―――風が、心地よい。

―――常に流れ続けるこの風は、この世界の息吹を感じさせてくれる。

―――僕にとって、それはいつの間にか切っても切れない間柄になっている。

―――いや、僕自身がこの世界を駆け巡る風の如く、旅をしているからそう思うのかもしれない。

―――なんの束縛も無く、自由気ままに駆け抜ける世界。

―――そこが、僕の居場所。

―――僕と、もう一人の相棒の住む世界…。

 

 

 

Episode 1st
Start of New Adventure

 

 

 

 風が、全身を吹き抜けていく。
 とても心地よい、自然の息吹。
 地上をやや見下ろせる地点に立っているから、そう感じられるのかもしれない。
 それにしても、この軟らかな感じはいつ受け止めても心地よい。
 このまま、眠りたい気分だ…。

「……って、寝るなーーー!!!」

 突如、若干若い感じの少年の声が聞こえる。
 と同時に、その場に座っていたもう一人の少年の後頭部に痛みが走る。
 深い海を思わせる色の髪の毛の少年(座っていた方)は、後頭部を両手で抱えながら後ろを振り返る。

「いきなり何するんだよ!痛いじゃないか!!」

「リズオ君がボーっとしてるからでしょ?もう、その癖は何とかならないの?」

「たまにはいいじゃないか。こんなにのんびりするのも悪くないと思うけど…。」

「リズオ君がのんびりしてるのはいつもでしょ!!?偶にそんな風にしてるような言い回ししないでよ!!」

 …失礼。
 少々お見苦しい場面をお見せしました(爆)。
 では、改めて…。







 Part1









―――僕、リズオは気ままに世界を旅する少年だ。

―――そして、僕の傍にはいつもマコトがいる。

―――とある事が切欠で知り合い、僕の旅に同行するようになった。

―――でも、正直な話、僕には旅の目的と言えるようなものは一切無い。

―――ただ、自由に世界を見たかっただけ。

―――それと同時に、僕と相棒のマコトはそれなりの腕を持つポケモントレーナーとして、いつの間にか知られるようになった。

―――まるで、僕の為に作られたかのような言葉、『Liberty The Sky』。

―――自由で気ままな大空…と。










 この地に、特別な呼び名は存在しない。
 忘れ去られた地。
 この地方に住む人々は、そう呼んでいる。
 確かにここは他所との交流が少なくとも30年以上は無い。
 歴史を紐解けば他の地方との交流もあったのかもしれないけど、それでも、この地方のことが世界の記憶から忘れ去られているのは間違いないだろう。

「さて、しばらくはこの辺りでのんびりしようか。」

 今、彼らは海沿いのとあるリゾート地に足を運んでいる。
 大きな宿泊地の立ち並ぶ、この地では比較的賑やかな場所だ。

 このリゾート地近くの防波堤付近で、二人の少年が腰を落ち着かせていた。
 片方は、海と見紛う程よく似た青い色の髪の毛をした少年。
 その隣で座っているのは、帽子をかぶり、頭の後ろから僅かに緑色の髪の毛が見える少年。
 二人とも、黄色の瞳をしている。

「ゆっくりするって言っても、別に遊びに来たわけじゃないんでしょ?何で、ここに…?」

 問い掛けたのは、帽子をかぶった少年。
 それに対して、青色の髪の毛の少年はこう答える。

「うん、雰囲気が気に入ったんだ。結構活気があるし、個人的に結構好きになれそうだから。」

 その言葉で納得した表情を見せた。
 が、彼はもう一言付け加える。

「それに、結構のんびりできそうな感じだs」

「結局それか!!!」

 彼の言葉をさえぎり、帽子の少年の拳が彼の頬にめり込んだ。

「毎度ながら、ツッコミと同時に殴るのは止めてくれないか?マコト…。君は、ツッコミとパンチが連動してるのかなぁ…?」

「そんな訳あるかっ!!」

 …と、この二人の少年のコントはしばらく続いた。








 少し時は流れ、昼下がりのとある時間帯。
 リズオ、マコトの二人組は人が溢れかえる海岸線を横切って歩いていた。

「リズオ君、いつも思ってたんだけど、何で旅をしてるの?」

 ふと、マコトは普段から心に抱えていた疑問をぶつける。
 だが、実はこの手の質問をするのはこれが初めてではない。
 今迄に何回も同じような質問はした事がある。
 しかし、彼はそんな質問の回答はいつも曖昧。
 よって、旅の相棒<パートナー>であるマコトでさえ彼の本質を未だに知らないのだ。

