第3話「第3の男」

 

 

 

前回までのあらすじ:
無事シホロを旅立ち、シンオウ地方を南下し始めたショウとスイレン。途中暴走族「ステルスコメット」のハリアー・ハヤブサに
襲撃されるも、幼馴染同士息の合ったコンビネーションを見せ。見事に撃破。さあ!旅は始まったばかりだ。


1#:北国の砂漠

「ねぇ、スイレン・・・」

「ん・・・どうしたの?ショウ」

「シンオウにもこんな場所があったんだね。」

確かにショウの言うことは最もだ、何故なら二人の視線の先には・・・・

果てしなく続く・・・・砂!!砂!!砂の山!!!・・・・その遙か向こうに地平線まで見えるのだから

「うーん、確かに私も見るのは初めてだけれど・・・・これがあの有名なモリエ砂漠なのねぇ・・・・」

モリエ砂漠・・・・シンオウ地方の南部の大半を占める広大な砂地であり、この場所だけは雨もほとんど降る事が無い。

北国とは思えない目の前の光景に二人が唖然としていたのだが、沈黙はすぐに破られた

「・・・・・・あ、暑い・・」

この一言が全ての始まりだった。

「うーん、というよりこの場所では厚着は場違いねぇ・・・」

そう、今は冬なのでシンオウは基本極寒、したがって二人は今毛皮のコートを着てスノーモービルで移動していたのだから。

「それにこれから先はスノーモービルも使えないし、どうしようか・・・・」

スノーモービルで行けるのは雪道、だがここは砂漠・・・先に進む手立ては・・・・今は見つかってない。

「ふふ〜ん♪・・・・こんなこともあろうかと、私はしっかり調べておいたわ♪」

だが、スイレンはなにやら楽しげにしているだけだ」

「??・・・・・変なスイレン・・」

「まぁ、とりあえずは買い物を済ませましょ、この砂漠を越えるのは5日くらいあるみたいだから。その間の薄手の着替えなんかも必要だし♪」

「う、うん・・わかったよ」

こうして二人は小さなオアシスのある、カリイシビレッジで砂漠越えの支度をする事となった。

数十分後・・・・・

「・・・・・とりあえず、薄着にはなったけど・・・やっぱり暑い・・・・」

ややぐったりとしてしまってるショウ・・・・無理も無い。空調の行き届いた病室での生活がほとんどだった彼にとってこの暑さは酷なのだろう

「それにしても・・・・スイレン何処に行っちゃったのかなぁ・・・」

この暑さの中、気は乗らないのだが、さっきからずっと居ない幼馴染をショウはずーっと探し続けていた。

と_______。

「オイオイ姉ちゃん・・・いくらあんたが美人だからって、言って良いことと悪い事があると思うんだけどな?」

「せっかく俺たちがこの砂漠の地平線を眺めながら『砂原の韋駄天』を捕らえる旅につれてってやろうって言ってるのにそりゃ無いぜ」

「・・・・それはどうも色々情報ありがとう、でもね。私はあなた達にはついていけないの、だからもう良いかしら?」

スイレンはあくまで冷静に絡んでくる男に対応はしていたのだが

「ふざけんなよ?・・・あんまり済ましてるとその可愛いお顔が肉団子になっちまうぞぉ?」

「そうそう、大人しくついてくりゃ良いんだよ・・」

そして男はスイレンの手を無理矢理掴もうとする。

「スイレン!!」

ここまでの流れでどういう状況かわからず、何も出来ないのではジェードさんに笑われる____。

その思いだけでショウは飛び出した。

「やめろ!!」

「・・・・あぁ?なんだ?」

「なんか言ったか?坊や」

「彼女から離れろ!!!」

「ショウ!!あなた!!」

ショウはなんとなく腹立っていた。そのため何時ものようには行かない

「へぇ・・・・・生意気な口聞くじゃねぇか・・」

「この砂漠でも有数の名トレーナーといわれた俺たちに喧嘩売って、ヒーロー気取りも大概にしな!!」

「ショウ・・・あなた・・・この間心臓が・・」

「大丈夫だよ、こんな人たち。早々に帰ってもらうから」

「エラソー言ってんなよ!!?」

「ガキはとっとと家に帰んな!!」

「はぁ・・・・全く昨日も変な暴走族に絡まれるし、こっちとしても勘弁して欲しいんだけどなあ・・・」

「ごちゃごちゃ言ってねーで、やるのか、やらねぇのかはっきりしやがれ!!」

ガラの悪い男1はヤミカラスを繰り出した!!

ガラの悪い男2はポチエナを繰り出した!!

