☆前回のあらすじ
いよいよ、SGとTCの最終決戦が始まろうとしていた。
「ずいぶん簡単なあらすじだな(汗)」←ヒロト
TWENTY FIRST
65:大合流……と言ってもスマブラの『亜空の使者』みたいな大げさなものではありません(ェ)
リザードン、フライゴン、カイリューの三匹が太陽を追いかけていた。
しかし、どんなスピードで飛んでも、太陽に追いつくことはない。
何故なら、太陽は沈み行くものだから。
それに、太陽を追いかけるといえども、彼らの目的は太陽ではない。
「そこか?」
「そこよ」
ヒロトの指摘にアクアが頷き、彼らはSGの入り口の手前で降り立った。
丁度、そのSGの入り口のところには、3人の見張りがいた。
ヒロト、リュウヤ、アクア、エアーは見張りに気付かれないように草むらや木の陰に上手く身を隠した。
「これからどうするアルか?」
「慎重に行くべきか……。それとも強行突破するべきか……」
ヒロトは腕を組んで悩む。
「3人なら、強行突破で援軍を呼ばせないように片付けるのが手っ取り早いが……」
リュウヤはすでにモンスターボールを構えている。
「駄目よ。失敗した時のリスクが大きいわ。1人でも逃がしたらすぐに援軍を呼ばれるわよ」
アクアが飛び出さんとするリュウヤを引き止めた。
リュウヤの強攻策とアクアの慎重策の2つが出たが、結局の所、決めかねていた。
その時のことだった。
「……アクアたん。その光は何アルか?」
「え?」
エアーに指摘されて、アクアは自分のサイドバッグを見た。
「本当だ……。一体何かしら!?」
慌てて中を見てみると、本が輝いていた。
「アクアさん、それは?」
「これは、ハナから預かったものだけど……」
「何の本なんだ?」
アクアに手渡されてヒロトは内容が気になり、本をめくった。
すると、本の中から、何かが飛び出した。
「アル!?」
「え!?」
「……!?」
4人が驚いて空を見る。
しかし、一番驚いていたのはヒロトだった。
何故なら、その”もの”がヒロトに向かって降って来たからだ。
「ちょっと!!待てーー!!」
ズドンッ!!
ズドンッ!!
ズドンッ!!
ズドンッ!!
計四回、ヒロトの上へと降ってきた。
「ここはどこ?」
「や、やったぁ!しゅ、修行はもう終わりだよね?」
「ダーリン!!」
「♪俺はここさぁ〜」
そう。説明するまでもないが、本の中から出てきたのは、虚世界で修行を行っていたライト、エレキ、ユウコ、そしてモトキだった。
「エレキにモトキ!……で、そこの2人は誰?」
最初に口を開いたのは、アクアだった。
そして、ようやく外に出られた開放感を味わったところで、モトキたち以下4人はアクアを見た。
「♪アクア〜!ひっさしぶり!」
「ちょっと、あんた誰よ!モトキとどういう関係!?」
ユウコがアクアにいちゃもんをつける。
まーまーと、モトキはユウコを宥める。
「え……エアーちゃん?」
「エレキたん!?久しぶりアル!」
いつものように、エアーは能天気な声でエレキに挨拶をした。
エレキの方はと言うと、こちらも相変わらずモジモジとしているが……。
「♪へぇ〜。この子がエアーちゃんか!独創的な子だな〜」
「モ〜ト〜キ〜」
嫉妬剥き出しの目でモトキを射るユウコ。
「♪わ〜かってるって〜ユウコちゃん♪」
モトキが肩に手を回すと、ユウコもモトキの肩にもたれるようにうっとりとした表情になった。
この二人は相変わらずラブラブなご様子。
「で、一体これはどうなってるの?状況を説明してくれませんか?」
みんなが再会やら、なにやらしている中、ライト一人だけは真面目に状況を把握しようと努めていた。
そこで、ライトは一番まともそうなリュウヤに尋ねていた。
「その前に……君はそこから早くどけてあげたらどうだ?」
「え?」
ライトは恐る恐る下を見る。
「……うぅ……」
そう、ヒロトがライトの下敷きになっていた。
慌ててライトは飛び退いた。
あれ?この展開……前にもあったよな?(何)
「ごめんなさい!!……って、ヒロト?」
「いつつ……え?ライト?何で、この世界にいるんだ!?」
「それはこっちのセリフよ!!」
お互い、意外な場所で再会したので驚きの様子。
しかし、お互いの状況を説明するには時間がなかった。
何故なら……
”お前ら!そこで何をやっているんだ!”
