人の出会いは一期一会と人は言う。

 出会い、別れを繰り返して日々を過ごしていく。

 あいつとの出会いもそうだったのかもしれない。

 一緒に過ごした5年間もただ、別れるためにあったのかもしれない。

 別れなくなんてなかった。

 だが、奴の言葉は俺を不安を煽っていた。

 『過酷な試練が待ち受ける。乗り越える勇気があるか?』と・・・。

 それがどんな意味を持つか、俺にはわからなかった。

 ただ、俺の成すべきことのために彼女を巻き込みたくなかった。

 それと同時に、違う世界の者が結ばれてはいけないということも感じ取っていた。

 奴の言葉を無視すればいいと思ったのだが、奴の言葉はどうしても俺の頭から離れてはくれなかった・・・



 そして、俺は・・・一体どうなったんだ?

 小屋で休んでいるところを襲われて・・・

 ・・・今・・・俺は・・・・・・?

 

 

 

THIRTEENTH

 

 

 

 40:会合


 お月見山。
 そこは月の石が採掘されることで有名な場所である。
 昔、その場所でロケット団が荒らして、二人の子供が立ち向かった場所でもあった。
 そこから数km離れた場所にSGの本部が存在していた。
 そこで、現在重大な会議が開かれようとしていた。





「・・・・・・」

 椅子に座り、黙々と彼女は本を読んでいた。
 何の本か説明するには難しい本である。
 彼女は見た目が大人しく、クラスの中には必ずいそうな休み時間に本を読んでいるタイプの女性だった。

「よー!リタンちゃん!元気にしてたか?今度オレ様とデートしようぜ」

「・・・・・・」

 その女性はリタンと言った。
 だが、彼女は名前を呼ばれたのにもかかわらず、その男を無視した。
 男とは、見た目は不良っぽいヤンキーで、クラスの中には必ずいそうな教室でスケボーをして遊び、教師に反感を買っていそうなタイプの男だ。

「なんだよ!つれないな!本ばっか読んでいると、体が鈍っちまうぜ?たまには遊びに・・・」

「やっ・・・やめなよ・・・」

「あんっ?」

 乱暴そうなオレ様気取りの男が彼女をナンパしていると、気弱そうなメガネをかけた青年が恐る恐る男に言った。
 その青年はメガネを掛け、見た目は貧弱で、クラスの中には必ずいそうな不良グループのパシリにされているようなタイプの青年だった。

「何だ?タクス?このストム様に文句があるのか?」

「彼女に・・・気がないんだから・・・無理やりさそうのは・・・」

 少々ストムに怯えながらもタクスは反論する。

「てめぇーに関係ないだろ!!」

 ズシッ!!

「うっ・・・」

 ストムは思い切ってタクスを殴り飛ばした。
 タクスのメガネは吹っ飛び、彼は頬を押さえていた。

「けっ・・・カスが。オレ様に楯突くんじゃねえよ」

「・・・・・・」

 ストムとタクスがそんな争いをしているのにもかかわらず、リタンは我関せずと本を読み続けている。

「☆まっ!ストムはん。そんな暴力はアカンで〜」

「カスは打っ飛んでろ!!」

 新たに来たバカっぽい中年の男が来たがあっけなく蹴り飛ばされる始末。
 だが、まるでダメージはなかったかのように男は立ち上がる。
 その男は見た目は、笑顔を絶やさず、クラスの中には必ずいそうなふざけてクラスの注目をかって人気になるようなタイプの男だった。

「☆まーまー」

「しつけーぞ!!マジカ!!」

 そういって今度は顔を殴りつけようとするが、ガシッとストムの腕は何者かに掴まれた。

「ストム・・・これ以上暴れるな」

「ちっ・・・・・・アルか」

 冷静な二十歳前後の青年・・・アルがストムの暴走を止めた。
 そのアルという青年の見た目は美少年で、クラスの中には必ずいそうな女の子にキャーキャー言われる様なタイプの・・・