「行くよ!!バロン!!」

「待ってったらショウ・・・・今私、ポケモンセンターに手持ちおいてきちゃったから・・・・」

それは問題だった、スイレンはショウよりもある程度バトルの数をこなしている。その彼女が戦力として期待できないのはかなり厳しい

「でも・・・・、それでも僕はこの旅は・・・・自分のやれるだけの事はやりたいんだ!!」

「・・・・ショウ・・・・あなた・・・」

「メアリィも・・・・・力を貸してくれるね?」

ショウは2つ目のボールに手をかけた、だが________。

ドガっ!!!

「なっ!!!?」

ショウは腹部の衝撃に顔をしかめる

「ちょっと!!?アンタ達、バトルでなく、そんな卑怯な真似で!!」

あまりの態度の悪さにスイレンも頭に血が上る

「真面目にバトルなんてやると思うか?」

「そうそう・・・・こんだけの美人・・・そうは居ねぇからな・・・へへへ・・」

「ちょっ!!!離しなさい!!それにこんなやり方でしか女の子一人物にできないなんて恥ずかしいと思わないの!!?」

「なんとでも良いな・・・俺達はやりたいようにやる」

「砂漠の町なんてルールなんかねえんだよ」

ショウは腹部を押さえたまま立ち上がれず、絶体絶命かと思われたその時!!

「・・・・全く、この町を何時から無法地帯になんかしたんだ?」

男を腕を掴み、握り締める青年の姿があった。その髪はショウと同じライトシルヴァーで、目もスカイブルーである。そして右耳の上にはオニドリルの羽飾りをつけている。

(あの人・・・僕と似てる)

ショウも何か不思議な物を感じていた

「しかも、トレーナーでありながら、満足ポケモンバトルも出来ないほど腕が悪いのか?それなら俺が相手になってやる。」

「・・・・ちっ・・・・な、なんなんだお前は!!やっちまえ!!ヤミカラス!!かみつく」

「カッコつけんのも大概にしろや!!!ポチエナ!!あばれる!!!」

二人はポケモン達をスタンバイさせ、いつでも攻撃体勢に・・・・・。

「・・うぐ・・・・そう・・は・・・させないっ!!バロン!!冷凍ビーム!!」

だがショウとバロンの動きがそれを上回っていた。

バロンは彼の指示を聞く頃にはもう冷凍ビームを発動していたのだから

カキィィィィィン!!!!

次の瞬間には男達の手持ちが完全に凍結していた。

「何!!?」

「こ・・・このガキィ!!!」

手持ちの動きを封じられた男達は再びショウに殴りかかろうとするが

「シオン・・・・行ってこい!!」

対する青年はモンスターボールを投げるとオニドリルが飛び出した

「つばめがえし!!」

すかさず飛ぶ指示で、オニドリル-シオン-は高く飛翔したかと思うと。急降下からの一撃を、凍結した二体に完全に決めた

どがっ!!!!

