―――「『兎爆』をここまでバラバラにするとはな・・・いい勝負だった」―――


―――「はぁはぁ・・・一体・・・どうやったら・・・私はあんたみたいに・・・強くなれるの・・・?」―――


―――「それは、お主が自分で気づくことだ。強さとは教えられるものではない。自分で見つけるものだ」―――


―――「(強さを・・・・・・見つける・・・・・・??)」―――

 

 

 

FIFTH

 

 

 

 12:刺激的なGood Morning?



「んっ・・・あれっ?・・・ゆ、夢?」

 ゆっくりと目を開けて見ると、天井が見えた。
 どこかの建物だということは彼女・・・ライトは簡単に理解できた。

「(いたた・・・でも、この体の痛さと重さは・・・・・・?夢じゃない?)」

 体を動かそうにも、その重さのせいでなかなか動かすことが出来なかった。
 しかし、その重さがバトルが原因でないことを知るのは一刻も必要はなかった。

「ルーカシュね〜〜〜さ―――ん♪」

「あうっ!」

 歪曲されたイントネーションで声を発する男の声が聞こえたと思うと、自分の体に不思議な電撃が走った。

「・・・一体・・・何・・・?い゛!?」

 ライトの体に乗っかって、気持ちよさそうに寝ている男が約一名。
 夢の中で何を考えているかは、その寝言で想像つく。
 しかものんきに涎までたらしている上に、顔はしまりなくデレデレと。
 でもってライトの胸をギュッと鷲づかみにしていた。
 おっと、ここで注釈。ライトの胸は鷲づかみにするほど大きくなかったね。(蹴)

「・・・・・・・・・(怒)」

 ワナワナと拳を握り締めて、怒りの炎を燃やすライト・・・次の瞬間だった・・・

「・・・・・・・・・ギャパーーーー!!!!」

 ライト・・・壊れる(ぁ)
 トキオを蹴り飛ばし、吹き飛ばし、投げ飛ばし、布団を撒き散らし、荷物も全て撒き散らした。
 そのライトの行動は台風のごとく凄まじかった。










 んで、15分後。










「うぅ・・・何でこんな目に・・・・・・」

 危うく大ケガのところ軽症で済んだトキオ。
 正直、軽症で済んだのは奇跡です。(ぁ)
 そんな彼は、ポケモンセンターの食堂で朝食をとっていた。
 注文した品は、コッペパンにコーンスープ、そして、レモンティである。

「ケガしているから、一人でいるのは大変だと思って、側についていてあげたのに・・・」

 一応、下心無しの親切心だったらしい。

「ただ、そのまま寝ちゃったうえにライトちゃんの上に乗って夢まで見て、そのまま夢に塗れたのは仕方がないとして・・・」

 それは、君の普段の下心のせいアル。(ぁ)

「ああ・・・おかげでライトちゃんを怒らせちゃったよ・・・・・・」

 それは当然といえよう。
 まず第一に、気絶してから一度も目を覚まさず、そして、目が覚めたときにトキオが自分の体に乗っていてしかも、胸を掴まれていたとすれば、誰だって怒るだろう。

「どうにか、仲直りの方法を考えないとなぁ・・・・・・。言い訳しても聞かなかったわけだし・・・どうしよう・・・」

 とにかく、レモンティを飲みながら、朝食の間ずっと考えていたのだった。
 はたして、トキオは・・・ライトと仲直りできるのか!?つづく!

「いや、始まったばかりだろ(汗)」















 13:出会いの地のフールタウン・・・レベル2(ェ)



―――「トキオの痴漢、変態、最低!!」―――

 そう言って、ポケモンセンターから飛び出してきたライト。
 一応、荷物は適度にまとめて飛び出してきたらしい。

「トキオがあんなことする人だとは思わなかったわ!!」

 一応、トキオは弁解したのだが、その言葉をライトは聞き入れてもらえなかったらしい。

「早い所、パラレルワールドに行かないと・・・・・・確か、その情報はオートンシティにあるって言っていたわね・・・」

 と、進もうとするが、ライトは足をふと止めた。

「・・・でも、オートンシティに何しに行くのかしら?ルーカスさんは”あいつ”の所って言っていたけど・・・”あいつ”って奴の居場所を私は知らないのよね・・・」

 ライトは腕を組んでその場で考えた。

「・・・・・・・・・よくよく考えたら、トキオに『私一人で何とかする!!』って啖呵を切っちゃったけど、本当は私ひとりじゃ何も出来ないのよね・・・・・・私・・・バカかも・・・」

 ふとライトはベンチを見つけて座り込んでしまった。

「それに・・・今のままじゃ、絶対あの3人組になんて勝つことなんて出来ない・・・・・・どうすればいいんだろう・・・・・・」

 すると、数人の子供・・・といってもトレーナーだろうか?
 恐らく初心者トレーナーと思われる少年少女が喋りながら走っていた。

”本当なの?”