「つーか!ナレーション!いつまでその『クラスの中の〜』って説明をしていやがるんだ!!」

 あ?バレた?だって、楽だし、そのほうが解かり易いかなーってさ。

「もっと真面目にやりやがれ!」

 そんなこと言われてもなぁー。ストムの要望は却下!
 そんなわけで、強制的に話は進みます(蹴)

「後は『レフトアーム』の彼女が来れば全員集合だな」

「彼女は来ませんよ」

 アルが呟くと、その言葉を受けて拡声器の音が聞こえた。
 一同、その声を聞いて、広い部屋にある大きなヴィジョンに注目した。
 そこにはシーツを被った一人の人物の姿が映し出された。
 また両隣にはそれぞれマフラーを覆い口を隠した男と、仮面を被った赤茶っぽい髪色の男がその場にいた。
 この部屋に集まった5人はヴィジョンの人物を見てボスと呼んだ。

「何故彼女は来ないんです?この会議はそれぞれの班長が必ず出席するものでしょう?」

 美少年のアルが即座に異を唱えた。

「彼女たちは行方不明でしてね・・・今探しているのですよ」

「☆そういうことなら仕方がありませんな。アルはん〜少し落ち着きまひょ」

「・・・そうだな・・・」

「とりあえず、皆さんにはやって欲しいことがあります。やって欲しいことはそこにあるメモ書きを見てくれればわかります」

 ボスに促されて、突如現れた紙切れをそれぞれ受け取る。

「・・・・・・」

「えぇ!?これは・・・こんなことって・・・」

「へぇ〜。面白そうじゃねえか」

「☆ついにこれは来る時が来たようですなぁ〜」

「”あの組織”を潰す時が来たのか・・・」

 リタン、タクス、ストム、マジカ、アルがそれぞれの反応を示す。

「それでは任せましたよ。この任務が終わった時・・・真の平和が訪れるのです」

「☆やったるでー!」

「いっちょ俺様も暴れてきてやるぜ!」

 真っ先にマジカとストムは飛び出していった。
 が・・・

「てめー!マジカ!俺様が先に行くんだ!!」

「☆ストムはん〜競走や〜」

 ストムがケンカを吹っかけつつ出て行った。

「いいでしょう。ボスの計画のために全て捕まえてきてあげましょう」

「頼みましたよ。アル・・・」

 ボスはそう言い残して、ヴィジョンは消えた。





「ねぇ・・・リタンさん・・・」

「・・・・・・」

 部屋出て歩くのはやや貧弱っぽいタクスと大人しい女性のリタンだった。
 この女性も本読みながら歩いているのである意味凄い(ぁ)
 どこかの誰かさんのようだ(誰)

「どう思う・・・?この任務・・・・・・」

「・・・・・・」

「どうも僕にはこの任務が平和に繋がるとは思えないよ・・・リタンさんはそう思いません?」

「・・・・・・(パタ)」

 彼女は本を閉じて立ち止まり、タクスを見た。

「・・・全知全能なる神は言った・・・」

「・・・・・・??」

「『ベストを尽くせ!』」

「へっ??」

 彼女がそう言うと、再び本を読み始めてそそくさと先に行ってしまった。

「・・・わからない・・・リタンさんは本当に何考えているかわからない・・・」

 タクスは呆然と立ち尽くしたのだった。










 41:目覚めのとき


 ここは森の中。
 場所が特定できないほどの森の中。
 そこに木でできた何の特徴もない一つの小屋があった。
 それは森に迷った旅人が一晩明かすためにと立てられたような小屋だった。

