ホウエン地方に暗躍する“悪の組織”コスモ団を倒すため、その元団員だという美少年スバルについていくことになったアイドルトレーナー志望の巨乳美少女ハルナ。カナズミシティを出発したが………


「ねぇ、本当なの?コスモ団がムロ島に狙いを付けてるって」

「仲間の一人から聞いたことだが島のどこかにある何かを手に入れようとしているという。あの島には古代の遺跡とかも多いしそれに関係しているのかもしれないな」


目的地をホウエン本土からやや南下した海上に位置するムロ島に定めたハルナ達。ムロ島行きの船が出ているトウカシティを目指し、カナズミとの間に広がるトウカの森を抜けようとしていた。


「そっか……とにかく行ってみないとね。トウカシティにハルナの家があるから休んでから出発しよっ!」

「そうだったのか。わかった。お邪魔させてもらうよ」


こうして2人はトウカシティに到着したのだが、ハルナの家とは………










ポケットモンスター コズミックファンタジー
2nd ファミリー










「……ここが君の家か?」

「うん、そーだよ」


スバルの問いかけにハルナは笑って答えた。2人の目の前にある建物は家……ではなく、ポケモンジムだった。ここはトウカシティのポケモンジムなのだ。


(むうう。ハルナの家がジムだったとは。ということは彼女はもしや……)

「あら、ハルナじゃないの〜。おっかえり〜」


背後から若い女性の声がして2人が振り返ると、その声の主である長い三つ編みの女性と彼女に手を引かれた6歳ぐらいの茶髪の男の子がそこにいた。


「ママ!シュセ!久しぶりかも!!」

「おねーちゃんおかえりー。そこの人はだれ?彼氏?」


シュセと呼ばれた男の子がスバルを指差して言った。ハルナがスバルの腕を掴んで引き寄せ、説明する。


「紹介するね!彼はスバルくん!一緒に旅することになったんだ!」

「あ……よろしく」(あの、ハルナ…腕が君の胸に当たっているんだが……)


照れるように顔を赤くしながら会釈するスバル。ハルナは腕を離し、ママと呼んだ女性へと駆け寄る。


「ママーっ!」

「ハルナーっ!」


ママの方は両手を前に掲げてハルナが駆け寄ってくるのを待つ。ハルナがママの胸へ飛び込もうとしたその時、ママの両手がハルナの両胸を鷲掴みにした。それを見た途端スバルの体は硬直する。


「な……」

「う〜んやっぱりいつ触ってもハルナのオッパイはいいわね〜〜さすがはママの娘v」

「んも〜ママったら相変わらずなんだから〜〜」


胸を掴むママの表情はうっとりしている。ハルナも嫌がる様子は全くない。その事にもスバルは驚く。眺めているシュセがお手上げのポーズをしながら首を横に振った。


「まったく困ったママとおねーちゃんだなぁ〜……」










しばらく経過し、親子のスキンシップが終了した後、改めてお互いの自己紹介をすることになった。


「ボクはスバルといいます。ハルナさんと共に旅をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします」

「へぇ〜、結構いい男じゃない。ハルナもやるわねえ。ウフフ……」


会釈するスバルを各方向から観察しているママ。その腕をシュセが掴んで引っ張る。


「今度はこっちの自己紹介だよママ。ボクはシュセっていいます!こちらこそおねーちゃんをよろしく!」

「そうだったわねオホホ……私はハルナの母、ナエといいます。娘がお世話になりますわ」


ナエは上品に笑いながら会釈した。実は彼女もハルナに負けず劣らず……いやハルナを大幅に上回る巨乳持ちである。しかも若い。20代、それも前半から中程と思えるほどだ。


(ハルナも将来はあれぐらいになるのか……)

「ところで、パパは?」


急に思い出したかのようにハルナが尋ねた。ナエはジムの扉の方を指差して答える。


「私たちが出かける前にジムに挑戦者が来てたから、今バトルの最中じゃないかしら。あるいはもう終わってるかもしれないけど……」

「そっか。じゃ、行ってみよ。スバルくんも行こ!」

「あ、ああ……」(挑戦者が来ていたということは、ハルナの父親がジムリーダーか。ということはハルナはその父親から直にバトルの始動を受けているのかもしれない。だとすればカナズミでのあのバトルで見せた技術は本物の可能性が高い!)