”本当みたいだよ!今日、ショップで『ドーピングアイテム』が解禁されるんだってさ!”

”それでポケモンを強くすることが出来るんでしょ!?それじゃ、早く行って買わないと!!”

 その話をライトは聞いていた。

「『ドーピングアイテム』・・・?」

 ドーピングアイテムとは、『マックスアップ』、『タウリン』、『リゾチウム』、『インドメタシン』、『ブロムヘキシン』、『キトサン』という、ポケモン能力を向上させるアイテムである。
 以前WWSでハルカが使った(第35話参照)『プラスパワー』とは違い、能力を維持できるので、値段はとっても高いのである。

「もしかしたら・・・それを使えば私も強くなれるかもしれない・・・・・・」

 ライトは微かな望みを抱いて、ショップへと走っていった。










「凄い込んでる・・・・・・(汗)」

 ライトはショップの中を見て唖然とした。
 そこには、客!客!客!だったのだ。
 先ほどの子供の話を聞くと、今日がフールタウンのショップで解禁されるので、集まらないはずがなかった。
 それはきっと、W○iの解禁とか、ドラ○エの解禁とか、ハリ○タの解禁とかに似ているだろう。

「お金には余裕があるから買える・・・・・・買うわよ!!」

 と、ライトも一心不乱に客の中に割っていった。

「私はどうしても強くならなきゃらないのよ!!どきなさいッ!!」

 客の中を泳ぐように書き分けていく。

「(最後の一個!?・・・そこよ!もらった!!)」

 手を伸ばして、最後のインドメタシンに手を伸ばした。

 ガシッ!ガシッ!

 やった!と、ライトは思って手元に手繰り寄せようとして気づいた。

「!?」 「!!」

 その最後のインドメタシンを掴んだものがライト以外にもいた。
 相手はライトよりも見た目が年上の女性だった。

「あんた誰?私が先に掴んだのよ?放しなさい!」

「イヤよ!何言っているのよ!私が先に掴んだのよ!」

 同じ高さの目線で2人はにらみ合う。
 身長は同じなのだが、体格に差があった。
 つまり、どういうことかというと・・・ライトは『ポン キュ ポン』で、相手の女性は『ボンッ!キュ!ボンッ!』の差である。(蹴)

「ここは私に渡しなさい!」

「何よ!これは私に使ってこそ意味があるのよ!!」

 ギャーギャーと、2人はショップの真ん中でケンカをする。
 だが、このケンカは後に終わることになる。

「あれ?」

「へっ!?」

 二人ともアイテムを持った感触が一瞬にして消えていた。

”これくださいー”

 と、一人の少年がそのライトたちが持っていたレジに通していたのだ。

”ありがとうございました!すごい・・・完売だ!”

