この世界にはまだ子供なのにとても名の知られているトレーナーが3人いた。

 一人は伝説のトレーナーの息子で、現在ハナダシティのジムリーダーのファイア。

 一人はオーキドの血筋を受け継ぐ者、マサラタウンのアクア。

 そして、一人は若干15才ながら四天王の座に君臨する少女、クチバシティのテレナ。

 この三人はトレーナーの中でも一目置かれる存在だった・・・。

 

 

 

ELEVENTH

 

 

 

 35:超電脳


「なるほど・・・つまり、オトハさんたちはエースと言う人を探しにこの世界に来たということですか・・・。実に面白い話ですね」

「作り話じゃないですよぅ。私たち、ミュウとセレビィとジラーチの力を使ってこの世界にワープしてきたのです」

 オトハがアースに今までの事情を話していた。
 しかし、そのワープしてきたと言う事実がどうもアースには信じられないらしい。

「ところで、アースさんはどうして四天王とバトルしようと思ったのですか?」

 片腕を背中に回してもう一方の腕を掴んだ格好で首を少し傾けてオトハはアースに尋ねた。
 そのかわいらしい仕草に見とれそうになったアースはふと顔を赤くして視線を外した。
 美しさにかわいらしさを重ね合わされることでオトハの魅力は引き出されるのだ。(何)

「う〜ん・・・目標だからかな?」

「目標ですか・・・?」

「そう。自分には『美しいポケモンバトル』をするという夢があるのです」

「美しいポケモンバトルですか?」

「美しいポケモンバトル?」

 オトハとその話に興味を持ったサトシはアースを見た。

「そうです」

「それってどんなポケモンバトルなんだ?」

「美しいポケモンバトルをするならコンテストバトルがあるじゃないですか?」

 オトハが言うとアースは首を横に振った。

「コンテストじゃダメなのです。ポケモンの本来の目的はバトルをすることです。コンテストは後から出てきたものなのです」

「先後関係ないんじゃないか?」

「ともかく、極限のバトルによって感じる感動こそが美的バトルであるのです!だから、自分は四天王の中でも一番美しいと言われるアd」「ちょっと!!さっきから私のこと無視しないでよ!!!!」

 アースの言葉を遮って、カレンが大きな声で言う。

「オホホ!凡人のあなたのことなんて誰も気にしなくってよ!」

「気にしていないのは私じゃなくて、私とあんたのバトルでしょ!!」

「!!・・・凡人の癖に私にツッコミを入れるとは生意気よ!」

 カレンの一言にムッとくるテレナ。
 今、カレンとテレナはバトルをしていた。
 お互い最初のポケモンがカレンがオオスバメとテレナがピカチュウで互角の勝負でドローになっていた。
 しかし、そのシーンは見事にマイペース3人組(ェ)によって妨害されてしまったのだ。

「まぁでも、あなたが凡人の中でも少しやる方だということはわかったわ!ここから本気で行かせてもらうってよ!!」

「それはこっちのセリフよ!!」

 カレンがプラスルを繰り出して一直線上の電撃を繰り出す。
 マイナンがいないとは言え、弱点を持ったポケモンなら致命傷を与えるような電撃だ。

「その程度の攻撃は効きませんことよ」

「!?」

 電撃を直撃したものの、テレナが繰り出したポケモンはダメージを受けていなかったように見える。
 そのポケモンは、UFOのように円盤型をしているが、頭にアンテナのようなものがついている。そしてかつて進化前に3匹だった名残を残していた。

「ジバコイルね・・・プラスル!」

 再び電撃で攻撃を繰り出す。

「オホホ!無駄よ!『ミラーショット』!!」

 プラスルの攻撃を受け止めて、輝く玉を弾き出す。

「そんなのかわしてあげるわよ!!」

 ズガンッ!!

