☆前回までのあらすじ〜今話に至るまで〜
ある日、エースが謎の3人組にさらわれた。
その三人組を追いかけるためにライトはトキオに協力してもらい、パラレルワールドへ行く方法を探した。
そんな中多くの仲間がライトに協力してくれることになった。
そして、ライトを含めた10人のメンバーは、パラレルワールドへと飛び立った。
しかし、彼らは無事パラレルワールドに到着したかと思いきや、ばらばらになってしまった。
カレン、サトシ、オトハの3人はひょんなことからカントー四天王と戦うことになってしまった。
苦戦しながらも、入り口で出会ったアースと一緒に進んで行った。
だが、最後のサカキが謎の紳士、カネコウジに倒されて、その男はどこかへ消えてしまった。
その事件で四天王はSGにその男の素性を探る依頼をすると共に、カレンたちは四天王の1人のテレナにSGへ案内してもらうことになった。
ライト、ハルキ、ユウコは到着からネガティブなヘタレ少年、エレキに遭遇した。
しかも、スティックとハシラという謎のトレーナーに襲われていた。
ライトとハルキが応戦するものの返り討ちにされてしまい、ピンチになったところへギターリスト、モトキが現れた。
エースの手がかりを掴むためにも早く状況を察知したいライトは、何故かユウコとラブラブな関係になったモトキの後についていくことになった。
他にも、この1日に不穏な動き、水面下の動き、そして、エースが目を覚ました。
今、新たな一日が始まる。
FOURTEENTH
43:愛しき人
「もう一方の世界ではカスミさんがジムリーダーをしているんですか?」
ハナダシティを散策する二人の少女がいた。
昨日、この町にやってきたカスミとハナダジムにファイアと一緒に住んでいるリーフだ。
カスミはリーフから様々な情報を教えてもらっていた。
以前に、ファイアの母親がハナダシティのジムリーダーをしていたこと。
しかも、そのファイアの母親の名前も同じくカスミだったと言う事。
まずこの二つがカスミに印象に残っていた。
「そうよ。そして、私には3人のお姉さんがいるの。いつも私は隅っこで健気に咲くカスミソウって呼ばれていたわ」
「カスミソウですか・・・」
「サクラ、アヤメ、ボタン・・・お姉ちゃんたちの名前はとても華がある名前なのに、私の名前はカスミ・・・。何でこんな名前なのかしらね・・・」
「でも・・・」
ため息をつくカスミにリーフが言う。
「でも、カスミソウって、1年中咲いている花ですよね?冬に咲いているのを見かけたことがあります」
「ええ。知っているわ」
「だから、『カスミ』という名前には、いつでも強く咲いていられるようにという願いが込められているのではないでしょうか?」
「寒さに負けずにか・・・・・・そういう考え方もあるのね」
リーフにそういわれて、カスミは頷いた。
「私もお姉ちゃんがいるんです」
「リーフのお姉さん?」
「そう。私はファイアと一緒に今はここで住んでいますけど、お姉ちゃんはマサラタウンでパパとママの仕事を手伝っているんです」
「お手伝いねぇ・・・」
「でも最近は、いろいろと忙しくてカントーのあちこちを飛び回っていますが・・・」
「飛び回っているって・・・何をしているの?」
「私が聞いてもお姉ちゃんは教えてくれないの・・・なんかとても大きなことらしくて・・・」
「大きなことねぇ・・・あ、それより!!」
急に笑顔になって、カスミは問いかける。
何かを思いついたような顔だ。
「何ですか・・・?」
「ファイアとはどこまで行っているの?」
「どこまで・・・え・・・!?いや・・・そんな・・・」
急に顔を赤くして、もじもじし始めるリーフ。
「そ、それより、カスミさんこそどうなんですか・・・?」
「わ、私は・・・その・・・」
リーフのカウンター(ぁ)
「カスミさんにも相手はいるんですね?どんな人なんです!?」
怯んだ隙に怒涛のラッシュをかける。
さぁ、カスミは凌げるか!?