 こうして、ドーピングアイテムは全て完売になったという。
 店長は満面の笑みで喜んでいたという。










 二人はショップの前で途方に暮れていた。
 だが、また睨み合いが始まる。

「あんたが・・・放していれば、私が買えたのよ!!」

「そんなのこっちの言い分よ!!」

 とかギャーギャーきりがない。
 とにかく、女同士の口喧嘩は醜いったらあーりゃしない。

「私ね・・・最近負け続きでイライラしているのよ・・・分かる?」

「イライラしているの私とて同じよ!!欲求不満でおかしくなりそうだわ!」

 こうして、二人はモンスターボールを取り出して、一触即発状態に・・・

「ストップ!!やめなよ!!」

 と、ここへグラサンの男が乱入。
 もちろんそれはトキオである。

「何が原因か分からないけど、ケンカの上でのポケモンバトルはダメだよ!!・・・って、ライトちゃん?」

 相手が誰か分からずに止めたらしい。

「痴漢変態サイテー男!!一体なにしに来たのよ!まさか、私をストーカーしていたの!?」

「い、いや・・・だから、あれは本当にごめんって!!もうあんなことは二度とないようにするから・・・ほんとにごめん!!」

 頭を下げて謝るトキオ。
 そんなトキオを見て、考えるライト。

「・・・・・・半径2メートル」

「へ?」

「次に私から半径2メートル以内に入ったときは、許さないわよ!」

「はははっ・・・わかりました(汗)」

 こうして、仲直り(?)出来たという。しかしそれは、ライトとトキオの話だけである。

「ところで・・・何で彼女と・・・え!!??」

 トキオはライトとケンカした相手を見て目を丸くした。

「トキオ?どうしたの?」

「全く・・・私を無視して話を進めるんじゃないわよ〜!トキオ♪」

 どうやら、ライトのケンカの相手は、トキオを知っている様子。

「どういうこと?」

 ライトは首をかしげた。

「一体、こんなところで何をやっているんですか!?ユウコさん!?」

「何って・・・お買い物よ♪」

 狐色の一般的なセミロングに紺色のスカート、そして、白いブラウスに赤いネクタイ。
 そしてその上に黒いカーディガンを着ているのが、ユウコという人物だった。
 というか、ぶっちゃけセーラー服じゃん。(ェ)

「というわけで・・・お久しぶり!トキオっ♪」

「お久しぶりです。って、フギャッ!」

 無残な声をあげるトキオ。
 抱きつかれて押し倒されています。トキオくん。(ぁ)

「(む・・・胸がぁ・・・ユウコさんの胸がぁ・・・)」

 と、トキオの体に密着するようにユウコのおっきな胸がのしかかる。
 大抵の男なら意識せずにはいられないだろう。
 むしろ、トキオが意識しないわけがない。(ェ)

「ちょっと、トキオ!ちゃんと倒れないで私を支えてくれないとダメでしょ!情けないわね!」

「・・・・・・」

 ライトはトキオがいやらしいとかそう思ったことは今まであったけど今度は違う。
 唖然とユウコの行動に気圧されていて、そんなことは感じられなかった。

「トキオとユウコさんって・・・恋人同士なんですか?」

 ライトがふと質問する。
 ユウコが起き上がってライトを見た。

「はぁ?何を言ってるの?こんなの挨拶に決まっているじゃない!」

 と、ライトは『へ?』といって目を点にする。
 てか、挨拶で誰にでもするのだろうか?