「えっ!?」

 完璧に避けたと思っていた攻撃はプラスルにヒットしていた。

「私の使う『ミラーショット』は100%相手に当てるわ。全ては私がIQ180であるゆえのことなのよ!オホホッ!」

「まだやられてないわよ!!プラスル!『電光石火』!!」

「無駄。『ミラーショット』」

 電光石火で素早く動いて、相手の攻撃をかわす作戦だったのだが、それもジバコイルの攻撃の正確さの前には無駄に終わってしまった。

「っ!?プラスル!!」

「凡人のあなたが私にかなう道理がないわ」

「言ったわね!!ブーバーン!!」

 今度はタマゴのときから育ててきたブーバーンを繰り出した。
 相性はいいが・・・

「『オーバーヒート』!!!!」

「残念だけど、そんなの予想済みよ」

「!!」

 ジバコイルの前にキラリと光る壁が生じてそれが炎をまるごと跳ね返した。
 それをかわそうとしたのだが、ダメージは免れなかった。

「くっ!!」

 そして、ミラーショットが再び襲い掛かる。
 しかし、攻撃の軌道は明らかにブーバーンに向かっていなかった。

「(これなら命中しない!?反撃よ!)」

「反撃なんて出来ずに終わるわよ?」

「えっ!?」

 ミラーショットが空中で跳ね返ってブーバーンに命中した。

「いったい何なの!?空中で反射した!?」

「・・・あら、意外にタフなのね。これでどうかしら?『ミラーショット』×2!!」

 同じようにミラーショットを放つ。
 しかし、違うのは同時2発放ったというところだ。

「ブーバーン!『火炎放射』と『炎のパンチ』!相殺して!!」

 ミラーショットはまた跳弾して、相殺しようとした火炎放射を掻い潜り、ブーバーンへとヒットした。
 同時に炎のパンチもミラーショットをかすっただけで、結果的には2つの攻撃が同時に命中して倒れた。

「そんな・・・ブーバーン・・・」

 唖然としてブーバーンを見るカレン。





「カレンが一方的に押されはじめた!?」

「あのミラーショットをどうにかしないと勝ち目はなさそうですね」

 サトシとアースがそれぞれ言った。

「それにしても、何であのテレナの攻撃は命中するんだ!?」

「それにミラーショットが飛び跳ねるからくりも気になりますね・・・」

「それはアレじゃないですか?」

 オトハの言葉に耳を傾ける2人。

「テレナさんはIQ180だからですよ」

 だから?
 という顔をした2人だった。





「くっ!それなら、メガニウム!『葉っぱカッター』!!」

 カキンカキンカキン!

「えっ!?」

 葉っぱカッターが命中して金属の音がした。
 あまりにもあっさり攻撃が入ったのでカレンは驚いていた。
 テレナは何も言わずにジバコイルを戻した。

「フーディン!『サイコキネシス』!!」

 強力なエスパー技がメガニウムに襲い掛かる。
 足を踏ん張って耐えていたが、吹っ飛ばされた。

「そう簡単にはやられないわよ!!『マジカルリーフ』!!」

「『サイコカッター』!!」

 攻撃は相殺されるが、フーディンの足元から根っこのようなものが数本も飛び出した。

「『ハードプラント』!!」

 攻撃はそのままヒットして一撃でフーディンをノックアウトしてしまった。
 テレナは少し意外そうな顔をしていた。

「あら、凡人の癖にマジカルリーフを囮に使ってくるなんて、この天才でも思ってもいなかったわ」

「とことん・・・舐められてるのね!!」

 カレンは一旦、メガニウムを戻して蜘蛛のようなポケモン、アリアドスを繰り出した。
 一方のテレナは蛾のようなポケモン、モルフォンを繰り出した。
 両者ともに技の応酬が始まる。
 だが、攻撃は相違されるか、かわされるかのどちらかだった。
 でも、アリアドスもかわしているため、状況は五分五分だった。

