※先に前編をご覧下さい
第28話(後編)
Phase.104 最終決着(4)〜ファイナリティ・エンデVSハイドロスペイザー〜
エンスの繰り出した最強の技、ファイナリティ・エンデ=B
それを破るべく、マサシは決死の覚悟で真正面から激突する。
ズドォォォォォォォォッ……!!
激突により生じた爆発と轟音が周囲に反響し、大地を粉々に砕く。
そしてその爆発の中心では、凄まじい暴風が吹き荒れていた。
「ぐっ…」
文字通り全力で抗っていたのだが、次第にマサシの表情が引き攣っていく。
元々消耗した状態で、これ程の大技と真正面からぶつかり合っている。
普通に考えたら、勝負にならない事など初めから解りきっていた。
だがそれでも、マサシとオーダイルは一歩も退かない。
エンスのその圧倒的な力を前に、一歩も劣っていなかった。
否…。
「な…、何だと…!!」
エンスが、動揺しきった口調で言葉を発した。
マサシ達はエンスの攻撃に拮抗しているどころか、徐々にその攻撃を押し返し始めたのだ。
「ファイナリティ・エンデ≠、本当に真正面から……!?」
「うおおおおおおおおおお!!!!!」
そしてマサシは、向かってきていたエネルギーをそのまま弾き返す。
エンスは、自分の攻撃をそっくりそのまま返されたことになる。
「流石だなマサシ、ここまでやるとは…。だが、まだだ!」
しかしエンスも、このままでは終わらなかった。
マサシが辛うじて弾き返したファイナリティ・エンデ≠フエネルギーを取り込み、再び己の物としたのだ。
そしてそれは、間髪入れずに再び技を繰り出すことが出来ると言う合図でもあった。
「これで終わりだ! ハイドロスペイザー=I!!」
そしてマサシは、ここ一番のタイミングで遂に最強の技を発動する。
桁外れの天属性のエネルギーが一点に集まり、その直後のエネルギー波の破壊力は今までの比ではない。
「ファイナリティ・エンデ=I!」
そしてエンスもまた、再び最強の技を発動。
両者の、正真正銘全身全霊を込めた最強の技と技の激突…。
戦いを見守る者達も、感付いていた。
これが、この戦いで両者が繰り出す最後の一撃になると。
そしてその果てに立っていた者が、勝者である…と。
「…っ!」
先ほどは辛うじて弾き返せたのだが、今度は逆に此方の攻撃が押し戻されている。
どうやら先ほどの激突で、かなりの力を使ってしまっていたらしい。
「まだだ…。 エンス、お前の展開したこの陣の力がある…! これは特殊攻撃の攻撃力を限界にまで引き上げる…!」
「…!」
信じられないことが、エンスの目の前で起こった。
先程自分が展開した、アルティメットゾーン=B
その力を、マサシのオーダイルがどんどん取り込み始めていた。
それにより、両者の技の激突は拮抗する。
「限界を超えた一撃だ…! この攻撃に、全てを込める!! ハイドロスペイザー:オーバーブースト=I!!」
今の攻撃で、既に限界だと思っていた。
だが不思議と、身体の底から力が沸いてくるような感覚を受けていた。
これなら、まだまだ力を引き出せると。
実際、今までのハイドロスペイザー≠ニは比較にならない程の威力を発揮し、エンスを相手に完全に互角の勝負に持ち込んでいる。
「「うおおおおあああああああああああああああ!!!!!」」
そして最後に、トレーナー2人の雄叫びが木霊した。
それに反応したかのように、2匹のポケモンの技が激突していた場所から光が発生。
大爆発と共に、ヨハロ地方全体を覆うかのように辺りを真っ白に塗り潰していった…。
―――リュウイチの言っていた、全力を賭けて戦うに値するトレーナー…か。
―――確かに居たぜ、リュウイチ。お前の弟が…。
―――マサシは、俺をここまで熱くさせてくれたよ…。
「マサシ…」