「ところで・・・その格好は?」

 ようやくトキオも起き上がって服装を突っ込んだ。確かにそんな格好は誰もしていない。

「え?普通でしょ?この格好?」

 いや、どう見ても普通じゃない。とライトとトキオは同時にそう思ったようで、やれやれと首を振っていた。

「そんなことより、トキオもスミに置けないわねぇ!彼女と一緒に2人旅なんて!」

「いや・・・ちがいま」

「こんな男と2人旅をするくらいなら、死んだ方がまし!」

「・・・(泣)」

 トキオが反応する前に、ライトが沿う断言する。
 なんか、トキオ哀れなり。

「・・・なんだ・・・違うのね。確かに、トキオは”私みたいな”胸が大きい人が好きそうだしね」

 思いっきり”私みたいな”を強調して言うユウコ。
 さすがにライトはそれにムッと来たらしい。

「胸がなによ!!・・・あんっ!」

 瞬時の出来事だった。ライトが胸を強調しようとした瞬間、ユウコが手を伸ばして彼女の胸を掴んだのだ。
 その出来事に、ライトは胸を引っ込めて、顔を赤く染める。

「あら、私より可愛い声を出すのね。・・・そうね、女の子は胸だけじゃ決まらないものね。ところで、その反応を見ると触られるのは1度や2度って程度かしらね」

「・・・・・・(赤面)」

 ライトは文句も言えずユウコを見る。
 このときライトは思った。
 口ではこの人には適わない・・・と。

「あれ?おかしいわね。さっき『こんな男と2人旅をするくらいなら、死んだ方がまし!』って言っていたけど、今まで2人旅していたんでしょ?矛盾してない?」

「それは・・・今日からよ!今日から!あ、そうだ!!」

 焦って答えるがそこでライトは思いついた。

「ユウコさんも同行してくれませんか?オートンシティまで!そうすれば、2人旅じゃないし!」

「あ、それいいかもしれない♪」

 と、喜びの声を上げるのはトキオ。
 それを、ジト目で見るのはライト。

「・・・私はかまわないわよ。・・・・・・どちらにしても今は何をやるにしても集中出来ないから・・・・・・」

「へ?何か言いました?」

 ユウコの声が最後の方になって低くなったためにトキオは聞き取れなかったらしい。

「ううん。なんでもない。それじゃ、オートンシティへ行きましょうか♪」

 こうして、ユウコがオートンシティまで同行することが決まったのだった。

「(ところで・・・俺は別に胸が大きい人が好きってわけじゃないんだけどな・・・)」

 と、心の中で言うトキオだった。















 14:フールタウンの泥棒騒動・・・レベル2(オイ)



「店長・・・この売上を例の場所に運べばいいのですね?」

「はい・・・お願いします。Mr.M」

 先ほどライトとユウコがケンカしていた店の裏側で、何らかの取引が行われていた。
 店長がスーツケースをスーツの男に手渡す。

「大丈夫です。私はプロですからね・・・」

 と、スーツの男は黒いスーツケースを持って店の外へと出て行った。





 そんな様子を物陰から見ている3人組がいた。

「あの男のスーツケースの中から金の匂いがしますね」

 メガネをかけた白いTシャツ、大体17歳くらいの男がメガネをクイッと上げながら言った。

「ジュンちゃんが言うんだから間違いないね♪」

 童顔でショートカットでボンッと白いTシャツの上からでもはっきりと分かる巨乳の20代半ばの女が、猫を被ったような喋り方で言う。

「つまり・・・アレを奪還して届ければ、今回の依頼はコンプリートというわけだ」

 長い髪のポニーテールのグレーのジーンズに黒のランニングの男が、口にくわえていた煙草を落とすと足でもみ消した。
 年齢は20歳前後くらいだろう。

「行くぞ!ジュンキ、ミナミ」

「リョーカイ♪」

「いいですよ」










「さて・・・行きますか!エアームド!」

「チルタリス!!」

 と、トキオとライトは飛行ポケモンを繰り出すが・・・

「ちょっと!空から行く気なの!?」

 ユウコが異を唱える。

「飛行ポケモンで行った方が速いですし・・・」

「まさか、ユウコさん、飛行ポケモンを持っていないんですか!?」

 ここぞといわんばかりに、ライトがユウコを笑う。多分、さっきの仕返し。(ェ)

「トキオは知っているでしょ!?オートントンネルの上を・・・」

「ええ、知っていますよ。あそこには何度かフィールドワークに言ったことがありますし」

「えっ!?そうなの?」

 トキオとユウコが話してばかりでライトは首をかしげた。

「オートントンネルの上って何?」

「あら、ライトちゃんは知らないのね」

 今度はユウコがプッと笑った。ライトは悔しそうに唇をかむ。

「オートントンネルの上空・・・つまり、上のルートは霧が濃くて、さらに強い野生のポケモンが生息しているんだ。それに、伝説のポケモンが住む場所としても噂されている。急いで通るにはそのルートが一番だけど、ハードなルートであることには間違いないからね。それにつらいのは、野生のポケモンのレベルだけじゃないんだ。登るにしてもあそこは一番キツイ山なんだ。そして、つらい思いをしないで通れるようにと思って作られたのがオートントンネルなんだ」

