〜♪♪〜〜♪〜♪〜〜〜・・・


ある船の上から美しい音色が響いていた。
周りにいた多くの人がその音に耳を傾ける。

それを知ってか知らずか、琥珀のオカリナを吹いていた青年はそのまま気にせずに演奏を続けていた。


数分後、満足したのか飽きたのかはわからないが、彼は演奏を止めた。



ぱちぱちぱち・・・!



その直後、大きな拍手が起こった。
演奏していた人物は少し困ったように呟く。



「俺は、別に聴かせるために吹いていたわけじゃないんだけどな・・・」




「でも、皆さんが聴き惚れるのも無理はないと思いますけどね」


「それはそうでしょ。本当にレオのオカリナ、上手いもの。」



そんな中、彼の傍にいたうちの2人がこんなことを言った。
男女の声で、女性の言葉により、演奏していた青年はレオというらしい。

すると周囲からは、同意を示す声がちらほらと聞こえる。



「・・・これでも、趣味なんだけどな」



レオはというとあまり褒められ慣れてないのか、それだけぼそりと言った。

そこでふと、レオに話しかける者がいた。



「そもそも、部屋でならともかくこんなところで吹いたら人集まるのは当然ですよ、レオさん!」



声的に男であろうが、レオの視線から見下ろせるような高さでいったいいくt・・・・・あだっ!

・・・失礼しました、電波妨害がありました(汗)

ともかく、話しかけた者に対して、レオはこう言った。




「落ち着かねーんだよ。あいつが関わってると思うと・・・!」


レオの瞳には僅かに怒りが見え隠れしていたのだが、相手は気にせずふと遠くを見つめて言った。


「あ、多分今見えてきたのがホウエン地方かもしれませんね」


その言葉にレオは思わず顔を上げて彼が見ている方角を見、そして言った。



「イオン。・・・あいつは俺が相手する」



その言葉はある程度予想できていたのか、イオンと呼ばれたしょうn・・・(ばきっ)・・・青年といえばいいんでしょ!ちっこいくせに文句g(どかっ!)
あぁ、またも電波妨害です(汗)

・・・えーっと、イオンと呼ばれた青年(一応)は苦笑いを微かに浮かべながら、レオを見据えてはっきりとした口調で言い切った。



「知っています。・・・でも、ミレイさんもシルバさんも・・・僕もいます。」



「そうよ。私だって傍にいるんだから、ね?」


「僕も、何か力になれると思ったから一緒に来たんですから」



3人に揃って言われたことに一瞬驚き、次いで微笑をレオは浮かべていた。


「あ、あぁ・・・そうだな。・・・無理はしない。無茶はすると思うがな」


「「どっちなんですかそれは!!」」


イオンとシルバが同時にツッコミを入れたことに関しては気にしないことにした。
その代わりか、レオは思わず呟いていた。


「・・・一緒にいるのがお前らでよかったよ」


少し赤くなった顔を見せないように、空を、見上げながら。






32話「大切な人」





その頃、奏は目の前の青年の言葉が意外で、しばし固まっていた。
青年・・・蒼夜は、真剣な様子だった。


「えーっと、蒼夜、さん?」


ようやく奏が口にできたのはただ疑問の声だった。
蒼夜もいきなりだったかな、などと思いつつも気にせずもう一度、同じことを言った。



「だから、誰か・・・女の子を好きになったことはあるかってことだよ」



半ば開き直っているのか、それとも一度眠りに落ちたために余裕ができたのかは定かではないが・・・蒼夜は自覚したその時よりは顔の赤らみが薄かった。
変わらないその質問の意図がつかみ切れず、奏は困惑しながらも答えていた。


「ある・・・というより現在進行形・・・?って何でそんなこと聞くんです!?」


蒼夜は奏に曖昧な言葉で返しつつも、さらりと爆弾発言。


「そっか。いるのか・・・あぁ、うん。実は俺・・・翌菜が好き、みたいで」


「は?」


奏、再び硬直。

先程よりも長い時間どうするべきか考えた後、奏は叫びかけていた。



「なんで貴方といい、流斗といい本人いないとそういうことさらりと言えるんですか!?」



奏の口から出てきた名前に少しだけ驚いたような表情を蒼夜は浮かべたかと思うと、納得したように笑みを見せた。



「流斗か・・・あいつは確かに一途だけど、肝心なところであれだよな・・・とっとと春華に言えばいいものを、な。というかだな、俺が自覚したの、ついさっきなんだけど?」


「ですよね!・・・って、さっき!?」



思わず同意した奏だったが、ふと引っかかることがあったのでつい口に出していた。
奏・・・さっきから驚いてばっかだな(笑)


「・・・(作者の悪意を感じる・・・!)」←奏

・・・ちっ。

「(確実に悪意あるだろ!?)」←やっぱり奏




「・・・い・・・おい、奏」


「何ですか!?」


若干不機嫌な声で蒼夜の呼びかけに答えたことを奏が後悔したのはこの直後。



「お前の好きな娘って俺の知ってる奴・・・潤とか、青乃・・・だったりするのか?」


「そうだよっ!!青乃だよっ!!」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


3秒後


「って何言わせてんですか!!蒼夜さん!!!!!」


・・・あ。叫んだ。


ある意味で幸いなのは、こんなやりとりの間・・・今もだが、蒼夜の病室の付近に誰もいないことだろうか?
だが、時すでに遅し。



「ふーん。青乃ねぇ・・・」



・・・蒼夜さーん?なんでそんな楽しそうなんですか?