「いつも言ってるでしょ?僕は気の向くまま、自分に忠実になってるだけだって。それは、真実だよ。」

「(いつもそんな返事をして、本当の事を話さないのは相変わらず…か。だけど、それは多分嘘。だって、彼の行く先々では必ずと言って良いほど…。)」

 と、そんな時だった。
 今迄賑やかだったこの付近一帯に、突如地震が発生。
 平和だったリゾート地は、一瞬にして大パニックに陥った。

「(僕達…。いや、正確にはリズオ君の向かう先では必ず自然の災害、或いは何かしらの事件が起こる。偶然じゃない、何かの意思を毎回感じる…。)」

 と、大地震が発生している中でも実に冷静なマコト。
 まあ、毎回毎回こんな事になっているため、慣れてしまっているわけです(待て)。

「今の地震、自然災害じゃない…。多分、ポケモンの技だ。」

 突如、今までののんびり系とうってかわり、真面目な口調でリズオが喋り始める。
 それと同時に、彼は駆け出す。
 向かうは、海とは反対の方角にある山岳地帯。

「(それに、こういう状況になるとリズオ君は雰囲気が別人みたいになる。やっぱり、何かあるんじゃ…。)」

 彼の後を追い、走りながらもマコトは思考を張り巡らせる。
 が、今はそれよりも彼を追うことを優先し、一旦思考を止めた。
 だが、リズオの脚力は以外に速い。
 マコトが全速力で走って、やっと追いつけるほどだ。

 と、林の中を走っているところで、いきなりリズオが足を止めた。

「…いた。」

 彼の視線の先には、一匹の巨大な銀色の蛇のようなポケモン、ハガネールがいた。
 しかし、明らかに様子がおかしく、その巨体を何度も何度も地面に叩きつけている。
 先程の地震は、このハガネールによるものらしい。

「ハガネール…!それに、『また』様子がおかしい…。」

 少し遅れて、マコトもこの現状を目の当たりにした。
 『また』と言うからには、以前にも同じような現象を見たことがあるという事なのだろうか…。
 そして、とうとうハガネールはリズオ達目掛けて襲い掛かってきた。

「マコト、君がやってみて。君なら勝てるレベルだよ。」

「そう言うと思った。まあ、解ってたことだけどね。」

 愚痴をこぼしながらも、マコトはモンスターボールを取り出す。
 そして、真上に放った。
 空中に放り出された赤と白の色分けがされたボールは、自動的に二つに割れたように開き、白い輝きと共に中から一匹のポケモンが現れる。

「エルレイド、”サイコキネシス”!」

 エルレイドは両手を前に出し、強力な念波を放つ。
 それがぶつかり、ハガネールの上半身(?)は一旦後ろに仰け反る。
 だが、すぐに姿勢を元に戻し、口から黄緑色の光線状のエネルギーを発射した。

「あれは、”りゅうのいぶき”! だったらエルレイド、”サイコカッター”!!」


 ズバァァァッ!!


 エルレイドの周囲を覆っていた『りゅうのいぶき』が、斬撃音と共に霧散した。
 エルレイドは、腕の先端から細長い紫色のエネルギーの刃のような物を発生させていた。
 どうやら、これで先程の攻撃を破ったらしい。
 だが…。

「ハガネールは文字通り鋼タイプだから相性的に不利な上、物理攻撃なんて有り得ない。」

 そう、ハガネールは全ポケモンの中でもきわめて物理防御力が高い。
 恐らく、半端な攻撃では傷一つ負わせることはできない。
 マコトも、その事は解っていた。
 だからこそ、彼は今、新たなモンスターボールを手に取っていた。

「ギャロップ、”ほのおのうず”!!」

 そう叫びながら、手に取っていたモンスターボールを勢いよく放り投げる。
 開いたボールの中から、炎のような鬣を持つポケモン、ギャロップが炎を吐き出した。


 ゴォォォォッ!!


 ギャロップの放った炎がハガネールに命中した直後、その炎は形状を変えた。
 ハガネールを中心に、閉じ込めるかのような渦の形状に。

「そこで、”だいもんじ”!」

 鋼タイプのハガネールにとって、今のこの状況はとても過酷。
 その上に、大の字の形をした炎が直撃したのだから、たまったものではなかった。
 ”ほのおのうず”は、後から放った”だいもんじ”の炎がぶつかった直後、爆発と同時に弾けて消滅した。



 ズドォォォォンッ!!