「(基本技じゃキリがないわ!!)アリアドス!一気に行くわよ!」

「やれるものならやってみなさい!」

 すると、モルフォンはシグナルビームを繰り出す。
 だが、アリアドスはそれ以上の威力を持った攻撃で打ち破った。

「!!」

「どうよ!ローガン流『シグナルレーザー』よ!!」

 モルフォンは右のはねに傷を負った。

「へぇ・・・やるじゃない・・・だけど・・・」

「(まだやる気!?)アリアドス!『マグネードウェブ』!!」

 モルフォンが傷つきながらも動くこと気づき、アリアドスが『蜘蛛の糸』を攻撃技のように3つ吐き出した。
 当たると身動きが取れなくなる技である。

「その程度!?」

「な!?」

 モルフォンが繰り出したヘドロ爆弾で防御した。
 連続で繰り出し、全ての攻撃を防いだ。

「終わりよ!『虫のさざめき』!!」

 ハネから繰り出されるさざめきがアリアドスを襲い、一撃で吹っ飛ばしてしまった。

「くっ!」

「ハネを怪我しちゃっているから、モルフォンはもう戦えないわね。あとはこの子が相手してあげるわ」

「それならメガニウムよ!!」

 テレナがエレキブルを繰り出したのを見て、メガニウムが『葉っぱカッター』を繰り出す。
 だが、あっけなく素手で弾き飛ばしてしていく。

「その葉っぱカッターの連射能力は褒めてあげるけれど、この程度じゃエレキブルは止められなくってよ?」

「まだよっ!!」

「・・・ダッシュ!!」

「っ!!メガニウム!?」

 葉っぱカッターを横にかわしたと思うと、とんでもない瞬発力でメガニウムに接近して殴り飛ばした。

「へぇ・・・本当に凡人の癖にタフね」

 メガニウムは立ち上がる。
 そしてカレンはニヤリとした。

「人のことを凡人凡人と・・・うるさいわよ!!メガニウム!『ソーラービーム』!!」

 葉っぱカッターをしながら溜めていたソーラービームだ。
 しかし、それをテレナに気づかれていることはわかっていた。
 そのためにテレナはソーラービームを撃たせまいと一瞬でケリをつけようとしていたのだろうとカレンは考えていた。
 だけど、一瞬でメガニウムを倒すことは出来なかった。
 そこがカレンの狙い目だと考えた。
 攻撃を耐え切って、カウンターのソーラービームを狙うと・・・。

「!?」

 だが、ソーラービームの光が消えたとき、エレキブルは平気でそこに立っていた。

「『守る』よ。凡人にしてはなかなか考えた戦法だったじゃない?私の心理を読んだのでしょうけど、想定済みなのよ。『冷凍パンチ』!!」

「メガニウム!『ハードプラント』!!」

 だが、エレキブルは先ほどの瞬発力でメガニウムに近づいて氷漬けにしてしまった。

「くっ!カメックス!!『ハイドロポンプ』!!」

「あら?最後のポケモンはその子かしら?哀れね!オホホホッ!」

 『かみなり』がカメックスに命中する。
 そして、止めを刺さそうと接近した。
 しかし、カメックスは甲羅にこもってスピンをしてエレキブルに体当たりをして弾き飛ばした。

「カメックス!『ハイドロカノン』!!」
 
「オホホホ!必死ね。エレキブル!!」

 エレキブルも『かみなり』繰り出して最大の技が激突した。










「なかなか強かったけど、所詮は凡人。IQ180の天才美少女テレナには敵わなくってよ?」

「くっ・・・」

 カレンは肩をがっくりと落としていた。
 最終的には、カメックスが電撃を受けながらも繰り出した最大技でエレキブルと相打ちに持ち込んでいた。
 だが、テレナはまだ2匹残していた。
 結果、カレンは負けたのである。

