポセイドンの間にペガサス、クリュサオールが生まれています。それからオケアノスの娘カリロエーとクリュサオールの間に生まれたのがゲリュオンです。このゲリュオンは世界の西の端の伝説の島に住んでいます。 とりあえず現地に行くために太陽神ヘリオスに借りた「太陽の杯」という魔法の船を使い、途中にある陸地をぶち抜いて島へ直行しました。(ぶちぬいて出来たのがジブラルタル海峡) さぁ、やっとゲリュオンの双頭の番犬オルトロスの出番ですが・・・・、あっさり倒されます。以上。 ゲリュオンをもあっさり倒し、ヘラクレスは牛を乗せて帰還します。 オルトロスの生まれだが、これもテュポーンとエキドナの間に生まれています。ケルベロスと兄弟なのはよくわかるが、ヒュドラやスフィンクスとも兄弟なわけだ。 |
| ネーレウス |
| ギリシア神話のネーレウスといっても名前の綴り方で2通りがあります。 Neleusである場合、人間です。 この場合はサルモーネウスの娘テューローとポセイドーンの子でメッセーネーのピュロス市の建設者、 または上記の子孫でイオーニアのミレートス市の建設者・・・・ってことですが、 やっぱこっちはモンコレとは関係ないっすよね。 Nereusである場合、「海の老人」と呼ばれる海神です。 海中のあらゆる道筋を知り尽くしており、賢明、温和で予言の力がありました。 神話の中ではヘラクレスの12の難行の11番目(上のアトラスの回の話)に登場し、 ヘスペリスの秘密の園を探すヘラクレスによって縛り上げられ、 園のありかを教えるように脅迫されてます。 この時、ライオン、蛇、火と次々に姿を変えてヘラクレスを驚かそうとしましたが、 ヘラクレスはなんとも思わず失敗しております。 さて、モンコレのイラストではネーレウスは女の子になってます。 じじいが女の子の姿をよそおってるのかい!ということですが、 実はネーレウスは50人(または100人)の海のニュムペーであるネーレイス(ネーレウスの娘)たちの父親でもあります。 (母はオケアノスの娘ドリス) つまり、このネーレイスのイメージが混ざったものがモンコレで採用されたと推測されます。 ネーレイスは胸も露な女の子の海のニンフで、ニンフの中ではもっとも女神に近い存在であって、 永遠の命をもっているとされています。 ヘシオドスによれば全部で五十人おり、「非の打ちどころのない手仕事に巧みなものたち」とされています。 さて、50人もいるので神話の中ではたびたび登場します。 ネーレイスの一人テティスはペーレウスと結ばれて足がむっちゃ速い不死身の英雄アキレウスを生んでますし、 メデューサの首をとった英雄ペルセウスの妻となったアンドロメダの母アンティオペア国の王妃カシオペアが、 自分のほうがネーレイスよりも美しい誇ったために怒ったりする場面もあります。 (そこにポセイドンが首をつっこんで、海から恐ろしい怪物を送り込みました。 この怪物は王女アンドロメダを生け贄にささげるまで暴れるとしましたがペルセウスの恋の力の前に敗れています。) その他、テティスの他にも大きな神々と結ばれて子供を残したネーレイスは多く、 アンティオペはポセイドンとの間にトリトンを生んでいるし、 いくつかのネーレイスはこのトリトンとの間に子孫を作っている。(残念ながら半人半魚の怪物だけど。) プサマテはアイアコスと交わってポーコスを生んでいるし、 オデュッセイアーの部下たちを貪り食ったとされる一つ目の巨人ポリュペーモスの妻ガラテイアもネレイスとされている。 最後に、ネーレイスたち自身はトリトンやポセイドンのように海を操る能力は持たなかったかもしれない。 しかし、ネレイスたちが海の中である程度不思議な能力を発揮できたことは確かである。 それがチャージを持って攻撃をしてきたユニットを止めるようなものだったかはわかんないけど。 |
| テュポン |