 その小屋に近づく人物が1人。
 格好は緑の短パンともハーフィパンツの中間の長さの裾を折り返したズボンに黒の長袖のシャツ、その上にランニングのようなジャケットのような小説では説明のしにくい服を着ていた(謎)
 髪の色は黄色でショートカットだ。
 そして、その子は両手に食料を抱えていた。
 どうやら、周辺を探してとってきたようである。
 小屋に入って、そこに横たわっている少年を見た。
 グリーンのシャツにベストを着てラフなハーフパンツを穿いていた。
 しかし、少年と言ってもその子から見たら年上の少年だった。

「(・・・まだ眠っているね)」

 少年の様子を見て安心をしたか、食事の準備を始めた。





「ここは・・・?」

 ふと彼は目を覚ました。
 目に映るのはまったく見覚えのない部屋の中。
 そして、近くには例の人物がいた。
 彼は・・・起き上がって腰にあるモンスターボールに手をかけた。

「まだ動いてはダメだよ・・・。エースさん。寝ていて」

「っ!?(後を見ていないのに何故?)」

 まるで気配で相手を探るかのごとくエースの様子を悟っていた。

「(それに・・・何でコイツは俺の名前を・・・?)」

「やっと会えたね。エースさん」

「お前は・・・・・・・・・・・・誰だ?」

 過去を遡って思い出そうとする。
 だけど、どんなに必死に思い出そうとも、エースに覚えは無かった。

「エースさんに覚えがないのも当然だよ。ボク達は初めて出会ったのだから・・・」

「それなら・・・俺のことを誰からか聞いたのか?」

 すると、その子は首を横に振る。

「(・・・そんなことより・・・俺は一体なんでこんなところにいる?確か・・・小屋で休んでいたところまでは覚えているんだが・・・!! まさか!?)」

 腰にあるボールを握り締める。

「(襲ってきた奴の仲間か!?)」

 不信感を露に、その子を睨みつけるエース。

「とりあえず、エースさん・・・落ち着いてください・・・。そうじゃないと話が出来ません・・・」

「話?そんなことより、お前が俺を襲った奴の一人なんだろ?」

「・・・・・・とりあえず、話を聞いてください」

「・・・・・・」

 真剣の目をしたその子の見てエースは仕方がなくボールから手を放した。

「自己紹介がまだでしたね。ボクはジョカ。・・・・・・ジョカ=デ=トキワグローブ」

「ジョカ=デ=トキワグローブ・・・!?」

 エースはその名前にピンと来るものがあった。
 そう、あの名前と似ていることを。

「(バブルって奴・・・俺の本名を”エース=デ=トキワグローブ”って言ったよな・・・?ま、まさか・・・!?)」

「あなたはボクの兄なんだよ?」

「!!??」

 突然のジョカの告白にエースは驚く。
 いや、驚くというよりも不信感の方が大きい。
 何せ自分をいきなり兄と呼ぶ者が現れたのだから。

「だけど・・・いきなり信じてくれる方が無理だよね。でも・・・もし、よければお兄ちゃんって呼んでいいですか?」

 ほんとに突然だったけど、エースは何故かジョカの言っていることを丸ごと否定できなかった。
 それは、雰囲気というか、表情が、夢に出てきた自分の母親のイエロー=デ=トキワグローブに似ていると感じたためである。
 イエローを一度しか夢で見ていなかったが、それだけで十分だった。