「どうかしら?凡人と天才の違い・・・思い知ったかしら?」

「・・・・・・」

 何も言えず、頭が上がらないカレン。

「テレナさん・・・強いですね・・・」

「これが・・・四天王か・・・」

「なるほど・・・。やはりお強いですね」

 オトハ、サトシ、アースが順々にそう言った。

「ごめん・・・みんな・・・私・・・負けちゃった・・・」

 カレンがみんなに顔を向けずそうつぶやいた。

「大丈夫ですよ!後は私たちが何とかしますから。別に負けても失うものなんて何もないのですから」

「むしろ、ここまでカレンさんがお強かったのは自分は予想外でしたから」

 と、オトハとアース。

「ところで、次はどの凡人さんが相手してくれるのかしら?」

 煽るテレナ。
 すると、帽子のツバを後ろに向けて少年が前に出た。

「カレン、そんな落ち込むなって!後は俺がテレナと戦う!!」

「サトシ・・・」

 前に出たのはサトシだ。

「ちょっと待ってください。ここは私にやらせてください」

「え?」

 サトシの肩をつかんで止めるのはオトハだった。

「四天王は4人いるのでしょう?それなら、まずサトシさんは後の方が私はいいと思います」

「何でですか?」

「なんとなくです」

「なんとなくって・・・(汗)」

 すると、オトハが前に出た。

「あら?今度はお姉さんが相手してくれるのかしら?」

「ええ。今度は私が相手になります。よろしくお願いしますね」

 オトハはにっこりとお辞儀をしてテレナに話しかける。

「!?」

 不意にテレナはビクッとして一歩足を引いてしまった。

「(一体今の感覚は!?あのにこやかな笑顔の裏に隠されているあの女のオーラは何!?・・・あの女・・・凡人じゃない!?)」

「行きますよ。チャーレム」

「(どっちにしても・・・)チャーレムなんて私の敵じゃなくってよ!ルカリオ!!」

 出してチャーレムに向かっていくルカリオ。
 連続でジャブを繰り出していくが、チャーレムはするすると流れるようにかわしていく。

「(どうして!?相手の動きを読んでいるはずなのに・・・何で当たらないの!?)ルカリオ!!『波動弾』!!」

 掌に溜めたエネルギーを放つとチャーレムにそれが命中した。

「これでどう!?・・・・・・えっ!?」

 しかし、次の瞬間にはルカリオの腹に蹴りが決まっていた。
 そして、地面を転がっていき、壁に激突・・・ルカリオはダウンした。

「(どうして!?波動弾を受けたのにもかかわらず無傷なの!?)」

「残りはジバコイルだけですね」

 そういい、チャーレムを戻すオトハ。





「オトハさん凄い・・・」

「あのチャーレム・・・美しい」

「え?アースには見えたのか!?」

「波動弾を打ち消してしまったのです」

「打ち消した!?どういうことだ!?」





「ルカリオがやられたからって負けたわけじゃなくってよ!ジバコイル!『ミラーショット×2』!!」

 テレナの一番のポケモンはジバコイルだった。
 何より、このジバコイルにカレンは全く歯が立たなかった。
 そんなミラーショットの2連射がオトハに襲い掛かる。

 フッ、フッ

「えっ!?」

 また同じ現象が生じた。

「(ミラーショットが消えた!?なんで?)」

 オトハが繰り出したのは、ルカリオ。 
 そのルカリオにまったくダメージの形跡はない。

「それなら、これでどう?『ミラーショット×3』!!」

 同じく三連ショットがルカリオとオトハに襲い掛かる。

「避けられるものなら避けて見なさい!」

「行きますよ?・・・・・・」

 深く深呼吸をして目を瞑るオトハ。
 一方のルカリオも同じように目を瞑っていた。
 しかし次の瞬間・・・

「えっ!?」

 テレナとジバコイルの背後にルカリオが回りこんでいた。
 オトハはというと、その場でミラーショットをするするとあっけなくかわしていた。
 全く無駄のない動きだった。

