第14編「ブルーちゃん爆進レポート(謎)」
前回までのあらすじ:
ポケモンリーグにて、順調に予選を勝ち上がったレッド、ブルー、グリーンの3名。
準決勝第一試合、ブルーの相手は、変装したオーキド博士だった。
追い詰められる彼女であったが、旅の中で得てきたものを全力でぶつけて勝利。
そしてレッドは、彼女の過去と、その正体を知るのだった。
更には準決勝第二試合、レッドはグリーンとのライバル対決に臨む。
激戦を制したのはレッドで、いよいよ決勝ではレッドとブルーが対決することに!
『明日、ついにポケモンリーグ決勝戦。レッド選手vsブルー選手の試合を行います! 皆さん、本日はお疲れ様でした!』
アナウンスが流れ、観客達は徐々に会場を後にする。
決勝戦は翌日。
レッドとブルーも、本日の疲れをゆっくり癒し、明日の戦いに備えることとなった。
「今回も、マサラのトレーナーがポケモンリーグを制することになる……という訳じゃな」
「ふんっ。この次は、俺が優勝を頂くさ」
オーキド博士の言葉に次いで、準決勝で惜しくも敗退したグリーンがそう言う。
いつもクールな彼であるが、さすがに悔しい気持ちは隠し切れない様子だ。
「グリーンも、その意気じゃ。……とはいえ、明日はレッドかブルーか……どちらが勝つのか、楽しみじゃな」
「レッドの実力は折り紙つきだ。実際に戦った俺が、保証する」
「ほう。じゃが、ブルーもなかなかじゃぞ」
「まぁな。だが、ずる賢いだけの戦術で、今のレッドは敗れやしないさ」
「……ずる賢いだけならのぅ」
引っかかるような発言のオーキド博士。
グリーンも、わずかにぴくっと眉をひそめる。
「わしとのバトルでは目立たなかったがな。あのカメックス、相当なパワーじゃった」
「…………」
「それだけではない。ブルーは予選、プリンのトライアタックの一撃だけで、全てのバトルを勝ち上がってきたという」
それは準決勝にて、オーキド博士との戦いの最中でブルー自身が口にしたものだ。
グリーンも、あの時の彼女の言葉を思い出す。
「もっともわしに対しては、油断していて決まっておらんかったがな」
「だが、それが本当なら……脅威だな」
「うむ。ブルーは、単にずる賢いトリッキーな戦いをするだけではない。あるいは、レッドやグリーンをも凌ぐパワーを秘めておるのかも知れん」
「……!」
場所は変わり……セキエイ高原に立つ、立派なホテルにて。
明日の決勝戦を見るべく、多くの観客達がこのホテルに泊まりに来ていた。
だが同時に、ここは決勝出場者、すなわちレッドとブルーが宿泊する場所でもある。
2人には、ポケモンリーグからの出費により、一晩ここを無料で過ごせる事になっていた。
「うーん♪ こんな豪華なホテルにタダで泊まれるなんて。なんて素敵なのかしら、ポケモンリーグ♪」
ブルーはベットの上に座り、その弾力感を堪能しながらウキウキ話す。
「って、ここ俺の部屋なんだけど……。ブルーは隣だろ?」
その様子を、少し離れたところでレッドは眺めていた。
「よっ。今日はお疲れやったなぁ、レッド!」
突然そこへ、関西弁の少年が入ってきた。
レッドやブルーとは少し年上で、大体15〜16歳程度と伺える。
「お……あかん。お邪魔やったか?」
ノックも無しに入ってきた彼は、部屋にブルーもいた事を知って、少し遠慮気味になった。
「い、いや……そうじゃないけど(汗)」
「レッド。この人は?」
今やってきた関西弁少年、どうやらレッドの知り合いのようだが、ブルーは見た事がないらしい。
自然と疑問を持った彼女は、とりあえずレッドに聞いてみた。
「あぁ、マサキだよ。ポケモン転送システムを作ってるんだ」
「お嬢ちゃんの試合も、ばっちり見取ったで。明日は楽しみやな」
「……!!」
これを聞き、何故かはっとした様子のブルー。
「ん? ブルー、どうかしたのか?」
「……え? あ、あぁ……ホホ、何でもないわ」
途端にごまかし気味に話す彼女。
かえって怪しい(ぁ)。
「あたしも転送システムは利用した事があるから、それでちょっと驚いただけよ」
「ふーん……?」
「そ、そう……あなたが、あれを作ったのね。ふ〜ん♪」
妙にニコニコしながら、ブルーは述べた。
「(なんや? 今一瞬、殺気みたんが感じ取れた気ぃするんやけど……(汗))」
マサキはそう思ったが、あえて気のせいと思う事にした。
ていうか、思いたかった(ぁ)。
「(……かつて、ハッキングしようと公共コンピュータに潜入して、このあたしがセキュリティに太刀打ちできなかった数少ないシステムの1つ……ポケモン転送システム。まさか、こいつが作ってたなんて!)」
彼女が身勝手な敵対意識を向けた事など、結局レッドもマサキも気づかず終いだったという(何)。
「けど、マサキ。突然やって来て、何かあったのか?」
「あぁ。別に、大した事でもないんやけどな。転送システムのアップデートを開発してみたんや。お疲れで悪いとは思ったんやけど、よかったらテストに付きおうてくれへんかと思うてな」
「なんだ。そんな事なら、全然構わないぜ」
「助かるわ。1人でテストやって、前みたいな事になったらシャレにならんからなぁ」
