ネス……エリー……マレン……チロル……
ついにここまで来たよ……
この階段を登った先にあいつがいる……
僕が……全てに決着をつける……
……待っていろ!!ザンクス!!
そして、待っていてくれ……ナミネ……
僕が……今迎えに行くよ……
あの星の下の約束を……絶対に僕は守ってみせる……
THIRTY FOURTH
104:vsアウト
「でりやぁーー!!」
「おぉぉぉぉっ!!!」
バギンッ!!
「『メタルボール』!!」
ズドンッ!!
「『シザークロス』!!」
ガガガガガッ!!
「『アイアンヘッド』!!」
ドドンッ!!
「『メタルクロー』!!」
バギギッ!!
「そこだ!!」
「『鉄壁』」
ガギギギギギッ!!
「ならこれでどうだッ!!『アイアンヴァイト』!!」
「……。『ロストセフィティ』!!」
ズドドドドドンッ!! ドガーーーーーンッ!!!!
…………。
のっけから、説明文無しの音響とセリフのみですみません。
だって、説明することないんだもん。(オイ)
そんな感じで、ラグナとアウトのバトルは熾烈を極めていた。
最後に放ったラグナのクチートの一撃の大技、『アイアンヴァイト』はハッサムの胴体をがっしりと挟みつけた。
そのまま投げ飛ばすように叩きつければ、クチートの勝利は確定していたかもしれない。
だが、アウトのハッサムの放った『ロストセフィティ』は見切れないほどのスピードで切りつけるスピード&パワーの技。
ハッサムを挟んだのはよかったが、ハッサムの攻撃を受けて、放してしまい、吹っ飛ばされた。
「けっ!!なかなかやるじゃねぇか!」
「少年もまさかここまでやるとは思っていなかったよ」
「いつまでもいつまでも……ガキ扱いしてんじゃねぇよ!!『マウスバッド』!!」
アイアンヴァイトが偽りの口で噛み砕く攻撃なら、マウスバッドは偽りの口でぶっ叩くアイアンテールのような技である。
「ハッサム、『スタンブレード』」
真っ向から受け止める。
ガギーンッ!!と凄まじい金属音が響く。
だが……
「チィッ!!」
クチートが気合でハッサムを吹っ飛ばした。
「決めろ!!『アイアンヴァイト』!!」
だが、できなかった。
「オイ!?どうした?」
「確かにそいつのパワーは並外れているといってもいい。しかし、パワーだけじゃ私のハッサムには勝てないのだよ、少年」
「……何をしやがった?」
「『スタンブレード』は強烈な一撃を打ち込むことにより、相手を麻痺させる技だ。そのクチートはもうまともには動けないよ」
「それなら、これでどうだ!」
「……! 2匹目か」
ラグナが2匹目……レントラーを繰り出すのと同時に、アウトもヘラクロスを繰り出す。
「レントラー、『雷牙(ライガ)』!!」
「ヘラクロス、『メガホーン』!!」
ラグナに勝算はあった。パワー勝負でこいつに勝てる奴はいないと自負していた。
だが、結局はラグナの大誤算だった。
「なっ!?」
ヘラクロスがレントラーを軽く角で弾き飛ばしてしまっていた。
「ちっ……レントラー!!」
「レントラーばかり気をとられていいのか?」
「……!!」
ハッサムがクチートを捉える。
「『サイレントブレード』!!」
音も無く一瞬のうちにクチートは切り伏せられてしまった。
「ニャロー!!『回転雷牙』!!」
ハッサムに回転しながらのかみなりのキバで襲い掛かるが……
「回転しようが横からの攻撃には無意味だな」
ヘラクロスが横からメガホーンで突撃してきて、レントラーを激しく打っ飛ばし、塔の壁に打ち付けた。
「っ!!」
「どうした、少年?威勢がいいのは口だけか?」
「……くっ……」
ラグナは下を向いてぶるぶる震えだす。
「怖いのか少年?まぁ、これだけ実力の差を見せつけられれば、当然怖くなるものだよな」
「ケッ!誰が怖いって?」
「……!(こいつ……!?)」
ラグナは笑っていた。
「久々に強ぇ奴と戦えて、武者震いしてきただけの話だ!最近は、雑魚みたいな奴としか戦ってなかったからな!」
「そうか……嬉しいのか」
「てめぇとの戦いなら、俺も死力を尽くして戦えそうだぜ」
「なら見せてもらおうか。少年の死力というものを」
ラグナとアウトが睨みあう。
アウト側は未だにヘラクロスとハッサムが健在。
ラグナといえば、クチートとレントラーが倒れていt……ってあれ?