「いつも無茶をして・・・無鉄砲で・・・ほっとけない人・・・よ・・・」
「それじゃ、一度ぐらいキスしたんですか!?」
「き、キス!?」
そう言われて、カスミはあのときのことを思い出した。
サトシがマヤの魔法によってピカチュウにされてしまった時のことである。
その魔法の解除方法は術をかけられた者が想っている人とキスをすることであった。
その方法、サトシは無事、ピカチュウから元に戻ることが出来た。
しかし、あれ以降、サトシは自分からキスをすることもないし、カスミもうまくことが進まなく、つまり進展がゼロだった。
「したことないんですか?」
「いいえ!あ、あるわよ・・・でも・・・」
「でも?」
「あいつの方から、してもらったことがないのよ。それにあいつは鈍感だし」
サトシの特性『鈍感』。
これは、とても厄介な特性であることには間違いない。
「どんな人か会って見たいですね」
「一緒にこっちに来ているはずだから、そのうち会わせてあげるわよ。それより!リーフとファイアはどうなのよ?」
「え、あ、それは・・・」
こうして、カスミとリーフは一日中、恋話を続けていたという。(ェ)
44:橋5兄弟
ユウナ、マサト、カスミの3人はハナダシティに来ていた。
そこでハナダシティのジムリーダーのファイアとそのガールフレンドのリーフに出会った。
いち早くエースの居場所を知るために情報が欲しい三人はファイアに天才双子のマサミとナナキのいる岬の小屋へ案内してもらうことになった。
その岬の小屋へ行く途中にあるのは、ゴールデンボールブリッジゲートブリッジ。
その由来は材料が『きんのたま』で作られたからとか、もともとは金色の橋でできていたが争い事で焼け落ちて、うまくそれを再現できなかったとか一説があるが、全ては謎である。
その橋では最近、ポケモンバトルを仕掛けてきて、負けた奴は通さないという、橋を占領している連中がいた。
現在、その橋でファイア、ユウナ、マサトが足止めを食らっていた。
”そこの3人!この橋を通りたければ、俺たちを倒すことだな!”
”負けたら通さないわよ!”
”つまり、通さないってことだわいな!”
「誰この人たち?」
「最近、この橋を占領している、橋5兄弟さ。ほんとの兄弟じゃないみたいだけど」
「強いのかしら?」
「まぁ、俺に任せてくれ」
ワンピースとズボンを一緒に履いた女性(ユウナ)とメガネの少年(マサト)を差し置いて、ポケットモンスターファイアレッド、リーフグリーンの主人公の格好をした少年(ファイア)が前に出た。
「俺1人で戦う」
”なんだ!?”
”1人で戦うですって!?”
”舐めるなよ!!”
頭にきて一斉に襲い掛かる5人。
そのポケモンはキャタピー、カイロス、ドガース、ニョロモ、及びヒトカゲだった。
「行くぜ!!ライ!!」
だが、ハサミを持った一匹のポケモンがその5匹を一蹴。
瞬く間に倒してしまった。
「あっという間だったわね」
「ファイアさん・・・水系のポケモンだけを使うんじゃないんだ・・・」
ユウナの言うとおり、あっという間だった。
そして、何が起こったかわからないようで、トレーナーたちは目をパチクリさせていた。
「ああ。ジム戦では水系しか使わないけど、それ以外のときは今まで育て上げたポケモンたちで戦っているんだ」
マサトの問いに答えながら、ファイアはボールに戻した。
「あなたのグライオン・・・なかなか育てられているわね」
「どうも。さぁ、先に進もうか!」
ファイアが先導して先に進んでいった。
45:岬の小屋
「こんにちはー!」
小屋に辿り着いて、ファイアがドアを開けるけど、返事は返って来ず、誰もいなかった。
「あれ?おかしいなぁ・・・。どこに行ったんだろう?マサミ!ナナキ!」
彼らの名前を呼ぶが、返事が返ってくることはなかった。
小屋は何かの資料とかフロッピーとかディスクとかが散乱していた。
また、机の上には片付けないで置きっぱなしになっている皿やマグカップなど。
そして、パソコンが数台設置されていた。