そんな会話を、黙って聞いていたブルー。
ふと、1つの疑問がよぎる。
「? 前みたいな事……って、何かあったの?」
「いや、それがさ。マサキの奴、誤って転送先のコラッタと合体しちゃったんだよな」
「あん時は、ほんま大変やったからな。レッドが来てくれへんかったら、どうなっとったか……」
その瞬間。
ブルーの中で、小悪魔が微笑んだ(ぇ)。
「……! ねぇ、レッド。あたしも、そのテストについてっていい?」
「え? ……うーん、マサキは?」
「別に構わんで。2人で手伝いしてくれた方が、こっちとしても助かりそうやからな」
……という訳で。
3人は、マサキの部屋へとやってきた。
「って、こんなでかい機械をホテルに持ち込んだのかよ(汗)」
「ポケモンリーグは生で見ときたかったんやけど、時間が惜しくてなぁ」
マサキが泊まる部屋には、カビゴンぐらいの大きさの機械が設置されていた。
どうやって持ち運んだかは、謎に包まれている(ぇ)。
「……! あかん、大事な部品を買っとくんを忘れとったわ」
「お、おい……大丈夫か?(汗)」
テスト直前で足らない部品が分かったとかいう様子を見て、レッドは不安げに問うた。
「心配いらへんて。とりあえず、これ買ってくるわ」
「あぁ。……と、俺もちょっとトイレ行ってくる」
「じゃあ、あたしがここに残るから。行ってらっしゃーい♪」
この時、彼らは察するべきだっただろう。
ブルー1人を部屋に残して行くことの、その危険性を(待て)。
「……ホホ♪ さぁて、早速見せてもらおうかしら」
おもむろに、ブルーは備え付けてあったパソコンの前に立つ。
どうやら中のデータを見るべく、操作し始めたようだ。
「えーと、何々……? …………」
だが、徐々にブルーの表情は曇っていった。
「……な、何この難解なプログラム(汗)。やっぱ、あたしじゃ手に負えないかなぁ……」
しかし、ブルーは現金だった(オイ)。
次の瞬間には、死んだ魚のようだった目(という程でもないケド)が、急に輝きを取り戻す。
「! これだわ。さっき2人が話してた、ポケモンと融合しちゃうミスプログラム」
大した時間の余裕もないので、彼女は早速行動を起こす。
密かに持参していたレポートと、モンスターボールからニドラン♀を出す。
「ニドちゃん。ちょっと、そっちに入ってみてくれるかしら?」
彼女はレポートにメモを取りながら、近くにあったカプセルにニドランを入らせる。
「ホホ。これは今までの行動、全てを記した極秘レポート。と同時に、ここに名前を記したものは、必ずこの手で掌握すると誓ったものなのよ!」
つまり、ブルーの勝手な行動履歴兼、ブラックリストのようである……。
「……これで、よし。後は、あたしが!」
続いて彼女は、レポートをしまいこんで、別のカプセルに自分の身を入れた。
そして、しばらくすると……ゴウンッゴウンッと、妙な音が機械から響く。
「ふぅ。ただいま……って、あれ?」
部屋にレッドが戻ってきたのは、そんなタイミングだった。
機械が勝手に動いていた様子を見て、不審に思う。
「うわっ、どうなってんだこれ! てか、ブルーはどこ行った!?」
途端、あたふたし始めるレッド。
それを尻目に……1つの小さな影が、部屋の扉の隙間から出て行くことに、彼は気づかなかった。
1匹のニドラン♀が、ホテル内を隠れて疾走。
だが、顔がどこかブルーの面影を持っている。
「ホホっ、成功したわ。面白いわね、これ〜」
再びレポートを取り出し、彼女は何かを書き込んでいく。
「これについての記録をしっかりつけといて、後で研究すれば……何かに使えるかも♪」
要は、あれだ。
ゲーム風に言うなら、『途中で何かあってもいいよう絶えずレポートを書いてセーブしておけ』を実行しているのである(謎)。
彼女は、物陰に隠れながら、ホテルの食堂にやってきた。
奥ではコックが、様々な料理を作っている。
中には、デザート類もあるようだ。
「わー! おっきいフルーツポンチ♪」
ニドランの姿ならば、人間の料理が普段より大きく見えるのは当然。
「この体なら、ダイエットを気にする必要もないし。一度、これだけ大きいデザート食べてみたかったのよね〜」
そう言いながら、彼女は早速それにかぶりついた。
(注:ニドランはねずみではありません(ぁ))
「! あ、こら!」
だが、その様子にコックの1人が気づく。
「こいつめ。どこから入ってきた!?」
近くにあったハエ叩きを取り出すと、いきなりそれを振り下ろしてきたのだ。
(注:ニドランはハエでもありません(爆))
「きゃっ!?」
すかさず、ブルー二ドランは攻撃(?)を回避。
ニドランの姿だと、すばしっこさも増しているのだ。
「こら、待てー!」
「(待たないわよ。ていうか、普通キッチンにハエ叩きなんて置かないでしょ!)」
豪華なホテルの裏側を垣間見たブルー(ぇ)は、あっという間にその場を後にする。
コックが追いついて捕まえることなど、到底叶わなかった。
「……ふぅ〜、やれやれ。もうちょっとゆっくり食べておきたかったけど、仕方ないわね。さーて、次は……」
ひょいっ!