”この連中……TCじゃないの!?”
”本当だ!!上に知らせるんだ!!”
門番をしていた3人が、ヒロトたちを見つけてしまった。
「こうなったら、行くしかないだろ?」
リュウヤがモンスターボールを構える。
「そのようだな」
ヒロトも仕方がなくボールを構える。
「♪ここは〜俺とユウコに任せてくれ〜ぃ」
声がしたかと思うと、そこにはエレキギターを鳴らしているモトキがいた。
「大丈夫なのか?」
リュウヤが不安そうに問いかける。
「♪ダイジョ〜ブ。ダイジョ〜ブ。愛に勝るものなんてぇ〜ないから〜!」
「そうか……なら任せた」
「そうだな」
ヒロトとリュウヤたちは、何の躊躇もせず先に進むことにした。
ただ、彼らの実力を知っているからそうしたのではないのだろうけど……。
「♪じゃーユウコ、トラン、後は任せたぜぃ!」
「え!?ダーリンは戦わないの!?」
「♪ダイジョ〜ブ。ダイジョ〜ブ。トランと一緒なら〜勝てるから〜!」
ユウコはふと辺りを見回してから言った。
「そのトランはどこ?」
「♪えぇ?」
ふと、声が裏返るモトキ。
そういえば、ずっとトランの姿がなかった。
”とりあえず、あいつらを捕まえるか……”
”3対2だし……楽勝よね”
”後の連中は、全て幹部級だから大丈夫だしな”
余裕の表情で3人が襲い掛かってきた。
「♪もしかして〜まだ本の中〜!? ……ユウコ〜とりあえず、あいつらをお願い〜」
「わかった!エアームド!!」
ユウコが戦っている間、モトキは本をぶんぶんと叩き落すように振って、トランを出したと言う。
66:大分断……と言ってもスマブラの『亜空の使者』にはそんなタイトルはありません(何)
「なるほど……ライトは”バンダナ”を助けるためにこの世界まで来たということか」
「(よっぽどエースのことを嫌っているのね……。今まで名前で呼んだの聞いたことないし……)」
ヒロト、ライト……その他の4人は門番達をモトキとユウコに任せてSGのアジトを走り続けていた。
「ところで、何をすればいいアルか?」
「そ、そういえば……。ア、アクアさん、どうすればいいんですか……?」
エアーとエレキが走りながら疑問をアクアにぶつける。
「とりあえず、SGのボスである”ヘッド”を倒すの」
「頭さえ倒せば、全て崩せると言うわけか……理には適っているな」
「だけど、簡単にボスのところまで辿り着くにはいかなさそうだな」
ヒロトが足を止めると、他の5人も足を止めた。
「ここから先は通さんぜよ!」
「あたしたちが全員倒してやるわよ!」
目の前に待ち受けていたのは、マフラーをした女性と竹刀を持った中年太りの男だ。
「あ、あの二人は……」
「スティックとハシラ!?」
エレキとライトがそれぞれ言った。
「知っているの?」
「ぼ、僕がライトさんと出会ったときに、僕を襲っていた人たちです……」
「この前の借り……返させてもらうわよ!!」
ライトが出ようとしたが、エアーとアクアが出る。
「エレキたん!ここは私が戦うアル!エレキたんを襲う悪者なんて許せないアル!」
「ライトとエレキが歯が立たなかったのなら、私が出るしかないということよ。そういうことだから、先行ってくれる?」
「アクアさん!?」
ヒロトはアクアを引きとめようとしたが、リュウヤがガシッと肩をつかんだ。
「俺たちは先へ行くぞ」
「だけど……」
リュウヤはこっそりと小声で言った。
「この先に、ちょっと気になる奴がいる……。もしかしたら、俺が探している手掛かりかもしれない……」
「…………」
リュウヤはそういうと先へ行ってしまった。
ヒロトは少し考えて、アクアを見た。
「ヒロト!リュウヤ!エレキとライトを連れて速く行きなさい!」
そう言われてしまっては、ヒロトは進むしかなかった。