 無論、こんな攻撃にハガネールが耐え切れるわけも無くて…。
 ゆっくり、その身体は地に伏していった。
 が、その途中でマコトが、何時の間に取り出したのか、空のモンスターボールを手に取った。
 そしてそれを、たった今倒したハガネールに向けて放った。
 ハガネールは、そのボールの中に取り込まれていった。

「終わったね、リズオ君。」

「うん。マコトも、最初会った頃より大分強くなってるし、安心したよ。」

「僕なんて、まだまだ…。ただ、相手の相性が良かっただけだよ…。」

 無事に解決したと言うのに、何処か浮かない表情をしているマコト。
 その理由は、その翌日明らかになる。







 Part2







―――あの日、僕の運命が変わったと思った。

―――どうしようもない絶望感の中、一つの希望が僕の前に現れたから…。

―――それが、今僕が共に旅をしているパートナーであるリズオ君。

―――だけど、普段の彼ががこんなにのんびり屋だと言う事までは解らなかった。

―――それでも彼の存在は、僕にとってとても甚大だった。

―――いつかの日か、彼を助けられるようになりたい。

―――そう思って、僕は彼と一緒に旅を始めた…。








 次の日。
 昨日リズオの言った通り、二人は暫くの間ここに留まることにした。
 そして、呑気に観光気分を満喫する二人だった。

「うん、やっぱりこういう所は好きだな。のんびり出来るs」

 この後。
 例によって彼の顔面にマコトの拳がめり込んだのは言うまでも無い(爆)。

「別にいいじゃないか、のんびりするって言うくらい…。その都度殴られたらたまらないよ。」

「もう条件反射だよ。」

「……(汗)。」

 つまり、これ以降彼の前で『のんびり』と言う言葉が禁句になった瞬間であった(ぁ)。

「それで、リズオ君。昨日のハガネールの様子はどうなの?」

 軽い雰囲気から一転し、マコトは昨日捕獲したばかりのハガネールのことを尋ねた。
 どうやら、あんな感じに暴れているポケモンを捕獲した場合、リズオに任せると言うルールを敷いているようだ。

「まだ少し暴れるよ。今迄と比べて、大人しくなるのが少し遅い。」

「やっぱり、気のせいじゃ無かったんだ…。最近、少しずつだけど野生のポケモンが突然暴れだす事件。その頻度は少しずつだけど多くなってる。」

「うん。この地の歴史上、一度も無かった事件。そして、この地にそんな事が出来るような人は居ない。皆、いたって毎日を平穏に過ごす平和主義な人達ばかりだからね。」

 だが、それでも完全に悪は居ないわけで…。
 まあ、単にスリやひったくりなどという事をするのが最大限。
 それでも、一応悪に変わりは無いが…。
 この地では、その程度が最上限だった。

「風土の変化………かな?最近、この地を中心に各地で色々な自然災害が起きているみたいだし、その影響でこの土地の風土が若干変化し始めていて、その過程でポケモン達が少し凶暴になった…って考えるのが普通だね。」

 実に冷静な表情で、自身の中の結論を述べたリズオ。
 しかし、マコトは彼とは全く異なる考えを頭の中の思考に組み込んでいた。



―――確かに、ポケモン凶暴化の事件は最近ではよく耳にする話題。だけどそれは、普通より少し気が立つ程度の話。昨日のハガネールみたいに、暴れるなんて事例は、他所では聞いたことが無い。

―――そう。あんなに暴れるポケモンなんて、僕達の旅の行く先々でしか現れていない。まるで、僕達の旅の道標となるかのように…。

―――偶然とは思えない。いつも隠しているリズオ君が旅をする目的の本質。そこに、全ての答えが隠されているのかも…。



「まあ、今日は観光旅行という気分で満喫しようか。たまには、羽休めも悪くないよ。」

「そうだね。今までは、何処かの町に立ち寄っても、一泊したらすぐ出発してたから、こういう場所でのんびりするのって初めてなんだよね。」

 しかし、いくら考えても自分で答えを出せるような問題ではないため、この思考は一旦中断した。
 リズオの言うとおり、今日一日は思い切り羽を伸ばす事にした。




 今、彼らが立ち寄っているこの場所は、忘れられた地という名を忘れさせるほど、賑わいと活気に溢れている。
 実質、この土地で一番大きな町と言えないことも無い。
 実際の話、この地方に住む住人の約3割がこの町に居を構えていた。