そこで突然、彼女の体が持ち上げられる。
足が床を離れ、どんどん遠ざかったのだ。
「へ?」
「兄ちゃん、見て! ニドランがいるよ」
後ろから、幼い少年の声が聞こえる。
どうやら、持ち上げたのは彼らしい。
「あ、バカ! 小さくてもニドランは、毒があって危険なんだぞ!」
そう言って、別の少年が声を荒げた。
ブルーがふと横を見ると、モンスターボールを構えてこちらを見る、もう少し年齢の高そうな少年の姿が!
「欲しいんなら、俺が捕まえてやるよ!」
その直後。
ボールが放たれ、ブルーの眼前にまで迫ってきた。
「ちょっ、やだ!!」
ブルーは間一髪、持ち上げていた少年の手を振り解いて床に着地、ボールを回避する。
「兄ちゃん、逃げちゃう!」
「そうは行くか!」
だが、ボールは更に次々と投げつけられてきた。
「(つ、捕まえられるなんて……冗談じゃないわよー!!)」
ブルーは、逃げた逃げた。
一目散に、逃げた。
……そして気づけば、元の部屋の前まで戻ってきていたのだった。
「はぁ……はぁ……。考えてみれば……ここに泊まってるのはみんな、ポケモンリーグを見に来た人ばっかりなんだもんね……」
当然、宿泊客の中のトレーナー率は高いと思われる。
ポケモンの姿で、ホテル内をうろつくのは危険なのだ。
「しょうがないわね……。ま、ポケモンの姿での居心地は大体分かったから、戻ろうかしら」
カキカキと、最後の記録をレポートにつけるブルー。
それも終えると、彼女はマサキの部屋の扉を開いた……が。
「……おかえり、ブルー」
「……!?」
中では、レッドが仁王立ちして待っていた(ぁ)。
「!! あ、あら……レッド……? あ……あはは……(汗)」
「いい格好だな。楽しかったか……?」
ゴゴゴゴゴっ……と、何やらレッドの背後に黒いオーラが立ち込める(何)。
これは見て、さすがのブルーも汗だらだらで恐怖した。
「ぅ……(焦)」
「…………」
しばし、互いに各々の想いがこもった、無言の時が流れ行く。
ところがそこで、思いがけない現象が発生してしまう。
……ボンっ!
「!!?」
「っ!!」
不意にブルーとニドラン♀の体が分離し、元に戻ってしまったのだ。
後に判明するが、どうやらポケモンとの合体には時間制限があったらしい(?)。
だが問題は、この時のブルーの姿。
彼女は、何1つ身につけていない姿として、人間の体に戻ったのである(爆)。
「あ゛っ……」
当然目の前にいたレッドは、その姿をばっちり見てしまう。
「き、きゃああああ!!」
ズゴォォォッ!!
かくして、ブルーの放つスクリューパンチが、レッドの下あごをぶち抜いていったという……(何)。
「……何だ、これ?」
「え? 今まで、あたしが記録をつけてたレポートよ。何かの役に立つと思って〜♪」
ひりひりと腫れる左頬を押さえつつ、むかむかした表情のレッドは、ブルーからレポートを奪い取っていた。
そこには、彼女がこれまでどんな悪事を働いてきたかが、克明に記されていたという(オイ)。
「……ブルー(にっこり)」
「……あは……あはは……♪」
ぐしゃぐしゃっ、ポイっ!
レッドは頭に血筋の怒りマークを浮かべながら、丸めてゴミ箱に放り込んでしまった(ぇ)。
「あ゛ー!!」
「んっ!?」
ブルーが絶叫したのは、丁度マサキが部屋へと戻ってきたタイミング。
状況を把握できず、彼はぽかーんと2人を見守るばかりだったとか。
続く
意味不明な話だったな、今回は……(汗)。
後書きに特に書く事が思いつかないんですけd(知るか)。
強いて言うなら、ブルーをもっとはっちゃけさせたかったんですけどねぇ(待て)。
なかなか難しかった。−−;
次回、第15編「最終決戦(ファイナルバトル)」をお楽しみに。