二つの氷像コレクションは見事に戦闘不能となったのだった

「ち・・・ちくしょう!!」

「もうやめろ。俺も無駄なバトルはしたく無いからな、それにこれ以上やるって言うなら、遠慮はしない」

呆れた顔で青年は言い放った

「覚えてやがれ!!」

そう言って2人組は去っていった。

「・・・・全く、あの手の連中が最近この街に増えてきてて困ったもんだ・・・」

そう言ってため息をする青年に・・・スイレンとショウは

「あ・・・あの」

「危ないところを助けてくれてありがとう。さっそく御礼をしてあげたいんだけど・・・えっと・・私はスイレン、あなたは?」

ショウが何か言いかけたが、スイレンがとりあえず助けられたので、お礼の言葉をかける

「ああ、何だ・・別にあれくらい朝飯前さ。スイレンか・・・よろしく、俺はフェザー、フェザー=ウィング=レイだ」

「ぼ・・・僕は・・ショウ!!ショウ=スカイマーク」

「ショウとスイレンか、よろしくな」

「あの・・・・フェザー・・・さ」

「ん?どうしたんだ?ショウ」

「とりあえず・・・何処か中に入ろう・・その」

「何でだ?」

「ス・・・スイレン・・のその・・ふ・・・服が」

それを最後にショウは顔を真っ赤にして俯いてしまう

「・・・・?スイレンの服?・・・・ただのボディスーツだろ?」

フェザーは特に気にしていないようだが

「だって・・・・その・・・」

「あららー、ショウには刺激が強すぎたか、でもね。これからバイクでも調達しようと思ってたから、新調したのよ?」

「ハハハ♪すっかり尻に敷かれてるみたいだけど、ショウとスイレンって恋人同士かな?」

と、ここでフェザーが爆弾発言を投下

「ぶっ!!?」

「な・・・嫌ねぇ〜フェザー・・・別に私とショウは幼馴染ってだけで〜」

ショウは顔を真っ赤にしてしまい、スイレンもやんわりと否定していた

「まぁ・・・ショウの言うとおりここで立ち話もなんだから、いい店を知ってる。そこで話すとしよう」

2#:砂原の韋駄天

3人はこの街にある、最近出来たばかりの店「リュウキュウ料理・AGURI」に来ていた。

「わぁ・・・ここの料理っておいしいわね〜、刺激的だけど・・・なんかこう開放的になるような」

「だろ?ホウエンよりさらに南のリュウキュウ地方から支店が出てきたみたいらしいが、暑い地方ならではの料理法があるからな。この砂漠でもこういう味付けはうけるのさ」

「うん・・・変わった味だけど、でもこの『ゴヤの実のチャンプル−』だけど、このゴヤの実の苦さがぜんぜんきつくなくて、全体的に味を引き締めてるよね」

「へぇ、この味の苦さがその歳でわかるなんて、なかなか大人だな、ショウ」

「流石に病院でにっが〜〜い薬を毎日飲んでいただけあって、苦味には強いわよね・・・」

「もぅ・・・二人とも僕を子ども扱いしすぎだよ!!それに僕は薬の苦味は慣れたとはいえ嫌だけど、こういう自然本来の苦さっていうのは違うんだから」

「だからって、よく病院でブラックコーヒーなんか飲んで、不眠症になってたわよね?」

「ス、スイレン・・・あれは・・・」

スイレンの意地悪な話に。ショウは終始ペースをとられっぱなしである。

「まあまあ、3人ともそのくらいにして、ボクも料理を喜んでもらえるのはとても嬉しいんだから、ゆっくりしていってよ♪」

と、そこへ、ショートヘアの一見少年のような風貌の・・しかし声の高さからして少女が話しかけてきた

「とってもおいしかったです。アグリさん」

「ありがとうございます」

そう、「リュウキュウ料理・AGURI」のオーナーはリュウキュウジムリーダーズの一人、『攻めの匠』アグリが経営してるのだ

「にははは、他ならないフェザー君の頼みだからね、このくらい朝飯前だよ♪」

「いつも無理言ってすまないです、アグリさん」

子供のような笑顔で『任せて』とばかりにサムズアップする姿は、それだけで周りを明るい気分にさせてしまう

「さて、そろそろ本題に移ろうか。二人は砂漠を越えたいって話をしてたよな?」

ひと段落食事も終えフェザーが話しかけた

「うん、ホクオーリーグに出る為にジムバッジを集めているから、とりあえずジムのある街を優先して周って行きたいんだけど」

「砂漠を大型のバイクなんか借りて移動しようかなと思っていたのだけれど、流石に無理あるかしら?フェザー」

「スイレンはスノーモービルで来たし、この近くにもオアシスが多くあるって話だから、そこを中継していけばなんとかなるかなって二人では考えてたんだ」

二人は、自分達で組んだプランをフェザーに言って聞かせてのだが、フェザーは難しい顔をしている

「うーん、これが少し前のシンオウでの話なら、俺も特に悩む必要は無かったんだが・・・・な」

「砂漠って言っても海の向こうの大きな国みたいに広大なものでも無いし、問題あるかしらねえ・・」

「いや・・・実はな、モリエ砂漠に最近『怪物』が現れたんだ」

「「怪物??」」

「ああ、通称は『砂原の韋駄天』・・・遙か上空から人を襲い、物資を根こそぎ奪っていく、相当な実力をもったムクホークのことだ」

「砂原の韋駄天?・・・そういえばさっきのナンパ男達もそんなこと言っていたっけ?」

「そりゃーもう。砂原の韋駄天の噂は有名だよ〜、ボクも一目見てみたいと思ってこっちに来たんだけど、お店の方がやっぱり気になっちゃってね〜。だからまだ子の眼では見ていないんだけどね」