「もしかして、ハナダシティに行ったんじゃないの?」
「いいや、二人がハナダシティに顔を出す日は定期的に決まっているんだ。だから、いつもは二人揃ってここにいるはずだけど・・・」
「いないわね」
ユウナが渋い顔をして小屋の中を見ていた。
散らかっていると思いつつ辺りを見回すと、見慣れない大きい機械が置いてあることに気付いた。
あまりの大きさに最初は何なのか気がつかなかった。
「この機械って何かしら?」
ユウナは慎重にその装置を触りながら言った。
「その機械はカントーのポケモンの転送システムさ。マサミとナナキはその管理を任されているんだ」
「そんな大事な仕事をあなたと同じくらいの年の子がやっているわけ?」
「俺と違って2人はとっても頭がいいのさ。何せタマムシ大学で2人揃ってトップの成績を持っているくらいの頭脳だからね。それに家系のせいでもあるだろうな」
「家系?」
「ああ。2人の父親はこのポケモン転送システムの発明者。母親はあのオーキド博士の孫なんだ」
「オーキド博士の孫ねぇ・・・」
ユウナはその馬鹿でかい転送システムをまじまじと見ていた。
「家系なら、僕もパパがジムリーダーなんだよ!だから、僕もジムリーダーになるんだ!!」
ずっと2人の話を聞いていたマサトがふとそう言った。
マサトの言葉を聞いて、ユウナはファイアが少し暗い顔をしたような気がした。
「あっ!もしかしたら、小屋の外で何かやっているのかもしれない・・・!外に出て探してくるよ!」
マサトは外へと飛び出して行った。
そうして残ったのはファイアとユウナだけになった。
「そうか。マサトも父さんがジムリーダーか・・・」
「(・・・マサト”も”・・・?)まさかと思うけど、昨日リーフが言っていた13年前にある事件で亡くなった人って・・・」
頭の回転が速いユウナは気付いた。
13年前の事件とファイアの父親は関係があるのではないかと。
なぜなら、今とユウナが13年前の事件を追求しようとした時とファイアが同じ表情をしていたからだ。
「・・・・・・」
しかし、ユウナはそれを聞いてしまったと思った。
あまりにもファイアが険しい顔をしていたからだ。
でも、ファイアは答えた。
「ああ。俺の父さんは13年前の事件で亡くなったんだ」
「・・・・・・」
「とっても強いジムリーダーだった。その強さはどのトレーナーよりも強く、そして、カントーの3強って呼ばれたほどの実力者だったんだ」
「カントーの3強?」
ファイアは頷く。
「俺はその強さを意識した時に父さんはいなくなった。そして、父さんを超えたいと思った。でも、今となっては比べることはできないんだ・・・」
「亡くなった人を超えること・・・。確かにそれは難しいことね・・・・・・」
ファイアのその気持ちはオトハのヒロトを想う気持ちと似ているようだがそれは違う。
オトハがヒカリの存在を超えるのも対象がいない限りできないことだが、愛や情熱は変わることもあり、何かに変えることもできる。
しかし、以前に過去の物として存在した強さを越えることというのは対象が居ない限り比べることは出来ない。
強さはその人物のものであり、愛や情熱とはまた別のものである。
そうユウナは考えていた。
「あなたは父さんを超えたいの?」
「そうだ!俺は超えたい・・・!」
力強くファイアは答える。
「それならば、キチンと前を見て進むことね」
「え?」
「あなたのお父さんがどれほどの強さを持っていたか、あなたにどれほどの影響力を持っていたかなんて私にはわからない。だけど、あなたが自分のお父さんを気にしているうちは超えられないと私は思う」
「気にしているうちは超えられない・・・?」
「別に気にしないで・・・。私の持論だから」
すると、ユウナは小屋のドアに手を伸ばし開けて外へ出て行った。
「どこ行くんだ!?」
「ナナキとマサミを探すに決まっているでしょう。恐らく二人はこの近くに居るはずよ」
「何でそんなことがわかるんだ?」
「ここにさっきまで誰かがいたという証拠を見つけたのよ」