スバルの考えていることに気付くはずもなく、ハルナ達はナエの案内でジムのバトルフィールドへと向かった………










トウカシティジム・バトルフィールド……土で固められたフィールドが中央で半分ずつライン分けされ、向かって手前が挑戦者側の、奥がジムリーダー側のサイドになっている。挑戦者は栗色のショートヘアーをした白ブラウスにフリースのチェック柄ミニスカート、オーバーニーソックスという服装の女の子。しかもハルナと同等の巨乳持ちである。出しているポケモンは巨体に背負った甲羅から2本の砲塔を出したカメ型ポケモンだ。ジムリーダーの方は薄緑色の髪が後ろに流れ、灰色の詰め襟を着た30半ば位の男。出しているポケモンは挑戦者のカメ型よりも更に大きく、太い手足をしたサルのようなポケモン。そのポケモンの体は全身が筋肉で固められているように見える。


「ん、まだバトル中だったのか……挑戦者がカメックス、パパはケッキングね」


ちょうどバトルフィールドに入ってきたハルナ達はバトルの様子を見ながら中央の壁側にあるベンチへと移動した。移動しながらナエは何故か挑戦者の方をジッと見つめている。


(どうしたんだナエさんは……)


スバルはナエの様子を気にしながらも席に着き、バトルを観戦し始めた。どうやら既に終盤に差し掛かっているようだ。


「カメックス、右からハイドロポンプ、左から冷凍ビーム、同時発射よ!!」


左右の砲塔からそれぞれ別の技が放たれた。しかしケッキングはそれぞれの手の平でそれを受け止め、平然としている。


「あれだけの強力な技を手で受け止められるとはどうやって鍛えられているんだ。相手側のカメックスも左右の砲塔から異なる技を出せるというところが凄いが……」

「驚いたでしょ。パパのケッキングは格闘タイプや鋼タイプの鍛え方をベースに鍛えられているの。だからパワーも守備力も並外れているのよ」


驚くスバルにハルナが説明する。その表情は少しだけ自慢げだ。


「そんな鍛え方をしてるのはきっとパパだけかも。あの鍛え抜かれた体から繰り出される攻撃は全てが必殺技になるのよ」

「むうう……」


カメックスが体をかがめ、首を甲羅の中へ引っ込めた。その頭の先は真っ直ぐケッキングへと向いている。


(あれはカメックスが最も得意とする技の一つ、ロケット頭突きの構え!力をためてから一気に突っ込む強力な技だ)

「スクリューロケッティア!!」


挑戦者の女の子が叫ぶと同時にカメックスは首を甲羅から出し、勢いに任せてケッキングめがけて突っ込んだ。しかも体をドリルのように回転させながら。


「なっ……ただ突っ込むのではなく強烈な回転を加えている!?あれが命中すればその威力は通常のロケット頭突きの倍っ……いや二乗にも三乗にも高まる!!」

「ええっ嘘!?パパやばいかも!!」

「フッ……」


ジムリーダーは薄い笑みを浮かべ、よけの指示を出さない。次の瞬間、カメックスはケッキングに突っ込み、土ぼこりが周囲に舞い広がった。流石に今度はハルナも少し心配になっている。