急いでリュウヤを追っていった。
つられて、ライトとエレキもついて行った。
「さぁ!行くアルよ!」
エアーが繰り出すのはゴウカザル。
アクアは無言でエレキブルを繰り出していた。
さらに10分くらい走った。
「…………」
「うわっ!」
「ど、どうしたんですか?」
「急に止まらないでよ!!」
止まったのは先頭を走っていたリュウヤ。
いきなり止まったことにより、まるで車の玉突き事故みたいにズドンズドンとリュウヤにぶつかってはこける。
3人よりリュウヤのほうが幾分かがたいが良かったために、3人とも跳ね飛ばされる感じだったが。
「……3人とも、先に行け」
「「「え?」」」
「いいから行け」
「…………。わかった」
ヒロトが頷いて、ライトとエレキをつれて先へ進んだ。
ライトとエレキは不思議そうにリュウヤを一瞥してから、先へと進んで行った。
「いるんだろ?出て来いよ」
リュウヤが言うと、物陰から男が出てきた。
マフラーを口元に巻き、スーツを着た優男のような奴だった。
「”リュウヤ=フィラデム”……よくここまで来た。呆れるほどの執念だよ」
「確か……お前はアウトって言ったな。アマ婆ぁから聞いている。何でお前がこんなところに?まさか、ザンクスと同様にこの世界の者に手を貸して世界を滅ぼそうというんじゃ……」
「はぁ?そんなめんどくさいことはしないよ。と言っても、私がしているのはもっとめんどくさい事なんだけど」
「一体何を……?」
「とりあえず、君には消えてもらうよ。こいつによってね」
指を鳴らすと、一人の少年が姿を現した。
「さぁ、タクス……やれ」
指示を出すと、アウトは姿を消してしまった。
「うぅ……」
タクスは頭を抑えて、何かに耐えているようだが、やがて目の色を変えて全てのポケモンを繰り出した。
伝説のポケモンのエムリットを始めとした5匹だった。
「(操られているな)」
リュウヤも同時に5匹のポケモンを繰り出した。
リザードン、フライゴン、ボーマンダ、ガブリアス、カイリュー……いずれもドラゴンポケモンとしての力を持っているポケモンである。
「こんなところで手間取っている暇はない。みんな頼む。”みんな”を助けるために……」
リュウヤが言うと、雄叫びを上げて、飛び掛っていった。
67:vsストム
「あ、あれ!?ら、ライトさん?ひ、ヒロトさん?」
オドオドと周りを窺いながら1人の少年……エレキがいたはずの仲間を呼びかける。
しかし、いつの間にかエレキは一人になってしまっていた。
「ど、どうして……?み、みんなどこ行ったの……?」
きっと、影もなく引き抜かれたり、迷子になったりしたのでしょう(違)
「ど、どうしよう……」
「来たな……オレ様の獲物……」
「……!」
ズドンッ!!
空気を切り裂くような刃が飛んできて、エレキの地面に当たって爆発した。
吹っ飛んだエレキは、なんとか受身を取って大きなダメージを回避した。
「ひぃー!」
「おっと!オレ様から逃げられると思うなよ!!」
男はかなり服装がラフで威圧感があった。
その傍らにいるのはとても強そうなフローゼル。
先ほどの攻撃はフローゼルの『かまいたち』か『ソニックブーム』かそれらの類の技なのだろう。
「オレ様の名前はストム。大人しくオレ様の手によって掻ッ消えろ!!」
先ほどの攻撃を再び繰り出す。
エレキは叫び声を上げてかわした。
「オラオラ!!どうした?戦わないのか!?」
「ぼ……僕は……」
ズドン!
「うっ……」
腹に一撃が入った。
勢いよく吹っ飛ばされ、壁がめり込むほどの勢いで打ち付けられた。
「……掻ッ消えろ!!」
容赦なくフローゼルがアクアジェットで襲い掛かる。
そのまま当たっていたら、恐らくただではすまなかっただろう。
「…………ワニノコッ!!」
ズドンッ!!
