あれから、3ヶ月が過ぎた。
 ジョウト地方の明暗を賭けた、ルハドとの決戦。
 今ではその影響もすっかり消え去り、すっかり元に戻っていた。

 この3ヶ月の間に、マサシはジョウト地方ジム巡りの旅をしていた。
 ジョウト地方の各地を回り、遂に今、ジョウト地方のジムバッジを全て手に入れた。

 そんな訳でやってきたのが、セキエイ高原。
 位置的にはカントー側に属するのだが、何故かジョウト地方のポケモンリーグも開催される。

 で、現在大会の方はクライマックス。
 マサシはルハド達との戦いを経て、大幅にレベルアップしていた。
 故に、特に難も無く決勝にまで勝ち上がることが出来た。

 そして、今…。



 …大会の幕が下りた。
 マサシの、ジョウト地方ポケモンリーグ優勝と言う形で。

「ふぅ…。途中色々とあったが、何とかここまで来れた…。後は、3年後に出ると言うヨハロ行きの船を待つだけか…」

 マサシはこれで、2つの大会を制覇した。



 少々、補足説明のための時間を頂きます。

 伝説の地こと、ヨハロへ行く事が出来るのは、各地のポケモンリーグで実績をあげた者に限られる。
 その条件は大まかに纏めると、以下のように限られる。


 1.2つ以上別々のポケモンリーグで優勝する。
 2.準優勝以上の成績を、3つ以上の大会での戦跡を残す事。
 3.準決勝ベスト4までの戦跡を最低でも5つ以上残す事。



 などだ。
 そして、これらの条件を満たした時点で、大会運営側からヨハロ行きの船のチケットを渡される事になっている。
 当然マサシも、このジョウトの大会で上記に挙げた条件を満たした為、ヨハロ行きの船のチケットを手に入れることが出来た。



 そして、世界最強を決める大会への舞台が整うまで、後3年…。






チャレンジ・オブ・マスターズ   ジョウト篇
第18話
挑戦 目指し続けた存在







 大会が終わった事で、一先ずマサシはワカバタウンまでやってきていた。
 もうしばらく、このジョウト地方に残ろうと思っていた。
 そんな折、ナギサが突然ポケモンセンターに居るマサシの元を訪ねてきた。

「マサシ君、居る?」

「! その声、ナギサか?」

 ドアの向こうから聞こえてきたのは、紛れも無くマサシの声。
 数秒の間を空けて、マサシの部屋の扉が開く。

「久し振りだな、ナギサ。大会が終わってから1週間。ずっと連絡も無かったから心配したぞ」

「ごめんね、突然押し掛けたりして…」

「どうしたんだ?」

「あ、うん。マサシ君、何時頃トーホクに帰っちゃうのかな?…って思って」

「ああ、そうだな…。もうそろそろここを発とうかと思ってたところだ」

「良かった…。ギリギリセーフだったんだ」

「? 俺に、何か用事でもあるのか?」

「うん。実はね、マサシ君とバトルしたいと思って」

「!」

「マサシ君、憶えてる?3ヶ月前、この街で別れる時に言った事」

「…トーホク大会の時の強さだった俺を超えたい…だったっけか」

「うん。そして今、マサシ君は全部の能力が蘇ったんでしょ?だから…」

「解った。お前がそう言うんなら、バトルを受けて立つよ」

「ありがとう」

「じゃあ、準備してセンター裏のバトルフィールドで待っててくれ。すぐに行く」

「うん」

 そう言って、マサシは部屋の中に戻っていく。
 彼に言われたとおり、ナギサも自分の手持ちポケモンの状態を確認して外に出た。



 しばらくして。

「待たせたな、ナギサ」

 バトルフィールドで、二人が向かい合う。
 回りには、観戦目的のトレーナー達が数名いるのみ。
 静かな方だった。

「それじゃあ、お互い全部のポケモンを使ったフルバトルでいいかな?」

「ああ」

「じゃあ、私はこの子から行くね」

 最初にナギサが繰り出したポケモンは、ニョロトノ。
 それに対し、マサシが選択したポケモンは…。

「行け、フローゼル!!」

 対するマサシは、最初のポケモンにフローゼルを選択した。
 速効性の能力が高い技を多く揃えているポケモンだった。

「それで、ナギサ。本当に良いんだな?最初から全力を出して」

「うん」

「解った。それなら…、最初から全開だ!」

 マサシがそう叫んだ途端。



 ドゴォォォォォッ!!