「何それは?」
「その1:この小屋が開いていたこと。普通外出する時は鍵を閉めるものでしょ?あなた、普通にこのドアを開けることできたでしょ?」
「あ・・・そういえば・・・」
「その2:パソコンの1台がまだ熱を帯びていたこと。これはパソコンが今まで使われていた証拠ね。それに他の一台も付けっぱなしだったし」
「言われてみれば、スクリーンセーバーになっていたかも・・・」
「その3:小屋の中にあったマグカップの中のコーヒーが完全に冷めていなかった。少なくても、30分くらい前にはこの部屋に居たことになるでしょ?」
「なるほど・・・。それなら、早く見つけよう!」
「ファイアはあっち、私はこっちを探すわ」
「OK!!」
そして、二手に分かれて森の中へ探しに行った。
「アル!ここか!?岬の小屋って言うのはよー!」
「そうだ」
ユウナとファイアが森の中へ入ってすぐに謎の美少年のアルと他2名が小屋に近づいていた。
そして、3人は鳥ポケモンから降りて小屋のドアに手をかけた。
「ここはラムちゃんに任せてーな!」
自分のことをラムちゃんを呼ぶ女は、どこかさばさばとした女性だった。
そして、小屋の中に入っていった。
「ガン・・・見張りを任せた」
「ああ。しっかりやれよ!」
ガンという大男に見張りを任せて、アルもその小屋の中へと入っていった。
だが、その時、もう1人の人物が小屋に近づいていた。
「あ!?もしかしてあなたがナナキさんですか!?」
メガネをかけた少年・・・マサトである。
結局、辺りを探しても2人は見つからなく、仕方がなく戻ってきたようである。
「・・・誰だお前?」
「僕はマサトです!小屋を探してどこにもいなかったから森の中を探したんですよ!よかった・・・」
「そうか・・・。それで何のようだ?」
ガンは自分の正体を隠して、マサトが何者かを探った。
「実は、僕たち情報を知りたいんです!」
「情報?そんなの知らない!帰れ!」
「えー!?そんな・・・・・・折角、エースさんの情報が手に入ると思ったのに・・・」
「(エース!?)」
心の中でガンは驚いた。
「(コイツ・・・エースを探しているのか?あのイエローの息子のエースを・・・?コイツはいったい何者だ?)」
「みんなは中にいるんですか?」
「(みんな・・・?こいつに仲間が居るのか?・・・でも、小屋の中にはいなかった筈・・・。どちらにしても、コイツを逃がすわけには行かない・・・)」
チャキ・・・
「え・・・?」
ガンが武器を構えていた。
それは、一般的に銃と呼べるような代物だった。
「『エレクトリックリボルバー』!!」
ズドンッ!! バリバリバリッ!!!!
「うわぁーーーー!!!!」
その攻撃を直撃してマサトは吹っ飛んだ。
そして、森の茂みの中に埋もれた。
「・・・・・・なんだ・・・この程度の不意打ちもかわせない奴か・・・」
「い、一体何をするんだ!!」
茂みからよろよろと出てくるマサト。
威勢よくガンに意見をする。
「俺の名前はガン。決してナナキという奴じゃねえぜ」
「ガン?何者だよ!?」
「お前こそ一体何者だ?なぜエースのことを知っている?」
「え・・・!?お前・・・エースのことを知っているの!?」
「知っていたらなんだって言うんだ?」
「知っていることを全て教えてもらうよ!」
そうして、マサトはグラエナを繰り出した。
「やるのか?まあいい。相手してやる!エネルギーも切れたことだしな」
「(エネルギー!?)」
そういって、ガンはパチリスを繰り出した。
「何をするかわからないけど、行けっ!グラエナ!!」
「パチリス!いつもの頼むぜ!!」
すると、電撃と衝撃が巻き起こったのだった。
46:親と子が同じ目に遭うというパターンはよくあること。
森へナナキとマサミを探しに行ったユウナだったが、なかなか二人は見つからなかった。
「参ったわね・・・。T☆NAの機能が完璧に使えればこのくらいの人捜しは朝飯前なのに・・・」
そうユウナはヤレヤレとぼやく。