「な……に……!?」
フローゼルの水を纏った突進攻撃を片手で吹っ飛ばしてしまった。
しかも驚くべきはフローゼルより一回りくらい小さいワニノコがそれをやってのけたことだろう。
さらに、それでフローゼルはダウンしてしまった。
「……何をしやがったって言うんだ!?」
よりいっそう目をギラギラさせてストムは豚猿ポケモンのオコリザルを繰り出して、ワニノコを襲わせた。
クロスチョップや空手チョップなどのチョップ系統の攻撃をワニノコに叩き込まんとする。
「……ワニノコ」
だが、それらの攻撃が全く通用しない。
全て受け止められていた。
「(バカな!?体格の差は歴然のはず!それにオレ様のオコリザルの攻撃力は鋼鉄に拳の形を残すくらいの破壊力を持つほどだ!?何で、こんなガキの……しかもワニノコごときに!?)」
ふと、エレキの瞳(め)を見た。
すると、身震いを起こして、少し後ずさりをした。
「(何だその瞳(め)は!?最初にビビッていたときとは、違う瞳をしてやがる……)」
その刹那がストムの命取りだった。
後ろからパチリスが飛び出し、電撃を放出し、オコリザルとストム自身にダメージを与えた。
オコリザルは倒れたが、ストムは体を感電させながらも立っていた。
「(ちっ、『あなをほる』か。だが、奴は何だ?最初の瞳が逃げる草食動物だと例えると、今の奴の瞳は獲物を狩る肉食動物の瞳だ……)けっ!最大パワーで掻ッ消してやる!!!」
ストムはラムパルドを繰り出して、『諸刃の頭突き』と言う強力な技を繰り出していた。
「ワニノコ!!『アクアテール』! パチリス!!『アイアンテール』!」
ワニノコがラムパルドの右サイドへ、パチリスが左サイドを回り込んでそれぞれ叩き込もうとする。
しかし、ラムパルドの大きい尻尾で一掃されてしまった。
「!!」
「ガキが!!オレ様を本気にさせておいてただで済むと思うなよ!!」
怒りのような強烈なオーラがストムから滲み出る。
まるでそれがラムパルドに伝わるように、攻撃力が増していた。
「掻ッ消せ!! ロトム!『ボルテッカー』!!」
「!!」
ラムパルドの他にも、ストムはロトムを繰り出してきた。
ロトムの体が電気の球で包まれエレキに襲い掛かる。
ボルテッカーはピカチュウ系しか使えないワザと言われているが、ストムのロトムも繰り出してきた。
しかも、ロトムは浮遊することができ、空中を自在に動くことができる分、ピカチュウよりも相手に攻撃を当てやすかった。
ズガガッ!!
「!!」
「そうは……させない」
「こいつ……また瞳の色が変わった!?」
今度は先ほどの草食動物の瞳でも、肉食動物の瞳でもなかった。
まるで全てを受け入れるような穏やかな瞳……仏のような瞳だった。
そして、ストムの空中を動き回るボルテッカーをキマワリが受け止めた。
「終わりだっ!!」
接近からの『花びらの舞』をロトムにぶつけた。
ボルテッカーの反動を予想よりも受けていたロトムは耐え切れずダウン。
しかも、後ろにいたラムパルドにさえも攻撃が及んだ。しかし、ダウンには至らなかったが。
「何だお前は……まるで別人が何人も居やがる様だぜ!……2重人格者か!?」
「……違うぜ!”俺”は……”私”であって、”私”は……ぼ、”僕”であって、”僕”は……”俺”だ!!」
「……!?」
「わからないようだな!!それなら、簡単に説明してやる!今の俺が、矛をつかさどるエレキ。全てを見透かしたような瞳をしやがる野郎は盾をつかさどるエレキ。そして、腰抜けヘタレ野郎がマスターであるエレキだ」
「……ケッ」
ストムはツバを吐き捨てた。
「よくよく考えたらどうでもいいことだ!つまり、弥勒一族と似たようなもんだろうが!」
何か違うような……。第一、弥勒一族って(汗)
「ヴォオーイ!捻り潰せ!ラムパルド!!」
何か、どっかの剣豪と化したストム(ぁ)
さておき、もはや常時『諸刃の頭突き』状態の破壊力を秘めているラムパルド。
そこからのパンチや尻尾攻撃は、盾を司るエレキの力でもまともに受け止められる攻撃ではなかった。
「攻撃だ!!」
エテボースを繰り出し、闘争心を剥き出しにしたエレキが前へ出る。
「掻ッ消えろ!!『ストーンダイヴ』!!」
超捨て身の技。
全身が岩のような体を持つラムパルドは攻撃のために接近したエテボースたちを跳んでかわす。
二撃目に全パワーを込めた一撃を叩き込む気だ。
「その間にトレーナーを叩くッ!!」
エテボースをストムに向かわせようとする。
「引っかかったな!」
「なっ!?」
エテボースに電撃が命中し、エレキの元へ返ってきた。
そのストムが繰り出した、一匹とは伝説の鳥ポケモンの一匹、サンダーだった。
「くそッ!?」
「終わりだ!」
「(しまった)!!!!」
エレキが上を見たときにはすでに手遅れだった。
チュドドドドーンッ!!
