☆前回のあらすじ
ミュウ、セレビィ、ジラーチの力を借りて違う世界に来たカレンたちだったが、カレンの一言でカントーの四天王と戦う羽目になってしまった。
まず、カレンがテレナに総合的に負けるものの、オトハが残りのポケモンを倒した。
2番目の部屋ではサトシが一番の古株である格闘使いのシバを接戦の末に倒した。
そして、3番目の部屋で、美しきバトルを目指す少年アースと彼の父の師匠の師匠だというアダンとの戦いが今始まろうとしていた。
TWELFTH
37:水のビューティーアーティスト
3人目の四天王に対峙するのは、建物に入ってから偶然出会ったアースである。
「アダンさん・・・やっと会えましたね」
「君は・・・?」
「自分はアースと申します。母がサファイアで父がルビーです」
「まさか・・・あの子供だというのか?大きくなったもんだな・・・」
アースがバトルフィールドでアダンと話している様子を見て他の三人は首を傾げた。
「・・・アダンさんってジムリーダーじゃなかったっけ?」
「ええ。確かルネシティでジムリーダーをしていたような気がしますけど・・・いつ四天王になったのでしょう?」
相変わらず、素っ頓狂な疑問を抱く天然二人。
「サトシ!オトハさん!それって、私たちの世界での話でしょ!私たちの世界と、ここの世界では状況が違うのよ」
「それじゃ、カレン。何で『アダン』という同じ名前でしかも同じ姿をした人がいるんだ?」
「うっ・・・それは・・・」
サトシの指摘はもっともである。
だけどそんなことはどうだっていいのだ。(蹴)
「そう、どうだっていいのよ!同じものは同じなのよ!」
「ナレーションにあわせましたね・・・」
「面白い・・・」
アダンが喋りだしたのを聞いて、3人はアダンを見た。
「それなら私も全力で戦うことにしましょう。全てを魅了するといわれる水のアーティストで」
「お願いします」
そして、バトルが始まる。
2人は同時に構え、同時にポケモンを繰り出した。
バシュッ!バシュッ!
ガキーンッ!!!
「えっ!?」
「あの攻撃は!?」
「・・・氷攻撃ですね」
カレンとサトシが突然の攻撃で驚くが、オトハは冷静に見ていた。
オトハの言う氷攻撃とは、一撃で相手を倒す『絶対零度』だった。
それを放ったのは・・・
「・・・・・・いきなりの奇襲とは・・・やりますね」
倒されたのはアダンのシザリガーだった。
アースの最初のポケモンは尻尾に絵の具をつけた犬のようなポケモン・・・ドーブルだ。
「BURUの『スケッチ』はどんな技でも写し取ることが出来ます。以前に『絶対零度』を使った野生のポケモンから『スケッチ』しました」
「それにしても、見事だよ。技のキレ具合といい威力といい・・・見事だ」
「どうもありがとうございます」
「だけど、それだけで私の負けを認めるわけにはいきませんね」
アースはドーブルを戻して新たなポケモンを繰り出す。
そのポケモンはミノマダムというポケモンである。
しかし、ミノムッチの時に生まれた場所によって、その姿が変わるといわれるポケモンだ。
アースのミノマダムは塵などを集めたゴミのミノマダムだった。
「MINO!『ラスターカノン』!!」
塵を集積して、形付ける光の玉がアダンに向かっていく。
しかし、アダンは慌てない。
水のアーティストといわれているだけに、水の攻撃で防いでしまった。
それを見てアースはフッと笑った。
「ニョロボンの『しおみず』・・・ですね?」
「ご名答。さて、次はこちらから行きますよ?」
瞬間的に3方向の水鉄砲を打ち出してくる。
アースも慌てない。
水鉄砲の軌道を見切って、当たらない事を判断したからである。
その隙を狙って接近を図る。
「かかりましたね?」
「わざと引っかかったのですよ」
3方向の水鉄砲はいわば、アースとMINOの動ける範囲を狭めるための牽制だった。
そして、その範囲だけを狙ってニョロボンはハイドロポンプを放つ。
バシュッ!!
