ムロ島でコスモ団幹部“ペンタゴン”の一人・スピカと相対したハルナとスバル。その力に苦戦するものの相手の退却により助かった二人はそんなコスモ団を倒すため強くなることを固く誓う。その二人が次に向かうのはホウエンの海の玄関・港町カイナシティ………


「見えてきたかも!あれがカイナシティ!」

「カイナシティにはトレーナーが集まるバトル施設があるらしい。修業になるな」


連絡船の上で二人は遥か水平線の彼方から姿を見せ始めたカイナシティを臨む。強さを求める旅がこれから始まるのだ。










ポケットモンスター コズミックファンタジー
4th 燃える男










“当連絡船はカイナ第一船着き場に到着しました。お忘れ物のないよう気を付けてお降りください。”


涼しげな女性の声で船内アナウンスが流れ、船のゲートが開く。二人は桟橋を渡り、カイナシティの土を踏んだ。ハルナが真っ先に駆けだしていく。


「待てよハルナ。あまり慌てるなって……」(熱心だな本当に。だがバトル施設の場所、あいつ知っているのか?)


その心配は間もなく消えた。ハルナを追っていったスバルが辿り着いたのは目指すバトル施設ではなく海を臨むカイナの砂浜だったのだ。至るところで海水浴客が憩いのひとときを過ごしている。


「いぇーい♪青い空に白い砂浜に広い海!最高かもー♪」


いつの間にかハルナも水着姿になってはしゃいでいる。その水着はというとホルターネック(留め具を首の後ろで結んでいるタイプ)ビキニだ。見ているスバルの顔が赤くなっていく。


(ハルナ、服の下に水着を着ていたのか……どおりでスパッツにラインが見えていたわけだ。いつもは見えてなかったもんな……ということはハルナの奴普段はまさかっ!?)「バ、バトル施設に向かったんじゃなかったのか」


逸る想像を会話によって少しでも抑え込む事も兼ねて、スバルが尋ねる。


「うん。ムロ島では敵探ししてたから遊べなかったし。バトル前に遊んじゃ駄目かな?」

「い、いや……いいんじゃないか。バトル前に気持ちをリラックスさせる意味でも」

「ありがと!スバルくんも一緒に遊ぶ?」


まぶしいほど明るいハルナの笑顔にスバルの顔が緩む。まぶしいのは何も笑顔だけではないのだが。そして彼の顔を緩ませているのも笑顔だけではないのだが。


「俺は……いい。今は見ている方が」

「へぇ……スバルくんってエッチなんだ。あ、悪い意味じゃないよ」

「ああ。気にしてない」


ムロ島でのスピカとの戦いで付いた傷。特に左腕と右脚の傷がまだ痛むから。それがハルナの誘いを断った本当の理由だった。心配をかけまいとハルナには傷の痛みのことは何も話していないのだ。まあ、ハルナの指摘も当たっている部分があるが。波打ち際ではしゃぐハルナを眺めながらスバルは物思いにふける。


(コスモ団にいた時はペンタゴンと戦う事なんてなかったからわからなかったが、実際に戦ってみてわかった。確かに強い。だが力の差は追いつくことができないほど開いているわけじゃない。必ず追いつける。いや、追いついてみせる)


脳裏にバトルの記憶がよみがえる。乱舞する氷の凶器、不可侵のようにも思えた防御壁、不気味さをたたえた微笑み。しかしそれらを協力という形で破ることができた。力の差がある相手に強さを見せつけたことが自信につながる。


「スバルくん。スバルくんっ!!」

「ん?どうしたんだハルナ。大きな声を出して」

「だって、何度声をかけても返事してくれないんだもん」


考え事を続けていたスバルはハルナの呼ぶ声が聞こえなかったらしく、ハルナは少しふくれっ面になっている。そんな顔もかわいらしい。結構前から呼んでいたようだ。


「そろそろ行こ?ハルナ着替えてくるからここで待ってて」

「あ、ああ。わかった」


海の家へと駆けていくハルナを見届けるとまた海の方を向いた。水着姿の女性も多いが、そのまぶしさはハルナには及ばない……そんな風に感じたスバルであった。


(しかし……ハルナの奴いつの間に服の下に水着を着込んでいたんだろう)










カイナシティは港町であるだけでなく、ポケモンの美しさを競う“ポケモンコンテスト”の盛んな街でもある。その最上級大会・グランドフェスティバルもこの街で開催されるのだ。ハルナの祖父母も若い頃その大会に出場したという。そのコンテスト会場の真向かいに目指すバトル施設はあった。ハルナとスバルが入ると中には結構な数のトレーナー達が集まっている。いい修業になりそうだ。