 凄まじい衝撃と共に、フローゼルに銀色のエネルギーが纏われた。

「『能力回帰:究極段階完全形態=ャGクストラレベル・パーフェクトエディション>』発動」

「やっぱり、凄い…。だけど私は、今のマサシ君を追い越したい!!」

「じゃあ、お前から来い!」

「うん、行くね!」

 そう言うと、ニョロトノが仕掛ける。
 初手からいきなり水系最強レベルの技、『ハイドロポンプ』を発射。
 極度に圧縮された勢いのある水弾が、襲い掛かる。

 しかしそれは、呆気なく阻止される。
 フローゼルが尾を振り抜いた際に飛ばした、白い三日月形の衝撃波によって。
 お互いの攻撃は威力を打ち消しあい、完全に消え去った。

「! 相討ち…」

 マサシは、驚いた表情を見せた。
 究極段階<エクストラレベル>の攻撃を、打ち消された事に対しての表情だった。

 だが、ナギサの今の攻撃が全力ではない事ははっきりしていた。

「(想像以上にナギサは強くなってる…。幾らこの状態でも、下手したら負けるかもしれないな)」

 ナギサの成長は、マサシの予想を遥かに超えていた。
 そして今のナギサの実力は、下手をしたら『究極段階<エクストラレベル>』でも負けるかもしれないと思わせるほどだった。

 

 マサシが驚いている間に、ナギサは次の攻撃を仕掛ける。
 先程打ち消された攻撃を再び繰り出してくる。
 フローゼルも、普通に攻撃するだけでは敵わないことを理解していた。

 だからこそ、先程の攻撃『ソニックブーム』を瞬間連射≠ニ組み合わせて放った。
 しかし、ナギサのニョロトノは1発目が相殺された時点で先程の場所には居なかった。
 だが、すぐに気配で気付く。
 ニョロトノは、先ほど居た場所から丁度真上に大ジャンプしていた。

「『とびはねる』…か」

 ニョロトノの繰り出した技の正体を確認したところで、次の行動を起こす。
 上空から繰り出される、落下速度と重力を上乗せした攻撃。
 あれを喰らうのは、いくら『究極段階<エクストラレベル>』でもまずい。
 ましてや、成長してマサシとほぼ同格の実力を身に付けたナギサのポケモンなら、尚更だった。

 

 …ナギサも、マサシは回避に専念すると思っていた。
 だが、マサシの実際の行動はナギサの予測とは全く異なっていた。

「え…?」

 自分の周囲に水を撒き散らしつつ、力を貯めるフローゼルの姿。
 マサシは、いきなりフローゼルに最大攻撃『ハイドロインパクト』を指示した。
 だが、ナギサはその技の存在は知らなかった。
 だからこそ一瞬警戒の表情を見せた。
 しかしそれは、今更無意味だった

 上空に大きく跳躍したニョロトノに残されているのは、降下による攻撃のみだったから。

「正面から…、打ち勝ってみせる」

 決意を固めて、フローゼルが飛び出す。
 ニョロトノも向かってくるフローゼルめがけて、降下攻撃の姿勢に入った。
 重力に身を任せた一撃とフローゼルが、空中でぶつかり合う…!



 ドォォォォッ…!