バリバリッ!!
「いつの間に!?」
ハッサムに10万ボルトが命中した。
攻撃の主はレントラー。まだダウンしていなかったようだ。
「次のヘラクロスの攻撃で止めを刺してやる。『メガホーン』!!」
電撃で帯電しているハッサムを戻しつつ、ヘラクロスがレントラーに向かって突撃する。
「次は一撃で決めさせてもらうぜ!『充電』」
パリパリと電気を溜め始めるレントラー。
しかし、ヘラクロスの攻撃が襲い掛かる。ギリギリで攻撃をかわしたが、空気を切り裂きながら突進するその攻撃は、風圧でレントラーにダメージを与えていた。
「(ちっ!何て技だ!だが……)もう一回だ!『充電』!!」
「2回目の充電だと?……だが、何度やっても同じだ!『メガホーン』!!」
風圧で吹っ飛ばされながらの2回目の充電の最中、ヘラクロスは体勢を立て直して、とどめに入る。
しかし、レントラーにヘラクロスの2撃目が入るまでに、充電は完了した。
「その攻撃を打ち破るには、それ以上の威力でぶち抜くだけだ!レントラー!『雷槍突飛(ライソウトッピ)』!!」
鋭いいかずちの如く、また貫くこと槍の如く……。
重ね合わせた充電の効果を合わせて、ヘラクロスに真っ向勝負を挑んだレントラー。
ヘラクロスのメガホーンと互角だった。
「ちっ!!」
「ふんっ!!」
交錯して2撃目を加えようと指示を飛ばす。
「『回転雷牙』!!」
「『インファイト』!!」
メキメキメキッ!!
攻撃の衝撃で2匹が激突した地面がベコッとへこむ。
そして、当の二匹は力を失ってダウンしていた。
「アーマルド」
「ちっ!!」
水鉄砲の急襲にラグナはすぐに水鉄砲で攻撃を相殺しようとした。
だが、ラグナの繰り出したオーダイルの水鉄砲がいとも簡単に押されていった。
「『シザークロス』」
「『アクアスティンガー』!!」
爪同士の激突だが、今度はラグナの方に軍配が上がった。
アーマルドの一撃目の爪をオーダイルは蹴りで弾き飛ばし、もう一方の攻撃を片方の爪で抑えると、そのまま余った爪でアーマルドを切り裂いた。
「接近戦はオーダイルの方が強いようだな。それなら、これでどうだ?『ロックブラスト』」
ロックブラストは一撃一撃が基本的に弱いと思われている。
しかし、アウトのアーマルドのロックブラストは一撃一撃が岩雪崩クラスの威力を秘めていた。
だが……
スパン、スパン、スパンッ!!
まるで豆腐でも切るかのように、水の爪で切り裂いていった。
「てめぇ!その程度の攻撃で、勝てると思うな!!」
「それならこいつでどうだ?『岩石砲』!!」
ロックブラストが連続で岩を繰り出す技なら、こちらは岩を一つに集約した巨大な一撃だ。
「(かわす……ことはちょっと無理っぽいな)真っ向勝負だ!『ハイドロカノン』!!」
繰り出せる最強の技で迎え撃つ。
最初は押し留まっているが、じりじりとオーダイルのハイドロカノンが押していく。
「かかったな!少年!」
「なっ!?」
巨大すぎる岩石砲は実はフェイクだった……そう思ったのはオーダイルがハイドロカノンを放っている最中、真横でアーマルドが『ストーンエッジ』を構えている時だった。
「(アーマルドの姿を隠し、オーダイルを足止めするための布石かよ!)ハイドロカノンをストップだ!」
ラグナがそう指示するものの、そう簡単に止められるものではなかった。
最強の技をコントロールするのはなかなか難しい。
攻撃を止められず、そのままアーマルドのストーンエッジがオーダイルに命中した。
「ちっ!」
しかも、ラグナは一つ失念していた。
「これで決まりだ」
ラグナとオーダイルに襲い掛かる岩石砲。
ハイドロカノンで押し止めていたのだが、ストーンエッジによってハイドロカノンを中断されたことによって、攻撃がそのまま向かってきたのだ。