「それにしても、コーヒーを冷ますほど小屋を出る何かがあったってことかしら?」
ユウナはよくコーヒーを飲む。
いつもショップ・GIAでパソコンを打ち込んでいるときに飲んだり、休憩したり飲んだりと結構コーヒー愛好者である。
そんなユウナは、冷めたコーヒーが大嫌いで、必ず冷ます前に飲み干していた。
だから、コーヒーを置いといて外に出るということは彼女にとっては考えられないことだった。
そこから、コーヒーを放って置くほどの大変な事態があったのではないかと推測していた。
もちろんこれはユウナの主観であり、ナナキとマサミが温かいコーヒーを好いていたということにはならない。
ちなみに、ユウナは苦いブラックコーヒーがとても大好きである。
「もしそうだと仮定すると急いだ方がいいかもしれないわね」
走り出してナナキとマサミを探し始めるが、野性のポケモンが次々と襲い掛かってくる。
そのたびにブラりん(ブラッキー)を繰り出してなぎ倒して進んで行った。
そんなときだった。
「だれか助けてくれ――――っ!!」
誰かの助けを呼ぶ声が聞こえてきた。
ユウナは急いでその声の方へと向かう。
でも、そこに人の姿はなく、ポケモンが何かに群がっている姿があった。
「オニドリルがいっぱいね・・・」
すると、オニドリルたちはユウナが現れたことに気付いて、一斉に襲い掛かってきた。
ドリルくちばしの応酬である。
だが、そこら辺の野生のポケモンの攻撃をいなすことなどユウナに何の造作もないことだった。
「スズりん」
周りに水しぶきを立てたと思うと、オニドリルを森の奥へ押し飛ばしてしまった。
でも、それは襲われた者には攻撃が行かないようにコントロールされていた。
「・・・・・・ポケモン?」
ユウナが呆気にとられたのも無理はない。
顔が人間、そして体がコラッタだったからである。
「た、助かったー・・・ありがとう、おねえさん」
「コラッタが喋ってる!?」
すると、ユウナはモンスターボールを構えた。
「へ?」
「貴重なポケモンね・・・これはゲットした方がいいかも」
「ちょっと待って!!待ってください!!捕まえないで―――!」
そのコラッタは捕まることを恐れて、急いで茂みの中に隠れようとする。
「あ!待ちなさい!・・・でも、ここの世界のポケモンを捕まえてあっちで育てて影響はないかしら・・・」
「僕はポケモンじゃないよ!!小屋の岬のナナキだよ!!・・・ってちょっと!聞いてます!?」
ユウナは自分をナナキと呼ぶコラッタの話を聞いていない。
まだ捕まえるかどうか悩んでいるようだ。
「とにかく捕まえることにしよう」
「え!?」
「スズりん!『水鉄砲』!!」
「ギャァ――――――ッ!!!!」
ナナキの無残な悲鳴が響き渡ったのだった。
「今の声は・・・?」
反対の方向を探していたファイアの耳にもナナキの悲鳴は届いていた。
「こっちか・・・」
ガサガサ・・・
しかし、そんなファイアの前に野生のポケモンたちが襲い掛かる。
クサイハナ、ウツドン、モンジャラといった草系ポケモンたちのだった。
モンジャラやウツドンのツルの鞭、クサイハナの花びらの舞いが襲い掛かる。
ファイアは右へ左へと俊敏にかわして、至近距離からシャワーズを繰り出して、一気になぎ倒した。
ガサガサ・・・
「(後ろにも!?)」
木のざわめきを聞いて振り向くとピジョンの群れが電光石火で襲い掛かってきた。
しかし、振り向いた時にはもうすでに迎撃の準備は出来ていた。
「『水鉄砲』!!」
彼のシャワーズも同じ方向を見て、ピジョンを押し返してしまった。
「よし・・・居なくなったか?」
ガサガサ・・・
「(また!?)」
ファイアとシャワーズは警戒して、大きな茂みを注視した。
しかし、その中から出てきたのは1人の女の子だった。
「プハッ!!いやー、もう散々やわ。ポッポに追いかけられるし、ウツドンに葉っぱカッターで攻撃されるし・・・。ウチ、なんか悪いことしたかぁ?」
白衣を着て、コガネ弁を話し、三つ編みをした真面目な子に見えるけど、どこかお茶目っぽい女の子だった。