だが、アースはそれを読んでいた。
それを証拠にハイドロポンプが当たったにもかかわらず、MINOは無傷だった。
傷はなかったけど、ハイドロポンプの水がMINOに降りかかってきらきら輝いていた。
「(『守る』のようだね)」
「アダンさん・・・自分が何故ゴミのミノマダムを選んだかお分かりですか?」
「・・・?」
「どんなゴミでも役にたたないものはない。再生すれば使える。そこから見出される美しさを自分は表現したいのです!!MINO!!『目覚めるパワー』!!」
眠れる力を引き出すといわれる『目覚めるパワー』。
MINOが引き出したそのエネルギー体はバチバチと帯電していた。
そして、自分の濡れた体をふるって水を加えて、帯電した水のエネルギー体をニョロボンに放った。
ズガン!!
「なかなかいい攻撃です。まるでコーディネータのように美しく合わせた技です」
「・・・・・・」
「だけど、まだやられません。ニョロボン!!」
「っ!!」
気づいた時にはMINOは自由を奪われていた。
そう、サイコキネシスだ。
MINOを引き寄せてさらに催眠術で眠らされてしまった。
「不覚・・・」
二匹目のポケモン・・・バシャーモを援護に向かわせるが、遅かった。
ニョロボンの水を纏った強烈なパンチがMINOを打っ飛ばしていた。
「SYAMO!『ブレイズキック』!!」
「もう一度『ウォーターパンチ』!!」
炎の蹴りと水の拳がぶつかる。
その時、水が蒸発して視界が悪くなった。
「もう一度です!!」
視界が悪かったのにもかかわらず、アースのバシャーモはニョロボンに攻撃を当てた。
「『二度蹴り』です!!」
SYAMOの蹴りはただの蹴りではない。
炎を纏った『ブレイズキック』状態だ。
しかも、一度目の蹴りでニョロボンを踏み台のように蹴りつけて跳び上がり、二度目の蹴りでは2倍の威力の蹴りを叩き込んでいた。
「そこですね!」
ニョロボンを倒したのは良かったが、すでにアダンはキングドラをスタンバイさせていた。
「っ!!」
視界が悪かったとはいえ、跳び上がったせいで、SYAMOの場所がアダンに把握させてしまった。
そのSYAMOがいると思われる場所を中心に、アダンのキングドラが『流星群』を放って水蒸気ごとバシャーモをなぎ払ってしまった。
「もう一度BURUです!!『猫騙し』です!!」
バチンッ!と音を立てて、キングドラを怯ませる。
「『電磁波』です!!」
「そうは行きませんよ」
アダンはキングドラとナマズンを素早く交換した。
ナマズンに電気攻撃の効果はない。
「くっ、『絶対零・・・うわっ!!」
強烈な地震がフィールドを揺らした。
この地震にたまらず、バランスを崩して倒れるアース。
BURUも同じだ。
それを狙って・・・
ズドーンッ!!
ナマズンでBURUを押しつぶしてしまった。
「しまった・・・・・・」
アダンはBURUが戦闘不能になったのを見てナマズンをボールに戻した。
「これは・・・同じタイプのバトルですね」
オトハがおっとりと言う。
「ええ。ポケモン交換や技の使い方・・・2人は似たタイプのトレーナーみたいね」
「そうか?」
「そうか?って・・・」
サトシの発言にガクッとカレン。
「サトシだって見たはずでしょ?テレナとシバの戦い方を。テレナは戦略を組み立てて先読みをしながら戦う頭脳派タイプ。シバは己を鍛え、かつ力で押してくる肉体派タイプ。そしてあのアダンさんは、頭脳派タイプといえるわ」
「2つの種類に分かれるってことか?」
「う〜ん・・・もっとあるでしょうけど、要するにトレーナーによって鍛え方も戦い方も違うってことよ」
「・・・確かに」
そして、アースはジュカイン。アダンはトドゼルガを出していた。
「MORI!『種マシンガン』!!」
一口に種マシンガンといってもアースのジュカインの種マシンガンは一味違う。
種をマジックのように魔方陣のごとく目の前に並べて一斉に放つ種マシンガンだ。
だが、トドゼルガの強烈な吹雪の前には意味を成さず、あっという間に攻撃は凍らされてしまった。
「『冷凍ビーム』!!」
「『エナジーボール』です!!」
前に進みながらエナジーボールを放ち、相殺をする。
「前に出たのは無謀ですね。『吹雪』!」
「そうでもないですよ?『リーフストーム』!!」
ブフォアーーーーーーーー!!!!