「くっ!!『ばかぢから』!!」
火事場の馬鹿力という言葉があるが、まさにそのとおり。
岩石砲をオーダイルは全力の力で、跳ね除けてしまった。
「『シザークロス』!!」
「(『アクアスティンガー』は間にあわねぇ!)『ドラゴンクロー』!!」
水の爪の技は手に水をコーティングするまでに若干時間がかかる。
相手が隙の無い連続攻撃を繰り出してきてる最中、オーダイルには攻撃をためる時間も無かった。
そして、ドラゴンクローではアーマルドのシザークロスに対抗することはできなかった。
顎と腹に一撃を叩き込まれ、後方に押し飛ばされる。
「ちっ、『ハイドロポンプ』!!」
足で踏ん張って、強力な水攻撃を打ち出す。
だが……
「『水鉄砲』!!」
アーマルドの水攻撃も同等の威力で、決着はつきそうにも無い。
「オーダイル!!そこから『ハイドロカノン』だ!!」
最強の技で一気に押し切った。
あっけないくらい簡単にアーマルドは戦闘不能になった。
「…………(なんだ?)」
しかし、ラグナは疑問に思った。
「(あれだけ互角の戦いをしておきながら、何故最後は『ハイドロカノン』を『岩石砲』で返さなかった?)」
だが、考えている暇は無かった。
「『シグナルビーム』」
空からの虹色の光線がオーダイルに襲い掛かる。
「少年のオーダイルはなかなか厄介だ。だから、こいつで一気に片付けさせてもらうよ」
「そうは行くか!『ハイドロポンプ』!!」
「『シグナルビーム』」
シグナルビームとハイドロポンプ……威力は互角だった。
「それなら、さっきの3倍ならどうだ?」
いつの間にか、ラグナたちの後ろに回りこんでいるメガヤンマ。
「(ちっ!何て早さだ!)オーダイル!後ろだ!」
「『シグナルビーム』!」
「『ハイドロカノン』!!」
岩石砲を押しとどめたオーダイルの最強の技が炸裂する……と思われた。
チュドンッ!!
「ちっ!!何てパワーだ!?」
オーダイルのハイドロカノンが通じなかった。
相手のシグナルビームの方が若干威力は上だったようである。
オーダイルはダウンしてしまった。
「3倍で互角に渡り合えるのか……。それなら、通常の5倍……最大パワーならどうだ?」
「何?」
「『シグナルビーム』!!」
通常の5倍……つまり、先ほどオーダイルのハイドロカノンを押し切ったシグナルビームの3分の5倍のエネルギーがラグナに襲い掛かる。
チュドーーーーーンッ!!!!
さすがのラグナもこれを防ぐすべはなかっただろうか。当たった瞬間に爆発した。
だけど、アウトは喜ばす無表情でラグナの方を見ていた。
「……攻撃を防げる奴がいたか」
「ちっ……ギリギリだったぜ」
煙が徐々に晴れていくと、ラグナの傍らにはヌケニンの姿があった。
ヌケニンの特性『不思議な守り』は弱点以外のどんな攻撃も受付はしない。
シグナルビームの威力がどんな高くても、攻撃を防ぐことは可能だった。
「だがこれは防げるか?」
シュンッ!
一瞬のうちにメガヤンマは姿を消した。
「(ちっ!特性の『加速』か!?)『シャドークロー』!!」
ドンッ!!
メガヤンマの爪とヌケニンの爪がギギッと音を立てて火花を散らす。
ツバメ返しとシャドークローで二回、三回、打ち合って、一旦間合いを取る。
「『エアスラッシュ』」
下がるヌケニンを見て、空気の刃を放つ。
「その程度!!」
軽く攻撃をかわす。
だが……
「一撃だけだと思うか?」
すぐに、2,3,4……休みなく攻撃は襲い掛かる。
「ヌケニン!」
だが、ヌケニンは攻撃をかわす。
しかも、高速移動を使って徐々にメガヤンマとの距離を詰めて行った。
「メガヤンマ!」
「ヌケニン!」
ギリッ!!