真っ白な空間の中で、マサシはエンスに呼びかけられた。
エンス自身はだいぶ離れた場所に立っているのに、すぐ傍から話しかけられたかのような、不思議な感覚だった。
「ありがとう。お前達とのバトルは、最高だった。俺の人生の転機となるような、今までに無い清々しい気分だ」
「エンス…」
「リュウイチの言っていた事も、やっと解った。世界は、本当に広い…。まだまだお前みたいな奴がいるんだな」
「兄貴が、何か言ってたのか?」
「いや、こっちの話だ。それよりもマサシ、本当にお前達は強かった。 この戦いは、お前達の…」
そこでエンスの言葉は途切れた。
その直後、我に返ったかのようにマサシ達は元いた場所に立っていた。
慌てて周囲を見渡して、周囲の状況を確認する。
見回している最中、エンスの姿が視界に入る。
彼の最後のポケモンだったニドキングと共に、仰向けに倒れている。
これが意味する事を理解するのに、数秒掛かった。
一旦深呼吸をして、心を落ち着かせて…。
「…っ。うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
状況を理解すると、マサシは天目掛けて雄叫びをあげる。
この果てしなき死闘を制したという、歓喜の雄叫びだった。
アロナシティで始まった、マサシチームVSエンスチームの戦い。
約1時間半の死闘の果て、遂にマサシチームが勝利を掴み取るのだった。
Phase.105 ヨハロ地方激動
マスターリーグ予選が始まって、およそ2ヶ月弱。
そんなある日、生き残った大会出場者達の間で衝撃が走る。
『予戦内ランキング第1位が陥落』。
この情報は、ほぼ同時に全ての出場者達の手にある端末に送られた。
しかも第1位のエンスチームを打ち倒したのが、予選開幕当初は下位ランクだったマサシチーム。
この情報が、今後のマスターリーグに大きな波紋を広げる事になるのだろうか。
或いは…。
無論、この衝撃的なニュースを目の当たりにした予選参加者が多数居るのは前述の通り。
しかし、それでも生き残った出場チームのうち半数にも満たなかった。
精々10人〜20人の間といったところか。
この戦いを見守ったトレーナー達の誰もが、死力を尽くした両チームを称えた。
消耗しきったマサシに攻撃を仕掛けようとするものは、誰一人として居なかった。
「マサシーー!」
足を引き摺りながら、ゆっくりとマサシに近付くアヤとユキヤ。
その2人を見て、マサシは思わず表情を緩めて微笑んだ。
だがその直後…。
ドサッ!
「マサシ!?」
凄まじい死闘が終わったことで気が抜けたのか、或いは体力の限界が来てしまったのか。
マサシはその場に倒れこんでしまうのだった。
次にマサシが目を覚ました時、そこは見慣れない部屋だった。
が、何処か生活感の整った部屋。
「ここは、ポケモンセンターか…」
マサシはすぐに理解した。
自分が倒れたあの後、仲間達がここまで運んでくれたのだと。
「とりあえず皆の所に行くか…」
ベッドから起き上がって、軽く身体を動かしてみる。
特に痛みは無く、調子よく動かせたので、一先ず皆のところへ向かうことにした。
「あ、マサシ!」
ポケモンセンターのロビー。
そこに備え付けのソファーに座っていた仲間達が、マサシの存在に気が付いた。
真っ先に彼の元へ駆け寄ったのは、アヤだった。
「もう動いて大丈夫なの?」
「ああ。特に怪我とかもしていないし、単に体力を使い果たしただけだ。それより、アヤ達のほうこそ問題ないのか?」
マサシはアヤ達の身体に気を配る。
よく見ると、身体の彼方此方の絆創膏などが張られていて、痛々しさを表していた。
「特に問題は無いわ。まあ、幸いにもそこまで大きな怪我だったわけじゃないから」