「そうなんだ・・・」

「だから・・・トンネルを通っていきましょうよ!」

「いえ、私は山の方を登るわ!」

 と、ライトは言う。

「えっ!?何で?」

「強い野生のポケモンがいるんでしょ?!それなら、私は行くわ!もっと強くならなくちゃならないの!」

「・・・だけど・・・エースの情報はいいのか?」

「エースの情報は必要だけど、それ以前にエースを助けられるレベルに私が強くならなくちゃ話にならないわ!」

「そこまで言うならわかった・・・俺とユウコさんは下のルート・・・オートントンネルを通る。ライトちゃんは上のルートでいいね?」

「ええ!」

「ユウコさんもそれでいいですね?」

 と、トキオが聞くが、ユウコは違った反応を示した。

「なるほど・・・エースというのが、ライトの彼氏なのね(ニコニコ)」

「(ぶ・・・不気味だ。一体ユウコさんは何を考えているんだ・・・?)」

 ユウコの黒い笑みだった。(ぁ)
 そんなときだった。

「ぐっ!返しなさい!!」

 スーツの男がうずくまっていた。

「このケースは僕たち、チーム『トライアングル』がいただきます」

「残念ね☆」

「ふぅ・・・これで終わりか・・・ちょろい仕事だったな」

 反対の方角で争う声が聞こえた。

「一体何かしら?」

「また、ポケモン泥棒か?・・・あれ?ライトちゃん?」

「あんたたち!?一体何をやっているのよ!」

 ライトがいつのまにかその騒動に割って入っていった。

「何だ・・・お前は?」

「邪魔する気かな?」

「どけ!」

 3人がライトに注目する。

「私の目の前でどんな悪いことも許してはおけないのよ!!」

 そういって、ライトはボールを構える。

「意外に正義感あるのね」

 と、ライトの右にユウコが並んだ。

「泥棒は・・・見逃せねーよな」

 トキオがライトに3メートル離れたところにいた。

「3対3・・・ですね」

「3つに分かれるぞ!」

「オッケー☆」

 と、チームトライアングルの3人は散っていこうとする。

「させるか!!ゲンガー!『黒い眼差し』!!」

 ゲンガーが動きを封じ込めた。

「あっ!」

「くっ!」

 巨乳女とメガネ男の2人の足止めに成功した。

「ちっ!お前ら!そいつらを倒して早く来い!いつものところで待っているぞ!」

「バンちゃん!任せて〜☆」

「すぐに片付けてやる!!」

 すると、巨乳女ミナミはミミロップ、メガネの男ジュンキはハッサムを繰り出してきた。

「トキオ!ユウコさん!ここをお願い!」

「分かった!」

「じゃあ、私があのぶりっ子女ね・・・」

「俺はメガネ男ってわけだ」

 こうして、大人の魅力漂う巨乳VS子供の幼さが漂う巨乳、グラサンVSメガネの因縁の対決が始まった!!(ェ)