「見えない……どうなったんだ?」

「パパ……」

「んふふふふ……大丈夫よ」


ナエは相変わらず女の子の方を見つめている。そうしながら笑っているのは不気味だし、その状態で言われても今ひとつ説得力がない。少しずつ土ぼこりが晴れていく。


「見えるようになってきたよ!大丈夫かな?」

「ケッキングがどれほど鍛えられていてもあの技をくらっては………なっ!?」


土ぼこりが晴れてその姿が見えた時、スバルは驚愕した。ケッキングがその両手でカメックスの体を受け止めていたのだ。しかも命中する前にである。ハルナも驚く。


「す、すごいかも……」

「ね、大丈夫って言ったでしょv」


女の子を見つめながらナエが言った。見られていることに気付いているかはわからないが彼女も驚きを隠せない。


「そんな……この技が受け止められるなんて……」

「正直言って驚いたよ。こんなすげえ技が来るなんて。だが近付いてきたのは失敗だったな。この状態ではこちらの攻撃もかわせまい。」


ケッキングはカメックスから手を離し、右手をグーにして構えた。カメックスは攻撃の反動が強かったためか思うように動けない。次の瞬間、ケッキングの右拳が激しく突き上げられた。強烈なアッパーカットだ。


「KNOCKI’N ON HEAVENS DOOR!!」


カメックスの巨体が上空へと舞い上がり、地面に叩き落とされた。目を回して完全に戦闘不能状態だ。


「ノッキンオン…ヘヴンズドア…なんて凄まじいパンチなんだ……その名の通り相手は一撃で天国の扉を叩きそうな……」

「パパのケッキングのパンチ攻撃の中でも最高の威力を持つのがアッパーカット。それがあのKOHDなのよ」


ハルナはまた少し自慢げに説明する。先程までの心配は微塵も感じられない。バトルの方はもう終了したようだ。カメックスが女の子の出したポケモンの最後の一体だったらしい。カメックスをボールに戻す。


「お疲れ様カメックス。くうっ……参りましたっ!!」


女の子はジムリーダーに向けて深くお辞儀した。その際に彼女の大きなな胸が揺れ、それを見たナエは思い切りガッツポーズをしてみせる。ハルナとシュセはそれに苦笑いを浮かべるが、スバルはわけがわからない。


(ナエさん、さっきから一体何なんだよ)「んっ!」

「俺も礼を言うぜ。こんなに熱くなったバトルは久しぶりだ」


リーダーが女の子に向けて言った。彼女はニッコリ笑いながら返す。


「あたしもです!でも次に挑戦する時は負けませんから!!」


またお辞儀すると女の子はくるっと振り向き、バトルフィールドを後にしようとした。と、そこで自分をジッと見つめている女性の存在に気付く。


「こ、こんにちは……何か用ですか?」

「んふふふ……こんにちは。ちょっとお願いがあるの」


笑みを浮かべながら女の子に一歩ずつ近付くナエ。ハルナとシュセが彼女の服の裾を軽く引っ張って止めるがそれを無視して進む。女の子はナエから何かを感じたのか一歩後ろに下がった。


「あ、あの、お願いってなんでしょう……できればまず教えてほしいんですけど……」

「わかったわ!お願いっていうのはね………


あなたのオッパイ触らせてェ〜〜〜ッ!!」


そう叫ぶと同時にナエはその爆乳を揺らしながら女の子めがけて思い切りダイブした。よける間もなく飛び付かれ、胸を掴まれる女の子。その時トウカシティ一帯に甲高い悲鳴が響き渡った。