冷気と緑風が交じり合い強烈な風を巻き起こす。
だが、周りに影響を及ぼす風のその比率は吹雪の方が上だった。
辺りが次々凍りついていく。
「ジュカインの負け!?」
「いえ・・・これは・・・」
「トドゼルガの吹雪が負けた・・・・・・!?」
MORIのリーフストームの方が吹雪の冷風を打ち抜いたのである。
「範囲を集中させてリーフストームを放ったおかげで吹雪を拡散させ、ダメージを防ぐと共にトドゼルガにダメージを与えたというわけです」
「・・・なかなかやりますね」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
そして、アダンが繰り出したのは水ポケモンの中でも屈指の美しさを持つといわれるポケモン・・・ミロカロスだ。
それを見て、ポケモンをチェンジするアース。
MORIの代わりに出てきたのは電気ポケモンのデンリュウだ。
「MERRY!『綿胞子』!!」
綿のような胞子(そのまんまじゃん)をさらさらとミロカロスに振り掛けるMERRY。
しかし、アダンは何も指示を出そうとはしない。
アースの出方を伺っているようだ。
「行きますよ!『かみなり』乱発!!」
MERRYの体から強烈な電撃を上空に放ち、その電撃がランダムにフィールドへと落雷する。
まさに、雷の雨である。
「なるほど・・・無差別攻撃ならミラーコートで返そうとしても返すことはなかなか難しい。そして、それを難しくさせているのがこの動きを鈍くさせる綿胞子というわけですね」
「そういうことです・・・そして!!」
MERRYに雷が落ちる。
だが、その雷のエネルギーは拳に集められていた。
「この『雷パンチ』で止めを刺します」
「見せてもらいましょうか」
MERRY接近。
もちろん、ミロカロスは迎撃に入る。
だが、雷の雨は続いていて、その雷がミロカロスに落ちる。
そして、そのダメージを受けている隙を狙い、パンチが炸裂した。
「なかなかよい攻撃でした。雷が入るタイミングを見計らって接近を試みるとはいい選択です」
「・・・!?(まだ倒れない?)」
大きなダメージは負っているもののミロカロスはまだ倒れなかった。
「『自己再生』です」
「くっ!MERRY!『10万ボルト』!!」
しかし、回復速度がアダンのミロカロスは速かった。
しかもそれだけではない。
当たる筈だった10万ボルトを返してしまった。
MERRYは自らの攻撃を2倍で返されて、かなりのダメージを負ってしまった。
「(・・・技の出方が早いですね・・・)それなら、そのスピードを止めます!『電磁波』!!」
「そうは行きませんよ」
ミロカロスの前に出てきたのは再びナマズン。
電磁波を代わりに受けてミロカロスの盾になる。
さらに、ミロカロスが後方でハイドロポンプを放ってくる。
「そちらが二匹で来るのならこちらだって行きますよ!」
アースが出したポケモンはミラーコートでハイドロポンプをそのまま跳ね返してしまった。
「ほう・・・これは・・・」
アダンもアースのそのポケモンに感嘆する。
アースの出したポケモンも、アダンと同じくミロカロスだった。
「BASS!『水の波動』!!」
しかし、その水攻撃を左右に分かれてかわすミロカロスとナマズン。
「(よし、次の攻撃で決める)」
と、アースが思ったのと同じようにアダンも思っていた。
「BASS!『アクアリング』!MERRY!『充電』!」
「させませんよ!ナマズン!『泥爆弾』!」
MERRYに泥が当たって破裂した。
だが、まだ、やられてはいない。
充電していたおかげで多少のダメージを軽減したようだ。
「そこです!『10万ボルト』!!」
威力を増した電撃がアダンのミロカロスに向かっていく。
「残念ですね」
「・・・」
泥爆弾に当たったMERRYは視界を奪われていた。
ゆえにミロカロスに直接に攻撃を当てることは出来なかった。
「ナマズン!」
その隙をアダンは逃さない。
放電をしているところをめがけて、MERRYを押しつぶしてしまった。
「そう・・・それでいいのです」
「!!」
MERRYがダウンしたのにもかかわらず、アースはまったく動じていなかった。
MERRYの電撃はまだ生きていたからである。
その電撃の先にいたのはBASS。
そのBASSが電撃を受け止めて、そして、跳ね返した。
もちろん、狙いはアダンのミロカロスだ。
バリバリバリッ!!!!