「チルタリス!『竜の波動』!!」

「ちっ!『ヘドロ爆弾』!!」

 二つの技が激突して、相殺された。

「確か、バンって言ったわよね。返してもらうわよ!そのスーツケース!」

 フールタウンの郊外まで来たところで、ライトは煙草を口にくわえたポニーテールの男のバンに追いついた。

「それはできないな!折角、取ったものを返すわけには行かない!」

「素直に言って聞く相手じゃなかったわね・・・それなら・・・力づくで返してもらうわよ!!」

「ふんっ・・・やってみろ!格の違いを見せてやるよ!!」

 チルタリスが火炎放射を放つとバンのポケモン、アーボックはそれを上回る威力の破壊光線で火炎放射をぶち抜き、チルタリスに攻撃をヒットさせた。

「くっ!だけど、このくらいじゃ、やられないわよ!!」

 チルタリスの羽毛のような翼で威力を半減させていた。
 そして翼を広げて風を起こす。
 アーボックが吹き飛ばされまいと、近くの木に巻きついていた。

「これでどう!?『火炎放射』!!」

 今度はさっきの火炎放射とは違う。
 風に煽られながらの炎で拡散していた。

「それがどうした!!」

 すると、地面に潜って攻撃を回避した。

「・・・・・・」

 ライトはチルタリスを戻して、プクリンを繰り出した。
 そして、リフレクターを張って攻撃に備えた。

「ライボルト!!『10万ボルト』!!」

 ライトのチェンジするのを見てポケモンを追加してきた。

「くっ!『光の壁・・・』」

 しかし、アーボックがそこで出て来て、光の壁は出せず、2匹の連続攻撃を受けてしまった。

「プクリン!!」

「一気に畳み込んで・・・!?いや、戻れ!」

 ライトがプクリンを呼んだのは、技を出すためだった。
 バンはその効果にいち早く気づいて、ポケモンを戻した。
 同じく、ライトもプクリンを戻した。

「(ちっ・・・この女・・・つえーじゃねえか。『滅びの歌』で同士討ちを狙うとは・・・気づくのが少しでも遅かったらやられていたぜ)」

「(・・・もう少しだったのに!!それにしても・・・全く油断できないわ!!)」

 そして、次の瞬間、また別のポケモンを繰り出して攻撃を加えていった。





 一方・・・





「ごめん!負けちゃった♪」

「えっ!?ちょっと!ユウコさん!?」

 ユウコのマリルリがミナミのカメールに倒されて、ユウコのポケモンは全滅した。

「まだ、ユウコさん、3匹目でしょ!?」

「実は私3匹しかもっていないの♪」

「何で”♪”なんですか!?ここはそんな状況じゃないでしょう!!」

「くっ・・・余所見をするなぁ!!カイロス!!『ストーンエッジ』!!」

 ジュンキは怒ってトキオのゲンガーに突っ込む。
 だが、ゲンガーはひらりとかわして、『シャドーボール』で倒してしまった。

「ぐわっ!!」

「ジュンちゃん!?」

 シャドーボールの余波でメガネの男、ジュンキは気絶した。
 こうして、ジュンキとユウコは実質、戦闘不能になった。

「後はあなただけですよ!」

「カメール!『ハイドロポンプ』!」

 ゲンガーをめがけて攻撃を加えるが、いとも簡単にかわした。

「(このくらいのレベルなら・・・)『ギガドレイン』!!」

 接近。そして、攻撃を加えてあっという間にカメールはダウンした。

「そんな〜・・・。それならとっておきよ☆」

 すると、彼女の最後に出したポケモンは・・・見た目風船のようなポケモンだった。
 しかし、プリンではない。ノースト地方では見かけないポケモンだったが、トキオは知っていた。

「(そいつは・・・フワンテ?確か・・・ゴーストと飛行タイプ・・・)『シャドーボール』!!」

 一撃で決めようと、速攻で放つ。
 だが・・・

「なっ!?速い!?」

 予想以上のスピードに攻撃を外してしまった。

「(それなら・・・)ゲンガー!」

 トキオが指示を送り、ゲンガーが頷いた。
 だが、フワンテの攻撃が迫っていた。

「行くわよ☆ 連続『シャドーボール』!」

 動きながら、シャドーボールを放っていった。

「(連射能力もある・・・だけど・・・)『シャドークロー』!!」

 嵐のようなそのシャドーボールを手当たりしだい打ち壊していった。
 何発かはあたったが、ダメージはトキオの予想通り受けてなかった。

「うそっ!?」

「威力の方はそれほど高くなかったね」

「それなら・・・連続で攻撃して決めてあげるわ☆」

「残念だけど、次はない」

「そんなこと・・・えっ!?」

 ミナミがフワンテの様子がおかしいのに気づいた。
 そう、苦しそうに息を乱していたのだ。

「体力が削られている・・・!?まさか・・・『呪い』!?」

「そして、この攻撃はかわせない!『シャドーパンチ』!!」

 素早く動いて、攻撃を命中させた。
 そして、フワンテはダウン。

「くっ!ジュンちゃん!逃げるわよ!!」

「させない!!『催眠術』!!」

 気絶したジュンキを抱えて逃げようとするミナミに催眠術をかけて眠らせてしまった。

「よし・・・後はライトの方か・・・」

「トキオ♪やるじゃない!」

「ユウコさんはもうちょっとポケモンを増やした方がいいんじゃないですか・・・?」

 トキオとユウコの戦いは終わり、残るはライト対バンの戦いになった。 










「チルタリス!『竜の波動』!!」

「甘ェ!『流星群』!!」

 ドラゴン系の技が激突した。しかし、威力が違いすぎた。
 チルタリスの攻撃は、バンのハクリューの攻撃に飲み込まれていった。
 そして、流星群がライトやチルタリス・・・そして、地面に降り注ぎ、砂煙を巻き起こした。

「終わったか・・・?」

「まだよ!!」

「!!??」

 砂煙を吹き飛ばす速度で飛び掛っていったのはライトのバシャーモだ。
 そして、渾身のパンチをハクリューに叩き込んだ。

「ちっ!やるじゃねぇか」

「はぁはぁ・・・」

 ライトとバンの戦いは相変わらず接戦だった。
 息を切らしながら、ライトはチルタリスを戻した。

「チルタリスを囮にして、バシャーモの『気合パンチ』か。まさか、この俺にここまでやるとは思わなかったぜ」

「はぁはぁ・・・何その台詞・・・もうあんたが勝つみたいな台詞じゃない!」

「ああ。これで終わりだ」

 そう言って繰り出したのはミロカロスだった。

「お前にこいつを倒せるか?残りはそのバシャーモと最初のときのプクリン。そして控えの何かだが・・・恐れるに足らない」

 バンにはよほどの自身があるらしい。

「(最後はミロカロスね・・・それにしてもハクリューといい、ハガネールといい、蛇みたいなポケモンばっかりね)これで最後なら、そのままで行くわよ!」

 ライトも最後のポケモンには自身があった。
 それは今まで苦労をともにしてきたポケモンということもあるし、最初のポケモンだからという点もある。
 さらに、ライトの経験上、相手が最後のポケモンのときにバシャーモを使ったときは100%勝っているのである。