「なら安心した。 それで、ポケモン達は?」
「まだ回復してもらってるところよ。あれだけの戦いだったから、ポケモン達のダメージも大きくて…。だいぶ時間が掛かりそう」
「そうか…」
今思い返せば、エンスチームとの戦いは凄まじかった。
これまでに経験した事もないようなレベルの戦い。
あの戦いは、更に1段階上の領域に足を踏み込むための戦いだったと思えてきた。
現実にマサシ達は、あの戦いの中でそれぞれ新たな力を習得した。
「それにしても、未だに実感が沸かないな。俺達が、あのエンスに勝ったなんて…」
「実感が沸かないにしても、端末<それ>に記された情報は紛れも無い事実だぜ、マサシ」
ポケモンセンターの外から戻ってきたエンスが、マサシに諭す。
「エンス…」
「実感が沸かないってのは解るが、もっと堂々と胸を張れ。お前達は紛れも無く、予選内ランキングの頂点に立ったんだ」
「………、そうだな」
エンスの言葉を聞いていくうちに、マサシは力強く握り拳を作る。
ここに来て初めて、自覚が出てきた感じだった。
「エンス。それでどうだった?奴等の動きは」
ふとユキヤが、エンスに別な話を切り出す。
突拍子も無かった為、マサシは首を傾げた。
「…ああ。思ったとおり、数日前にこのアロナシティに一隻の船が寄港している」
「マスターリーグの開催期間中は殆ど船が停泊する事のないこの町に…」
「ユキヤ、エンス…。一体、何の話を」
「例の奴らの足取りに関しての情報だ」
「! レクトさんか」
マサシもハッとなった様子で、その話に食いつく。
そして引き続き、エンスは話を続ける。
「その中で、船から下りてきた連中と接触した大会出場チームが居る事が判明した」
「レクトさん…! 俺達と出会う前に、既に新たに呼び寄せた連中と接触していたのか…」
「いや、それは違う。船が寄港したのは、俺達がレクトと戦った時よりも後の話だ」
「え…。 あの時のレクトさんは、魔属性の力の影響で暴走してるような状態だったから、とても会話なんて出来るような状態じゃなかった。となると、やっぱり一連の騒動の黒幕はレクトさんじゃない!?」
「そして、その接触を図った出場チームというのが…。マサシ、俺達の知っているチームだ」
「…! 誰なんだ…?」
「………、フジヤチームだ」
「!?」
「ちょ、ちょっと待って!」
今のユキヤの話に関して、真っ先に異論を挟んだのはアヤ。
まあ、それも仕方の無い話だが。
「私は先の騒動の時にあの3人と会ったんだけど…。その時は普通に出場者を殲滅しようとしてた連中と戦ってたわよ? それに戦いの雰囲気から察するに、演技とも思えなかったし…」
「全ては奴の自演…。疑いの目を自分に向けられないようにする為に、敢えて自分についてきた連中を切り捨て、尚且つレクトという隠れ蓑を用意したんだろう」
「そこまで用意周到に…。 なら、仮にフジヤがあの一連の騒動の黒幕だとして…。目的は何だ? あいつが黒幕なら、『終焉の道標<エクストレーム>』とも繋がりを持っていることになる。レクトさんに魔属性の力を渡したのは、これまでの結論から考えるとフジヤしかいない」
「確かに…。『終焉の道標<エクストレーム>』がマスターリーグの出場者を潰す事に意味なんて無い。それに、フジヤが己の目的を果たすために連中を利用しているというのも考えにくいな」
「となると、このマスターリーグの中に『奴ら』の捜し求めている物があり、そのためにフジヤを利用している って考えるのが妥当か」
「ああ、それが一番可能性が高いな」
色々な思考をめぐらせている中、今のユキヤの推測が一番有力だと、エンスは判断した。
「そうなると、問題は連中の狙いが何なのか…、だな。フジヤはフジヤでマスターリーグでの優勝を確実な物にするために動いているのは確かだろうし、『終焉の道標<エクストレーム>』の計画にあいつは絡んでいないんじゃないかな」