「キャアアアアアーーーーーッ!!!」










トウカジム内ジムリーダー宅・リビング………


「いいじゃないの胸ぐらい。触られたって減るもんじゃないのに……」

「ママ。それ女の人の言う言葉じゃないよ」


お茶の用意をしながらブツブツと文句を言っているナエにシュセが突っ込んだ。ハルナとスバルは苦笑いを浮かべている。


「ハルナ。君の母さんは一体何なんだ」

「あははは……ママは超の付くオッパイ大好き人間なのよ」

「ハハハ。しかしナエの気持ちもわかるぜ。でかかったしな。Fカップってとこかな。顔も可愛かったし」←カップ値正解

「ウフフ、セロさんったら……」


ナエは夫であるジムリーダーに笑いかけた。そのリーダーの名前を聞いた瞬間、スバルの顔が真剣に戻る。


「どしたのスバルくん?」

「セロ……まさかハルナ、君の父さんだったとは。ホウエンのジムリーダーの中でも一、二を争う実力者と言われるトレーナー。俺が心の目標としている人だ」

「ええーーーっ!?」


ハルナは驚いて目を丸くした。シュセも同様に。ナエはあらまあと言いたげ、セロ本人は少し照れの入った笑みを浮かべる。


「おいおい……そんなに面と向かって言われたら流石に照れちまうぜ。まあ、目標とされるのはトレーナーとして嬉しいけどな」

「セロさんったら照れててかわいいv」


ナエがそれぞれのカップにお茶を注ぎ、席に着いた。彼女の席はセロの隣。しかもお互いの椅子をピッタリとくっつけて寄り添い合っている。まるで10代の少年少女のようだ。


「セロさんv」

「ナエv」

「まったく……パパもママもお客さんの前だよ」


ラブラブモードの2人にシュセはまたお手上げのポーズを取る。ハルナも恥ずかしそうに笑う。


「見せつけすぎかも。困っちゃう」

「フッ、別に気にしていないさ。少し室温が上がったようだがな。ところで……」


スバルが急に改まったようにセロへと向き直った。それに気付いたセロはナエとくっついたまま反応を見せる。


「ん、何だ?ん〜ナエ〜〜v」

(奥さんとはいえ、こんなに女の人にデレデレして……この人が本当にホウエン最強のジムリーダーなのか?)「あなたと一度バトルをしてみたい。稽古をつけてくれませんか」


2人はお互い真剣な眼差しで見つめ合い、場に沈黙が流れる。先にその沈黙を破ったのはセロの方だった。


「よっしゃ!受けるぜ。いつでも来い!!でもその前に……」

「その前に……?」


また場に沈黙が流れ始めた。ごくりとつばを飲み込むスバル。


「その前に………ナエのおっぱいを思いっ切り堪能してからだァ〜〜〜ッ!!」


そう叫ぶとセロは両手を広げてナエの胸に頭から飛び込んだ。ナエの方はというと嫌がる様子もなくセロの頭を抱きかかえる。その瞬間、スバルは石像になった。体が固まり、動かなくなったのだ。


「いや〜んセロさんったらvそれはあ・と・でv」

「あら〜遂にやっちゃったか…言い忘れてたけど、パパも大の巨乳好きなの。ママと違って家族外には手を出さないけどね………」


家族外に手を出したら捕まるであろうが。ハルナの説明も耳に届いているのかどうかわからない。ただ、言えることはスバルの中で『心の目標とするトレーナー』のイメージが一部崩壊したということである。


(こ、この人が……俺の目標……ナエさんもナエさんで後でとかいいながら受け入れてるし………)










トウカジム・バトルフィールド………


「よーし!バトルを始めようか。1対1の10分間でいいか?」

「……望むところです」


右手を突き出して人差し指を立てるセロをスバルは逆サイドから上目遣いで睨みつけるように見た。手には既にモンスターボールを握っている。


(俺の目標とする人があんなドスケベキャラ!?信じられない!確かめてやる。全力でいくぞ!!)「行け、イーブイ!!」


ハルナとのバトルの際にも出したあのイーブイだ。すぐさまパワーリストとアンクルを外して戦闘態勢に入る。対するセロもボールを出していた。


「ほう、イーブイとは珍しいな。しかもずば抜けた能力を持っている。フッ……俺はこいつだ。出てこい、ケンタロス!!」


セロが出したのは引き締まった体に3本の尻尾を生やした猛牛型ポケモン。鼻息を荒く鳴らしている。


(俺のイーブイの能力の高さを即座に見抜いた?いや、今はバトルに集中だ。ケンタロスか……勢いが付けば動きが速くなるがそれまでにいくらかの助走が必要だ。しかもあの体では小回りが利かない。体格では圧倒的に不利でも動き出しを封じれば小回りの利くイーブイに勝機が生まれる!)「イーブイ、速攻だ!」