また、彼女の両手には大きな紙袋が抱えられていて、中からパンやら野菜やらが顔を覗かせていた。
「マサミ!?」
「あ!ファイアはんやない!一体こんなところでどないしたん?」
頭についた葉っぱを頭を振って落としながらマサミは尋ねる。
「マサミこそ何をやってんだよ!今日は小屋に居るんじゃなかったのか!?」
「ちょいと、食料が足りなくなってしもうたから、買出しに行ってたんや」
「・・・ナナキは一緒じゃないのか?」
「ナナキなら小屋で留守番してるはずやで?居なかったん?」
「誰も居なかったぜ」
「そらおかしいわ。ナナキは一体何をやってるんやろ?・・・まぁとりあえず、小屋に行くでー!」
「そうだな」
すると、マサミはファイアに自分の持っていた荷物を押し付けた。
「ちょっ!?マサミ!?」
「少し位運んでくれてもいいやろ?」
「・・・・・・」
渋々とファイアは荷物を持つしかなかった。
「ハナダシティのジムリーダーはんがウチにくるくらいやから何かあったんやろ?」
「ちょっとな」
そして、ファイアとマサミは事の経緯を話しながら小屋へと向かって行った。
「いやーほんとに助かりました!ここ、あまり人が来ないからどうしようと思っていたんです」
ナナキはどこからか取り出したのか、ハンカチで汗を拭っていた。
マサミがコガネ弁で話すのに対して、ナナキは標準語で話していた。
「それにしても何でポケモンと合体しちゃったわけ?」
「それが・・・ポケモン転送システムを整備していたら、間違ってスイッチが入ってしまってそれから出られなくなって・・・」
「あなた・・・ドジね」
「うっ・・・」
ユウナの一言にグサリとクリティカルヒット。
ナナキは怯んだ。(ぁ)
「とりあえず、小屋に向かえばいいのね?」
「はい。何せ、1人じゃ元に戻れないので・・・」
どうやら、コラッタがナナキだということをユウナにわかってもらったらしい。
ちなみに、ナナキの話を要約すると以下のようになる。
食料が足りなくなってしまい、ナナキに留守番を頼んでマサミがハナダシティへ買い物へ行った。
それまで、順調にナナキは仕事をこなしてコーヒーを飲んで休憩をしようとしていた。
しかし、転送システムのことでちょっと気になることがあり、休憩を中断して整備しようとした。
だが、誤ってスイッチが入ってしまい、どういうわけかコラッタと合体してしまったという。
「ええと、このあたりよね?」
「あ!ユウナ!」
小屋のすぐ近くまで来たとき、ファイアとマサミに鉢合わせした。
相変わらず、ファイアは荷物持ちをさせられている。
「ファイア!?・・・もしかしてそっちの方がマサミ?」
「ああ!さっき会ったんだ」
「って、ナナキ!?あんた何やってんねん!!」
「マサミ・・・!」
姉に見つかってバツが悪い顔をするナナキ。
言い忘れたけど、マサミが姉でナナキが弟です。双子だからあまりその差はないと思うけど。
「ナナキ・・・何でコラッタになってるんだ?」
「整備中に誤作動を起こしてこうなったんだって」
「仕方がない子やなぁ」
苦笑いをしながらマサミはウサギを掴む要領でナナキを摘み上げる。(ェ)
「さぁ、行くで!ナナキを元に戻さな!」
ズドーンッ!!
そんなときだった。
爆発が起こったのは。
「なんだ!?」
「小屋のほうみたいね」
「小屋で爆発!?」
「まさか!!」
慌てて3人と1匹は森を出ようとした。
「ちょっ!待ってくれよ!!」
ファイアは荷物を持っていたために走れなかった。
先にユウナとマサミが爆心地に行くと、そこには倒れたグラエナ、ヤルキモノ、ギャロップの姿があった。
そのトレーナーのマサトは息を切らして、ジュプトルを繰り出していた。
「マサト!!」
「ユウナさん!」
「よそ見してていいのか?『エレクトリックリボルバー』!!」
ズドン!ズドン!ズトン!
ガンの銃から発射される攻撃がジュプトルとマサトを襲う。
凄まじい攻撃の嵐にマサトとジュプトルは防戦一方だった。
ドガンッ!!