エレキの頭上からラムパルドが落下した。
そして、その一撃はコンクリートで出来たこの建物の下へずっと貫通していってしまった。
「終わったな。雑魚がッ。オレ様に楯突くからこういう羽目になんだよ」
ストムは貫通した穴から下を見てからニヤリとして、サンダーとラムパルドを戻して下の階へと降りていった。
そこには気絶したエレキの姿があった…………
68:vsアメ&ラナ
丁度エレキがストムと遭遇する1分前のこと。
緑髪の少年は現在一人でいることにようやく気付いた。
「……いつの間に……?」
まぁ、簡単な話、ヒロトは方向音痴で、いつの間にか別な場所を来てしまったという話です。
あれだ。スリバチ山と遠くにある地方にあるとある山を間違える某少女や、ホウエン地方にある一本道で迷子になる腹黒少年と比べたら、まだマシな方であるが。
「誰を引き合いに出してんだよ。 ……とにかく仕方がない。俺は俺でやるか!」
あ、開き直っちゃったか。
「……誰だ!」
ヒロトは前にいた気配を感じ取り、ボールを構えた。
そこには二人の女の子がいた。
詳しく説明すると、片方の青い髪の女の子はつぶらな瞳でゆるくウエーブのかかった髪型をし、格好はスパッツに軽く法衣みたいな物を羽織っていた。
スタイルは上から82,61,79でカップがCで身長はヒロトよりも20cm低い150cm程度だった。
もう1人の女の子も同じくつぶらな瞳だけど、髪の色はオレンジで、耳元からゆるく束ねたていた。
服装はミニスカートで、ロングソックスを履いてすらりと長い足を強調していた。
と言っても、身長が155しかないからあまり長く感じないかもしれないが、足が普通の人よりも長く見えるのは一目瞭然だ。
スタイルは上から88,63,80とEカップで、いずれにしてもスタイルがいいことはヒロトの目から見て取れた。
「何か、異様に詳しすぎないか!?」
ついでに、彼女らはヒロトよりも3歳年上の21歳である。
「侵入者……ね」
「どうしてなの……?どうしてあなたはこんな場所へ来てしまったの?」
「なんだよ。お前らはなんだって言うんだ!?」
「私はラナ。この子はアメ。私たちは双子の姉妹。悲しいわ」
オレンジ色の髪の子、ラナがハンカチで涙を拭いながら、ボールを取る。
中から出てきたのはゴースト。ナイトヘッドでヒロトを狙う。
「ここに侵入する人……アメは許さない」
妹であるアメも好戦的にボールを取り出した。
こちらは水と地面タイプのヌオー。水鉄砲の牽制攻撃だ。
「よっと!」
掛け声をかけながら、タンッタンッと、跳ぶ様にバックステップを踏み、2つの攻撃を回避した。
「バトルなら、受けて立つぜ。ディン!」
アメとラナを一瞥して、ディンとニックネームを付けられたエスパーポケモンであるフーディンを繰り出す。
「『サイケ光線』!」
「『スケーティング』」
ゴーストに攻撃が命中したと思いきや、その攻撃はすり抜けてしまった。
「透明化か!」
その隙に乗じて、ヌオーが『冷凍パンチ』を仕掛けてきた。
しかし、ディンが『リフレクター』を同タイミングで繰り出して、攻撃を防いだ。
「『水鉄砲』です」
「『なりきり』!」
アメの冷凍パンチからの連続攻撃の水鉄砲をまともに受けてしまった。
だが……
「アメ……回復されていますよ」
「……やりますね」
ヌオーの特性『ちょすい』をコピーし、ディンは全くダメージを受けていないどころか、回復していた。
「ディン!『サイコキネシス』!!」
ヌオーに向かって攻撃を放つが、その前に一匹のゴースが現れて攻撃をもろに受けてしまった。