「う、美しい・・・」

 とアースはつぶやく。
 そして、強烈な波動弾がジバコイルに炸裂。

「・・・・・・月舞踊『桜舞(おうぶ)』です」

 誰が予想しただろうか・・・?
 気付けば呆気なく片がついてしまった。
 しかも、オトハのポケモンは一回の攻撃も受けなかった。

「終わりました♪」

 すると、オトハのルカリオは姿を変え始めた。
 実はそのポケモンはルカリオではなく変身を得意とするメタモンだったのである。

「お、オトハさん・・・強い・・・」

「美しいです・・・!!あのテレナを残り2匹とはいえ一方的に倒してしまうなんて・・・!!」

 サトシとアースがそれぞれ言う。

「ところで、オトハさん・・・ミラーショットが跳ね返る原因は分かっていたんですか!?」

「『ミラーショット』の弾道変化は恐らく、見えない光の壁を使っての反射。そして、技を返すのはミラーコートという反射技だと思います。あくまで予想ですけど・・・」

「そうだったのか・・・」

 オトハはテレナを見た。

「ありがとうございました。いいバトルでした」

 オトハはテレナに手を差し伸べる。

「一体・・・あなた何者なの・・・?とても凡人には見えないわ・・・」

「私は踊り子のオトハです。天才でも美少女でもない普通の女の子ですよ?」

 ニコリとオトハは微笑みを送ったのだった。










 36:武道の達人


「次は俺が戦うぜ!」

「ピカピッカ!!」

 テレナとのバトルが終わって、4人は次のフィールドに足を踏み入れていた。

「どうやら、岩がたくさんあって戦い辛そうですね。サトシ君、大丈夫ですか?」

「平気平気!」

 そんなこんなで話していると、上半身裸の男が現れた。

「お前たちか。テレナの言っていた俺たちに挑戦して来た者たちというのは」

「あの人は!!・・・・・・・・・・・・・・・誰ですか?」

 四天王の一人以外、オトハののんきな言葉にずっこけた。

「あの人はシバさんですよ!!確か格闘タイプ使いの・・・」

 カレンがこっそりオトハに教えた。

「相手は誰だ?」

「俺が戦う!!行けっ!!ピカチュウ!!」

「ピッカ!!」

「ほう・・・我が、ウルトラパワーを受けてみるがいい!!ウーハッ!!」

 先端にモンスターボールをつけたヌンチャクを振って、その先からポケモンを繰り出した。

「っ!!サワムラーか!?ピカチュウ!『10万ボルト』!!」

「ピーカ・・・」

「遅い!!」

「チュ!!??」

「何っ!?手が伸びた!?」

 サワムラーは足を伸ばすことが出来るというのは誰もが知っている。
 だけど、手まで伸ばすことが出来るというサワムラーを見るのは誰もが初めてだった。
 その手でハンマーのようにピカチュウを殴りつけた。

「ピカチュウ!?」

「まだまだ!!『回し蹴り』!!」

「ベイリーフ!!『つるの鞭』!!」

 右足で蹴りをしてくるサワムラーに対してサワムラーの左足を巻きつけて転倒させる作戦だが・・・

「甘い!!両方で回し蹴り!!」

 両方の手を伸ばしてしっかりとした石を掴んでバランスをとり、両足で回し蹴りをしてベイリーフを打っ飛ばした。

「ベイリーフ!!・・・くっ・・・なんてバランスとパワーだ・・・」

 サトシはベイリーフがダウンしたために戻すのと同時に、エイパムを繰り出していた。

「カポエラー!お前も行け!サワムラー!」

「エイパム!『影分身』!!」

 容赦ない攻撃をエイパムはかろうじて回避していく。
 そして、サワムラーを捕捉した。

「そこだ!!『気合パンチ』!!」

「甘い!!」

 カポエラーもエイパムに迫っていた。
 サワムラーをオトリにしてカポエラーがエイパムを討つ作戦のようだ。

「かかったな!!ピカチュウ!!『かみなり』!!」

 ズドーン!!バキーン!!

 最大の一撃がカポエラーに落ちた。
 そして、エイパムの集中力は途切れることがなく、サワムラーに一撃を叩き込んだ。





「どうやら、このバトルはさっきのテレナさんとのバトルとは対照的にパワーを重視したバトルになっているようですね」

 アースの言葉にオトハが頷いた。

「そうですね。テレナちゃんは頭脳的に相手を攻めていたけど、あのシバさんはそれが一切無く、真っ向からサトシ君に向かってきていますね」

「サトシ・・・意外といいバトルしているじゃない」

 しかし、カレンの言葉にアースは首を振った。

「いや、シバさんの本来の実力はこれからですよ」
 




 シバはハリテヤマとハガネールを繰り出して来た。
 一方のサトシはエイパムとピカチュウを下げてマグマラシとアリゲイツで対抗していた。

「アリゲイツ!『ハイドロポンプ』!マグマラシ!『火炎放射』!」

 だが、ハガネールの頭に乗ったハリテヤマが一筋縄に行かなかった。
 2匹分の攻撃を受け止めてしまったのである。

「効いてない!?かわせ!!」

 そのままハガネールは頭から突撃した。
 アリゲイツが直撃を食らってダウン。
 ハリテヤマはその勢いを利用してマグマラシに攻撃を仕掛けたが、持ち前の身軽さで攻撃をかわした。
 そこから最大パワーの火炎放射をハガネールに叩き込んだ。
 だが・・・