イーブイが一瞬のうちにケンタロスに迫り、その周囲を回りながら体当たりを仕掛け続ける。ケンタロスは動き出すこともできない。


「どうです。反撃もできないでしょう。いくらパワーとスピードを兼ね備えたケンタロスでも動き出せなければどうしようも……」

「よーし、じゃあ動き出してみるか。 ……ケンタロス、尻尾を振りな」

「ブモ〜〜〜ッ!!」


ケンタロスが激しく尻尾を振り始めた。というよりも腰を軸にして尻そのものを振っている。鞭のように動く尻尾に遮られ、イーブイは周囲を回り続けることができない。それどころかその尻尾に当たっただけでダメージになりそうだ。


「くっ……イーブイ、少し下がるんだ!」


イーブイはケンタロスから少し距離を置き、攻撃のチャンスをうかがうように身構えている。ケンタロスもイーブイに睨みを利かせ、威嚇する。


「動き出せないのではなく、動き出さなかっただけということですか……」

「正直言って驚いたよ。高い能力を持っているというのはわかったけどここまでのスピードで動いてくるとは……だが、効いてはいない」


ケンタロスが右前足を上げ、地面に叩きつけた。イーブイの周囲の地面が盛り上がり、イーブイを包み込んで檻のようになっていく。イーブイは脱出を図るもそれは体当たりでも崩せないほど強固になっている。


「アースジェイル。その土の檻はそう簡単には崩せないぞ。内側からはな。さて……」

「うっ……どうすれば」


うろたえるスバルを前に、セロが話し始めた。


「確かにスピードはずば抜けていた。だがケンタロスの周囲を回り続けながらの連打を仕掛けていたな。あの状態で攻撃を仕掛けると力が完全には入りきらず一発の威力は落ちてしまう。力のない連打では相手を倒すことはできない。まして俺のポケモン達はな」


話しながらセロは右手の人差し指を高く挙げていた。ケンタロスは鼻息をより荒くし、尻尾で体を叩いている。気合いを入れているのだ。


「相手を倒す攻撃というのはそう、一撃に力を込めるものなんだ。このようにな!!」


セロが高く挙げた指をイーブイの方向に振り下ろすとケンタロスが駆けだした。みるみるうちに勢いがつき、イーブイを閉じこめたアースジェイルに迫る。


「タウロスサイクロン!!」


ケンタロスの頭が下がり、大きくひねり込まれながらアースジェイルにヒットする。そこからジェイルが渦を巻きながら崩れ、イーブイはその衝撃で壁まで飛ばされ、目を回して気絶した。


「ぐっ……強い。確かにこの人は強いんだ」

「おーいっ!やるじゃないか!」


セロがスバルの方へ駆け寄ってきた。スバルは目を閉じながら少しうつむいている。そんなスバルの肩をセロはポンポンと叩き、掴んだ。


「何がやるじゃないかですか……俺は決定打を与えることなく一撃で敗れたというのに。しかも俺の最強のポケモンで挑んだのにです」

「落ち込んでないで見てみろって」


顔を上げ、セロの指の先を見るスバル。そこにはケンタロスが立っていた。その右のツノには深い傷跡が刻まれている。先程まではなかったものだ。


「その傷は……俺のイーブイが?」

「そうだ。まさかあの時サイクロンの流れに乗りながら一撃を当ててくるとはな。流れに乗ったおかげで攻撃の威力も増し、ツノを傷つけるまでになったってわけさ」

「イーブイ……」(ハルナのマリルがやったように、俺のイーブイも反撃を……?)