「あ・・・ああ」

 とりあえず、エースはジョカを信じることにした。
 そうしないと先に進まない気がしたから。

「それじゃあお兄ちゃん。これからやらなくちゃならないことがあるんだよ。これから『トキワの力』を使いこなして欲しいんだよ」

「『トキワの力』?」

「うん・・・これから、ボクたちは強い奴と戦わないといけなくなるんだよ。だから、お兄ちゃんの力が必要なんだよ」

「強い奴?」

「うん・・・。今のお兄ちゃんはまったくトキワの力を使いこなしていないんだよ。それを使いこなせれば、ボクよりも数段に強いはずなんだよ!」

 ジョカが力強く話す。
 だけど、エースが考えていたのは別のことだった。

「ジョカ・・・父さんと母さんは?」

「・・・・・・」

 ふと、ジョカは口を噛み締める。

「(聞いてはまずかったか・・・?)」

「母さんはわからない・・・」

「え?」

「行方不明なんだ・・・。ボクが小さい時にいなくなっちゃったんだ・・・」

「(小さい時に・・・?)父さんは?」

 エースにそう聞かれて、ジョカは立ち上がった。

「実は・・・そのために必要なのがこの力なんだよ」

「まさか・・・」

「うん・・・その強い奴に操られているんだよ・・・。父さんは」

「操られている・・・?」

「そう・・・。でも父さんには一瞬の間、洗脳が解ける時があるの・・・」

 それから、ジョカはじっくりとエースに状況を説明した。

「・・・そうか・・・わかった」

 すると、エースはゆっくりと立ち上がった。

「ジョカ・・・。お前の言うとおりにしよう。一緒に父さんを助けだそう」

 ジョカはうれしそうにうんとうなずいた。
 その笑顔は兄に会えてうれしいという気持ちでいっぱいだった。










 42:時空を越えた再開


「はぁはぁはぁ・・・たす・・・助けてーーー!!ヒィーーー!!」

 ダークグリーンの前髪を垂らして、息を切らしながら少年は逃げていた。
 彼が通った道は溝が出来たり木が傷つけられたりと燦々たる状況になっていった。

「うわっ!!」

 やがて少年は石につまづいて転んだ。

「やっと追いついてわよ!!」

「オイドン腹が減ったぜよ。早く始末するぜよ」

「うわっ!!お願い!!パチリス!ルージュラ!」

 逃げられないと悟って少年は慌ててポケモンを繰り出すが、二人の大人はそれぞれケンタロスとフローゼルの攻撃で倒してしまった。

「そ・・・そんな・・・」

「さぁ・・・決めるよ!ハシラ!」

「合点!スティック!」

「(・・・死んだ・・・)」

 少年は攻撃から逃れられず、目を閉じた。

 だが、2人は攻撃をやめさせた。
 予期せぬことが起こったからだ。

「えっ?うわっ!!」

 ドガン!!ドガン!!ドガン!!

「何ぜよ!?」

「上から人が落ちてきたわ!!」

 その数3人。

「あ〜んもう!!イターイ!!私の体が傷物になったらどうするのよー!!」

 1人はセーラー服を着た二十歳前後の女性。

「・・・・・・そんなことはどうでもいい。重い・・・どけ」

 1人は上にのしかかっている女性を除けようとする無愛想な白髪の少年。

「うぅ・・・ここはどこ・・・?」

 もう1人は黄色い髪に帽子のスパッツの少女だった。
 そう、彼女たちはマングウタウンからワープしてきた残りの3人、上からユウコ、ハルキ、ライトだった。
 まさに上からその順番で積み重なっていた。

「ハルキ!ユウコさん!早くどけてよ・・・重い・・・」

「私は重くないわよ!!重いとしたら、ハルキよ!」

「そんな議論に興味はないから、早くどけ!!」

 そんなこんなでライトから降りるユウコとハルキ。

「・・・大変な目に遭ったわ」

「い・・・痛いよ・・・」

「え?誰!?」

 声が聞こえたと思った時、ライトは下にいる感触を初めて感じた。
 ライトは少年の背中に馬乗りになっていたのである。
 慌てて立って、少年の背中から避けてあげた。

「・・・大丈夫?」

「だ・・・大丈夫じゃないです・・・」

 手を差し伸べて、少年はその手を掴んで立ち上がった。
 そして、ライトの顔を見たとき、突如頬を硬直させた。

「あんた・・・名前は?」

「ぼ、ぼ、僕はエレキです」
 
 もじもじしながらエレキは答える。

「エレキ君・・・? 可愛いー♪」

「え!?」

「ユウコ?」

 エレキのその仕草に萌えたか?ぬいぐるみのようにエレキを抱きしめるユウコ。

「パッと冴えなく、もじもじしているところがツボだわー♪」

「・・・ライト。ユウコってこんな性格なのか?」

「多分・・・(汗)」

 その影響でエレキは顔を真っ赤にしてさらに慌てふためく。
 気絶しないところは、ユウコの弟とは違うらしい。(ェ)