エアスラッシュを避けきった瞬間にメガヤンマの速攻が飛んでくる。
しかしながら、ヌケニンはギリギリのタイミングでシャドークローを繰り出して攻撃を防御する。
「(ちっ!!決定打が得られねぇ!!シャドークローで奴のツバメ返しを押し切れねぇとは!!)」
「メガヤンマ!『エアスラッシュ』!!」
「っ!!『シャドーボール』!!」
とっさの判断で至近距離の攻撃を相殺した。
だが……
「最大パワー『エアスラッシュ』!!」
連射に近い形で最大の一撃を放った。
ここまで1撃の間隔が短く、距離が短いとさすがに避けることは不可能に近い。
「ヌケニン!!アレだ!」
ラグナは手をかざして、ジェスチャーをした。
ヌケニンは悟って、重たく黒い光を放った。
最大級のエアスラッシュをその黒い光が飲み込んで行った。
ヌケニンの絶対相殺の技『消滅の光』だ。
「むっ!?相殺された!?」
「今だ!」
ドシュッ!!
『影撃ち』が決まり、メガヤンマにダメージを与える。
「畳み掛けろ!!『シザークロス』!!」
「『だまし討ち』!!」
一気に行きたかったラグナだが、とっさに繰り出してきた悪系の技に反応して防御に回ってしまった。
攻撃を受け止めたのは良かったがその後は大変だった。
「もう一撃の隙も与えない!連続で『エアスラッシュ』!!」
一撃一撃が、地面を抉り、石を真っ二つにする威力を持つこの技を、高速移動で何とかかわしていく。
しかし、かわすだけで今度は接近ができない。
「畜生!『影撃ち』!!」
その場から消えるように離脱して、ヤンヤンマの影から攻撃を与えようとするが……
「二度も同じ手はくわないよ」
メガヤンマも消えるようにその場から移動し、再び別の場所からエアスラッシュを放つ。
「(キリがねぇ!!接近できないことには話にならねぇ!!だが……)『影撃ち』!!」
「無駄だよ。少年」
先制攻撃の影撃ちを入れようとしても、すぐに加速で逃げられる。
だが、ラグナはがむしゃらにそれを繰り返していった。
「そこだ!」
「ふんっ!」
「おらっ!」
「かわせ、『エアスラッシュ』」
「『影撃ち』!!」
そして、30分後……
完全にその場所は荒地と張り果てていた。
地面はエアスラッシュで傷だらけ。
塔もエアスラッシュの影響でいたるところに穴があいていた。
それでも塔が倒れようとしないのは、素材の強固さか、はたまた単に状態が良かったか……。
ラグナとアウトは未だにヌケニンとメガヤンマで戦い、息を切らしていた。
だが、決着の時は来た。
「『エアスラッシュ』!!」
だが、この一撃は明らかに最初の時より技のキレがなかった。
それをラグナは見抜いた。
「『シザークロス』!!」
突撃し、シザークロスでエアスラッシュを切り裂いて、そのままメガヤンマに叩き込もうとする。
「ちっ!かわして『原始の力』!!」
「逃がすかっ!!『シャドークロー』!!」
バキッ! バキッ! ズドンッ!!
メガヤンマが放った原始の力を退いて、懇親の一撃を叩き込んだ。
地面に一度、二度、打つかって転がるようにアウトの元に戻った。
「ふぅ……エアスラッシュの力が切れるとは」
「一時はどうなることかと思ったぜ」
「ふっ、ツバメ返し!」
「っ!!」
猛スピードで襲い掛かるストライクの鎌。
ヌケニンは何とかシャドークローで防御するが……
「……!! やべぇ!!ヌケニンッ!!」
その場から脱しようとしたが遅かった。
ツバメ返しで接近する前に放ったエアスラッシュが、ヌケニンを捉えた。
それはストライクも一緒に受けたが、たいしたダメージではない。
しかし、体力がないヌケニンにとっては致命傷といえるべき一撃だった。
「行けッ!ダーテング!!」
代わりにダーテングがストライクと打ち合う。
「『リーフスラッシュ』!!」
「『シザークロス』!!」
ガキンッ!! ガキンッ!!