「・・・ゲッ!?効いてない!?効果は抜群のはずなのに!!」

「その程度の炎ではまだまだハガネールを倒すには足りないな。行け!」

「くっ!エイパム!!もう一度行ってくれ!!」

 エイパムはハリテヤマに向かって行った。
 ハリテヤマはシバのカポエラーやサワムラーと比べると反応速度が遅く、エイパムのスピードなら撹乱できると考えていた。
 それは狙い通り的中していた。

「『影分身』から『乱れ引っかき』!!」

 ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!

 攻撃はヒットしていったが、ハリテヤマに本体の尻尾を掴まれてしまった。
 そして、投げつけられてしまった。

「なっ!!エイパム!?」

 ハリテヤマはわざと攻撃を受けてから本体を見極めて一撃で倒せる技を繰り出した。
 そう、『当て身投げ』である。

「だけど・・・これでどうだ!!」

 マグマラシがハリテヤマの後をとって、炎を纏って打っ飛ばした。
 さすがに最初のマグマラシとアリゲイツの一斉攻撃とエイパムの攻撃が蓄積したようで、この一撃には耐え切れなかった。

「ほう・・・だが、隙だらけだぞ」

「マグマラシ!!耐えてくれ!!」

 ハガネールの強靭な尻尾から繰り出されるアイアンテールがマグマラシをなぎ払った。
 そして、勢いよく壁に激突していった。
 しかし、傷だらけになりながらも、まだマグマラシは戦えた。

「よし!マグマラシ!!最大パワーで『火炎放射』だ!!」

 背中の炎を爆発させて本来以上の炎を吐き出した。
 それは特性『猛火』からくる力だった。
 ハガネールはかわすことが出来ず、その強力な炎に包まれてダウンした。

「やるな!!だが、次はコイツだ!!」

 ヌンチャク型モンスターボールから繰り出されたのは、エビワラーだ。
 しかも、突然マグマラシの前に出現させたことにより、エビワラーが先制攻撃を繰り出した。

「マグマラシ!!『煙幕』!!」

 メガトンパンチを簡単に決めさせず、マグマラシは一歩後退した。

「『火炎放射』だ!」

「させん!!」

 しかし、煙幕からすぐに飛び出したマグマラシを狙って、マッハパンチがマグマラシにヒットした。
 ダメージが蓄積したマグマラシには耐えられるだけの体力は残っていなかった。

「マグマラシ・・・ご苦労様。ピカチュウ!後は頼むぜ!!」

「ピッカ!!」

 バトルは熾烈を極めた。
 電光石火とマッハパンチの打ち合いで勝負は五分五分だった。

「ならばこれでどうだ!?」

 マッハパンチと同じモーションで拳を突き出すエビワラー。
 しかし違っていたのは、その拳から衝撃波みたいなものがピカチュウを吹っ飛ばしたのだ。

「ピカチュウ!!!」





「あの技は何!?」

 カレンがアースに問いかける。

「『真空波』ですよ。拳を振るう衝撃で相手にダメージを与える技です。格闘系の中で数少ない遠距離技の一つです。どうやら、あの攻撃をどうにかしない限り、サトシには勝ち目はなさそうですね」





「遠距離系の技ならこっちの方が強いぜ!ピカチュウ!『10万ボルト』!!」

 しかし、その電撃を拳で受け止めるエビワラー。
 両腕が帯電し始めていた。

「受け止めた!?」

「その程度の電撃・・・我が拳の力を上げるだけだ!!」

 帯電した拳・・・雷パンチでピカチュウを襲う。

「電撃がダメなら、接近戦だ!!ピカチュウ!!『アイアンテール』!!」

 だが、エビワラーはその拳で尻尾を受け止めて弾き返す。
 真空波で撃墜できなかったのは雷パンチのモーションに入っていたためである。
 そして、ピカチュウが弾き返された先にあったのは突出した岩壁だった。