「うん、中々美味しいな。」

 そんな中、マコトは商店街を食べ歩きしていた(ぇ)。
 彼の腕の中は、この町の名品とも言える食べ物で溢れかえっていた(爆)。
 案外、彼は結構大食い体質のようだ。

「昨日の地震からもう立ち直ってる。少しは影響が出たはずなのに…。」

 彼の目と耳から感じられるこの町の賑わい方は、昨日あんな地震に襲われたとはとても思えなかった。
 それだけ、この町の人々は普段と変わらないような生活を送っていたのだ。

「凄いな、ここの人達。僕の住んでた町だって、ここの人達みたいに必死に町を守ろうという意思さえあったら…。」

 そう呟く彼の表情は、何処か暗い。
 過去に何かあったようなのだが、その詳細は別のお話。

 まあ、何はともあれマコトはこの町を存分に満喫していた。
 と、そんな中…。

「マコト、久しぶり♪」

 背後から、マコトと同年代と見られる少女が声をかけた。
 赤い髪の毛が程よく切り落としてあり、さっぱりした感じの第一印象を与えた。

「アミちゃん!」

 この赤い髪の毛の少女、名前は亜美(アミ)。
 マコトの幼馴染だ。

「偶然ね!まさかこんな所にマコトがいるなんて思わなかった。あれからずっと行方不明だったのに、何やってたの?」

「旅、してるんだ。あんな事があった後だし、さっさと離れたかったんだ。」

「! …そう、よね。あの事件で一番ショックだったのは、やっぱりあんたよね…。」

「…。」

 と、二人の間でやや重苦しい雰囲気が続いた。

「けど、今はどうでもいいんだ。」

「え?」

「僕は、今をこうして生きている。そりゃ、確かにあの時の事は忘れられない。いつか、決着だってつけなきゃならない。けど、それは単なる過去の亡霊。それが僕達の前に現れるまで、記憶の片隅にしまいこんでおくつもりだよ。」

「うん、OK。ちゃんと前向きに人生楽しんでるみたいね。」

「アミちゃん、さっきの反応もしかして、演技?(汗)」

「まあ、ね。でも、本心半分って所かな。マコトがしっかりしてるんだったら、私だってもっと頑張らないと…って思ったの。」

「僕なら大丈夫。そりゃ、旅は辛かったり厳しかったりするけど、あの時と比べれば今は随分楽しいよ。」

「そう。良かった♪」

「ところで、アミちゃんはこんな所で何してるの?」

「私もマコトと同じ。あの町の連中に愛想を尽かして家出したの。だから、事実上マコトと同じ立場ね。」

「そうなんだ。あ、僕はもう一人の相棒と一緒に旅してるんだけど、よかったら一緒にどう?」

「う〜ん…。ごめん、やっぱり一人で旅するわ。特に宛ても無い旅だし、あんた同様、世界を見て回る事にするわ。」

「解った。じゃあ、また何処か出会おうね。」

 幼馴染との思いがけない再会。
 それを経験し、心なしか以前より表情に明るさが満ちているようにも感じられた。







 一方。
 町外れの高台の上で、リズオはのんびりと仰向けで空を眺めていた。
 マコトが居ない場合は、大抵こうしているようだ(爆)。

「ふわぁ、やっぱりこういう場所は好きだ。静かだし、自然も豊かだし…。こういう環境を、もっと広めたいなぁ…。」

 リズオはリズオで、何やら考えに耽っていた。
 彼の旅の目的と関連があるのだろうか…。

 だが、突如としてリズオは起き上がった。
 視線は、昨日ハガネールを捕獲した場所から程近い広場に向けられている。
 そこで、一匹のモジャンボがうろついていた。
 まるでそれが起こるのを察していたかのように、リズオはその場所へと駆け下りていく。
 モジャンボが突然苦しみだし、付近一帯を”つるのむち”で周辺の木々を薙ぎ倒し始めたのだ。
 苦しみから逃れる、それだけを目的とするかのように。