スバルはイーブイに近寄り、しゃがむとそっと手を触れた。気絶してそのまま眠ってしまったようでスースーと寝息を立てている。そのイーブイを抱き上げるスバルの肩をまたセロが叩いた。


「さ、戻ろうぜ。ナエとさっきの続きを楽しまなくては」

「まだやるんですか……」


少し怒ったような口調でスバルは振り向いた。セロは困ったような、でも笑みを含んだ表情で頭をかく。


「ん〜つれないね。君はでかいオッパイは嫌いか?」

「いえ、嫌いではありませんが…貴方のように人前で堂々とやるのはどうかと思ったもので……」(それに俺にはもっと好きなものがあるしな……)


口と心でそれぞれ少しずつ本音を漏らしたものの、スバルはセロの堂々ぶりに納得がいかない。スバルの返答を聞いたセロは何を思ってか笑い出した。


「ハハハッ……そっか。でもまあ、たまには発散した方がいいぜ。じゃ、俺は先に戻るぞ。戻れケンタロス。じゃーな」


上目遣いで自分を見るスバルの頭をセロは軽く二、三度叩き、ケンタロスをボールに戻すとバトルフィールドを後にした。スバルはその場に立ち尽くしながら思いを巡らせる。


(発散……か。しかし、あの人はどうなんだ?あの様子やハルナ達の言葉から見てしょっちゅう発散してそうだが、それでも足りないのか?)










その晩、トウカジム内ジムリーダー宅・リビング………


「どーぞぉ、遠慮なく召し上がれ〜〜♪」

「わ〜い美味しそうかも〜♪」


ナエの作った料理がテーブルの上に所狭しと並べられていた。今晩の食事は中華の模様。一同舌を鳴らす。


「いただきま〜す♪」

「スバルくんもどうぞ」

「ああ。中華は大好物だ。いただきます」


フッと笑みを浮かべるとスバルも箸を取り、料理に手を伸ばし始めた。セロとシュセはもう既に一通り自分の小皿に盛りつけ、食べている。


「やっぱり最高に美味いぜナエの料理は」

「ママは料理の天才だもんね」

「ウフフ。今日は家族が1人増えたからいつもよりも気合い入れて作ったんだぁ〜♪」

「だって♪よかったねスバルくん」


ニッコリとスバルに笑いかけるハルナ。ふと気付いた。スバルが哀しそうな表情をしていることを。目には涙らしきものも浮かんでいる。


「ど、どしたのスバルくん?言っちゃいけないこと言っちゃった!?」

「いや、何でもない。あくびが出ただけだよ」


慌てるハルナを前にスバルはまた料理を取り始めた。ハルナ達は心配そうにスバルを見つめる。


「どうした。食べないのか」

「う、ううん。食べるよ……」


気を取り直してハルナ達もまた食べ始めた。少しすると再び食卓に明るさが戻ってくる。その後はスバルの涙の話は出ず、浮かべていたその理由も明らかにはしなかった………










夕食後、ハルナの部屋………


「明日から長い旅になるんだから、必要な荷物を用意しておかないと……」


未使用のモンスターボールや傷薬、非常食や着替えといった荷物を部屋に並べながらハルナは呟いた。


「そうだ、ムロ島とかカイナシティとか、海があるところも行くなら水着も用意しなくちゃ!スバルくんはどんなのが好みなんだろ。やっぱビキニかな。スクール水着とかマニアックなのも案外好きだったりするかも。 ……ん?」