「もう一度『アイアンテール』!!」

 その岩を蹴りつける様に跳んで、連続でアイアンテールを繰り出し、今度はエビワラーの顔に一発叩き込んだ。

「そこだ!『10万ボルト』!!」

「まだだ!!」

 怯みながらも、電撃を拳で受け止めるエビワラー。

「チャンスを逃すな!!『ボルテッカー』!!」

 ピカチュウ最強の技で突っこんでいく。

「力でねじ伏せろ!『雷パンチ』!!」

 ピカチュウの捨て身の技とエビワラーの拳が交わる。
 ピカチュウは吹っ飛ばされるが、帯電したエビワラーは膝をついて倒れた。

「よくやった!ピカチュウ!」

「ピッカ!!」

 ピカチュウはVサインをした。

「フハハハ!やるな!よし、次で最後だ!ウーハッ!!」

 そして、シバの最後のポケモンはカイリキーだ。





「あれが噂のカイリキーですか・・・」

「噂って何ですか?」

 アースの一言にオトハが問いかけた。

「あのカイリキーは並のカイリキーの力の2倍の力を持つといわれています。カイリキーが進化したてのころ、ゴーリキーのベルトをつけてパワーをセーブしていたと聞きました。恐らく、セーブしたことによってパワーが鍛えられていたのでしょう」

「つまり、力が強いということですね」

「単純な話そういうことになります。ところで、サトシの手持ちには小型のポケモンしかいないみたいだけど、最後の一匹って一体何だい?」

「あれっ?サトシくんの最後のポケモンって何だったかしら・・・?」

「何で忘れるの!?」

 すかさずツッコミを入れるカレンだった。





「ピカチュウ!『10万ボルト』!!」」

 電撃を飛ばすものの、カイリキーはかわす。

「カイリキー!見せてやれ!お前のウルトラパワーを!!」

 すると、カイリキーは地面に手をかけた。
 なんと、岩の地面にヒビが入り、岩の塊を持ち上げたのである。
 その姿にはピカチュウもサトシも驚いていた。
 もちろん、その岩をサトシとピカチュウめがけて放り投げた。

「くっ!!ピカチュウ!『高速移動』で撹乱しろ!!」

 岩の塊をかわしながら指示を飛ばす。
 ピカチュウはカイリキーの周りを足場が悪いにもかかわらず、素早く動いた。

「フハハハ!力の前ではスピードなど意味がない!」

 カイリキーが地面を殴ると凄まじい揺れが生じた。
 そう、『地震』だ。
 素早く動いていたピカチュウにもその揺れは感じて、バランスを崩してこけてしまった。
 もちろんその隙を逃すはずがない。

「くっ!ピカチュウ!『アイアンテール』!!」

 ダッシュで近づいて、拳が入る瞬間に、尻尾でガードするつもりだった。
 だが、拳はその尻尾ごとピカチュウを打っ飛ばしてしまった。
 そして、岩を突き抜け、そのまま地面に倒れるピカチュウ。

「ピカチュウーーー!!!」

「ピッ・・・カッ・・・!!」

 ピカチュウを抱き上げるサトシだが、すぐそこまでカイリキーは迫っていた。

「さぁ、お前の極限の力・・・見せてもらおう」

「くっ・・・本当は最後まで出したくなかったけど・・・頼むぜ!!」

 サトシが最後に出したポケモンは、こっちの世界にくるときにも協力してもらったあのポケモンである。
 桃色の体をして、愛嬌のある顔立ちをしたポケモン・・・ミュウだった。