「あーもう!!ホントに流斗とあんな約束しなきゃよかった!!!」



そんな蒼夜を半分ほど無視しながら、奏は叫ぶ。
蒼夜は、興味がおありのようだった。


「約束?」


蒼夜としては何気なく。
しかし奏は少しやけ気味になってきたのか、からかわれるということも忘れて口走っていた。


「ええ約束です!あいつ(流斗)がジョウトの全ジム勝ち抜けたら、こっち来て告白しろって!それで、俺がホウエンにいる間に来たその時は俺が戻った後青乃に告白するって言う!!」



「なんか、楽しいことしてんのな、お前ら」


「俺が楽しくありません。だいたいっ・・・」


「わかったわかった。ってか聞こえてるから叫ぶな。傷に響く」


奏がなおも文句を言おうとしたところに、わざとらしく蒼夜は口を挟んだ。
当然わざとなのだが、奏は呆れながら反応した。


「確かに貴方は怪我人ですけど、それだったら流星の滝の時に無茶して怪我した蒼夜さんのせいであって、俺のせいじゃありません」


だが、蒼夜もその程度で動じないのかはたまたそれさえも予想済みだったのか笑いながら言葉を重ねる。



「友達庇ってそんな腕になって後悔してねーって言うお前に言われたくはないけど?」



それには流石にすぐに反応できなかったが、代わりに奏は盛大にため息をついた。


「・・・何なんですか。何がしたいんですか、蒼夜さん」



「ま、深く考えるなってこったよ」


「いや、ちょ・・・」


一言で済まそうとする蒼夜に不満があるような奏だったが、それにも軽く返される。


「悪いな。まだ眠いんだ、もっかい寝させてくれねえ?」


そのまま、数分も経たないうちに蒼夜は本当に寝たので奏が困るのは別の話。










さて、何度も場所が変わって申し訳ない。
今度はハジツゲタウンのポケモンセンターの前。


どうやら、誰かが話しているようですね。



「わざわざ撮影の間にすみません、庵さん」


「それはそうと・・・どうだい?」



2人の男性だった。
そして、心なしか周囲に人だかりができている。



「うわ・・・すごいね」


その中に混じっていたぽつりと悠火が口にすると、ちょうどポケモンセンターに入ろうとしていた夕希が声をかけた。


「それはそうですよ。あの2人は、ホウエンで知らない人の方が珍しいですし」


「ごめん僕ジョウトの人間だから、一応」


そんなとぼけたことを口走る悠火に思わず後ろからツッコミを入れた女性が1人・・・。


「そういう問題じゃないの。・・・片方は、イオリって呼ばれて・・・あれ?」


悠火に言いながら、ふと疑問を感じて翼架を首をかしげた。
それが聞こえていた夕希は苦笑気味に呟く。


「聞いたこともありますよ。つい最近、誰かが言ってませんでした?」



つい最近聞いた、ですぐに思い当たったのは悠火のようだった。


「・・・庵・・・久遠・・・あ!彩都さん!?」


「え、じゃああの人俳優の久遠庵!?」


大きな声が出かかっていた2人を抑えながら、夕希はもう1人を手で示しながら、言った。

「静かにっ、忘れたわけじゃないですよね、彩都さんとの約束!・・・っとそれよりも、こっちはホウエン地方現チャンピオン・・・」


間違えるはずはなかった。

その人物の名は・・・雨城ミクリ。



「・・・ミッションの依頼人・・・!」



そうだ、と3人が思っていたせいかはっきりと庵とミクリの会話は聞こえなかったが・・・最後の言葉は悠火には聞こえていた。



「彩都は・・・あの馬鹿はまだわかりません。ですが必ず見つけて・・・貴方へお返しします」


「すまない。忙しいのに探させて・・・。だが、それはお互い様、だね。ミクリ君」




どうやら用件はそれで終わったらしく、ミクリがぺリッパーをボールから呼び出していた。

が、そこで考えるよりも先に悠火は声を上げていた。



「あのっ・・・・聞きたいことがあるんですっ!!」



口走った後で悠火は何を言ってるのだろう、と冷静になるのだが、そこそこ大きな声だったようでミクリは振り向いていた。



「何か私に用かい?」




---大切な人はどこにいますか?

すぐ傍?それとも・・・消息がわからないようなところ?

どちらにせよ・・・想う心は強く、大きく心に積もり溜まる。







■後書き■

イオン以外のオーレ組登場!・・・なんだけど、何故か(多分イオンのせい)でギャグ風味?
そのままのノリでの蒼夜による奏いじりとなり、それ故に最後、悠火達に真面目に締めてもらいました(待て)

彩都という共通する存在は何をもたらすのか?
それを知るのは・・・私だけ、です(ぇ)

ともかくも、これでようやく役者がそろってきた感じです。
彼らそれぞれに待ち受けるもの、それは何なのか。今後出てくるでしょう。

 

[一言感想]

 ほとんど前半にばかり目がいってしまってましt(蹴)。
 奏が蒼夜というより、作者様にすっかり手玉に取られてた様が面白かった←
 ところで「潤か青乃か」の話で、即「青乃」と答えたから、まだよかったけど……。
 もしまよったら、どろどろした何かが始りそうだなーとか思って読んでました(ぇ)。

 ……そうなったら、それはそれで面白そうだけd(ry

 

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