| ギリシア神話にはいくつものモンスターが登場しますが最強にして最大のモンスターはこのテュポンです。 モンコレではブルーアイズホワイトドラゴンのようなとんがったハイドラゴンとして登場しましたが神話ではかなり違うスタイルをとっています。まず頭から胴体、腿にかけては人間の姿ですが、その両の足はそれぞれ巨大な蛇になっています。そんじゃ両腕はというと100本もの蛇の頭がついてたんですね。こりゃ強力だわ。で、大きさは身長が星を掴める距離、両手を広げると東と西の果てまでいっちゃうからとてつもなくでかい。パワーは山脈を持ち上げる折り紙つき、口から炎をはけるし目からもファイアーが出る。そんでもってどこからかシューシュー音がする特典までついてくる。ね、強そうでしょ。 で、こんな怪物がうろちょろしてるのをゼウスがほかっておくはずがない。ここにゼウスvsテュポンの最大バトルが始まりますが、実はゼウスは大きく苦戦をすることになります。なんとゼウスは手足の腱(アキレス腱とか)を切りとられて隠されてしまうのです。まぁ、その後は腱を無事取り返しゼウスが勝利をおさめることになるんすけど。で、敗れたテュポンは山の下に閉じ込められ、それがエトナ火山になったとされています。 さて、テュポンのもう一つ有名なエピソードはエキドナとの間にいろんな子供を作ったことです。子供といってもみんなモンスターなんすけど、その顔ぶれがすごい。ケルベロスにはじまり、スフィンクス、オルトロス、エトセトラエトセトラ。これだけ強力なモンスターの父というだけでもやっぱすごい奴だったとわかりますね。 |
| カプリコーン |
| 占星術に山羊座ってのがあるがそれがこのカプリコーン。でも普通の山羊じゃなくて、山羊の前半身と魚の後半身、2本の前足はあるけど後ろは魚って奇妙な姿になっています。でもこのモンスターはもともとは別の姿をしていました。 カプリコーンのもとになったのはアイギパンというパン神のひとり、 パン神だから上半身が山羊で下半身が人間の男でした。で、このアイギパンがひょんなことからゼウスvsテュポンの戦いに巻き込まれます。テュポンはゼウスの手足の腱を切り取って奪います。そしてこれをデルピュネという怪物がコリユコスという岩穴に隠し番をしていました。この隠された腱をアイギパンはヘルメスとともに取り戻すことに成功したのです。ところが!これに気づいたテュポンが怒ってアイギパンを追いかけます。びびった。これはマジにびびったアイギパンはえいやと海に逃げ込んだのです。そう、この海に逃げ込んだ時の姿がカプリコーンなのです。その後、これを知ったゼウスはカプリコーンを空の星座にしたのでした。 |
| カリュブデス/スキュラ |
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英語のことわざに、「between Scylla and Charybdis」というものがある。「進退きわまって」という意味でここからもカリュブデスとスキュラがそうとう困った存在であたことがわかる。 ギリシア神話によると、シチリア島とイタリアとの間にはメッシナ海峡があり、その北端あたりの岸壁近くにカリュブデスが、反対側の岸壁にはスキュラが住んでいたとされています。カリュブデスはいつも海の底にいるので姿はわかりませんが1日に3回、海水を吸い込み吐き出すことをして大きな渦潮を作り出し、船を難破させていました。まぁ、言ってみればメッシナ海峡の大渦巻が怪物の仕業とされたわけだ。で、スキュラはというと腰の上からは女性の姿、でも下半身には6匹の犬の頭と12本の足がついていたとされてます。船が近づくとなんとか先攻を取って急襲の使用の宣言をしてくるってわけですね。 さてさきほどの英語にもあるように、このメッシナ海峡をわたる船乗りは進退きわまる状態に陥ります。それでも先に進まなければいけません。さぁ、どっちから進む?ってことになりますが、カリュブデスの方は確実な死を意味していましたので多くの船が航路をスキュラの岸壁にすすめました。なーんだ、スキュラの方が弱いってことか。 さてスキュラというモンスターが誕生した話にふれてみよう。スキュラってのはもともとは人間の娘です。うん、かわいかったんですね。で、海の神の一人グラコウスは彼女に胸キュンになってしまい、なんかええ方法はないものかと魔法使いの女キルケーに恋愛相談にのってもらうことにしました。ところが!キルケーはグラコウスに一目ボレ!!キャッ恥ずかしい!ここにギリシア神話にありがちな△関係が成立したのです。で、グラコウスの心はすでにスキュラに行っています。キルケーいかる。しっとメラメラ。とうとうスキュラにポリモルフをかけてしまったのです。それがスキュラというモンスターの誕生なんです。その後スキュラは悲しみにくれて岩になったとも、船乗りを食らう本物のモンスターになったとも言われています。 |