水着を取り出そうと立ち上がったハルナがふと窓の外を見るとスバルが歩いていく姿が目に入った。どこへ行くつもりなのだろうか。それを追いかけようとハルナも部屋を出る。


「こんな時間にどうしたんだろ……」










すぐ近くの公園で、スバルはベンチに腰掛けながら星空を見上げていた。


「家族か。すっかり忘れていたが、思い出してしまったよ……」

「だ〜れだっ?」

「うわっ!?」


急にスバルの目の前が真っ暗になった。目の周りに暖かい手の温度を感じる。スバルはその上から更にその手を掴んだ。


「ハルナ。どうしてここへ?」

「ウフッ、スバルくんがこっちの方へ行くのが窓から見えたんだ〜。隣いいかな?」

「ああ……」


スバルから手を離し、回り込んでスバルの隣へと腰を下ろすハルナ。スバルはまた星空を見上げている。ハルナも真似して星空を見上げる。


「うわ〜キレイかも〜♪」

「……ハルナ。あの星が見えるか?」

「ん〜と、どの星かな?」


スバルが指差した先の星空を見回すハルナだが、どの星だかわからない。スバルは指差したまま口で説明した。


「あの6つぐらいの星が集まっているやつだ。見つかったか?」

「えー…っと、あ、あの星ね!6つ見える!あの星がどうかしたの?」


ようやく星を見つけて喜ぶハルナに、スバルはその星を見たまま話し始めた。


「あの星の集まりは“スバル”というんだ。俺の名前はそこから来ているのさ」

「へぇ〜そうなんだ。神秘的な付け方かも……」


しばらく聞き惚れながら星を見ていたハルナだが、ふと思い立ったようにスバルの方を向いた。


「ねえ、ハルナの名前がどこから来てるのかも聞いて?」

「ん?ああ。どこから来ているんだ?」


スバルもまたハルナの方に顔を向けると、ハルナは嬉しそうに笑顔を浮かべ、話し始める。


「パパのママ、つまりハルナのおばあちゃんの名前がね、ハルカっていうの。ママの名前はナエでしょ?だからハルカの“ハル”とナエの“ナ”をとってハルナっていうのよ」

「そうだったのか…」(ということは、シュセも同じ法則で付けられているのか?“セロ”の“セ”と……)「そうだ、ハルナ……」


何かを思い出したスバルは考えるのを途中でやめ、ハルナに話しかけた。ハルナはまだ笑顔のままだ。


「ハルナ。コスモ団の事は君の家族には黙っておこう」

「うん、そうだね」


笑顔を絶やさずハルナがうなずく。


「みんなに余計な心配させちゃうしね。それに、パパはともかくママがついてきたら女の子を見つける度に大変だよ」

「ああ。家族に隠し事をするのは辛いかもしれないが、すまない……」


そこまで話し終えたスバルの顔はどことなく辛そうだ。ハルナの冗談(あながち冗談ではないのだが)に少し微笑みつつも。その表情を心配そうに見つめるハルナだが、理由を尋ねるのは悪いような気がしてやめた。


「自分達で強くなって、自分達で強いトレーナーを見つけよう。それで、絶対にコスモ団をやっつけよう!」

「ハルナ……ありがとう」










翌朝……というより昼に近い午前中……


「う〜んよく寝たかも〜〜」


ハルナはベッドの上から上半身を起こし、大きく伸びをした。夜遅くまで星を眺めていた上、帰ってから荷物の準備の続きをしていたため寝る時間が遅れてしまい、その結果朝寝坊してしまったのだ。


「はらら……もうこんな時間。スバルくんもう起きてるかな」


着替えてリビングに行っても誰もいない。ただ、1人分のトーストとサラダ、ミルクがテーブルの上に置かれていた。


「みんなもう済ませちゃったんだ……ん?」


耳をすませると、外からボールを蹴るような音が聞こえてきた。かなり軽快なリズムの音だ。


「シュセかな。パパとママも一緒なのかも」


ハルナは急いで朝食を済ませ、食器洗いと歯磨きまですると駆け足気味で外に出て行った。


「みんなおはよ〜っ♪ ……あっ」


シュセもセロもナエも、もちろんスバルもそこにいた。ボールを蹴る音を出していたのはスバルだ。サッカーボールを上手にリフティングし続けている。


「あ、おはようハルナ」

「おはよ〜お姉ちゃん。スバルにーちゃんに教わってるんだ」

「はよっ!よく寝てたな」

「おはよう。スバルくんったらすごく上手なのよ」

「へぇ〜意外かも」


スバルはリフティングしたままボールをナエにパスした。受け取ったナエが少しリフティングし、今度はシュセにパスを出す。シュセは胸トラップで受けて落とし、かかとで受け止めた。