しかし、それは狙ってやったことだとヒロトはすぐに気がついた。
「……まさか!?」
「『道連れ』です」
ラナが新たに繰り出したゴースを身代わりにし、ディンは倒れてしまった。
「隙あり!」
アメのヌオーがパンチでヒロトに襲い掛かる。
何とか、回避をして距離を取ろうと心がけるヒロト。
「力を持つ者は無駄な争いを起こします。それはとても悲しいことなのです……。私はそんな相手の力を奪うことで争いを鎮めます」
「要するに、君は強い奴だろうが、弱い奴だろうが、相手を倒すための戦法と取るってわけか」
「それで無駄な戦いを終えることが出来るなら本望なのです……」
ヌオーのパンチを後ろに下がったところで、水鉄砲が飛んできた。
横っ飛びをしてギリギリでかわしてからヒロトはポケモンを繰り出した。
「ザーフィ!出番だぜ!」
「どんなポケモンのどんな攻撃も無駄です。ゴースト、『スケーティング』」
「それにリザードンなんて、ヌオーの敵じゃありません。『ストーンエッジ』です」
炎攻撃が来ると予想をし、ラナはすでに透明化を指示。
一方のヌオーは炎飛行タイプが苦手とする岩系の攻撃で迎撃に出る。
「『大文字』!!『熱風』!!」
大文字を撃って、ストーンエッジを相殺すると、続いて熱風がアメとラナをも巻き込んで攻撃を与え続ける。
「無駄です」
「そうかな?」
「……?」
「ダメージは与えられなくても、温度変化に耐えられるか?」
「!!」
ラナやアメは熱風の攻撃範囲から抜けていたが、ゴーストは動けなかった。
「君のゴーストは透明化中、動けない。それが解ければこの攻撃で終わりだ」
「その間に、あなたのリザードンを倒せばいいだけです」
アメのヌオーが水鉄砲を繰り出した。
「させない!シオン!」
ザーフィの前に『光の壁』を張って、攻撃をブロックした。
シオンと呼ばれたポケモンは、俊敏な動きでヌオーの背後を取った。
そこで初めて、シオンの姿が2人の目に映った。ライチュウだ。
「いつの間に!?」
ズドンッ!!
拳の一撃でヌオーをダウンさせてしまった。
「やりますね。でも、アメは負けません。ルンバッパ」
「加勢してあげて、ドラピオン」
「シオン!『電撃波』!」
集束した一直線の電撃がルンバッパに命中する。
レーザーのようなその攻撃はルンバッパを一撃でダウンさせた。
「アメのルンバッパが一撃で……?」
「『クロスポイズン』!」
2つの爪が交錯し、ライチュウ……シオンを捕捉する。
ズゴン!!
「効かないぜ」
「!!」
尻尾と両手を使って攻撃を真正面からガードした。
そして、ヒロトの合図で両手でドラピオンの腕を払った。
「『サマーソルト』!!」
バク転をした。しかし、ただのバク転ではない。
バク転の勢いで自分の尻尾をドラピオンにぶつけた。
シオンの尻尾の威力はピカチュウの時から尋常ではなかった。
それはエースのメダクロスを同技で上空へ打っ飛ばした事で証明されている。
まして、現在のシオンの攻撃力はそれ以上と考えて間違いはなかった。
ズドンッ!! ズドンッ!! ズドンッ!! ズドンッ!! ズドンッ!! ズドン!! ズドン! ズドン……
ドラピオンがアメとラナの横を通り抜けて壁を突き抜けていった。
それと同時に、ゴーストの透明化が解けて、ザーフィの攻撃を受けてダウンした。
しかし、そのタイミングで雨が降り出したことにヒロトは気付いた。
「ルンバッパの『雨乞い』がようやく発動した……。アメの本領はここからよ」
マンタインを繰り出すアメ。
瞬時にヒロトの視界からマンタインが消えた。
「!!」
「『ハイドロポンプ』」
バシャーッ!!