「(どっちにしても、控えのゴルダックだときついし、プクリンは万が一のためにとっておきたいしね)」

「後悔するなよ!ミロカロス!『渦潮』!!」

「バシャーモ!『大文字』!!」

 二つの技が激突・・・そして相殺した。

「『竜の波動』!!」

「『火炎放射』!!」

 さらに放つがこれも相殺。

「『竜巻』!!」

「『炎の渦」!!」

 しかし、結果は同じ。まさに一進一退の攻防だった。

「こっちから行くわよ!!『ブレイズキック』!!」

 だが、流れは変わった。今度はライトから仕掛けたのである。

「仕掛けてくるか・・・『ハイドロポンプ』!!」

 よく狙って、攻撃を放つ。しかもただ狙うだけじゃなかった。
 相手の動きを読んだ上でブレイズキックが当たる一歩手前でハイドロポンプを放った。
 バシャーモは水流に巻き込まれて大ダメージを負った。

「バシャーモ!!」

 避けられると思っていたライトはさすがに焦っていた。

「(くっ・・・甘く見ていた・・・。それに間合い(バシャーモの攻撃範囲)に全く入れないなんて・・・どうしたらいいの・・・?)」

 バンのミロカロスは遠距離砲が強かった。
 一方、ライトのバシャーモも遠距離砲が得意だが、相性で考えると、ミロカロスのほうに分があった。
 それを考えて格闘技を打ち込みたかったのだが、相手の得意の遠距離砲に阻まれて全く前に出ることができなかった。

「・・・仕方がないわ。・・・強引だけどあの方法しかないわ!バシャーモ!」

 呼ばれて、バシャーモは頷いた。

「『オーバーヒート・ブレイク』!!」

 体から炎を吹き出してそれを体に纏った。

「何をするか知らないが・・・これで止めだ!『ハイドロポンプ』!!」

 ハイドロポンプを打ち出して、バシャーモに命中させる。しかし・・・

「まさか・・・!?」

 ハイドロポンプはバシャーモに命中しているように見える。
 だが、実際にはバシャーモに当たる時点でオーバーヒートによる炎の力で蒸発していった。

「このまま突っ込むのよ!!」

「明らかに接近技だな・・・それなら、近づけさせなければいいだけだ!『渦潮』!!」

「!!」

 最初のときよりも巨大な渦潮を作り出して、バシャーモを巻き込んでいった。
 相変わらず、水は少しずつ蒸発して行っているが、バシャーモは身動きを取れない。
 さらに、オーバーヒートの威力は弱まっていった。

「オーバーヒートは一度使うとニ度目の威力は格段に下がる。がむしゃらに突っ込んで失敗だったな。その炎が消えたら次はハイドロポンプでお前ごと打ち抜く。終わったな」

 そういって、煙草に火をつけるバン。

「言っておくけどね・・・私は諦めが悪いのよ!!バシャーモ!!踏ん張って!!」

 ライトの声に反応して、渦潮ごと前に進んでいくバシャーモ。

「何っ!?」

「最大出力!オーバーヒート!!」

 バシャーモの炎が勢いを増して、そして、渦潮を吹っ飛ばした。

「ちっ!『ハイドロポンプ』だ!!」

 攻撃を繰り出すミロカロス。しかし、バシャーモはジャンプしてかわした。

「(くっ!肝心なところで!!)『怪しい光』!!」

「気合よ!!『起死回生』!!!!」

 ズガ――――ン!!!!

