フエンタウンを目指しキンセツシティを出発したハルナ一行。山間に小さな町を発見し、今夜はそこに一泊することにした。だが……


「なんかみんな暗い感じだね……」

「ただ事じゃなさそうな雰囲気だが……」

「そうだな。ポケモンセンターで聞いてみるか」










ポケットモンスター コズミックファンタジー

11th 電ピカ名作シリーズ 〜天使の忘れ物〜










ポケモンセンターに到着した一行。中ではジョーイさんが急患らしいポケモンを急いで奥へと運んでいた。


「あ、いらっしゃい。ちょっと待ってて!」

「は、はあ……」


何だかとても慌ただしそうだ。やはり何かあるのだ。そこへ外から男の子が泣きそうな顔で駆け込んでくる。


「ジョーイさん!ぼくのマイナンが!お願い助けて!」

「一体どうしたんだ?」


男の子の腕の中には薄い黄色の体に耳と尾の先が青い小型のポケモンがいた。だがその顔色は悪く、ぐったりしている。


「外で遊んでたら急にいなくなって。心配で探しに行ったら倒れてて……どうしよう」

「泣かないの」


ハルナは体を屈め、泣きそうな男の子の頭をポンポンと叩く。


「君が泣いたらこの子も不安になっちゃうよ。きっと大丈夫だから君もしっかりね!」

「うん……」


ようやく男の子は落ち着いた。そこでジョーイさんが戻ってくる。


「まあ!この子も!すぐ診るわ!」

「手伝います!」


ハルナ達も協力してマイナンを奥に運ぶ。そこで見たのはそのマイナンと同じ症状のたくさんのポケモン達。みんな意識がなく昏睡状態だ。


「こ、これは一体……」

「一週間ぐらい前から突然この症状で運ばれてくる子が出てきたの。ポケモンだけじゃないわ。人間もよ」

「一週間前?人もか……」


突然という事は流行り病かもしれない。しかしポケモンにも人にも感染する病原体などいるのだろうか。そうでなければ何処かから有毒ガスが漏れ出している可能性もある。


「あなた達も気をつけてね」

「はい!」


ちょうど新しい患者もなく手が空いたのでようやくハルナ達のポケモンを回復してもらう事が出来た。その夜……










「一体何なんだろうね」

「人もポケモンもお構いなしに感染か……」

「放ってはおけないし、明日調べてみるか」


だがしかし、眠っている間にも次の犠牲者が発生していたのだ!










「夜道を歩いていた仕事帰りのおじさんか……」

「このままじゃあ町のみんなが全滅するのも時間の問題だ……」


住民達の間に不安が広がっていく。だが無理もない。


「何とかして不安を取り除けないかなぁ……」

「原因さえわかれば少しは立ち直れるかもしれないが……」


腕組みをして考える一行。と、スパがひらめいた。


「そうだ!過去にも同じような事が起こっているかもしれない。調べてみよう」

「そうだね!図書館に行こう!」










町立図書館……それ程の広さはないが本棚の背は高く、蔵書の量は結構多い。


「俺は昔の新聞を見てみる。二人は歴史書を頼む」

「うん!」

「わかったぜアニキ」


だがしかしそう簡単には見つからない。そもそも本当に過去にあったかどうかもはっきりしないのだ。


「ちょっとスバルくん。紛れて何読んでるの」

「いや、これも一応歴史書だし」


ハルナがスバルから取り上げたのは『メイド服の歴史』という本。確かに歴史書ではあるが、それに載っている可能性は低そうだ。


「もーっこれじゃあハルナ一人で調べてるみたいかも……」

「この本に載ってます。どうぞ」

「ありがとう。どれどれ……」


その本に書かれていたのは数千年前の記録。町に巨大な顔の化け物が住み着き、町に暮らす全ての生き物を襲い始めた。襲われた者は皆死んだように眠り込んでしまう。困り果てた町の人々が神に祈ると、空から光る翼を持った天の使いが現れ、化け物を巨大な棺に封印した。そして人々は感謝の気持ちを込めて棺の周りに神殿を築き、天の使いを奉った……そんな内容だった。


「これだよきっと!ありがとう……ええっ!?」

「いえ。お礼には及びません」


本を手渡してくれた人の方に振り向いてお礼を言おうとした時、その人の顔を見てたまげた。見覚えのある顔だったのだ。紫色の髪をツインテールに結い、色白で小柄な無表情娘。ムロ島の遺跡で出会ったコスモ団員、プレセペだ。