 結果は、相討ち。
 ニョロトノとフローゼル、双方が吹き飛ばされる結果となった。

 それを見たナギサは、次の指示を出す。
 ニョロトノが自分の腹を太鼓のように叩き、パワーを高めている。
 それを見たマサシの表情が、焦りに満ちた。

「させるか…!!」

 フローゼルは、普通の『アクアジェット』で突進する。
 その勢いは、『はらだいこ』のアクション中だったニョロトノの隙を衝くには充分だった。

「速い…!それに、パワーが凄い…。だけど、私だって」

 ニョロトノが、再び『ハイドロポンプ』を発射。
 それを、今さっき繰り出した技、『アクアジェット』で迎え撃つのだが…。

「…っ!?」

 今度は、フローゼルが力負けした。
 ニョロトノのパワーが、大幅にアップしていた。

「何だ…、このパワー…!?」

「マサシ君には言ってなかったけど、私のニョロトノの『はらだいこ』は少し特別なの」

「特別?」

「普通の『はらだいこ』ほど物理攻撃力を上げられない代わりに、特殊攻撃力も上昇させる事が出来るのよ」

「…!」

 それを聞いた瞬間、フローゼルが後退する。
 より一層、警戒の顔色を伺わせる。

「つまり、今のニョロトノの攻撃力は『究極段階<エクストラレベル>』にも遅れをとらないレベル…という事か。だったら…」

 作戦を変えた。
 その証拠に、フローゼルの姿が消えた。
 否、『でんこうせっか』を用いた超スピードでの移動をしていた。

 ニョロトノも、自分を中心に360度全方向に気を配る。
 何時、どこからフローゼルが現れても対処できるように。
 だが当ては外れた。
 ニョロトノの真上から、『アクアジェット』を繰り出したフローゼルが落下してきていた。

 しかし、それはかわされる。
 フローゼルはそのまま地面に突っ込み、広範囲の地面を打ち砕く。


 ズガァァァァッ!!


「ニョロトノ、今よ!」

 攻撃直後の不意を衝き、ニョロトノが不思議な仕草を見せる。
 それを見たフローゼルを、突如眠気が襲い始める。

「しまった…。『さいみんじゅつ』か!」

「これで、終わりよ!」

 眠ってしまったフローゼルを、ニョロトノが思い切り引っ叩く。
 想像を絶するパワーを前に、フローゼルは一撃でダウンしてしまった。

「『さいみんじゅつ』から『めざましビンタ』の連携か…。厄介だな」

「今迄のマサシ君のバトルを見てて、気が付いた事があるの。これまでにマサシ君が戦った相手って、皆攻撃メインのスタイルの人がほとんどだったよね?」

「(そう言えばそうだな。よく考えたら、今のナギサみたいに状態異常に掛けるテクニカルスタイルの相手ってあんまりいなかったな…)」

「総合的な戦闘レベルでは、マサシ君のほうが上かもしれない…。だけどその分、私は戦術<テクニック>でその差を埋めていくわ」

「本当に、強くなったな…。これは、冗談抜きに負けるかもしれないな…。エレキブル!」

 マサシが2匹目に選んだのは、エレキブル。
 繰り出されると同時に超スピードを発揮。
 一瞬でニョロトノと距離を詰め、殴り飛ばす。

「速い…!?」

「エレキブルは、俺のチームの中では一番のスピードを持っている。『さいみんじゅつ』発動の隙は与えない!」

 ニョロトノはジャンプして後退する。
 その途中、『ハイドロポンプ』を発射するのだが…。

 エレキブルは、拳に電撃を纏わせる。
 そしてその拳を向かってくる水弾めがけて繰り出し、ニョロトノの攻撃を打ち破った。

 驚く暇さえも与えず、再び距離を詰める。
 そこから休む暇さえも与えない怒涛の連続攻撃を繰り出す。
 エレキブルの猛攻に、ニョロトノは成す術も無くダウンした。

「マサシ君、やっぱり強いね…。こんなに早く巻き返されるなんて思ってなかったなぁ」

「…」

「でも、私はもう負けない!絶対、マサシ君を超えてみせる!」

 決意を固め、ナギサは2匹目を繰り出す。
 その中から現れたのは、ユキメノコ。
 ボールから飛び出すと同時に、周囲に氷のエネルギーを振り撒き始める。
 そしてそのエネルギーが天候を悪化させ、雪が降り始める。

「『あられ』…か。 …っ! エレキブル!!」

 突然慌てたマサシがエレキブルに指示を出す。
 先程と同じ超スピードでユキメノコに攻撃を仕掛けるが…。
 それより僅差で、ユキメノコの姿がこの雪の天候の中に溶け込んでしまった。

「(忘れてた…。ユキメノコの特性は〜ゆきがくれ〜。これじゃ、こっちからの攻撃が殆ど当たらない…)」

 心中焦っていたマサシだが、すぐに落ち着きを取り戻した。

「だが、『あられ』によって変化した天候は少し経てば元に戻る。それまで、何とか持ち堪えれば…」

「それは無理よ、マサシ君」

「!」

 吹き荒れる雪の中から、強烈な冷気の暴風がエレキブルを打ち付ける。
 その攻撃が、ユキメノコによるものだという事は疑うまでも無かった。
 その凄まじい勢いに、エレキブルの身体は軽々と吹き飛ばされる。
 吹き飛ばされた先で地面に激突したとき、その全身は完全に凍り付いていた。