「うわぁーーー!!」
やがてその攻撃は直撃してしまった。
「マサト!」
ユウナが駆け寄る。
「ようやく仲間が登場か?だが、手助けなんてさせねえぞ!」
すると、ガンが標的をユウナに代えて攻撃を繰り出してきた。
リボルバーからの3連射だ。
「っ!!コイりん!『デルタウォール』!!」
即座に繰り出したレアコイルの三つの三角形の防御壁で攻撃を防ごうとする。
「そんなもので防げると思っているのか!?」
「!?」
壁は一撃で粉砕された。だが、攻撃は何とか防ぎきった。
「ちっ!」
「(まさか!?ケンタロスのギガインパクトを防ぐこの壁をあっさり破壊するなんて!?)」
攻撃の威力にユウナは驚いていた。
しかし、ガンの表情を見る限り、コイりんの防御壁を貫通できなかったことが癪に障ったらしい。
そして、何とかマサトの元に辿り着いた。
「マサト!?大丈夫?」
「う、うん・・・。僕はケガをしてないけど・・・ポケモンたちが・・・」
マサトのポケモンはすでに4匹が戦闘不能になっていた。
「さすがにパチリス一匹じゃあいつを倒せないか・・・」
そう言って、ガンは新たなポケモンを繰り出そうとする。
「あんた!一体何もんや!!」
マサミが威勢よく右手で指を差して聞く。
ちなみに左手はコラッタ(ナナキ)を摘んでいます。
「コガネ弁・・・お前が天才双子の1人のマサミか・・・」
「そうや!だったらなんや!」
「実は、ポケモン転送システムの使用及び、ちょっとした情報をもらいにここに来た次第だ」
「ポケモン転送システムの使用やて!?上のほうで大騒ぎになるんや!そんなこと絶対許さへん!!」
「そう言うと思って、もう使わせてもらってるぜ」
「な、なんやて!?」
「俺の仲間がもうすでに小屋を調べているぜ」
ガンは親指を立ててクイックイッと小屋を指してした。
「はーやっと追いついた・・・」
そこでやっと追いついたのはファイアだ。
「・・・ガン!?何であんたがここにいるんだ!?」
マサトと戦っていた相手を見てファイアは叫んだ。どうやらファイアは相手のことを知っているようだった。
「お前はファイア!?」
それはガンも同じらしい。
「ファイア!?あいつの知り合いか!?」
「ああ・・・知り合いといえば知り合いだが・・・。ガン!何の用だよ!!」
「何の用とは随分な言いようじゃないか!もちろん、岬の小屋にある情報に用があるからここに来たんだよ!」
「一体何のために!?」
「そんなのこれからの未来のためだ!より良いまちづくりのために決まっているだろ!」
「まちづくり!?だからって、こんなことしていいと思っているのか!?」
「当たり前だ。これはボスの命令なんだからな!」
「っ!?なんだって!?」
「だから、誰が邪魔をしようと、容赦はしない!!例え、ファイア・・・お前だろうとな!!」
ガンは容赦なくファイアに銃を向けた。
「お前の相手はこの僕だ!!ラルトス!!『サイコキネシス』!!」
「!!」
強力な風が巻き起こり、ガンを襲った。
「ちっ!なかなか強力な攻撃じゃねえか・・・」
風で吹き飛ばされて、近くの木に撃ちつけられても、大男のガンは立ち上がった。
「だが、次はそうは行かない!」
そういうと、かなめ石によって封じ込められたといわれるミカルゲを繰り出した。
「(まずい・・・ラルトスじゃ不利だ!!)」
「片付けてやる!『シャドーボール』!!」
バシャッ!バリバリッ!
「なっ!?」
「コンピュータの情報を覗くことはプライバシーの侵害よ?あなたのしようとしている事はれっきとした犯罪よ?」
「ガン・・・3対1だ!この状況で勝てると思っているのか?」
マサトに攻撃を加える直前に、ファイアがシャワーズの水鉄砲でミカルゲを濡らし、ユウナが10万ボルトでミカルゲを討ったのだ。
「ファイアさん・・・ユウナさん・・・」
「ちっ!それならコイツで・・・」
「そこまでだ。ガン」
「そうよ!ガン!任務は果たしたわ!」
「ラム!?アル!?」
新たにポケモンを繰り出そうとしたところで、小屋から二人が出てきた。
「な・・・まさか・・・!?」
ファイアはその二人を見て愕然とした。
「ファイア?どないしたん!?あの二人も知ってるん!?」
「女の子の方は知らないけど、左の男の方は知っている・・・。あいつはアルだ」
「アル?」
ファイアはじっとアルを睨んだ。
「何で・・・何でお前ら、こんなことをするんだ!?」
アルとラムに向かって叫ぶファイア。
その二人は2枚のディスクをそれぞれ持っていた。
「ガンが言わなかったか?全ては世界平和のためだ。その為にはどんな犠牲もいとわない」
聡明で美しい顔つきのアルは無表情でファイアに言った。