「どうしたハルナ!……お前はっ!」


『巫女服の歴史』という本を片手に駆け付けるスバル。ハルナが相対しているのがプレセペだと気付き構える。


「お久しぶりです。皆さん」

「ど、どうしてあなたがここに……」

「今回の事、お前の仕業かっ」


騒がしさを聞いてスパも駆け付ける。一触即発の事態だ。だが。


「勘違いはやめてください。プレセペはこの町を助けに来たのです」

「はいー?」


真偽の程はまだ不明ながら、戦うつもりは本当になさそうだ。少し落ち着いたところでスパが尋ねる。


「スバル。この子は誰だ?」

「コスモ団だ」


だが腕章は付けておらず、メイド部隊の制服も着ていない。キャミソールの上に緩めのTシャツを着てデニムのミニスカートにニーハイという私服姿だ。こうして見るとどこにでもいそうな女の子だ。


「あなたがスバルくん達に新たに加わったという男ですか。なかなか強そうです」

「は、話を戻せ。この町を助けに来たとはどういう事だ」


苛立ち気味のスバルに対してプレセペは表情を崩さない。ハルナから再び本を取り上げた。


「私も調べていたんです。そうしたら、一週間ぐらい前に地震があったようです。地震自体は大した事はなかったようですが、老朽化した神殿の奥が崩れたと見られます」

「じゃあ、その時のショックで化け物の封印が解けたと?」


頷くプレセペ。地震があった時と被害者が出始めた時が一致した。更に続ける。


「町に広がっている昏睡の原因は『夢喰い』によるものです。封印が解けて目覚めたあの子のね」

「夢食いって、スリープとかムンナが使う技だよね。眠らせた相手から力を吸い取る効果があるやつ」


正確に言えば眠った時に発せられる癒しのエネルギーを吸収し、逆にマイナスエネルギーを吹き込む技だ。その名が示すように対象が眠りに落ちていなければ何の効果もないのだが……


「『夢喰い』はその夢食いとは異なる技です。ゴーストポケモンの中でも限られた個体のみが覚えるのです」

「異なる?どう違うんだ」


首をかしげるスバル。発音は同じなので聞き分けが少し難しい。


「『夢喰い』は標的が眠りに落ちていなくても効果を表します。そしてその効果とは標的の魂を吸い取ってしまうのです」


魂は生命エネルギーを生み出す命のコアとも言える存在。それを吸い取られたとなれば肉体は一気に衰弱してしまうのだ。それが昏睡状態の原因となる。


「魂を吸い取られたといってすぐに死ぬわけではありません。危機を察した肉体が残された生命エネルギーの使用を必要最低限までに抑えますから。ですがあまりに長い間肉体と切り離されていたとなれば別です。生命エネルギーが使い果たされてしまった時、肉体は死にます。そうなってからでは魂が戻っても肉体は生き返りません」


最初の犠牲者が出てから一週間。一刻も早く助けなければ手遅れになってしまう。


「喰った相手を倒すかゲットすれば魂は自動的に肉体に戻ります。今から神殿に行ってゲットしてくるので留守番してなさい」


背を向けるプレセペをスバルが止める。彼女の肩を掴んだ。


「お前には渡せない。ましてそんな危険な奴なら尚更だ。お前の手に渡ればコスモ団の悪事に利用される」

「悪事……あなた達からすればそうかもしれません。ですが我々にとっては平和を得る為にしている事です。故郷を追われ、棄てられ、蔑まれる人々をないがしろにする今の暗黒に目を向けない者達を改めさせる為に」