「この天候…。何とかしないと、晴れる前にこっちのポケモンが全滅する…。…、やってみるか」

 何かを決意し、ボールを手に取る。
 その中から現れたのはバクフーン。

「頼むぞ、バクフーン。お前のパワーで、この吹雪を吹き飛ばせ!」

「え…!?」

 マサシは、信じられない指示を出した。
 この天候を、力ずくで打ち破ろうとしている。

「そんな事、出来る訳が…」

 それは不可能だと信じたかった。
 だけど、何故か不安が過ぎる。

 その間に、バクフーンは全身から激しい炎を発生させて力を高めている。
 そして…。



 ドガァァァァァッ!!



 高めたパワーが、炎と一緒に大爆発を巻き起こす。
 眩い閃光と共に、天候を吹き飛ばす。

「…!!」

 驚愕した。
 だが、そんな暇は無かった。
 雪が晴れた事で、ユキメノコの姿が露になってしまった。

「行け、バクフーン!!」

 バクフーンが、姿を見せたユキメノコ目掛けて懇親の炎を発射する。
 ユキメノコもそれを阻止するために、全力の『ふぶき』を放って対抗する。

 互いの攻撃は、ぶつかり合った瞬間大爆発して対消滅。
 その爆発でお互いに吹き飛ばされて、同時にダウンした。

「互角……か」

「だけどまだ、お互いに主力級は出してないもんね」

「ああ。ここからが、本当の戦いになるな」

「けど、残りポケモンの数じゃマサシ君は一歩負けてるわね」

「ここから挽回するさ。フライゴン、頼むぞ!」

 マサシは、ボールを上に放る。
 その中から、フライゴンが空に飛び出す。

 それに対抗して、ナギサも手持ちの中で唯一飛行能力を持つポケモン、エアームドを繰り出した。

「今度は空中戦だな」

「うん…」

「ナギサ、解っているとは思うがこのフライゴンは、俺が1年前にトーホクの旅をしてた頃からの付き合いだ。否、フライゴンだけじゃない。残りの控え3匹も同じだ」

「マサシ君の本領は、ここから…だね」

「そういう事だ」

 マサシが喋り終えた瞬間、フライゴンが動く。
 一瞬の残像が見えるほどのスピードで急接近。
 腕を振り下ろす構えからの『ドラゴンクロー』がエアームドを切り裂く。

 その勢いで、エアームドは急降下して地面に激突する。
 だがすぐに身体を起こして飛翔、すぐに元の高度に戻ってきた。
 今度は、エアームドが先のフライゴン並のスピードを発揮。
 『こうそくいどう』を使って一気に間合いを詰める。
 そして、間合いを詰めてから一瞬の間に翼を使って、フライゴンを切り裂く。


 ザシュッ!!


 その攻撃でフライゴンは軽く後方へ放り出されるが、すぐに体勢を立て直した。
 そして口を開き、その中に銀色のエネルギーを貯め始める。

「! エアームド」

 ナギサも、エアームドに反撃の指示を出す。
 翼を羽ばたかせ、それによって生まれた真空の刃を放つ。
 だが、無常にもフライゴンが発射した竜巻にも似た衝撃波を前にその攻撃は掻き消されてしまう。
 そして、エアームドもそのままフライゴンの攻撃に飲み込まれていった…。

 攻撃が収まると、エアームドが地面に落下した。
 所々に傷跡が残っているが、まだダウンするには程遠い。

「フライゴン、追撃しろ!」

 飛翔していない地上のエアームド目掛けて、フライゴンが急速降下してくる。
 だが、それこそがナギサの狙いだった。
 カウンターの要領で突如飛翔して、すれ違いざまに懇親の一撃を叩き込んだ。

「何っ!?」

 エアームドの反撃は、全く予想の範囲外だった。
 不意打ちに近い形で攻撃を喰らったフライゴンは、そのままダウンしてしまう。

「残り、2匹…」

 マサシが、徐々に押され始めてきていた。
 傍から見ても、このバトルの流れがナギサに向いている事は明らかだった。
 だが、マサシは次のモンスターボールを構えたとき、表情に余裕が見受けられた。