「ユウコさん・・・いい加減にエレキを開放してあげたら?とっても辛そうだよ?」

 そう。ぬいぐるみのようにギュッと抱きしめているということは自然と彼の顔を胸に当てているということである。

「えー。可愛いのに・・・。まぁいいわ」

 ユウコが腕を放すと、エレキは顔をまだ真っ赤にしながら、じりじりとユウコから遠ざかった。
 エレキはユウコに危機感を覚えた。

「ところでエレキ・・・。実は私たち探している人がいるんだけど、手伝ってくれない?」

「さ、探している人ですか・・・?い、いいですよ。あっ!で、でも・・・」

「でも何?」

「・・・あ、アレを見てください・・・」

 ライトがエレキの言われた方向を見ると、そこには先ほどからいるマフラーをした女性と竹刀を持った中年太りの男がいた。
 そして、彼らはとっても腹を立てているらしい。

「あたしたちを50行以上も無視するなんていい度胸じゃないの!!行くわよ!ハシラ!」

 てか、何でカウントしてるんだよ。(ぁ)

「合点!スティック!何者か知らないがオイドンたちがお前らを倒すぜよ!!」

 そう言って、ケンタロスとフローゼルが襲い掛かってくる。
 だが、攻撃をカポエラーとゴルダックが受け止めた。

「・・・なんだ?お前らは」

 突然の攻撃にハルキは冷静に受けて、問いかける。

「いきなり攻撃してくるなんて卑怯じゃない!!しかもトレーナーに向かって!!」

 ライトも当然の反応を示す。

「ハァ?何を言っちゃってくれてるの?邪魔者はトレーナーであれポケモンであれ容赦しないのがあたしたちよ!?」

「そうぜよ!そうぜよ!」

「それならやってあげるわよ!!ゴルダック!!『ウォータースラッシュ』!!」

「カポエラー。『回し蹴り』」

 ガギッ!!

 ズドン!!

 攻撃は見事にヒットした。が・・・

「あら・・・この程度なの?」

「正直拍子抜けぜよ」

「「!?」」

 ゴルダックのウォータースラッシュをフローゼルは素手で受け止めて、ケンタロスはカポエラーのキックを角で受け止めていた。
 そして、それぞれゴルダック、カポエラーを吹っ飛ばしてダウンさせた。

「うそでしょ・・・一撃!?」

「くっ・・・」

「ちょっと!!しっかりしてよ!!ハルキ!ライト!」

「う、うぅ・・・」

 ユウコはエレキをまた捕まえて今度は首を絞めている。
 エレキはとても苦しそうだ。
 しかも、ユウコはただ口を出しているだけで、ライトたちに加勢しようとは考えてもいないようだ。

「相手は手ごわいわね・・・」

「意外とまずい展開かもな・・・」

 ライトとハルキは相手の予想外の強さに焦っていた。

「終わりだ!!」

 そして、ケンタロスとカポエラーが襲い掛かった。





「♪『ヒートブラスト』!!」





 ゴォオーーー!!