ザーフィの背中から攻撃をピンポイントに命中させた。
前のめりに倒れるザーフィ。
「相当なスピードだな」
「最高速度に乗ったこの子に勝てるものはいません」
「スピード勝負なら、こっちだって負けないぜ」
ザーフィを戻して代わりに別のポケモンを繰り出した。
そのポケモンはマンタインの背後を取った。
「残念ですが、アメの勝ちです」
しかし、1秒足らずでそのポケモンの背後に回り込み冷凍ビームを放っていた。
だが、攻撃はすり抜けた。
「……!? 『影分身』ですか!?」
「フライト!そのまま決めろ!!」
アメが気付いた時には、マンタインの上からのしかかるように、フライトというニックネームのフライゴンが攻撃を決めた。
「まだです。『冷凍ビーム』」
だけど、フライトはかわす。
追いかけようとするマンタインだが、翼が麻痺してしまったらしく飛べなかった。
そこで待機していたシオンが電撃波で止めを刺した。
「アメのマンタインのスピードを凌ぐなんて……」
「だけど、悲しいです。それがあなたの命取りになります」
アメとラナが次に繰り出したのはゲンガーとヤドランだった。
「一気に決める!フライト!『ドラゴンクロー』!シオン!『10万ボルト』!!」
「ゲンガー!」
ゲンガーにドラゴンクロー、ヤドランに10万ボルトを指示したのだが、ドラゴンクローはゲンガーに当たった瞬間に消えた。
ゲンガーの身代わりである。
そして、ヤドランを庇うようにゲンガーはシオンの10万ボルトを受けた。
「『道連れ』」
先ほどディンがやられたのと同じ手でシオンも倒されてしまった。
「(ちっ、またか)」
「姉さんありがとう。ヤドラン、『トリックルーム』」
ヤドランの目が光ると、この部屋の空間が歪み始めた。
「くっ、フライト!」
ヒロトは戻そうとボールをかざしたが、ヤドランの冷凍ビームがフライトを捉えて氷漬けにしてしまった。
フライトがボールに戻ったのはそれからだった。
「『スピード勝負なら負けない』のでしたよね?」
ラナが悲しそうな目でそう言った。
ヒロトの今まで出したポケモンといえば、フーディン、リザードン、ライチュウ、フライゴン……いずれも素早さが高いポケモンたちだった。
「つまり貴方の使うポケモンのタイプはスピードだと予測しました。でも、アメのヤドランに勝てません」
「そういうことです」
そういって、ラナが最後のポケモン、ユクシーを繰り出した。
「大人しく投降して下さい」
しかし、ヒロトは表情を変えなかった。
「何を言ってんだよ。バトルっていうものは最後までわからないものだぜ」
「悲しいですね。どうして、無駄だとわかっているのに戦おうとするのでしょう?」
「それはどうかな?」
ガチンッ!!
「ユクシー!?」
一撃必殺……『絶対零度』だった。
「まさか……一撃でユクシーがやられるなんて……」
「そう易々と俺は負けない。レイン!『10万ボルト』!」
ヤドランに向かって、電撃を放つが、この歪んだ空間の中ではヤドランは俊敏に動くことができた。
よって、普段ではありえないくらいにアクロバティックにかわした。
「ごめん、アメ……もう私戦えない……」
「姉さん。大丈夫……。アメ、勝つ」
アメのヤドランとヒロトのレイン(ラプラス)の一騎打ち。
トリックルームの中で戦っていて、ヤドランの方が攻撃の主導権を握っているものの、能力はほぼ互角。
技の撃ち合いでどちらも徐々に体力を削られていった。
「レイン!『10万ボルト』!!」
「ヤドラン、『なまける』」
後一発のところをヒロトは狙って、攻撃を繰り出すが、回避されてしまい、回復を許す形になる。
逆にヤドランのサイコキネシスがレインにヒットする。
レインの体力の方が限界だ。
「終わりです……『アイスブレッド』」
氷柱のような物質をいくつも繰り出し、念力の力でそれを空中に浮遊させる。
そして、氷柱たちをレインとヒロトに向かって飛ばしていった。
「レイン!」
ヒロトは呼びかけるが、攻撃を回避することは出来なかった。
「終わりまし…た?」
ヤドランをボールに戻そうとしたけど、出来なかった。
「……まだ終わっていない……?」
アメの中の直感がそう告げる。
彼女の思ったとおりレインがむくりと起き上がる。
「アレを直撃で耐えたのですか……?」
「『黙想』だ。『瞑想』と効果は似ているが、こっちは体力を回復することも出来る。しかもその間は攻撃をされてもちょっとやそっとでは崩されやしない」
その証拠に、レインは攻撃を受ける前よりも元気だった。
「そして、次の一回の攻撃だけ、威力をアップさせて攻撃することが出来る。レイン!『アイススプレット』!!」