 無論、その物音は街中にいたマコトの耳にも入る。

「今の音は…?まさか、また何かが…?」

 直感と言っても過言ではなかった。
 明らかに、自然的ではなかった物音から何か違和感を察した。
 彼の相棒、リズオとほぼ同時にその音の発生源へ向けて駆け出していた。

 そして、時は二人を全く同じタイミングで引き合わせる。

「マコト!」

「リズオ君!?何でここに。」

「あそこの高台で横になってたら、物音が聞こえたから来てみたんだ。」

 彼の言葉には、一部虚言が含まれていた。
 リズオは、今二人の目の前で暴れまわっているモジャンボが異常を起こすより前に行動を始めていた。

「それより、また僕がやるんでしょ?あのモジャンボ、どうみても昨日のハガネールと同じ状態みたいだし。」

 そういうと、彼はボールを放った。
 中から出てきたのは、ギャロップ。
 昨日の闘いでも活躍し、相性でも優位に立つポケモンを選択した。

 一方、モジャンボはただ闇雲に鞭を辺り一帯に振り回すのみ。
 一見すると単なる出鱈目な攻撃に見えるが、そのせいで上手く近付く事が出来ずにいた。

「よし、”フレイアドライブ”だ!!」

 自身を高熱の炎で覆い、強烈な体当たり攻撃を仕掛ける大技”フレアドライブ”。
 これなら、幾らなんでも向こうは迂闊に手が出せないと、マコトは思っていた。
 が、このモジャンボはそう甘い相手ではなかった。

「! マコト!!!」

「え…?」

 相手のモジャンボは、我を失っている影響なのか、ギャロップが炎で身体を覆っているにも関わらず、怒涛の攻撃を仕掛けてきた。
 しかも、その1撃1撃が凄まじく強く、重い攻撃だった。
 そんな攻撃を何発もまともに喰らってしまっては、相性で有利とはいえ平気なはずも無かった。

「ギャロップ!!」

「くっ!」

 マコトの危険を察して、遂にリズオが動き出す。
 両者の間に乱入し、モジャンボに向けてモンスターボールを放った。
 ボールの中から姿を現したのは、ガルーラ。

「ガルーラ、”れんぞくパンチ”!!」

 リズオのガルーラは、向かってくる全ての鞭を、凄まじい速度のパンチで弾き飛ばす。
 これは最早、根競べといったところだろうか。
 どちらかが先にバテた方が、このバトルの敗者。


 ドガッ! ドゴォッ! バキィッ!


 そんな根競べ勝負も10分近く続いた。
 相手のモジャンボのほうは、流石に疲れが全身に回っているらしく、攻撃が鈍くなってきていた。
 それに対してリズオのガルーラは、先程と全く表情が変わっていない。
 凄まじい攻撃をずっと続けていたはずなのに、顔色一つ変えていなかった。

「ガルーラ、”ギガインパクト”だ!」


 ドゴォォォォンッ!!


 ガルーラの強烈な拳が、モジャンボの頭上から炸裂した。
 その威力は、辺りの地面を粉々にするほど強かった。

「やっぱり、リズオ君は強いや…。僕なんて、まだまだ遠く及ばない…。」

 そして昨日と同様、戦闘不能にしたモジャンボを捕獲する事で、無事に事なきを得たのだった。



 続く


あとがき
…。もう、何も言いません。僕の新連載だと言う事意外は(ぇ)。
始めに、この新作は僕が新しい事にトライしてみよう!というコンセプトを元に製作してみました。旅立ちからシナリオが始まらない事、主人公達が既にある程度の実力を身に付けている事などですね。
また、一つの話を幾つかに区切るという新しい方式にも挑戦してみました。結果、1話目にしてこんなに長くなってしまいました。−−;
それと、この小説は基本的にストーリー性に芯は作ってありません。基本的に、僕が思い立った話を1話完結方式で製作していく形で行こうと思っています。ホント、新しいことに挑戦しすぎだと自分でも思っていますが、少しでも良い教訓になれば…と思っています。
では、次回をお楽しみに。

 

[一言感想]

 幼馴染って、CPフラグですかね……やっぱり(いきなりそれか)。
 誰でも小説第一作は、旅立ちから書き始める人が多いらしくて、ニ作目か三作目ぐらいになると、ちょっと趣向を変える……という傾向が強いっぽい(ぇ)。
 いや、僕も例に漏れずそれなのですが(苦笑)。
 ともあれ、忘れられた地での彼らの活躍に、期待してます。

 

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