「確かにそうかもしれないけど、そんな人達ばかりじゃないよ。無理矢理押し付けちゃダメ。わかり合えるよきっと。ねえプレセペちゃん」


ハルナの言葉にプレセペは顔を少し振り向かせる。だがそれも一瞬。再び背を向けてスバルの手を振り払い歩きだした。


「ちゃん付けはやめてください。……優しい人。あなたみたいな人ばかりなら団も必要ないかもしれません。ですがそう綺麗事ばかりではないのですよ」


それだけ言い残し、プレセペは見えなくなった。沈黙がその場を支配する。


「っ……」

「く……人殺し集団めっ!」

「とにかくあの子を追おう」


今は問答するよりも倒れた人々を助け、残された住民の不安を取り除くのが先決だ。だが本当にあの記録の通りならそこには巨大な顔の化け物がいるという。


「迷ってなんかいられないっ!」

「行くぜ!」

「俺達の手で片付けるんだ!」










町の中央にその神殿はあった。数千年前に建てられただけあってかなり老朽化が進んでいるが、外側はそれなりに補修されているようで崩れは見られない。


「奥に行ってみよう」


恐る恐る中に足を踏み入れる。石畳を進んでいくと奥にプレセペの後ろ姿が。こちらに気付き振り返る。


「……来たんですね。仕方のない人達」


最奥部には表面全体によくわからない文字のようなものが彫られたモンスターボールのような巨大な玉が設置されていたが、それの上半分が粉々になり、かけらが散乱していた。残された下半分の内部には空洞が。


「これが棺です。やはり地震でひびが入り、封印の力が弱まっていたんです」

「ここにはいないのか……?」


スバルが言いかけたその時、空洞の中から巨大な手がぬっと突き出した。その手を支えにしてもう片方の手、顔とその姿を現していく。


「こ、こいつはっ、ヨノワール!?」

「しかし、でかい!」


全身を現したその姿は何とも不気味だ。全体的に灰色をし、大きく裂けた口を持った顔から手が生え、足はない。顔の上にもう一つそれに比べたら小さな顔がある。そちらの顔にはモノアイのような目が一つだけ。頭からT字型のツノが生えている。下の顔は体だろう。そして驚くべきはその大きさ。頭の先から体の下まで10メートルはありそうだ。突然変異というレベルの話ではない。


「なるほど。巨大な顔の化け物か。確かにそう見えるな」

「俺達がゲットしてやる!」


ヨノワールが両手を広げ、襲い掛かってきた。全員その場からぱっと散る。


「仕方がありません。ここは共闘といきましょうか。足を引っ張らないでくださいね」

「お前には渡さないからなっ!」


始まる前からちぐはぐだが果たして大丈夫か。それぞれポケモンを出す。


「お願いチョンチー!」

「行け、ヤミカラス!」

「来い、コータス!」

「真理の母胎より出でよ、ゴルーグ」


プレセペが出したのはロボットのように機械的な姿をした巨人だ。それでもあのヨノワールと比べたら大人と子供程の差がある。


「また来るぞっ!」


拳に紫色の炎をまとわせ、ハルナの方に殴りかかってきた。だがそれをさっとかわす。


「大きくて動きは鈍いかも!チョンチー、電磁波だよっ!」

「チーッ!」


触角から微弱の電流を放ち、ヨノワールに当てる。ダメージは殆どないが麻痺により動きを封じる技だ。


「今だ!ヤミカラス、追い打ち!」

「コータス、噴火だ!」

「ゴルーグ、シャドーパンチです」


ヤミカラスの一撃、コータスが甲羅の先から放った激しい炎、ゴルーグの拳がそれぞれにヨノワールの急所を捉えた。その巨体が揺らぐ。


「効いてるぞ!うっ!」


ヨノワールの体にある目から凍てつく光線が放たれた。間一髪でかわすヤミカラス。


「冷凍ビームか!危ないところだった」

「まだだ!」


殆ど間髪入れず逆の目から光線が放たれる。今度は弾ける電撃だ。ヤミカラスは再びかわそうとするものの僅かにかすってしまう。


「今度はチャージビームか。なかなか芸達者な奴だ」

「関心してる場合じゃないぜ。チャージビームは技のエネルギーの一部を自分のエネルギーとして取り込む。次からの一撃が強力になるぞ」


そのエネルギーを使い、ヨノワールは自分を縛る麻痺の枷を力任せに振りほどいた。


「そんな!技や特性の力もなしに自力で麻痺を解くなんて」


今度は顔の一つ目が妖しく光る。すると周囲の砕けた岩の欠片達が浮かび上がり、弾丸のようにこちらに襲い掛かってきた。


「サイコキネシスか!エスパー技の効かないヤミカラスにもこの岩なら効いてしまう!よけるんだ!」


悪タイプのポケモンにはエスパー技は効かないが(その理由はまだはっきりとわかっていない)、防げるのはあくまでもその身に直接受けたエスパー技のみ。エスパー技の影響を受けた物体を防ぐまでは出来ないのだ。なお、これと似た事はゴースト技とノーマルポケモンの関係でも起こる事があり、主に超常系タイプの技で起こりやすい。ヤミカラスはふらつく体をくねらせて何とかよける事に成功した。