「よーしっ!始めよっ!!」


その施設の奥は広い体育館のようになっており、そこにラインで仕切られた土のバトルフィールドがいくつも均等に並んでいる。空いてさえいれば自由に使うことができるし、バトルのルールも相手との間で決めてよいのだ。ハルナとスバルはそれぞれ別のフィールドに向かう。


「さーっ!バトルしたい人はどんどん来てほしいかも!!」

「よしっ、じゃあまず俺が……」

「待って、私よっ!」


ハルナの呼びかけに数人のトレーナーが集まってくる。順番を決めるのに少々手間取ったが最初の挑戦者は一番最初に声を上げた少年に決まり、ようやくバトル開始だ。


「1対1の時間無制限といこうぜ!俺のポケモンはこいつ。キノガッサだ!!」


キノコに顔が付き、手足と尻尾を生やしたポケモンが現れた。対するハルナは……


「ハルナはこの子!お願いチョンチー!!」


丸い体に大きな目、二本の触角を前に垂らした魚のようなポケモンだ。魚といっても腹びれが足代わりになって陸上でも動くことができるようだ。


「バトル開始だ!キノガッサ、マッハパンチ!!」


前屈みになったキノガッサが一瞬のうちにチョンチーに近付き、拳を打ち当てた。チョンチーは踏ん張ってその場に持ちこたえる。


「近付かれたならこっちからの攻撃も狙い撃ちかも!チョンチー、一発の水鉄砲!!」


間近で放たれた水鉄砲。だがそれをキノガッサは紙一重のところでかわしてみせた。見事なフットワークだ。かわしたところでまた拳を繰り出す。今度は少し後ずさりするチョンチー。


「どうだい。次行くぜ!」

「たくさんの水鉄砲!!」


今度は広範囲の攻撃。これなら全てよけきることは難しい。キノガッサは巧みなフットワークでかわしながらチョンチーに近づいていくが、水鉄砲の連射が終わるとその体は濡れており、何発かはかわしきれず受けたようだ。


「命中はしても分散させて出している分一発の威力は低いし、水タイプの技は草タイプのキノガッサにはあまり効かない。こっちがやられる前にそっちを倒すよ。キノガッサ、スカイアッパーだっ!!」


キノガッサの空中へと突き上げる拳がチョンチーを吹っ飛ばした。だがチョンチーは空中で体制を立て直し、着地する。


「やるじゃん。スカイアッパーに耐えるなんて。でもダメージは大きかったろ。次で終わりだよ」

(当たる直前にスリップさせてかわしたからダメージは落ちたけど、次くらったらやばいかも……)「チョンチー、準備いい?」

「チィ〜」


チョンチーの二本の触角の間に電気エネルギーが集まり、ふくらんでいる。ハルナが指を鳴らすとその電気が前方へ拡散、キノガッサを飲み込んだ。


「しまった!こいつは電撃波……先に水鉄砲を当てたのはキノガッサの体を濡らすことで電気を通りやすくしてダメージを大きくするためだったのか!」


地面に倒れ、目を回すキノガッサ。戦闘不能だ。水濡れ効果はてきめんだったようである。


「ま、負けたーっ!!」

「いぇーい♪勝利ゲットかも!」










「イーブイ、高速連打!!」


浮かせた前足で小刻みな連打を浴びせるイーブイの攻撃。パワーリストとアンクルを外しているためそのスピードは目にも留まらない。まるで流星のようだ。対戦相手のポケモンは顔の付いた石に手が生えた頑丈そうなポケモンだがイーブイの連打はかなり効いている。