「或いは、フジヤにマスターリーグを優勝させる事で、初めて目的が達成される………?」
全く見えてこない『終焉の道標<エクストレーム>』の目的に、マサシ達は首を傾げるばかりだった。
「まあ、連中の目的については少しずつ暴いていけばいい。それよりもマサシ、お前は俺達のチームを倒して予選内ランクの第1位に上り詰めた。これからは、今まで以上にお前達を狙う出場者も増えてくるだろうな」
「それはとっくに覚悟していたよ、この予選内で上位ランクに食い込んだ頃からな」
「そうか」
「…さて、随分話し込んじゃったな。ポケモン達の回復は勿論だが、俺達も少し身体を休めないと」
「2〜3日はこの町に滞在しよう。そうしたら、3つ目の証を持ったトレーナーを探しに行こう」
「ナリサさんの所には戻らないの?」
「いや、今までの証を持ったトレーナー達の大まかな居場所を考えると…。最後の1人はこのアロナシティから西方、ヨハロ地方南西エリアに居る可能性が高い」
「トウクが北西、ナリサが北東。そしてジグサが南東………、か。成る程」
「そのために、南西方面で比較的大きい町…。ラジルシティで情報を集めよう」
端末のマップモードで、南西方面を調べていたマサシ。
その中で、比較的大きな町を発見したので、一先ずそこが目的地になった。
「だがマサシ、気をつけろよ。さっきも言った通り、既に大会出場者を殲滅する奴らは、既にこのヨハロ地方に上陸している。しかも、前の騒動の時に暴れまわっていた連中より桁外れに強いって話だ」
「心配ありがとうな、エンス。でも大丈夫だ、俺達はもう今までの俺達じゃないんだ」
「そうよ。 今回のバトルを通じて、私達は更に一歩強くなることが出来たから」
「簡単にやられるつもりもない」
「その様子なら安心だな。マサシ、今後の健闘を祈ってる。最終トーナメントで会おう」
「ああ、それまでお互い無事で」
言葉と共に、マサシとエンスは握手を交わすのだった。
Phase.106 休養
エンスチームとの戦いから、3日が経過した。
ポケモン達の回復も終わり、マサシ達も充分休みを取る事が出来た。
「しかし、改めて見返すと随分派手にやったもんだよな…」
マサシは、改めてアロナシティ町中を散策していた。
今この町は、まるで局地的地震があった直後であるかのような状態。
尤もその原因は、マサシ達が所構わず派手に大技を繰り出したりしていた所為なのだが。
激闘の後に改めて見返して、マサシは顔が青ざめていた。
「やっぱり、途中で戦いの場所を移して正解だったかもしれないね。あんな凄いバトルをここで続けてたら、町が消えちゃってたかもしれないね」
「ああ、そうだな。 ………って、ナギサ!?」
余りに自然すぎて、マサシのリアクションが遅れた。
いつの間にか彼の右隣にナギサが居たのだ。
「まあ、お前が唐突に現れるのはいつもの事か」
「むぅ、それってどういう意味?」
マサシの発言に対して、若干頬を膨らませたナギサ。
だがそれを、マサシは小さく笑って受け流す。
「今回の戦いは、俺達にとって大きな経験になったのは確かだ。だが…」
「?」
「あの戦いも、マスターリーグ予選という舞台上で行われた一つの些細なバトルに過ぎない。 そこらで行われている、ランク争奪戦と扱いは変わらないだろうな」
「…でも、マサシ君のチームが予選のランキングで頂点に立ったのは大きいよね」
「まあ…、な。でも、これからが大変だ。第1位にまで上り詰めた以上、これから先俺達は常に狙われる立場になる」
「でも大丈夫だよね。マサシ君なら」
「ああ、この前エンスにも言われたけど…。もっと堂々としないとな」