「お姉ちゃんが全然起きてこなかったからさ、遊んでもらってたらサッカー得意だって聞いてさ。教えてもらってたんだ」

「そうだったんだ……って」


いつの間にかナエがハルナの後ろに回り込み、その胸を揉んでいた。かなりの早業だ。


「ハルナが起きてきたからもう2人は出発でしょ?だったらその前に少しでも堪能しておかないとね〜」

「ママったら〜」

「ここが外じゃなければ俺も加わってナエのを揉んだんだが……」


セロはナエよりは抑止ができるようだ。先日のジム戦で挑戦者の女の子を前にした時も耐えていたに違いない。抑止できなければ捕まるだろうが。


「スバルにーちゃん」

「ん、どうした」


シュセがスバルの服の裾を軽く引っ張って呼んだ。スバルは振り向いて尋ねる。


「また遊びに来てね。その時はまた今日の続き教えてよ」

「シュセ……」


シュセの笑顔がスバルの目に滲んで映る。スバルはしゃがみ込み、小指を立てた右手をシュセの前に差し出した。


「わかった。必ずまた来る。教えるよ。それまでに自分でも練習しておくんだぞ。男同士の約束だ」

「うん!練習しておくよ!」


シュセも小指を立てた右手を出し、2人は指切りを交わした。スバルが立ち上がり、ハルナの肩に手を置く。彼女はまだナエに胸を揉まれ続けている。


「ハルナ、行こう」

「うん。ママごめんね。続きはまた帰ってきた時に……」

「は〜い」


しぶしぶとハルナから手を離し、ナエはセロの隣に並んだ。シュセもその隣に立っている。


「2人とも、気を付けてな」

「スバルくん、娘をよろしくね」

「ま〜た来〜てね〜〜」


3人の送り出しの言葉にハルナはニッコリ笑い、スバルはフッと笑みを浮かべて答えた。


「じゃあ、行ってきまーす!」

「ありがとうございました。では、また」


振り返らずに去っていくハルナ達をずっと見送りながら3人はそれぞれの思いを呟いた。


「はぁ〜次にハルナのオッパイ揉めるのはいつになるかなぁ〜……」

「ママ、絶対そう言うって思ってたよ」

「寂しがるなって。その分俺がナエのを揉んじゃる。しかしあいつら………」

「関係ないからっ!ん?」


セロが一瞬真剣な顔つきになった。ナエとシュセも少し気になってセロの方を向く。


「あいつらもしかしたら、とんでもない大仕事をやってのけるかもしれないな。何故かそんな予感がするぜ」


歴戦のポケモントレーナーは娘達から告げられずとも彼女達がこれから進むであろう道を薄々ながら予感していた。その彼が直感した少年少女のその後。果たしてそれは現実となりうるのだろうか………










2nd・終わり










あとがきらしき文字の羅列

第2話をお読みいただきありがとうございます。さて、胸ネタに関してはやりすぎかなとも思いましたが、考えた結果(本当か?)これぐらいならOKだろうという結論を出しました。ご了承くださいませ。尚、これから先もエロティカルな場面やキャラは出すつもりですのでどうぞよろしく(蹴)。

ハルナのパパ、セロは恐らくは今作最強キャラになりそうですが、いくら強いトレーナーの協力が必要といっても彼を前面に出してしまったらこれからの戦いが楽勝になりすぎて話のバランスが滅茶苦茶になってしまうので旅には最初から加えないつもりでした(現実的に見れば加えた方がいいのだろうけど)。

そしてナエママ。第2話にして今作最巨乳キャラ登場です。設定サイズは108センチのLカップ。設定した自分で言うのもなんですけどでかくしすぎたかな(しかも投稿直前にカップ値を大きめに修正してたりする)。ご存知の方も多いと思いますがボクの作品には巨乳の女の子がたくさん登場します。本作でももちろんね(抑止しようかとも思ったけど自分のステイタスと考えてやめました←)。でも、売りはそこだけではないですからね?ね?

 

[アットの一言感想]

 確かにやりすぎだと思います←
 けど、スバルだけ取り残されてた感じだから……まぁ、いいか(それで何故いいという結論に)。
 とはいえ、この夫妻は子供の目には毒だと思いました(ぁ)。
 ちなみに挑戦者の女の子の再登場はあるのか、微妙に気になってます(何)。

 

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