「アイアンテール、一閃!!」


連打を止めた次の瞬間には硬質化したイーブイの尻尾が相手ポケモンにヒットしていた。またスピードアップしているようだ。相手ポケモンは目を回して倒れる。


「あう……戻れ、イシツブテ。負けちまった。連打なのに何て重みのある攻撃なんだ……」

「よし、これで7連勝だ。ハルナの方はどうだろう」

「やったー6連勝っ!!」


スバルがハルナの方を向くと同時にその声が聞こえた。彼女に敗れた6人目のトレーナーがすごすごと引き下がっていく。周囲のトレーナーもその戦いぶりにビビリ気味だ。


「つ、強いなあの子……」

「次、誰が行く?」

「よっしゃ!じゃあ俺が行くぜ」


服装は赤いシャツにベストを羽織り、紺のジーンズを穿き、頭には赤いキャップを被り、黒いマフラーを首に巻いた長髪の男が名乗りを上げた。軽そうな雰囲気が漂っている。


「おっ、美少女じゃん!俺さ、女の子大好きなんだ〜♪」


何だか軽そうな男だ。ここまで堂々と言われるのも少し恥ずかしい……わけでもなさそうで、ハルナは嬉しそうだ。


「ありがと〜♪でも手加減はしないかも!」

「と〜ぜん!俺も手加減はしねーよ」


男の誉め言葉に素直に喜びはしたが、それとバトルは別物である。男の方もそれは理解しているし、女の子だからいう理由で手加減をするのはそれこそ女性差別であろう。


「1対1の時間無制限でどう?ハルナはこの子!お願いヌマクロー!!」

「いいぜ。俺の名前はスパってんだ。よろしく!出てこいバシャーモ!!」


ハルナが出したポケモンは水色の体を粘液で湿らせ、頭から一枚の黒いトサカを生やした二本足の両生類型。スパと名乗った男が出したポケモンは筋肉で引き締まった赤い体に羽毛を生やし、鋭いくちばしを持っていた。鳥ポケモンのようだが翼はなく、飛行タイプではなさそうだ。


「先手必勝かも!ヌマクロー、たくさんのマッドショット!!」

「マクロッ!!」


ヌマクローの開けた口から体内で作りだした泥の弾丸が次々と放たれた。対するバシャーモは両拳を炎に包み、身構える。


「やれっ!」


掛け声とともにバシャーモの拳が連打を始め、泥の弾丸を打ち砕いていく。拳の炎に触れた瞬間に泥は砂となって崩れ落ち、あっという間に消されてしまった。


「えーっ、地面タイプの技だから炎タイプのバシャーモには一つでも当たればかなり効いたはずなのに〜っ!」

(……あれは滅茶苦茶にパンチを出していたわけじゃない。飛んでくる泥の弾丸一つひとつに狙いを付けて繰り出していた。あまりに素早くて見えにくかったが……ハルナ、あの男は相当の使い手だぞ)

「よーし、次は俺の番だな。行くぜバシャーモ!!」

「シャーー!!」


バシャーモが一瞬のうちにヌマクローに詰め寄り、拳の連打を繰り出した。炎に包んでいない素手だが、目にも留まらぬスピードだ。ヌマクローはただ防御体勢を取るだけが精一杯で反撃ができない。


(くうっ……きつい。でも……)


ヌマクローの足が滑り、その場に尻餅をついた。バシャーモはすぐさま後ろに下がる。見るとヌマクローのいる部分だけ地面がぬかるんでいた。滑ったのはこのためだ。


「なるほど。粘液と汗で地面をぬかるませてそれで体をスリップさせてこれ以上の連打を回避したってわけか。やるね」

「でもかなり効いたかも。連打の一発ずつがこんなに重いなら力を込めた一撃はもっとすごいのかも……」

(ハルナの奴、カウンターを狙っているんだな。力を込めた一撃を出させようと誘っているんだ。でもバレバレだぜ。引っかかるか?)

「よっしゃ!それならリクエストにお応えして力を込めた一撃を繰り出してやるぜ!!」

(引っかかったーーーっ!!!)


まさか引っかかるとは思わず、スバルも開いた口がふさがらない。バシャーモが構えた状態で右拳に力をためているところからして本気らしい。本当に相当の使い手なのか………?とスバルは心の中でつぶやいた。


「行くぜーーーっ!!」


スパの掛け声と同時にバシャーモは飛び出し、次の瞬間にはヌマクローの体に急激なひねりを加えたストレートパンチを打ち込んでいた。ヌマクローの体が大きく回転し、宙を舞う。地面に落ちた時、ヌマクローは目を回して気絶状態。バトル続行不可能だ。


「俺のバシャーモの必殺ブローのひとつ、アドバンスメイルストロム。リクエストのお味はどうだった?巨乳のカワイコちゃん♪」


完全にやられた、かも………ハルナの頭の中をそんな一言が流れていた。あまりのスピード。カウンターをくらわせる隙さえ見切れなかった。


(ハルナの誘いを受けたのは別に引っかかったわけじゃなかったのか。仕掛けてくるであろうカウンターをくらわずに一撃を当てられるという自信があったからだったんだ。やはりあの男、相当の使い手だったな)「次は俺が相手になろう。ハルナ、下がっていてくれ」