「いよいよ、来るのね。マサシ君手持ちの中で、最強の一匹が…」

「そろそろいい加減、流れをこっちに引き戻さないとな。オーダイル、頼むぞ」

 5匹目にマサシが繰り出したのは、相棒のオーダイル。
 ボールから出た瞬間、オーダイルは持ち前の超スピードを発揮。
 上空を飛んでいるエアームドの目の前に飛び出した。

 驚く間もなく、オーダイルが地面目掛けてエアームドを殴り飛ばす。
 凄まじい勢いで落下し、地面に激突した衝撃で広範囲に亀裂が入り、砕けた。
 前の戦いのダメージが出てきていたのか、これでエアームドはダウン。

「次は…、この子でいくわね」

 ナギサが4匹目に繰り出したのは、ミルタンク。
 ボールから出て、オーダイルの姿をじっと見据える。

 オーダイルもまた、しっかり身構える。
 いつでも、戦いを始められるように…。

「………。…っ!」

 先に攻撃を仕掛けたのは、ミルタンク。
 自分の身体を丸めると、ボウリングのボールのように転がりながら突進してきた。
 オーダイルは、その攻撃を横に移動して回避する。
 が、それだけではまだ安心できなかった。
 突進した先で方向転換して、再び此方に向かってきていた。

「オーダイル!!」

 逃げ回っているだけでは埒が明かない。
 意を決して、真正面からミルタンクに挑んでみるが…。


 まるで話にならなかった。
 道端に存在する小さな石のごとく…。
 オーダイルは呆気なく弾き飛ばされてしまった。
 だが、オーダイルはまだ諦めない。
 無謀にも、再びミルタンク目掛けて突っ込んでいく。

「ミルタンク、もう一回よ!」

 ミルタンクは再び自身を丸めて突進する。
 だが、今回は突如オーダイルの姿が途中で消えてしまう。

「え…?」

 その直後、ミルタンクの横から強烈な打撃が炸裂。
 オーダイルが、強烈な空中からの蹴りを見舞わせたのだ。
 それで重心がずれたミルタンクは横に大きく揺れ始め…。


 ドガァァァァッ!!


 大きな岩に激突してしまった。

「流石ね…。だけど、ミルタンクのパワーはオーダイルよりも上。それが解っただけでも随分気が楽だわ」

「…だったら、今度は速さ<こっち>で勝負してみるか」

 再び、オーダイルの姿が消える。
 それを見るや否や、ミルタンクは自身を横に回転させ始めた。

「…!待て、オーダイルっ!!」

 マサシが指示をだすが、既に遅かった。
 オーダイルは、ミルタンクの『ジャイロボール』を前に弾き飛ばされてしまう。

「接近戦は危険か…。だったら!」

 オーダイルは、巨大な水弾を発射。
 肉弾戦ではリスクが大きいと判断して、戦い方を変えてきた。

「ミルタンク、突破して!」

 だが、それですら甘かった。
 ミルタンクは『ころがる』を発動して、オーダイルの発射した水弾を突き破った。

「な…!?」

 だが、オーダイルは超スピードを再度発揮。
 ミルタンクとの間合いを大きく開いた。

「(普通の攻撃じゃ、まともに太刀打ちできない…。だったら、スペイザーしか手段が無いか…)」

「行ける…。このままなら、勝てるよミルタンク!」

「いや、悪いがミルタンクは次の一撃で倒す」

「え…?」

「まさか、お前相手に使う羽目になるとは思わなかった。俺の見積もりが、甘かったのかもな」

「…! まさか」

「行くぞ、オーダイル」

 今、オーダイル最大の攻撃が繰り出されようとしていた。


続く



後書き
ぶはぁっ!! やっぱ、フルバトルを1話内で収めきるには無理があった…(汗)。
という訳で、今回はマサシVSナギサのバトルとなりました。
この戦いのコンセプトは、ジョウト篇でナギサがどれだけ成長したのか?という事を表現する事だったんです。
なので、マサシには最初から『究極段階<エクストラレベル>』を発動してもらいました。
…ナギサ、本当に強くなったなぁ(何)。
まあとりあえず、この戦いは次回の前半あたりで決着です。
その後は、残りの複線を回収するだけです。
では、残り僅かなジョウト篇ですが今後もよろしくお願いします。
次回、ジョウト篇第19話『決着 確たる自信』。
お楽しみに。

 

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