真正面に絶対零度の空間を作って、瞬間的にハイドロポンプを連射する。
威力は先ほどのアメのアイスブレッドと比べると、針と槍ほどの威力の違いがある。
「そんなのよければいいだけの話です」
「出来るか?」
「え!?」
ふと、空間の歪みが戻り始めた。
「まさか!?『トリックルーム』の効力が切れるのを待っていたのですか……?」
俊敏にトリックルームの中で攻撃をかわしていたヤドランだったが、効力が切れてしまったヤドランのスピードではこのレインの必殺技をかわすのは不可能だった。
3つの氷の槍をまともに受けて、ノックアウトした。
「スイクン」
アメが最後に繰り出したのはジョウトの三守護神と呼ばれる一匹のスイクンだ。
速攻で繰り出す攻撃は風起こしだ。
レインの大きい体を吹き飛ばすほどではないが、ヒロトの指令を撹乱させるには十分の強さだ。
飛ばされまいと、レインの足(?)を掴んでいた。
「……最後の最後でまた伝説クラスのポケモンか……。もう一回『黙想』!そして、『10万ボルト』!!」
電力が増幅された電気技をスイクンに向かって放つ。
「かかりましたね?」
スイクンの前には壁のようなものが。
その壁は、増幅されていた10万ボルトをさらに増幅して跳ね返した。
「『ミラーコート』……え!?」
跳ね返した先にはレインがいなかった。
それどころか、ヒロトが宙を舞っていた。
攻撃を放った瞬間に、レインが頭を捻って、空中へ飛ばしてもらい、同時にレインをボールに戻していた。
そして、空中で大きな花を背負ったポケモンが飛び出した。
「悪いが一撃で決めさせてもらう!『ウイップストーム』!!」
自らの『つるのムチ』を総動員して攻撃する技だ。
一見単純に見えるが、一本一本が岩を砕く威力を持っているゆえ、その破壊力は侮れなかった。
そして、スイクンはあえなく一撃で倒れた。
「ご苦労さん。フシギバナ」
そうフシギバナに声をかけて、ヒロトはポケモンを戻した。
ふと、アメとラナを見る。
「また機会が会ったらバトルしようぜ」
「悲しいです……あなたの目的はいったいなんですか?」
「そうです……。一体SGを潰して何の得になるのです?」
アメとラナはヒロトに質問を投げかけるが、ヒロトは答えず別のフロアへと行ってしまった。
to be continued
キャラデータ
タクス(22歳)……とっても気弱な男。”体”のリーダー。
13話の説明では『見た目は貧弱でクラスの中には必ずいそうな不良グループのパシリにされているようなタイプの青年』……と。
ポケモンは内なる強さを秘めている。
SGの存在に疑問を感じているが、アウトに洗脳されてしまっている。
ボイスイメージはアクジェネのムキルと同じだったりして……(ェ)
手持ち……エムリット など
オリジナル技
ストム
『ストーンダイヴ』……ラムパルドの技。石に硬化させた体で飛び込む。硬度は石どころか鉄以上だけど。
ラナ
『スケーティング』……ゴーストの技。早い話が透明化。その間はほぼ無敵だが、まったく動けない上に使用制限があるのが欠点。
アメ
『アイスブレッド』……ヤドランの技。サイコキネシスで氷の弾丸を飛ばす技。
ヒロト
『サマーソルト』……シオン(ライチュウ)の技。ピカチュウの時も使用していた技だが、威力はさらに増している。
『黙想』……レイン(ラプラス)の技。防御と技のチャージを同時に行う技。
ちなみに、WWS67話で指示しようとして指示できなかった技でもある。
『アイススプレット』……レインの技。『絶対零度』中の空間にハイドロポンプを打ち出して一気に氷結させることにより、氷の柱を打ち込む。
以前にどこかで載せているはず……。
『ウイップストーム』……フシギバナの技。つるのムチを総動員する事による隙のない技。
アトガキ
いよいよSGでの決戦が始まりました。
そして、各々の場所で始まるバトル、バトル、バトル……
その中で今回はエレキとヒロトが中心になりました。
特にヒロトが久しぶりだったので楽しめました。
エレキは…………
次回はヒロトたちが戦っている裏側で動き始めるもう一方のグループが登場します(ところでエレキは?)
[一言感想]
ボトボトと落ちてきた修行組(ぇ)と合流し、ヒロト達の戦いが始まりました。
エレキは弥勒一族というよりは、00のティエリアを連想してしまいました……僕は、俺は、私は。
それと、やたら紹介が詳しかった、ラナとアメの姉妹がちょっとお気に入り。
もしかして重要なポジションになるのか……ならないのか?