打ち合うたびに空気が震える。
互角の勝負だ。
「あ!ラグナさん」
「あ゛?」
しかし、そこへ間の抜けた声が聞こえてきた。
ラグナとアウトはふとその声の主を見る。
「オトハ!?てめぇ、何でこんなところに!?」
「リリスという人を止めないといけないのです。塔ってあの塔のことですよね?」
「ああ。……っ!! ダーテング!『エナジーボール』!!」
会話中もダーテングとストライクのバトルは続く。
「あの上だ!」
「ラグナさん……大丈夫ですか?」
「オトハ……これは俺の戦いだ!手出しすんじゃねぇぞ!!」
「……ハイ……。それなら私は……」
「ああ。頼むぜ。ヒロトも上に行った」
「ヒロトさんもですか!?」
「ああ、だから行って助けてやれ!それはてめぇにしかできねぇ!」
塔を見てオトハは決心した。
「わかりました……行ってきます」
ラグナに一礼をしてオトハは塔の階段を駆け上がっていった。
「どうやら最後までひとりで戦うつもりのようだな、少年」
「てめぇは俺一人で充分なんだよっ!!」
「その減らず口……すぐに利けなくさせてやるよ」
「やれるもんならやってみろッ!!ダーテング!『裂水(れっすい)』!!」
「ストライク、『スラッシュダウン』!!」
斬撃と突進技……2つの技が炸裂し、地面の砂利が吹き飛んだのだった。
105:遅れてきた奴
ラハブの新境地……下層北西エリア。
冷気、雷、炎……幾つもの属性の攻撃が飛び交う。
それらの技を放っているのは、ポリゴン2。
しかし、全ての技はトロイのノイ(ライチュウ)の光の壁でいなされたり、かわされたりで攻撃は全く当たらない。
「はぁ…はぁ…ポリりん!『高速移動』!!『トライアタック』!!」
スピードを上げて、何とかライチュウに追いついて、攻撃を当てようと試みる。
しかし、全てが無駄だった。
どれだけスピードを上げようとも、ノイのスピードはポリりんのスピードでは追いつけないほどの俊敏さを持っていたし、仮に命中しようとしても尻尾や光の壁で軽く弾き飛ばされる。
ユウナに打つ手は残されてなかった。
「お前では俺のポケモンを一匹たりとも倒すことはできない……いや、むしろ俺を倒せる奴などお前らの仲間の中には存在しない。わかったらさっさとくたばれ」
「言ってくれるじゃない!!ポリりん!アドバンス・フォルムチェンジで行くわよ!!」
T☆NAを操作して、『不思議なパッチ』というアイコンを選択してポリりんへと情報を送った。
「(ポリゴンZになった!?)」
トロイも突然のことに少々驚いた。
「『トライアタック』!!」
「ノイ、『10万ボルト』!!」
ズガガガガッ!! ズドーンッ!!
威力は互角。その結果にユウナは顔をしかめる。
「(押し切れない!?予想以上にあのライチュウの電撃は強い!)」
威力をT☆NAで確認している一瞬のことだった。
「ポリゴンZの弱点は知っているか?」
「なっ!?」
爆発の煙に紛れて、すでにライチュウが背後を取っていた。
「『アイアンテール』」
ドスッ!!
鈍い音を発し、ユウナの背中に鈍い痛みが走る。
数メートル吹っ飛ばされ、ユウナは息を乱す。
「っ……うぅ……ポリりん、『トライアタック』」
「だから、言っているだろ」
ライチュウがその場から消えて、ポリりんのすぐ真上に現れた。
「ポリゴンZの弱点は、接近戦の非力さだ。『エレキテール』!!」
「非力さ……?甘く…見ないでよね!」
膝をついて、息も絶え絶えなからも、操作をしてポリりんに情報を送りつける。
「『ウイングブレード』!!」
飛行形態に変化したポリりんが翼で迎え撃つ。
ギギギッ、ジジジッと音を立てて、ポリりんとノイの鍔迫り合いが始まる。
「はじめてみる形態だ。どうやら、打撃に特化した形態のようだが……」
ドシュッ!!
