「………見えないモノが見えるって…どう思いま…す?」

蒼夜は、突然小さな声でこんなことを言った。
そばにいた彩都にだけ聞こえているようで、彩都は一瞬不思議そうな表情で蒼夜を見た。

「え?どういう…意味ですか?」

蒼夜は、そんな反応を予想していたのか、気にせず呟いた。

「…この能力がなければ、なんて何回も考えたさ。
…だけど、恐れているだけじゃあ………何も変わりはしない。だからっ…!」

立ち上がり、目の前の妙なポケモンを睨み付けると、
右手に下がっているブレスレットに軽く触れながら、深く深呼吸した。 

 

 

 

19話「立ち向かう勇気、信じたくないコト」

 

 

 

「………僕は、変わることが…少し怖いんだ。 だけど…」

悠火は、タイミングを図るかのようにぽつりと言葉を繋いでいく。
誰に当てられたわけでもなく、ただ淡々と。

「あの…悠火…さん?」

隣にいた春華は、急にそんなことを言い出した悠火にびっくりしているようだ。

「だけど…僕は変われた。今度はちゃんと、守ってみせる。」

 

ヒュッ…!

 

悠火が軽く…そして鋭く息を吸い込んだ音は何故だか、流星の滝に反響した。
そう、春華が認識した直後。

「守ってみせるよ、『みんな』を…」

悠火の纏う空気がバトルとは違う…それでも凛としたものに変化した。

 

 

 

悠火からも、蒼夜からも離れた位置にいる夕希でもそれは感じられた。

「悠火…さん?(あれ?この空気…前にどこかで…?)………やっべ!スノウ!!」

キィン!!

夕希が咄嗟に呼び出したスノウは、一瞬で高い氷壁を作り出す。

「ふぅ…ひとまず安心だな。」

「大丈夫なのかい?夕希君…」

夕希の真後ろ、隕石を抱えている眼鏡の研究家からふとそんな声が発せられた。

「ソライシ教授の言いたいこと当てましょうか?
1つはスノウのこの壁のこと。もう1つは………俺自身のこと…ですか?」

夕希は、わずかに曇った表情になった後、1拍ほど置いてから微笑しながらこう続ける。

「スノウの『アイスウォール』はそう簡単には破れませんよ?多少の炎なら平気ですしね。
ただ…俺は、正直大丈夫じゃあないですけど…。」

「じゃあ、どうしてここへ!?君は…」

何かを言いかけたソライシ教授を左手で制して、夕希はぽつりと漏らす。

「俺、あの2人(蒼夜と悠火のこと)ならなんとかしてくれるって信じてますから…」

 

 

 

「さてと、相手はこれ以上待ってくれねーようだな。………久々に使うからうまくいくかは賭けだが…な。」

小さな声で蒼夜が吐き捨てた、刹那。
再び、変なポケモンから蒼夜に攻撃が放たれた。
しかし、蒼夜は微動だにしない。避ける必要はなかったから…

「………俺は、お前を信じてるからこんな作戦できるんだぜ?悠火…。」

目の前に現れた壁を見て何事もなかったように言う蒼夜だが、彩都には何がなんだかさっぱりであるので首をかしげているようだ。

「蒼………?」

蒼夜に説明を求めようとして口を開いた彩都。
しかし、シャラン!…と音を立てながら突然自分に投げつけられたブレスレットを咄嗟に受け止める。

「悪いけど、それ預かっててくれます? ………さてと、読んでみますか!」

蒼夜はそれだけ言うと、すっ… とブレスレットを外した右手を目標のポケモンたちへ向ける。
そして、一瞬目を閉じた。

「ふぅ…。 行くぜ…(視心眼・・・)」

そうして、しばらく目標物を眺めていた蒼夜だったが、
急にその場に崩れ落ち、膝をつく体勢になった。 

「蒼夜君!?大丈夫ですか…?」

思わず彩都は、心配そうに声をかけた。

「…やっぱり…この能力は面倒だ………。」

悪態をつきながらもなんとか息を整えると、蒼夜は、彩都を見ずにただ一言。

「………俺たちは…とんでもなく厄介なことに巻き込まれちまってるみてーだっ……!」

「………え?」

「できれば、違っていてほしいんだけど………な…。
(けど…『心が読み取れない』っつーのと………『禍々しいオーラ(のようなもの)が見える』…ってのは、確か…っダークポケモンの特徴っ!!)」 

「…蒼…夜、君?」

困惑を隠そうともせず彩都は蒼夜に声をかける。

それに対し、少しの間を空けて応じられたのは

ダークポケモン。………確証はないけど…な…。」

これまた、困惑しきった声の蒼夜のこんな言葉だった………。

 

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(後書き)

まだ続きます、流星の滝編(いきなりそれか)

 

「視心眼」・・・は「ししんがん」と読みます。蒼夜の能力っていうか体質というか・・・・・・うん、まぁ、

近いうちにちゃーんと解説はします、本人から。(ぁ)

 

そして、何で蒼夜が何でダークポケモンのことを知っていたかというと・・・これも今度でいい?

・・・・・・・・・いや冗談です(汗)

「たまたまニュースか何かで存在を知って、個人的に調べたことがあるから」的な。

しかし、知っていたことで繋がる人たちがいるのも確かなのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・そう、レオ&イオンのスナッチャーコンビ(など)ですね!

 

蒼夜と悠火はやり方は違えど、どちらも大切なものを守ろうとしています。

ただ・・・蒼夜は無駄に傷だらけになるので周りに大きな迷惑があるのは別の話(爆)

 

いよいよ、ダークポケモンの存在が明らかになりましたが・・・さてどうなるでしょうね?(ぇ)

主役たちが少しずつ集結しはじめていますが・・・・・・・・・・次に出るのは、誰でしょう?

・・・って、ここまで読んでたら察しはつくでしょうが(笑)

 

それでは、次回は20話!

いやー流星の滝なっげぇなー(ぇ)

 

[一言感想]

 冒頭の蒼夜の問いに対して、水葉さんもよく知るフィオレ地方の某巫女は、こう言ってました。

「覗きに便利そうだね。クスクスっ♪」

 えぇ。
 まともに相手をしたら負けです(何)。

 長かった流星の滝も、いよいよ終わりが近づいてきた……かな?
 彩都との再会、奏&翼架の登場など色々ありましたが、ここへきてついにダークポケモンの存在が。
 でも蒼夜、ケガに慣れたら駄目です。
 体力バカ(?)と呼ばれてしまいますよ(オイ)。

 

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