 凄まじい衝撃が一体に響き渡ったのだった。










 1時間後。










「はぁはぁ・・・何とか倒したわ・・・」

「意外に強かったけど・・・何とか捕まえられたな」

「私は負けちゃったけど♪」

 ライト、トキオ、ユウコの3人はチーム『トライアングル』を捕まえることに成功した。

「ぐっ」

「・・・ジュン君、バン君・・・捕まっちゃったね☆」

「くそっ・・・こんなことになるとは・・・」

 そして、3人をジュンサーさんに引き渡して感謝状をもらったという。










「ありがとうございます!これで何とか取引に間に合いそうです!」

 スーツの男は3人に頭を下げてお礼を言った。

「そのスーツケースを大事にしてくださいね」

 ライトがそういうと、再びその男は頭を下げて、そして、街を去っていった。

「それにしても・・・あの男・・・どこかで見たことがあるのよね・・・」

「どうしたの?ユウコさん?」

「いえ、きっと気のせいね!私の好みじゃなかったし!」

「好みの問題なのね・・・」

 なんだかんだで、ライトとユウコは仲良くなったらしい。

「それにしても思い出すなぁ・・・」

「「何を?」」

 ライトとユウコは同時にトキオに聞き返す。

「実は、俺とヒロトがはじめてあった場所もここなんだ。そのきっかけとなったのがロケット団のポケモン泥棒事件で、2人で捕まえたんだ。懐かしいな・・・もう8年も経つのか・・・。あれ?ライトちゃんは?」

 辺りを見回すトキオ。隣にいるのはユウコだけだ。

「ライトちゃんなら、あんたが話している間にとっくに先に行ったけど?」

「酷いな・・・(泣)」

 とりあえず、こうしてライト、トキオ、ユウコの3人はオートンシティに向かって歩き出したのだった。















「少々焦りましたよ・・・。さすがに一般人に成りすまして、通り抜けるのは・・・」

”そうか・・・それなら、1週間後にはこっちにこれそうだな?”

「安心してくださいよ・・・。抜かりはないです。まぁ個人的にヒヤリとしたことは一つだけありましたがね・・・」

 先ほどからスーツの男がポケナビで誰かと話していた。

”それは何だ?”

「まぁ、昔の話ですよ」

 と、男が言うと、フッと笑った。

「だけど、あっちは覚えているはずがありませんしね」

”とにかく、”奴”に悟られずにここまで来ることだ。Mr.M・・・いや、ムラサメ”

「承知していますよ。フフフ・・・」

 スーツの男・・・ムラサメはポケギアを切ると、ごく普通の歩く速度で目的地を目指して歩き出していったのだった。















 to be continued















 キャラデータ


 トキオ(18歳)・・・マングウタウンのトミタ研究所の一研究員。
            以前はポケモンリーグに出場するほどのポケモントレーナーだった。
            しかし、ポケモンの博士になりたいことから、トミタ博士に弟子入りを志願した。
            女の子とレモンティを好むグラサン少年である。
            なお、妹にカレン、祖父にはローガンがいる。
 手持ち・・・サンダース(♀) ジュゴン(♀) エアームド(♀) ヘルガー(♀) ガルーラ(♀) ゲンガー(♀) ラティオス(♂)

 ※現在はラティオスを控えとしている。





 主な登場ポケモン


 トキオ・・・ゲンガー(♀) 

 ライト・・・チルタリス(♀) プクリン(♀) バシャーモ(♀)

 ユウコ・・・キマワリ(♂) マリルリ(♀)





 アトガキ


 激震のフールタウン編でした。別に揺れてないか・・・(ぁ)
 一気にいろんなキャラができました。まぁ、”ほとんど”が捨てキャラっぽいので別に覚えなくてもいいです。
 でも、覚えておくと後で得するかも(何)

 今回は前半はやけに明るいような、ノリの軽い話になっています。いや、全体的に今回はノリが軽い話かも。
 ポケFを意識してお色気路線でもいいかと思いましたが、さすがにあのレベルは無理だと悟りましt(ry

 次回はオートンシティを目指しますが・・・オートンシティといわれて思い浮かべるのは・・・さぁ誰でしょう?
 知りたい人はWWSの第一章を。知りたくない人はスルーしてもかまいません。
 どうせ、次回分かることですし。(ぁ)
 では、次回もよろしく!

 

[一言感想]

 チーム『トライアングル』……このまま終わるには、ちょっと惜しい存在感でしたね。
 トキオとライトにユウコが加わり、3人で旅することになりました。
 トキオは相変わらず嫌われっぱなしですが、オイシイ場面もあったので良かったのでしょう(ぇ)。
 ユウコとライトも、仲良くなって何よりです。
 にしても今回、やけにスタイルに関する話題が多かったですね(人の事言えるか)。
 確かにポケFの域は、レベル高いですからね……(何)。

 

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