「なっ!?」

「何ぜよ!?」

 突然の凄まじい業火が巻き起こり、それに巻き込まれたフローゼルとケンタロスが一瞬でダウンしてしまった。

「こ、この声は・・・!?」

 エレキがふとつぶやく。

「誰!?」

「どこぜよ!?」

「♪ここだぜぃ〜」

「!!!!」

 全員が驚いた。
 何せ、ライトたちの目の前にその男がいきなり現れたのだから。
 男は金髪で身長は180くらいあった。
 さらに、何故かエレキギターを弾き鳴らしてやかましかった。
 その頭にはペラップがいた。

「♪まったく〜探したんだぜぃ〜!」

「見つけたでヤンスよ!エレキ!」

「も・・・モトキさん・・・トラン・・・」





「あいつ何者なの・・・?」

「ありえないぜよ!一撃でオイドンたちのポケモンを倒すなんて只者じゃないぜよ!一旦撤退するぜよ!」

 そういってハシラという中年男とスティックという女は逃げていった。

「あ!待ちなさいよ!!」

「待て、ライト」

「ハルキ?」

 追いかけようとするライトの手を掴む。

「あいつらに追いつくのは無理だ。それに、追いついたとしても・・・・・・」

「・・・くっ・・・」

 唇を噛み締めて悔しそうにするライト。
 今までこの日のために強くなろうと修行してきたのに、まったく歯が立たなかったことが肉体的よりも精神的なダメージを負ったようだ。

「それで・・・あんたは何だ?」

 改めて、ハルキが金髪の男に聞く。

「♪俺は〜モトキっ!よろしくな〜!(ジャジャーン)」

「オイラはペラップのトランでヤンス!」

「答えになってない・・・。しかも、ギターがうるさい」

「♪まーまー少しはいいじゃないか〜いいじゃないか〜」

「モトキ・・・少なくてもギターはしまうでヤンス。あの人・・・本気で怒りそうでヤンスよ?」

 トランに宥められて、渋々ギターケースにエレキギターをしまい、背中に背負うモトキ。
 そのギターケースの先端にトランは落ち着いた。

「オイラたちはリーダーに頼まれてエレキを探していたでヤンスよ!なにぶん、物騒になってきてるでヤンスから」

「物騒?・・・どういうこと?さっきのエレキみたいに、理由もなく襲われるってこと!?」

「わ、理由がないわけじゃないと思うけど・・・」

「どういう意味よ?はっきり説明して!!」

「う、うわっ!!」

 グラングランとエレキの胸倉を掴んで揺さぶるライト。
 エレキの頭の上にはすでにヒヨコが飛んでいる。(ぁ)

「♪ところで〜君たちは〜何でこんなところにいるのだぁ〜?」

 そう聞かれて、ハルキとライトは返答に困った。
 何せ違う世界から来たのである。
 でも、正直に話すには相手が信じるかどうか問題である。
 それに、相手はなんだか、マイペースでつかみどころがない性格だったからライトもハルキも困っていた。
 2人が困っていたところ、1人の女性が前に出た。
 先ほどまでずっと黙り込んでいたユウコだ。