2倍に威力が増しているその電撃はアダンのミロカロスをダウンさせてしまった。
「『水鏡の反射(アクアリフレクト)』・・・ミラーコートの反射とアクアリングを応用した返し技です」
「・・・なかなか面白い技を持っているではないですか」
「こんなことも出来ますよ?BASS!『アクアリング』!そして、『アクアテール』です!!」
しかも、このアクアテールはアクアリングを纏っていることによって威力が増大していた。
アクアリングは水を体に補うことで徐々に体力を回復していく技だが、アースのミロカロスはそれを攻撃の威力を上げるために使えるらしい。
バシュッ!!
しかし、攻撃はキングドラが受け止めてしまった。
「いよいよフィナーレですね。MORI!」
アダンが残り全てのポケモンを繰り出したのを見て、アースも同様に全てのポケモンを繰り出した。
その場に現れたのはナマズンとキングドラ、ミロカロスとジュカインである。
「ナマズン!『破壊光線』!キングドラ!『流星群』です!!」
「BASS!『アクアテール』!!MORI!『リーフストーム』!!」
ズドーン!ズドドーン!ズバシュッ!ブワッ!!!!
全ての技が一気に放出して、フィールドは見えなくなってしまった。
「・・・一体どうなったんだ!?」
「どちらも最大技の激突・・・わからないわ・・・」
サトシもカレンもそのフィールドをただ見ていた。
「このバトルは恐らく・・・・・・・・・」
オトハはポツリと小さな声でつぶやいていた。
「ナマズン・・・キングドラ・・・ご苦労様です」
煙が晴れた時、倒れたナマズンとキングドラを抱えるアダンの姿があった。
「アースの勝ちか!?」
サトシはアースに近づくが、そこには倒れたMORIとBASSの姿があった。
「引き分け・・・」
「オトハさんの言ったとおりになったわ・・・」
「勝てませんでした・・・」
無表情でアースは2匹をボールに戻した。
「君のバトル、見せてもらいました」
「アダンさん・・・」
アースの肩に手をぽんと置くアダン。
「さぁ、先へ進みなさい。最後の一人が待っていますよ」
「よし!じゃあ、行こうぜ!」
サトシが真っ先に扉を開いて行ってしまう。
「待ちなさいよ!少しは慎重に行動しなさいよ!」
そんなサトシを心配して追いかけるカレン。
「では、次に進みましょう。アースさん」
「ええ」
オトハに促されてアースは次の部屋に向かおうとする。
「アース君」
「え?はい?」
後ろを振り向くアース。
「今回は引き分けでしたが、次こそは決着をつけましょう」
「ええ。そのときはよろしくお願いします」
こうして、アースは3人目のアダンを突破した。
38:首領と呼ばれた男と氷のジェントルマン
「いよいよ次が最後の四天王だな!どんな奴か楽しみだぜ!」
「サトシ・・・君はもしかして戦う気なの?」
「無理なのは分かってるさ。ピカチュウや他のポケモンたちはみんな体力が尽きているからな」
先ほどからまったく存在感がないピカチュウはサトシの腕の中でゆっくりと休んでいた。
「わかっているならいいさ」
「だけど、そうなると、後四天王と戦えるのってオトハさんだけじゃないですか?」
「あら?そうでした?」
「そこでなんでとぼけるの?」
相変わらず、のんびりとした口調のオトハに突っ込むカレン。
「つまり、最後の戦いはオトハさんに委ねられましたね」
「お願いしますよ!オトハさん!!」
アースとサトシもオトハに期待をかける。
「そんなぁ・・・私にそんなに期待されても困ります・・・。でも、がんばります」
照れているというか、なんと言うかいつもの笑顔でみんなに言うオトハ。
そして、いよいよ最後のバトルフィールドに足を踏み入れた・・・
だが、そこには驚くべき光景があった。
「なっ!!」
「なんなのこれ!?」
「寒ッ!!」
フィールドが全て氷漬けにされていたのだ。
「一体何が!?」
「あそこに誰かいる!!」