そう言いつつ、マサシは胸の前で握り拳を作った。
「さて、もう少し見回ってみるか。 …って、ナギサ?」
そして気が付けば、ナギサが忽然と姿を消していたのだった(爆)。
アヤは、アロナシティの海岸線で腰を下ろしていた。
何処までも続く水平線を、ただただ眺めているだけだった。
「それにしても、私達が予選内ランキングの第1位かぁ…。マサシじゃないけど、全然実感が沸いてこない…」
「あれ? マサシ君何処に行ったんだろう?」
「え、ナギサ?」
そしてまたも唐突にナギサがアヤの傍に姿を見せる。
最早彼女の方向音痴もとい、神出鬼没さは拍車が掛かっている。
「アヤちゃんは、まだ実感が沸いてないの?」
「そりゃそうよ…。あれから3日経った今でさえ、あんなに強かったエンス達に勝てたのが信じられないくらい…」
「…でも、現実にマサシ君達はあのエンスさん達に勝った。その所為で、このヨハロ地方に波紋が広がってるって」
「それは解ってる。 でも、やっぱり気持ちの整理にちょっと時間が欲しいの。出発までには何とかするから…」
「うん…」
アヤはアヤで、あの戦いの後で色々と複雑な思いを抱えている様子だった。
「ここに居たのか」
そしてまた場面は変わって、アロナシティの灯台近く。
そこで1人で佇んでいたユキヤの元に、マサシが姿を見せた。
「何の用だ」
「エンス達との戦いの合間で話したことが、気になってな」
「…俺が昔、『終焉の道標<エクストレーム>』に居たことか」
「ああ」
「あの時に話したとおりだ。昔の俺は、奴らの掲げる改革に賛同していた。が、奴らの活動に反発して抜けた。それだけだ」
「…」
「マサシ」
「?」
「これはあくまでも俺の推測だが、『終焉の道標<エクストレーム>』を倒したところで、何も変わらない」
「どういう事だ?」
「奴らには奴らなりの目的という物がある。このヨハロ地方に変革をもたらす…、というな」
「だけどユキヤは、それに反発したんだろ? 何で今更…」
「俺も、今のヨハロ地方のトレーナーとしての仕組みには疑問を持っていた」
「ああ…、エンスチームとの戦いの合間に言っていた、よその地方へ旅立たせるっていう話か?」
「そうだ。もしトレーナーになった奴に資質が無ければ、よその地方での大会で優勝など出来る筈がない。そうなれば、必然的にこのヨハロ地方へ帰ることが出来なくなる事を意味する」
「それは確かに妙な話だよな。何で態々そんな事をする必要が…」
「もしかしたら…だ。『終焉の道標<エクストレーム>』の奴らは、このヨハロ地方の裏に潜む『何か』を探り当てているのかもしれない」
「何か…か」
「それが何なのかを知る事が、今後の戦いを大きく左右すると、俺は考えている」
「もしかすると、3日前にユキヤが推測した、この大会の中に奴らの求めている物があるって言う話。それも関係しているんじゃないか?」
「…。かもな」
「どっちにしろ、今の俺達はこのマスターリーグを戦っていくしかない。相手の出方が解らない以上、何も出来ないからな」
「そろそろポケモンセンターに戻るぞ。全員戻ってきている頃だ」
「ああ」
こうしてマサシとユキヤの2人は、会話を終えてポケモンセンターへ戻っていった。
そのポケモンセンターでは、既にアヤとナギサの2人が戻ってきていた。
「遅かったわね、2人とも」
「ああ、悪かったな。 ところでナギサ、俺と話した後何処に行ってたんだ」
「えっと、気付いたらすぐ近くにアヤちゃんが居たの」
「あー、うん。態々聞いた俺が馬鹿だった」
呆れ果てた様子で、ナギサの回答に反応を示すのだった。
改めてマサシ達は今後の決意を固める。