「なっ!!」
「ノイの敵ではない」
ポリりんが完全にパワー負けをした。
ライチュウの尻尾の電撃がポリりんに流れ込み、ポリゴン2の形態に戻って気絶した。
「いい加減諦めろ。お前じゃ俺には勝てない」
「諦めるわけには行かないわ!!まだ私には最後の一匹が残っているのだから!!ブラりん!!『電光石火』」
黒いボディのポケモンが地面を蹴って、ライチュウに突っ込む。
「その程度のスピードじゃ無駄だってわからないのか?」
ブラりんの攻撃はライチュウをすり抜けた。錯覚ではない。残像だった。
「スピードなら負けないのよ!!ブラりん、『ファントムハリケーン』!!」
「無駄な動きが多い。それに、どんなに早く動いても、実際は一匹だけだ。『電撃波』!!」
このときユウナは全ての動きがスローモーションに見えた。
大勢いるブラりんの中の1匹に、電撃波が命中する。
ブラりんが放物線を描いて、自分の元に飛んでくる。
慌てて自分はブラりんをキャッチする。
そして、悪寒を感じて後ろを振り向くと、ライチュウとトロイの姿があった。
「ゲームオーバーだ」
ムチの様な尻尾が硬化し、さらに電気を帯びてユウナに襲い掛かる。
あっけに取られてよけられなかった。
尻尾による殴打と電気による衝撃の一撃でユウナは頭が真っ白になった。
痺れて思考回路が麻痺して考えられない。
ゆえに状況が把握できない。
自分が今、打っ飛ばされている事も知ることができない。
まして、自分の吹っ飛ばされている先が固い鉄の壁だということも確認できなかった。
唯一、ユウナが思ったこと。
完全な敗北だった。
そして、鉄の壁に頭をぶつけてユウナは自分が死んだと思った…………
「ちっ!邪魔をするNA!!」
ラハブの新境地、塔の中層階。
ザンクスがこの場所へ戻ってきたのはいいのだが、彼にとって邪魔者がついて来てしまった。
足にしがみついている彼を蹴り飛ばし、ザンクスは荒く息をする。
彼……エースの方も同じだが、こちらはさらに怖い顔でザンクスを睨みつける。
「ジョカを……返せ」
「……別に返してあげてもいいですYO。しかし、邪魔したあなたを私は許すことができないですNE!!」
テレポートをしたスターミーのコアが赤く光る。
「『スターフリーズ』!!」
「シャワーズ、『オーロラビーム』」
冷静に判断して、攻撃を相殺させようとする。
だが、エースの思いどおりにならなかった。
スターフリーズはオーロラビームを軽くぶち抜いて、シャワーズを一撃でダウンさせてしまった。
「!?」
「どんどん行きますYO!!」
「(おかしい……『トキワの力』が使えない)」
自分の力の異変に気付きながらも、クロバットを繰り出して、スターミーと戦う。
しかし、かわすだけの防戦一方でエースは完全に押されつつあった。
「クロバット、『グランドクロス』」
「スターミー、『スターフリーズ』DA」
ズドンッ!!
攻撃は相殺にとどまった。
「(っ……。あの程度の攻撃を相殺しかできないのか?)」
エースは焦りを感じていた。
「…………。どうやら、主賓が到着したようですNE」
「主賓?」
エースはふと後ろを見た。すると、いきなり強大な炎が後ろから飛んできた。
慌ててエースは飛び退き、その炎はザンクスを捉えた。
そのままその炎は塔の外へと出て行ってしまった。
「あーあ。派手にやってくれますNE。卓球台とかダーツとかビリヤード台が使い物にならないじゃないですKA。リュウヤ=フィラデム」
ザンクスが相手の名を呼ぶと、リザードンに乗って彼はやってきた。
「ザンクス……今日こそナミネを……ネスを……みんなを返してもらう!!」
「FUFUFU……役者は揃ったようですNE」
そういうと、ザンクスはスターミーに乗った。
「私を倒したいなら、追ってくることですNE」
すると、さらに奥にある階段へとエースとリュウヤを誘った。
「「待てッ!!」」
エースとリュウヤは2人を追っていったのだった。
同場所で5分後のこと。
「ううん……あら?ザンクスはどこへ行った?」
ザンクスとエースたちが暴れていたこのフロアで目を覚ました男がいた。
とゆーか、普通アレだけの騒ぎがあったら起きるだろ?(汗)
「……この荒れよう……どうやら敵を上層部へと連れ出したようですね」
起き上がると、この男は長身だった。軽く2メートルは超えている。
「ん?」
ふと、男は突然目の前に現れた緑色の物体に目をぱちくりさせた。
「なんでしょう?雑草か?」
触れてその感触を確かめる。
「雑草じゃなくて髪の毛か?」
「っ!!なんだ!?」
ふと、雑草が動いた。
男はポンッと両手を叩いた。
「……人でしたか」
「って、ここはどこだ!?」
キョロキョロと辺りを見回すのは、なんと、階段を登っていたはずのヒロトだった。
隣にはディンが一緒だった。
階段を昇るのがめんどくさくなったヒロトは、どうやらディンのランダムテレポートに賭けたらしい。
ちなみに一発で目的の場所にたどり着いたらしい。
運がいい奴(汗)
「トロイ?……いや、どうやら違うようですね」
「トロイ?」
「別に構わないですね。ここに来た以上、俺が相手になりましょう。俺の名前はTSUYOSHI!!覚悟しろ」
「……お前に付き合っている暇はないんだけどな……そうは行かなさそうだな」
TSUYOSHIはウツボット、ヒロトはフーディン。
中層階で二匹の大技が激突した。
外からは強大なエネルギーが窓の隙間から溢れ出たという。
―――私じゃ……あの男に勝てない……
―――手も足もでない……
―――私の今までのデータが通用しないと言うの……?