カレンが指を射す方を他の3人が見る。
そこにいたのは2人の男。
一人は黒いスーツを着た少し老けた男で、もう一人はステッキを持ち、右目に片メガネをかけ、髪は73分けっぽい紳士風の男だ。
そして、次の瞬間、凄まじい吹雪がフィールドを覆いつくした。
「っ!!危ない!!ミュウ!『光の壁』ッ!!」
サトシが機転を利かせて壁を張った。
「ミュウ!?」
そして、吹雪が止んだとき、ミュウは力尽きて倒れてしまった。
その一方でスーツの男のニドキングが氷漬けになって、トレーナーも力尽きて倒れてしまった。
「あの紳士の男・・・何者なんだ!?」
「あの紳士の人が四天王じゃないんですか?」
「いや・・・違う・・・」
オトハのおっとりとした答えをアースは否定する。
「現在のカントー四天王は、『超電脳テレナ』『武道の達人シバ』『ビューティーアーティストアダン』そして『首領サカキ』の4人なんですよ。そして、今倒れたスーツの男が四天王の一人なんです」
「サカキだって!?」
「もしかして・・・ロケット団の首領!?」
「昔の話ですけど・・・」
サトシとカレンは顔を見合わせる。
やはり、こちらの世界でもロケット団という組織は存在していたんだなと2人は確認した。
やがて、その紳士の男はサカキに近づいて何かを確認し始めた。
男はため息をついて、やっとサトシたちがいたことを認識した。
「何だね君たちは?」
「ええと、僕たちは」
「四天王に挑戦しに来ました」
アースの言葉を遮ってオトハが答えた。
「そうか・・・それならいい。君たちには関係のないことだ。この男も違ったみたいだし」
「違った?何がですか・・・?」
「君たちには関係のないことだよ」
「関係のないことなら仕方がありませんね」
話したくないならいいや、というノリでオトハは言った。
だが、話はこれで丸く収まらなかった。
後から出てきた一人の少女の存在によって。
「あっ!!あんた一体何なのよ!!どこから侵入してきたの?凡人が不法侵入なんてしてはいけなくってよ?」
テレナが沸いて(ェ)出て来たのだ。
「サカキ様に会うときは、まずこの天才美少女のテレナを倒してからじゃないとダメなのよ!あんた・・・許せないってよ!!」
いつの間にか回復させたか、テレナがルカリオを繰り出して波動弾を放った。
「そんなルール・・・私は知らないな」
懐から男は何かを取り出すと、波動弾は消え去り、しかもルカリオが凍り付いてしまった。
「っ!!凡人の癖に!!ジバコイル!!『ミラーショット×3』!!」
「無駄ですよ」
ピキーーーン!!
男の言うとおり無駄な攻撃に終わってしまった。
ミラーなショット(謎)が全て凍りついてしまったのである。
さらに、攻撃はテレナとジバコイルまで及んで吹っ飛ばしてしまった。
「うっ!!そんな・・・」
「邪魔をしないでくれたまえ。だが、もし君が邪魔をするというのなら、君を消さなければならない・・・」
氷のつぶてを受けてうずくまるテレナ。
そのテレナに近づく紳士だったが・・・
スッ
男とテレナの前に人が一人入り込んだ。
オトハだ。
「君は・・・何の真似だね?」
「おじさま・・・少しやりすぎではないですか?」
「そうか・・・君も邪魔するのか・・・それならいいだろう。氷漬けにしてしんぜよう」
「(アレは?)」
オトハはその男の行動を見逃さなかった。
懐から取り出したカードみたいなものをかざすと、突然ポケモンが出現をしていた。
そのポケモンが吹雪を繰り出していた。
「「「オトハさん!!」」」
オトハがテレナ共々吹雪に巻き込まれてしまった。
「あれは・・・フリーザー!?」
「何で伝説のポケモンが・・・!?」
「そんなことより・・・オトハさんとテレナが!!」
立ち込める冷気に3人はオトハとテレナの姿を確認できなかった。
「これで終焉だ。まったく収穫はゼロか。骨折り損だった。帰ることにしよう」
バシッ!!