「既にマスターリーグ予選が始まって、2ヶ月が過ぎた。いよいよ時間が足りなくなってきた。今から最後の1人を見つけ出して証を獲得して、リーラシティへ向かう。その為にも、これからの道中で発生するであろうバトルも、1分1秒も無駄に出来ない」
「それに、3つ目の証を獲得するバトルでも負けることは許されないわね。それだけでも大幅な時間ロスになるから」
「そうなると問題は、4人目を見つけるのにどれだけの時間を使うか…か。4人目の居る場所からリーラシティへ向かう為には、間違いなくこの広大なヨハロ地方を横断する事になる。どんなに急いだところで、3週間前後がギリギリなところだ」
「出来ればラジルシティに4人目が居る事を願いたいが、そう都合よく行くかどうか」
「後の事は到着してから考えればいいのよ。今はそこへ向かうことが大事でしょ?」
「そうだな。それじゃあ、行くか!」
マサシの言葉を合図に、皆が席を立つ。
そしてポケモンセンターを後にし、アロナシティを西へ抜けていく。
当面の目的地は南西地区最大の都市、ラジルシティ。
マサシ達のマスターリーグ予選、その後半戦がここに始まりを告げるのだった。
「ところで、何か忘れてないか?」
「え? ………あ」
マサシの言葉で思い出したかのように、周囲を見回すアヤ。
そこには、マサシチーム3人以外に、ナギサの姿。
「そういえば私達って、最初はナギサを送り届ける為にアロナシティに向かってたのよね…」
「でも俺達、アロナシティを出てかなり移動したぞ? ここからナギサ1人でアロナシティへ戻ることなんて出来る筈が無いし…」
「つまり、今までと同じで4人で旅するしかない…、ってこと? 今からアロナシティへ戻るのも、凄い時間ロスになるし…」
その後、4人の間で静寂が流れる。
そして…。
「最後の最後でこんなオチかあああああああああああああ!!!!!!!」
広大なヨハロ地方に、マサシの叫び声が木霊すのだった(爆)。
To Be Continued
久々の後書きコーナー(ぇ)
まず最初に書き終えてみて、言いたい事が一つ。
エンスチーム戦を長くしすぎた!(爆)
いやまあ、このバトルが長引く事は覚悟してたのですが、まさかこんなになるとは…。
途中で休憩や番外編を挟んで、何とかgdgdにならないよう工夫したつもりですが、どうでしょうか。−−;
そして次に言いたいのは、今回の第28話を前後編に分けて正解だった という事ですね。
前編と併せてこの第28話の容量がおよそ40kb。
普段の倍近くになっています(汗)。
前回の最後に、今回で決着に持ち込むという煽りを入れてしまったのがそもそもの原因なんですが、それ以前にそろそろ決着に持ち込みたかったという意もあります。
だって1話辺りの平均容量が20kbで、バトルが6話も続いたら、そりゃさっさと切り上げたくもなります。−−;
まあ肝心の内容としては、やりたい事は全て詰め込むことが出来たので満足しています。
最後のオチに関しては、狙ってやりました(爆)。
寧ろ、最初の目的を覚えている人がどれだけいるのかを試してみたかった(待て)。
そして書いてる途中から、最終回っぽい雰囲気を漂わせてしまったのがちょっと失敗だったかなと思っています。
無論この第3部はまだまだ続きますが、予選前半戦の区切りとするには丁度良かったのではないか と感じてます。
さて、久し振りすぎて色々長く語ってしまいましたが、次回からはマスターリーグ予選も後半戦に突入します。
色々とやるつもりなので、今後ともご期待下さい。
それでは。
[アットの一言感想]
ナギサは可愛い、しかしその動きは理解し難い←
せっかくだから、このまま最後までついてきてもらえば良いと思ってます(ぇ)。
マサシはエンスとの激闘を遂に制しました。
エクストレームの動きは気になりますが、いよいよ大会も後半になるようです。