―――そんな奴にどうやって勝てばいいの……?
―――ねぇ……誰か……教えて……
薄れ行く意識の中、最後に見えたのは冷たく、硬い、鉄の壁だった。
でも……ユウナは生きていた。
徐々に彼女は生きているのだと自覚をした。
それだけではない。
自分が空中を浮いている……いや、抱きかかえられているのだと自覚した。
「……一体……だれ?」
ユウナは顔を見上げる。
「お前は……誰だ!?」
トロイもその男の正体を問う。
「♪俺か?〜俺の名はモトキっ〜!よろしく〜!」
金髪にギターを背負った男……彼はここにいるはずのない者だった。
to be continued
キャラデータ
ラグナ(19歳)……オートンシティのショップ・GIAに良く立ち寄る見た目不良の賞金稼ぎ。
ユウナと同じくロケット団のルーキーズに所属してロケット団に加担していたが、自分が組織の策略によってロケット団に入れられたことを知って組織壊滅に加担した。
目つきが非常に悪く、第一印象で友達になりたいと思う人は恐らくいないだろう。
しかし、彼の特性なのか意外に女性にモテる。
賞金稼ぎとして世界中をどこでも行くが、移動は徒歩で乗り物は極力避けている。
それにしても、海を渡る場合はどうしているのだろうか……(汗)
手持ち……ダーテング(♂) ピクシー(♂) ヌケニン オーダイル(♂) クチート(♂) レントラー(♂)
控え……アーマルド(♀) カイリキー(♀)
アウト(30代前半)……エグザイルに所属するマフラーにスーツの男。
気まぐれで紳士ぶっているが、ひとたびバトルになると容赦がなくなり、トレーナーを殺すこともあるのだという。
趣味は手品とジャグリング。手持ちの通り虫使いのようだ。
ボイスイメージはアクジェネのソウジと同じだったりする(ぁ)
手持ち……メガヤンマ(♂) ストライク(♀) ハッサム(♂) アーマルド(♂) ヘラクロス(♂) ビークイン(♀)
オリジナル技
ラグナ
『雷槍突飛(ライソウトッピ)』……レントラーの技。必ず一回『充電』をしていないとできない。鋭いいかずちの如く、また貫くこと槍の如く相手に突撃する技。
アウト
『ロストセフィティ』……ハッサムの技。パワーとスピードをかねそろえた高速の連続切りを放つ。
『スタンブレード』……ハッサムの技。凄まじい一撃で相手の身体に振動を起こして麻痺させる。
『サイレントブレード』……ハッサムの技。ファイア対アウト戦を参照。
『スラッシュダウン』……ストライクの技。駆け抜けるように切り裂く。威力は高いが連続で使えないのが難点。
エース
『グランドクロス』……クロバットの技。以前の話参照。
アトガキ
様々な場所での最終決戦。
今回はラグナがメインを締めていました。
彼は塔がある中心のエリアでアウトと激突。
エースとリュウヤは塔の頂上を目指してザンクスを追いかける。
ヒロトは塔の中階層でTSUYOSHIと激突。
そして、ユウナは北西のエリアでトロイと激突!
だけどそこに現れたのはミュージシャンのモトキでした。
ユウナのポケモンは0。そしてモトキが現れて、ユウナは大ピンチ!?
[一言感想]
ラグナ……らしいって言えばらしいけど、ほとんど延々とした殴り合いだったような(ぇ)。
リュウヤはついにザンクスの元に到達しつつも、奴はまだ何かを企んでいる様子。
そしてユウナは全滅かと思いきや、モトキ登場!
……お前が駆け付けるのは、ユウ『コ』じゃなかったのか(ぁ)。