「チョンチー、電撃波で撃ち落として!」

「コータス、鉄壁だ!」

「ゴルーグ、打ち返しなさい」


それぞれの方法で攻撃を防ぐ。ゴルーグのやり方は腕をバットのように振り、岩をヨノワールに打ち返す攻防一体のもの。ピッチャー返しだ。


「怯んだ!ヤミカラス、シャドーボールだ!」

「チョンチー、冷凍ビーム!」

「コータス、ストーンエッジ!」


再びの一斉攻撃にヨノワールは後ずさる。だが次の瞬間、その口を大きく開け、飛び掛かってきた。


「これは『夢喰い』です!」


狙いはハルナとチョンチーだ。口がバキュームのような吸引力で肉体から魂を引きはがそうとする。だが間にゴルーグが割って入った。ヨノワールの口を強引に閉じさせる。

「えっ?」

「ギリギリセーフでしたね。ゴルーグ、地震です」


ヨノワールの体を地面に押し付け、激しく足踏みするゴルーグ。これならかわしようも踏ん張りようもない。


「よし!効いてるぞ」


だがヨノワールは両手を地面に押し当て、自らも地震を起こした。それぞれの地震の威力が重なり、双方を襲う。


「相変わらず頑固な子です」

「でもこれでかなりダメージは積まれたはず。そろそろゲット出来るぞ」


プレセペを除く三人が空のモンスターボールを取り出す。まずはスバルがゴールキーパーのスローイングのように放った(ボールのサイズはかなり違うが)。


「行けっ!」


ボールはヨノワールに命中。中に吸い込まれていく。ボールは動きを止め、ゲット成功と思われたその瞬間。


「あっ……」


ボールに亀裂が走ったかと思うと、粉々に砕け散った。そこから何事もなかったかのようにその巨体を現すヨノワール。


「まだ駄目なのか!」

「いえ、もう十分のはずです。あの子の力にボールの強度が持たなかっただけ」

「そ、それならっ!」


ハルナが持っていたボールを引っ込め、次に出したのは上半分が黒で、黄色くHの字が入ったボールだ。それはハイパーボール。市販されているボールの中では強度、捕獲精度(キャプチャーネットの出力)、加えて価格も最高のものだ。


「高いから一個しか持ってないけど、これなら……」

「無理です」


そう言うプレセペが手に持ったボールは上半分に白い翼のような模様と一本のストライプが入ったもの。ハルナ達も見た事がない。


「そのボールなに?新作?」

「プレセペが造ったものです。この時の為に」


疑問符を浮かべるハルナ。そうこうしている間に再びヨノワールが襲い掛かってきた。


「スバルくん!スパさん!援護をお願い!」

「「よしわかった!」」


通常の場合、ゲットの為にモンスターボールを投げる際は相手ポケモンの動きを見る為集中しなければならずポケモンへの指示は出来ない。隙が生じてしまうが今回のように味方に援護してもらうというケースもあるのだ。両手を広げたヨノワールがその真ん中に黒いエネルギー弾を作り出す。ヤミカラスが放ったものとは比較にならない程巨大なものだ。


「まだこれだけの力を残していたのか!」

「撃たせるな!コータス!オーバーヒートだ!」


全身から力を口元に集中させ、一気に放つ。その『力の炎』はエネルギー弾に命中、放たれる前に四散した。


「大きい分溜めには時間がかかるようだな。ヤミカラス!フェザーダンスだ!」


ヨノワールの上の顔面に近付き、黒い羽根を撒き散らすヤミカラス。目潰しをされたヨノワールが顔を押さえる。


「ゴルーグ、押さえ付けなさい」


いつの間にか姿を消していたゴルーグがヨノワールの背後に現れ、両手を大きく広げてその体を掴む。


「チャンス!」


プレセペが指示を出したその隙にハルナはボールを放つ。プレセペはボールを投げる事は出来ない。はずだった。だが。


「お行きなさい!」


プレセペの放ったボールはハルナのそれよりも速くヨノワールにヒット。その中に吸い込んだ。そして動きを止めるボール。ゲット成功だ。


「え?ええーっ!?」


目を丸くするハルナ。だが確かにプレセペはゴルーグに指示を出しつつ瞬時にボールを放ったのだ。凄まじい集中力だ。だがそれでもハルナのボールを追い越したのは信じられなかった。