「ここにもう用はない。引き上げるぞ」
アルが飛行ポケモンのピジョットを繰り出した。
そのピジョットは並のピジョットよりも一回り大きく、アル、ラム、ガンが三人乗ってもビクともしないサイズだった。
そして、飛び上がった。
「逃がさないぞ!!ラルトス!!『10万ボルト』!!」
「コイりん!『ロックオン』!『電磁砲』!!」
「シャワ!『冷凍ビーム』!!」
それぞれの攻撃がピジョットに向かって行った。
だが、コイりんとラルトスの電気攻撃はさらに上に伸びて引き寄せられて命中しなかった。
「ファイア!コイツは今度会うときのための餞別だ!」
ガンが下を向いて、先ほどの銃を構えて放つ。
強力な攻撃が冷凍ビームを押しのけてシャワーズに命中。
耐久力があるはずのシャワーズを一撃で倒してしまった。
「くっ・・・」
「そんな・・・」
「(電撃を封じたのは『避雷針』ね)」
ユウナは飛行ポケモンを繰り出そうとした。
「ファイア!何でカイリューを出して追いかけないんや!?」
マサミがファイアにそういう。
「(ファイアさん・・・カイリューなんて持っているんだ・・・)」
「無理だ。・・・アルのピジョットのスピードには追いつけない。それに追いつけたとしても、アルに勝てるかどうかわからない・・・」
「そ・・・そんなに強いの?あのアルって人・・・」
ナナキが少し震えた声で言う。
「いや、アルだけじゃない。ガンって奴も1対1で戦ったら勝てるかどうか五分五分なんだ。それにもう1人あのラムって言う女も同等の実力だと考えてもいい・・・。つまり、追っていったところで勝てるという保障はないんだ」
3人が逃げていった方向を眺めながらそういうファイア。
「ごめん・・・マサミ、ナナキ・・・。データを守れなくて・・・」
頭を下げてファイアは謝った。
真剣に謝る姿を見てマサミとナナキは戸惑った。
「そのデータのことなんだけど、一体何のデータを盗んでいったのかしら?」
「あ、そういえば!」
「それを調べるのが先決じゃないかしら?」
「そうやな・・・。ナナキも元に戻さなきゃあかんし。元はといえば、あんたがへましなければこんなことにはならなかったんやで!」
「うぅ・・・」
「違うよ!ナナキさんのせいじゃないよ!」
「マサト?」
ナナキを庇うのはマサトだった。
「僕があいつらよりも強かったら・・・勝てたらこんなことになんてならなかったんだ・・・」
拳をギュッと握り締めて俯くマサト。
ラルトスはそんなマサトを励ましていた。
「とりあえず、データを調べましょう。話はそれからよ!」
ユウナがそういうと、全員が小屋の中に入っていった。
to be continued
キャラデータ
カスミ(16歳)・・・自称世界の美少女。または水系ポケモンマスター。
ハナダシティのジムリーダーでもある。
サトシのことが好きなんだけど・・・・・・。
手持ち・・・ニョロトノ(♂) コダック(♂) ヒトデマン サニーゴ(♀)など
リーフ(17歳)・・・ファイアの一つ下のガールフレンド。
感性が鋭く、行儀のいい少女で出てくるキャラの中では1,2を争うくらい大人しく、品があるんじゃないかな?
でも姉にアクアにコンプレックスを抱えることが少々。
手持ち・・・フシギバナ(♂)など
オリジナル技
ユウナ
『デルタウォール』・・・レアコイルの技。トライアタックの応用でそれぞれのコイルが電磁防御を展開する。
その形が三角形になることからつけられた名前らしい。
強度はケンタロスのギガインパクトを、ケッキングの気合パンチを防ぐほど硬いらしい。
ガン
『エレクトリックリボルバー』・・・ガンの常時技。自らが持っているパチリスの電気エネルギーを装填する事により打ち出す技。
威力は、ユウナのレアコイルのデルタウォールを破壊するほど。
アトガキ
2日目突入です。
今回の話は思いっきりユウナ&ファイアサイドです。
書いていて思ったのは、これはファイア×ユウナフラグか?と(ぁ)
別にそんな意識はないんですけどね。何故かこれからいくつかあるですよ。ECメンバー×WWSメンバーのフラグが(苦笑)
CPは決めているのもあるし、変更するのもあるし、だから、これをきっかけに作られるのもあるかもしれません。
まーとりあえず、ナナキ&マサミの両親は読者の読みどおりだと思います。ハイ。
[一言感想]
マサキとナナミ……うん、それしか考えられん(ぇ)。
確かに天才が生まれそうではありますね(笑)。
前回登場した敵らしきキャラクターが、ついに襲来しました。
やはり、こちらの世界の敵は手ごわいようです。
前作で大きく成長していたマサトでも押されていた様子……更なるレベルアップが必要ということでしょうか。