男が後ろを振り向いた瞬間、フリーザーに攻撃がヒットした。
「何!?」
男は振り向いて驚いた。
そこには平然としたオトハの姿があったのだ。
周りは氷漬けになっているが、オトハのポケモンとその後ろ周辺だけはまったく氷漬けになっていなかった。
「そのチャーレムの仕業か・・・一体何をしおった?」
「月舞踊・・・『無姫(なきひめ)』です。張巡らせたオーラで相手の攻撃を打ち消します。打撃攻撃は無理ですけどね」
「あの技は・・・」
アースとサトシは頷いた。
この技でテレナのルカリオの波動弾を防いだのだと悟った。
「私と戦おうというのか?」
「望むのなら受けて立ちますよ?」
オトハと男は構える。しかし・・・
ピリリリリ・・・
電子音が鳴ったと思うと男は懐からトランシーバーみたいな機械を取り出して交信した。
「こちらカネコウジじゃ・・・・・・」
男の名前がカネコウジというらしい。
しばらくオトハたちは様子を見ていた。
やがて、2、3言葉を交わすと機械をしまった。
「・・・・・・面白いところだったが。・・・私の任務はここまでだ。縁があったらまた会おう。月舞踊のオトハよ」
「・・・・・・」
「くっ・・・待ちなさい!!」
テレナが追いかけるがカネコウジは姿を消してしまった。
39:SG
「まさか、あのような侵入者がポケモンリーグに現れるとは思いませんでしたね」
「しかも、サカキをこんな目に合わせるほどの実力者とは・・・」
アダンとシバがそれぞれいう。
それとは別の部屋にサトシたちはいた。
「オトハさんたちはこれからどうするんですか?」
アースが尋ねる。
「俺たちは仲間を探さないといけないんだ。さらに探している人もいるんだ。エースって言うんだけど」
「エースか・・・知らないな」
「エース!?」
すると、反応したのはテレナだった。
「その名前・・・聞いたことあるわよ。なんか『SG』で最近になってまた捜索しているみたいだから」
「SG?」
「あら、そんなこともカレンは知らないの?だから凡人なのよ」
カレンが一二を言えばテレナに凡人と言われて、腹を立てるカレン。
しかし、オトハがカレンをなだめる。
「SGは『スカイガーディアン』の略称よ」
テレナは一応カレンの反応を見た。
カレンは首を傾げている。
「どうやら、その顔を見るとスカイガーディアンも知らないようね。いいわ、説明してあげるってよ。スカイガーディアンはポケモンリーグ御用達の機関で様々なことを行っている組織よ」
「ポケモンリーグ御用達・・・」
「そこでは様々な活動をこなしている人たちがいるの。中には悪いことをしている人もいるって噂だけど、証拠なんてどこにもないわ」
「なるほど・・・それじゃ、一度そこへ行って見るべきね!テレナ!そこへ案内してくれる?」
「別にかまわなくってよ。サカキ様のことで報告を入れる用事もあるからね」
そして、彼らの目的はまずSG(スカイガーディアン)に絞られたのだった。
to be continued
キャラデータ
サトシ(16歳)・・・いわずと知れた『ポケットモンスター』『ポケットモンスターAG』『ポケットモンスターDP』の主人公。
なお、WWS系列の話ではAGが終わった時点を13歳とし、次の年にノースト地方を旅し、マサラでヒロトと出会う(WWS56話)ことになる。
また、WWSからDOCに空白の2年があり、そこでシンオウ地方を旅してヒカリやシンジと会ったことにする。(ェ)
だけど、このDOCはアニメDP編が終わってからの設定ということもあって矛盾することがあるかもしれないのであんま考えなくてもいいような気がしないでもない(蹴)
実際、エイパムはヒカリのブイゼルと交換されましたし。
とりあえず、このDOCではサトシ×カスミの設定である。
ファーストポケモンのピカチュウとは大の仲良しで、頼れるパートナーである。
手持ち・・・ピカチュウ(♂) エイパム(♀) マグマラシ(♂) ベイリーフ(♀) アリゲイツ(♂) ミュウ
注意:ちなみにこんなパーティになっているのは作者の好みです(蹴)
オリジナル技
アース
『水鏡の反射(アクアリフレクト)』・・・ミロカロスの技。ミラーコートとアクアリングの合成技。
ミラーコートと違う点は水によってダメージを軽減させて、しかも、軽減補正の入れない受けるはずだったダメージの二倍を返す。
オトハ
『無姫(なきひめ)』・・・月舞踊の一つ。チャーレムが使用。張巡らせたオーラで相手の攻撃を打ち消す。打撃攻撃には無意味。
アトガキ
始点の右辺・・・いや、四天王編が終結しました。
SGという謎の組織が出てきましたが、それが何なのかは今後のお楽しみです。
次回は、登場人物が一気に増えます。
そして、”あの”キャラの登場も・・・?
[一言感想]
ノリ(?)で開始されてしまった四天王戦ですが、思わぬ収穫もあったようです。
カネコウジはポケモンカードGBシリーズに登場するキャラなので、僕も小説に出した事がありますが、どうやら只者ではない様子。
最後に話題に挙がったSGも含めて、今後関わりがありそうですね。
にしても、倒れたまま終わったサカキが、果てしなくシュールです……。