食後の飲み物を持ってきたアグリも興味津々と言った感じで話しに加わってくる

「それじゃ、2人だけで行動するのはこの先ってことになるね」

「まいったわねぇ・・・・私達もショウも冒険がはじめてのトレーナーだし・・・」

「そう悲観する事も無いぜ。スイレン、ショウ」

「「え?」」

「じつはこのモリエ砂漠には、砂漠を縦断する機関車があるんだ」

「名前は豪華寝台特急『デザート・ウィンディ』・・・・冒険者なら一度は乗ってみたいと言われる夢の列車だよ〜」

「なんだ、そんな特急列車があるなら、スイレン・・・早く言ってくれればよかったのに」

ショウはスイレンを軽く睨む

「おあいにく様、私もしっかりチェックしておいたわよ、けどね・・・あれは超人気な上に費用も馬鹿にならないわけ。客車が豪華すぎて私達には20年は早い代物です、一番安い2等客車でこれ」

スイレンは頭を抱えて・・・・持っていた電卓(いつの間にかだしていた)に打ち出された一回辺りの交通費を見せ付けた

「・・・・・これってなんか額を間違えてるよね、一桁(汗)」

そう思ってしまいたいほどに、ゴージャスな額面だったようだ

「うーん、そうか?俺なら出せなくも無い額だけどな」

「「ええっ!!?」」

フェザーの何気ない発言に、2人は仰天してしまった

「あれ・・・なんか変な事言ったか?」

「フェザー君・・・・の歳でこれだけの額払える人は普通には居ないと思うよ・・・、とりあえずボクからも頼んでみるけど、恐らく一部屋しか空けられないかな・・」

アグリもまた苦笑していた

「フェザー・・・あなた普段どういう仕事してるの?」

「確かに気になるね・・・・」

「それは企業秘密ってことで」

フェザーは質問を微笑みで受け流し・・・・・・・と思うといきなり____。

「ってそうか!!その手があったじゃないか」

「???」

「良いか?よく聞けよ?」

フェザーはこうして二人になにやら耳打ちし始めた。


そして・・・・・

ガタン・・・・・ガタン・・・・・・・・

ここは豪華寝台特急「デザート・ウィンディ号」の中。時速140`で疾走するその姿はまさに鋼鉄のウィンディとの相性に恥じない力強さがある。

「・・・・・・スイレンとフェザー、大丈夫かなぁ・・・」

ショウはただ一人個室にいるのだった。

なぜかというと二人は________。


1時間前

「とりあえず、俺とスイレンがアルバイトで潜り込む」

「ええっ!!でもそれじゃ二人とも働くんじゃ!!」

「気にするな、体力には自信がある・・・・スイレン、君もこの条件で良いか?」

「大いに賛成よ、豪華な列車に乗れるだけでも光栄だしね♪」

「でも・・・それなら僕だって手伝える事が」

「駄目だ、お前は身体が弱いんだろ?」

「そうよショウ、自分がまだ退院したてだってことを考えて行動しなさい!!」

「で、でも・・・」

「四の五の言わない!!さっさと厚意に感謝する!!」

「・・・・うん、わかったよ」

無力感を感じながらも・・・ショウは渋々承諾したのだった

〜機関室〜

「おい!!そこの小僧!!!石炭持って来い!!!」

厳つい男の怒鳴り声が聞こえる。

そして石炭の燃えて灼熱の空間となった機関室の中では

「わかりました〜〜、いや〜〜力仕事ができるのがここで役に立つとはな」

フェザーは汗にまみれ、煤で顔を黒くしながらも石炭をくべるのであった。


〜ビュッフェ(食堂車)〜

「スイレンさん、注文入ったわよ〜」

こちらではスイレンがウエイトレスとなって働いている最中だった!!可憐なエプロンドレスは彼女に似合っていて、どこか清楚さを漂わせる

「ナースコールも大変だったけど、でも忙しい中でも要領さえ覚えれば」

「こっちはオリエンタルカレーとうまティー!!」

「こっちはビーフシチューとロマネ・コンティを!!」

「はい!!今参りま〜〜す♪」

結構彼女も楽しんでいたり・・・・


とにもかくにも無事列車に乗り・・・旅は本格的に始まりを告げた



続く



キャラ紹介

フェザー=ウィング=レイ 身長:172センチ 体重:65kg 性別:男  年齢18歳 CV:石田彰

手持ち
シオン(オニドリル♂:Lv50)  
???
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アグリ 身長156cm 体重??Kg  性別女  年齢19歳  CV:田村ゆかり
マッスグマ♂ Lv100
ゴンベ♂ LV100
???
???
???
???


[一言感想]

 基本、ポケモンバトルでトレーナーへの直接攻撃は卑怯とされます。
 しかし、それはあくまで試合における話。
 実戦では相手がどういう行動を起こしてくるか分からない以上、きちんと対応できねばならないでしょう。
 さて、砂漠超えを前に資金調達が始まりました。
 物語で描かれることの少ない要素ですが、旅をする上では不可欠なものですからね。

 

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