「はうはう……スバルくん」


外野がざわついた。6連勝と勢いづいていたハルナを倒したスパと、こちらも7連勝で勢いづくスバルとのバトル。皆注目する。


「お、次は彼氏か」

「何故名前を呼び合っただけで彼氏と言う?」


顔を少し赤くして言い返すスバルだが、否定はしなかった。後ろでハルナも顔を赤らめている。周りから見ればモロ彼氏彼女だ。周囲からお似合いだのうらやましいだのヒソヒソ話が聞こえてくる。


「美少年と美少女でお似合いだぜ。さて、始めよっか」

「だから何故そう言うんだ……1対1の時間無制限。いいな?」


やはり否定しないスバル。上目遣いでスパを睨みつけるのは赤くなった顔を少しでも見られないようにするためだろうか。


「いいぜ。俺のポケモンはこいつだ。出てこいブースター!!」


オレンジ色の体に金色の尻尾とたてがみ、頭部の巻き毛をしたポケモン。その姿はイーブイに似ているが、それよりも一回りほど大きい。


「イーブイの進化形!しかも炎タイプ!!ということはあの人、炎使いかも!?」

「ビンゴ!正解だぜ巨乳のカワイコちゃんv」


ポケモントレーナーの中には特定のタイプのポケモンにこだわって扱う者もおり、それは特にジムリーダーに多い。彼等はタイプの名称を取って“○○使い(ここでは炎)”と呼ばれているのだ。初心者や素人からは『そのタイプの弱点タイプさえ突ければ楽勝』と思われがちだが、大抵の属性使いはそのタイプの弱点タイプに対抗する手段を他のトレーナー以上に心得ているためその点ではむしろ戦いにくい相手となることも多い。


(弱点を突ける水タイプのポケモンなら俺にもいる。だが、強力な相手だし相性を逆転されてしまう恐れもある。イーブイは連戦して疲労がたまってきているはず。デルビルでは炎に対する防御はできるがパワー勝負になったら圧倒されてしまうかもしれない。どうする?)


頭の中で考え続けた末、スバルは出すポケモンを決めた。CSからボールを出し、開くと中から出てきたのは赤い甲羅に身を包んだザリガニのようなポケモン。水タイプだ。


「ヘイガニね。体硬いし、タフだし、相性とか関係なしに勝てるかも。スバルくん頑張って!!」

「ああ。行くぞヘイガニ」

「ヘイヘイッ!!」










ほぼ同時刻・コスモ団本部と思われる場所の一室(前話で出た少女趣味の部屋である)。ソファに腰掛け、雑誌を読んでいるのはペンタゴンの一人・スピカだ。この部屋は彼女自身の部屋のようである。そして彼女の服装はやはりセクシーメイド服。これが彼女とメイド部隊の制服なのだ。と、ドアをノックする音がする。


「どうぞ」

「入りますよ。スピカさん」


そう言いながら部屋のドアを開けて入ってきたのは眼鏡をかけ、茶色の長髪を首の後ろで一つに束ねた白衣姿の美青年。左腕の腕章には灰色の星が。温厚そうな人物だが、彼もペンタゴンなのだ。

「そこでアンタレスちゃんに会いましてね。聞きましたが傷の方は大丈夫ですか?かなりの重症だと言っていましたよ」

「大丈夫よ。かすり傷だから。で、何か用かしら?」


そっけない反応を見せながらも読みかけの雑誌をテーブルの上に置き、スピカは立ち上がろうとするがそれを美青年が両手を前に出して制止させる。何故か困ったような笑顔で。


「いやいや、座ったままでいいですよ。しかし『月刊百合の園』ですか。しかもこれは成人指定。いやはや……」

「アンタレスから借りてるのよ。貴方も読む?」


雑誌を差し出したスピカだが、美青年は再び困った笑顔で両手を前に出す。


「いえ、ボクはいいです……しかし表紙からしてかなり過激そうですね。ハダカの女の子が2人で……うわぁ。で、でもアンタレスちゃんは13歳でしたから大丈夫ですね。10歳以上は法律上成人なわけですし。ええと、そのアンタレスちゃんから聞いたのですが、ムロ遺跡で邪魔が入ったようですね」


拒みながらもしっかりと表紙の様子を見ていたが、流石に女性の前で自分からエッチな話題に入るのは恥ずかしいのか話を逸らしてから本題に入った美青年の話にスピカが一瞬反応した。だがすぐにいつものにこやかな顔に戻る。その僅かな変化を美青年は見逃さない。