「何ィ!?」

「行けっ!!『サイコキネシス』!!」

 モロに攻撃が入って、カイリキーは吹っ飛んだ。

「まだだ!」

 カイリキーが接近してパンチを繰り出していくが、ミュウは見切ってそれをかわしていく。

「最大パワーで『サイコキネシス』だっ!!」

 地面が揺れるほどの衝撃だった。
 わずか2発でカイリキーはダウンした。

「ミュウ!ご苦労様!」

「っ!!負けた・・・このウルトラパワーが・・・まだまだ修行が足りないな・・・。敗者に何も言う資格はない。奥に行くがいい」

 そういって、シバは先に行くのを認めた。

「じゃあ、進ませてもらいます」

「もらいます♪」

「サトシ!行きましょう!」

「ああ!」

 4人はこうして2人目を撃破した。










「サトシ・・・何でミュウなんて持っているんだ!?」

「まあ、いろいろあってな」

 アースの質問をサトシは淡々と流した。

「それにしても、後は戦えるのは私とアースさんだけになってしまいましたね。ところで、アースさんが戦いたい人ってどんな人なんですか?」

 オトハがアースに尋ねた。

「そういえば、さっき言い損ねてしまったね。自分が戦いたいのはパパの師匠の師匠だった人なんです」

「師匠の師匠?」

「そう。その人はかつてルネシティでジムリーダーで水系タイプのジムリーダーをしていた・・・・・・・・・」

 アースが丁度口に出そうとしたとき、バトルフィールドに到着した。
 そして、その先には髭を生やしたダンディなおじさんがいた。

「あの人ですね」

「はい。自分のパパの師匠の師匠だった人・・・・・・アダンさんです」










 to be continued










 キャラデータ


 カレン(15歳)・・・5年前、ハルキと一緒にオーレ地方をシャドーの魔の手から救ったローガンの孫。そして、トキオの妹。
            ダークポケモンが見えるという特殊な目を持つ。
            また、右腕につけているスナッチリングは従来のスナッチマシンとは違い、軽く、持ち歩きが楽である。
            しかし、試作段階の品物であるため、失敗することがある。製作者はクレイン所長。
            また、カレンたちがエースたちを探している今現在、オーレ地方で『XD−001』という作戦が始まろうとしていることを彼女は知らない・・・。
 手持ち・・・メガニウム(♂) カメックス(♀) ブーバーン(♂) オオスバメ(♀) プラスル(♀) アリアドス(♂) メタグロス

 ※現在はメタグロスを控えとしている。



 テレナ(15歳)・・・彗星のごとく現れ、頭の良さとバトルの強さから、あっという間に四天王の座に登り詰めた少女。
            そのきびきびとした性格とお嬢様気質は他をも圧倒させる。
            頭のキレは母から、物事の大胆さは父からの遺伝らしい。
 手持ち・・・ジバコイル フーディン(♀) エレキブル(♂) ピカチュウ(♀) モルフォン(♂) ルカリオ(♂)





 オリジナル技


 カレン
 『シグナルレーザー』・・・アリアドスの技。『ローガン流』という書の中に記された技の一つ。(なお、この書はトキオが所持してる)
              発案者はもちろんローガンである。カレンはこれを本人に教わった。
              シグナルビームの強化版で威力が上がっている。
 『マグネードウェブ』・・・アリアドスの技。『蜘蛛の巣』を吐き出して相手を動けなくする技。

 オトハ
 『桜舞(おうぶ)』・・・月舞踊の一つ。メタモンが使用。力を抜いて華麗に移動する・・・とは言ってもその姿は常人じゃ見えない。その姿は舞い落ちる桜のように。





 アトガキ

 四天王編です。と言っても、このペースだと次の話で終わりそうな感じだけど。(ぁ)
 ポケスペのカントーの四天王をそのまま出すと味がないので、ほとんどオリジナルで四天王を構成してみました。
 それにしても、シバは十数年経過しても、四天王の座に居座っているのですね。(笑)
 次回はアース対アダンの戦いから始まります。

 

[一言感想]

 カレンvsテレナ、オトハvsテレナ、そしてサトシvsシバ。
 連戦の続く四天王戦……まぁ本来の目的とはズレてしまってる訳ですが(ぇ)、いずれも白熱した戦いが繰り広げられました。
 オトハは「なんとなくです」とは言ってましたが、サトシを後にまわしたのは物語上の空気を読んでのことだったのか……。
 はたまた、単に気分の問題だったか(何)。
 それと、相変わらず自分の美少女っぷりには自覚がないご様子です。

 

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