「「ユウコ?」」

 前に出たかと思うと、スタスタと歩いていって、モトキの正面に立った。

「あれっ?でヤンス!?」

 トランがユウコを見て驚いている。それはモトキとて同じだった。

「ここにいたのね!!私の白馬の王子様!!」

 トスッ

「えっ!?でヤンス!」

「・・・・・・」

「えぇーーーー!?」

「ちょっ!!ユウコさん!?」

 それはそれは突然のことだった。
 ユウコは身を預けるようにモトキに抱きついたのだ。
 そのことには周りにいた全員が唖然としていた。

「お・・・♪俺だって〜・・・捜していたさ」

 ギュッ

「ちょっ!?でヤンス!?」

「・・・っ!?」

「なぁーーー!?」

「うそ・・・」

 そのユウコを抱き寄せるように手を背中に回して抱きしめ返すモトキ。
 まさかまさかの展開に、さらに騒然とした。

「私は、違う世界からあなたに会いたくてここまで来たの!」

「♪そ〜だったのか〜・・・・・・」

「あの時は助けてくれてありがとう・・・・・・できるなら、ずっと私の側にいて・・・」

「♪もちろんさ〜」

「じゃあ、お願い!誓いの口付けを・・・」

「♪ああ〜」

 そのままノリに乗って、唇を近づけさせる二人・・・

「スト―――ップ!!スト―――ップ!!あんたたち!ちょっと止まりなさい!!離れなさい!!」

「そうでヤンス!!いきなりラブシーンに入るじゃないでヤンス!!」

「えー!別にいいじゃない!同意の上だし」「♪え〜!別にいいじゃないか〜読者も望んでいるんだし〜」

「流れ的に悪いでヤンスよ!!」

「見てると腹が立つのよ!!」

「そっちでヤンスか!?」

 どうやらトランが止めたのは進行上の不都合を正してくれようとしてくれたのだが、ライトが止めたのはあくまでいちゃついているのが、見ていてムシャクシャしたかららしい。
 こーゆーことは良くありますよね。(何)

「モトキとユウコが相思相愛なのはわかったから、説明してくれ。ここは一体どこなんだ?そして、さっき襲ってきた奴らはいったい・・・?」

 ハルキが話を元に戻す。

「モトキ・・・ちょっといいでヤンスか?」

「♪なんだ〜? ・・・あっ、ユウコはちょっと聞かないで〜」

「えぇ?隠し事!?夫婦の間に隠し事なんてなしよ♪」

「いつから夫婦になったでヤンスか!?」

 とにもかくにも、モトキとトランは二人で何かを話していた。
 それが終わった時、モトキは言った。

「♪とにかくみんな来てくれ〜」

「え?」

「オイラたちの本部に案内するでヤンス!」

「え、えぇ!?ど、どういうことですか!?モトキさん!?」

 驚きの声を上げたのはエレキ。

「♪とにかく、そこで話をきこ〜ぜ」

 こうして、モトキとトラン、そして、エレキに、ユウコ、ライト、ハルキの三人はついていった。
 ユウコはモトキにずっと引っ付いていたという。










 to be continued










 キャラデータ


 ユウコ(22歳)・・・アイドルを目指す大胆巨乳美女。
            他人の恋愛に関してちょっかいを出すという厄介さ。
            バトルの腕はそれほど強くはない。
            服装はセーラー服やチャイナ服が普段着らしい。
            なお、4つ年下の弟にショウがいる。
            エレキのようなかわいい者が好きらしい。
            けど、運命の人はモトキだとか。
 手持ち・・・キマワリ(♂) マリルリ(♀) エアームド(♂)





 オリジナル技


 モトキ
 『ヒートブラスト』・・・使ったポケモンは不明。恐らく炎ポケモンの技だと思われるが・・・?
             炎のレーザーで相手を焼き尽くす。





 アトガキ


 出演キャラが一気に増える13話。
 四天王との戦いから一転、今度はライトたちの話になりました。
 そこで出会ったのは、短編2に登場したモトキ&トランです。
 短編2を先に読んだ人ならなんとなく想像できると思いますがあの娘も出ます。

 全体的な話で一つ。
 今回まで(10〜13話)は大体これで1日のお話です。
 つまり、これらに起こったことはそれぞれ1日のお話なのです。
 14話以降の話は2日目になります。
 今のところ場面はカレンサイド、ユウナサイド、ライトサイドがありますが、もうちょっと進むと2場面くらい増えてややこしくなります。
 何せキャラ数が多いもので・・・(−−;
 とりあえず、じっくり見る人にとっては、場面を把握して、どのキャラが活躍する場面なのかな?と見てくれれば、わかると思います。
 やがてその場面は一つになると思うんで。

 とりあえず、次回から2日目になります。よろしくお願いします。

 

[一言感想]

 新登場のモトキな訳ですが、登場していきなりいちゃつくキャラってのも凄いですね(ぇ)。
 短編2で出会っていた2人な訳ですが、再会したことで先行きは安泰のようです。
 なんか機嫌が悪かったライトですが、冒頭にエースも登場したし、再会は近い……のか!?
 そして、新たな敵も登場。
 やはり対決することになるんでしょうか。

 

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