「やはりスバルくんだったのですか。ボクの配下の一人が彼にムロ島での計画を少しだけ話したと言っていました。まさか彼がコスモ団を抜けるなどとは思っていなかったのでしょうね。いやはや、あれを運び出した後だったのは幸いでしたね……」

「幸い?どういうことかしら。私があの子に負けてたとでも言いたいの?運び出した後だったから遊んであげただけよ。そうでなければ殺しているわ」

「あ、すいません……そんなつもりじゃあないんですよ。でもやはり邪魔者を逃がすというのはあまり感心できませんよ。総統に怒られちゃいますよ?そこでボクの配下の者を二人ほど派遣したんです。『悪魔』と『不思議』をね」


笑顔のまま目を細めて自分を睨み続けるスピカを美青年は三たび両手を前に出しながら困った笑顔をする。この行動が癖なのだろうか。


「じゃあボクは研究室に戻ります。今度ゆっくりとお茶でも飲みながらお話ししましょう」

「ちょっと待って」


話したいことを話し終え、部屋を出ようとする美青年をスピカが引き止めた。美青年はくるりと向き直る。まるで呼ばれるのを待っていたかのように笑顔だ。


「何でしょう?もしかして今お茶をごちそうしてくださるんですか?それとも愛の告白?いやーボクの長きに渡るさりげないアプローチがようやく実を結んだ………」

「あほ!私にあなたと付き合う気はないと何度言わせる気よ!!……お礼は言わないといけないからよ。私が逃がした相手を貴方の方で葬ってくれることになったんだもの。ありがとう」


立ち上がると両手を前にそろえ、深くお辞儀をするスピカ。その姿はまるで本当のメイドのようだ。だがメイド部隊員達はともかく彼女自身はメイドを本業としていない。彼女はあくまでもコスモ団幹部ペンタゴンの一人である。それはさておき、お辞儀をしたことによってメイド服の胸元からスピカの豊満な胸の谷間が深々と顔を覗かせる。


「い、いえいえっ、スピカさんのためですから……」


その底の見えない大渓谷から顔を赤らめながら目を逸らし、美青年は笑顔で頭をかいた。やはり男にとっては効果抜群なのだ。


「でも気を付けてね。敵は一人じゃない。あなどっていたら倒されるかもよ。貴方も部下は大事でしょう?カペラくん」

「ええ。連絡しておきます。じゃあ、今度こそボクはこれで……」


美青年幹部カペラはにこやかに軽く手を振り、スピカの部屋を後にした。それを見送るとスピカはまたソファに腰を下ろし、雑誌の続きを読み始める。


(『悪魔』と『不思議』か……それならあの二人には有効かもね)






4th・終わり






あとがきらしき文字の羅列
第4話をお読みいただきありがとうございます。さて、ハルナの水着姿やらスピカの谷間やらお楽しみいただけましたでしょうか(そこかい)。

もうお気付きの方も多いと思いますが、コスモ団の人達の名前はみんな星や星団の名前が付けられています。元団員のスバルくんも含めてそうですね。星の名前についてかなり詳しく載っているサイト様があってそちらを参考にさせていただいていたのですがなくなってしまいました。新しいところを探さなきゃ。

今回ブースターが登場しましたが、個人的な見方としてブースターには雄ライオンのようなイメージを持っています。太くたくましい四肢。王者の貫禄あるたてがみ(かなり苦しい?大目に見てください)。それにパワー。サンダースはチーターかな。こちらは細くしなやかな四肢と爆発的な瞬発力。シャワーズは……ウナギイヌとか言ったら怒りますよね。冗談です。

前話において、コスモ団の階級の銀河名と強さの基準がわからないという御意見をいただきましたが、その事に関してはこちらも自分のイメージになっています。不規則はあまり強そうなイメージが湧かず、渦は一般的な”銀河っぽさ”もあって三つの銀河の中では一番強そうなイメージがあり、その間が楕円といった具合です。いやはや、単純ですいません。

 

[アットの一言感想]

 スパの発言が逐一セクハラです(何)。
 実力はかなりのもので、ハルナも敗れてしまいましたが……スバルとの戦いの行方はどうでしょうか。
 そして、『月刊百合の園』……13歳が見て問題無い内容ならいいのですが……。
 この世界も、そろそろ成人年齢を見なおした方がいいのかも知れません(ぇ)。

 

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