「は、早い。まるでボール自身が自力で加速してたように見えた」

「しかもあのヨノワールの力を完全に抑え込んでいる」


唖然とする三人の前でプレセペはヨノワールを収めたボールを拾い上げる。


「ご協力感謝します皆さん。これで町の人々も助かり、二度とこのような災厄に見舞われる事もないでしょう」

「プレセペちゃん」


一言お礼を言うとすぐに立ち去ろうとするプレセペだが、ハルナが呼び止めた。


「さっきは……ありがとう」

「いえ、攻撃のチャンスだっただけですから」

「素直じゃねーな」


苦笑いを浮かべるスパ。だがそれを跳ね退けるようにプレセペは言い放つ。だが少し照れ臭そうだ。


「き、共闘はここまで。次に会う時はあなた達を倒す時ですからっ。棄てられた者の気持ちなど所詮は同じ境遇の者にしかわからないです」

「あなたも、棄てられたの?」


ハルナの問い掛けにプレセペは首を縦に振る。少し淋しげな様子を見せながら。


「私はスピカ様に救われた。スピカ様は私のあるがままを受け入れてくれた。彼女が今の私の存在理由」

「わかった!でもあなた達の事、止めてみせるから!」


手を振りながら消えるプレセペ。テレポートで団の本部に帰ったのだろう。『倒す』ではなく『止める』。ハルナの呼びかけは彼女に伝わっただろうか。


「必ず、わかり合える日が来るよ」










ポケモンセンターに戻って来た一行。早速ジョーイさんが出迎えてくれた。


「みんな元気になったんです!病院の方でもみんな意識が戻ったって!ありがとうございます!」

「いえ、私達は別に……」


一行が事件を解決したという話はいつの間にか町中に知れ渡っていた。結果としてヨノワールをゲットしたのはプレセペなのだが、そこは知られていないようだ。


「あ、おねえちゃーん」


あの男の子が駆け寄ってきた。マイナンもすっかり元気になっている。


「ぼくね、マイナンが元気になるまで泣かなかったよ!」

「うん!偉いね!」


男の子の頭を優しく撫でるハルナ。マイナンも嬉しそうだ。死者が出る前に解決できた。これでこの町にも活気が戻るだろう。住民達の笑顔に見送られ、ハルナ一行は旅立つのであった。










一方その頃、コスモ団へ戻ってきたプレセペは、ヨノワールの収まったボールを見つめていた。表情は軽く緩み、微笑んでいるようだ。


「あの頃はモンスターボールなんてなかったからお前を封印するしかなかったけど、寂しかったでしょう。これからは一緒……」










11th 終わり










執筆後記

第11話をお読みいただきありがとうございます。さて、化け物退治はファンタジーの定番という事でやってみました。退治してませんが。と言うかプレセペの手に渡ってますが。ちなみに彼女が使ったボールは本作オリジナルです。

今回のサブタイトルにある『電ピカ』とは知る人ぞ知るポケモン漫画『電撃!ピカチュウ』の略称です。アニメの世界観を素にした作品ながら独自の解釈によるオリジナル設定が多いのですが(そこがまたいいのさ)、その中の設定を自分で更に再解釈したりして使わせていただいたという意味ですm(__)m
本作もアニメの世界(かなり未来だけど)を舞台にした作品ですし。ちなみに名作というのは電ピカに対する敬意の念を示しています。

電ピカの話をここで書くと長くなるので控えさせていただきますが、個人的にポケモン漫画の中で一番好きかも。ちなみにボクがオーキド博士のフルネームを初めて知った作品でもあります。


書き上がる頃には黒白の攻略本も出てるだろうと勝手に予測して新ポケモンを出したのですが、出る前に書き上がってしまいました。
攻略本も色々な出版社から出るでしょうが、ボクが好きなのはメディアファクトリーのもの。ポケモンのみならずジムリーダーや四天王を始めとした人間キャラのイラストも掲載されているからです。早くフウロ見せろ!シキミ見せろっ!うがーっ!(何)

 

[アットの一言感想]

 スバルが回を重ねるごとに不真面目キャラになっていくイメージが(ぇ)。
 今回はコスモ団のプレセペと共闘する話でした。
 プレセペにも何かしら抱えている過去があるようなので、今後明らかになっていくのかも知れませんね。
 とはいえ、現状は敵対関係にあるので、今回のヨノワールが立ちはだかると手強そうです。

 

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