ハナダシティに帰ってきたサトリ。昨日は疲れをとるためにゆっくりと体を休め、今日の体調は万全だ。
「おはよー、ママ、コタロウさん。」
「おはよー。」
「おはようサトリちゃん。」
サトリはパジャマ姿のままテーブルに着いた。朝食は昨日の残りのカレーである。
「いただきまーす。」
3人は一斉に食べ始めた。半分程食べたところでサトミがサトリに声をかけた。
「食べ終わったらジム戦の前に渡す物があるの。気に入るかどうかわからないけど。」
「わかったわ、なんだろう?」
「それはお楽しみvそういえばコタロウさん図書館行くんですって?」
コタロウの方へ向き直りながらサトミが言った。
「はい、オツキミ山で見た白い体のポケモンの事を調べようと思って。」
「じゃあジム戦終わったら図書館の方に向かうねv」
「わかった。頑張れよ。」
「うん!!」

 

 

 

第14話 ハナダジム!親子対決

 

 

 

朝食を食べ終わったサトリが母に連れられて行ったのは母の部屋だった。
「さっ、入って。」
「うん。」
サトリは言われるまま部屋の中に入った。シトラスミントの薫りが漂っている。
「渡す物って・・・あっ!」
ふとベッドの方に目を向けたサトリは声を上げた。スポーティーでセクシーな服があったのだ。目を白黒させているサトリに母は言った。
「ウフフフー、驚いた?旅する女の子のための服よ。動きやすくてボディラインもくっきり!どう、気に入った?」
「旅する女の子にボディラインは関係ないと思うけど・・・これいいかも!ありがとうママ!!」
「よーし、じゃあさっそく着替えよ!」






同じ頃、コタロウは図書館へ向かっていた。そこへ1つの影が・・・
「ぼっちゃま〜・・・や・・・やっと会えたのじゃにゃ〜・・・」
「お、お前何処行ってたんだ!」
「昨日の菓子屋につかまっていたのですにゃ〜・・・」
と、そこへハナダ堂のおじさんが凄い勢いでやってきた。
「コラァ!逃げんじゃねえ!!さぁ帰って手招き1万回だ!!!」
「ぎゃにゃ〜っ、ぼっちゃま助けてくだされにゃ〜っ!!」
「・・・頑張れ。ここを出る時には迎えに行くから。」
「そんにゃ〜・・・」
おじさんに引きずられ、ニャースはハナダ堂へ戻っていった・・・。






「よーしっ、着替え完了!」
サトミはご機嫌だ。一方のサトリは顔を赤くしている。
「いざ着てみるとちょっと恥ずかしい・・・」
「すぐ慣れるわよ。いいじゃない、色っぽいわ。さすがあたしの娘!『今世紀最後のセクシー系美少女』!!」


ここでサトリの服装の説明をしよう。黒のスパッツの上にレオタードのようなもの、それだけである。
恥ずかしがるのも無理はないがこの服装は旅する女性の服装として認められているのだ(なんて世の中だ・・・)。
「まさに勝負服・・・なんてね。これがママからのちょっと遅めの誕生日プレゼントよ。それでコタロウさんのハートもゲットよ!!」
「えっ・・・あっ、ありがとう。ハートゲットって・・・」
「あなた、コタロウさんの事が好きなんでしょ?ママはお見通しよvウフフフー。」
顔を真っ赤にしたサトリに母がニヤニヤしながら言った。
「あなたは自分が恋をしてるって気付いてないだけ。自信を持つのよ!さて、お話はこれぐらいにしてジムバトル始めましょ。先にスタジアムに行ってるから準備をきちんとしてから来なさい。」
そう言うとサトミは行ってしまった。サトリは胸をドキドキさせながら考えていた。


(あたし・・・コタロウさんの事が・・・好き?今まで感じてたドキドキは恋だったの?・・・!今はその事を考えてる時じゃないわ。ママとのバトルに集中しなきゃ!)






「準備完了!よし、行こうっと!」
サトリはベルトを締め、スタジアムへ向かった。服の上に上着を着ている。


(ママのポケモンは水タイプが中心、弱点を突くならマルマインかな。でも簡単にはいかないはず、ママは水ポケモンマスターの称号を持っているんだから・・・)


どう戦おうか考えているうちにスタジアムへ着いた。中は広い屋内プールになっている。祖母の代にはここで水中バレエショーをしていたと母から聞いたことがあるのをサトリは思い出した。と、目を前に向けると向こう岸にそれを話してくれた母がいた。セクシー系の水着を着ている。
「ママッ!!」(なんて格好してるのよ・・・)
「来たわねサトリ、さあバトルを始めましょう、使用ポケモンはお互いに2体よ!あたしの1番手はこの子!行くのよペリッパー!!」
「ペリーッ!」
ペリッパー・・・サトリがマサラタウンに連れて行かれた時に使われたポケモンである(第1話参照)。
「あたしはこの子!行くのよマルマイン!!」
「ビビーッ!」
マルマインの体はスパークしている。電気エネルギーがたまっている証拠だ。
「へぇ、その子がネオロケッツのマルマインね。相性の良さで来たか・・・。」
「そうよっ、行くわよマルマイン、『10万・・・』えっ?」
サトリが言うより早くマルマインは『自爆』をした。爆発の煙が晴れた後には黒こげになったサトリがいた。
「な・・・なんで?けほっ・・・」
「電気の溜まりすぎよ。マルマインのトレーナーはこまめに電気エネルギーを消費させてあげないと。」
サトリは母の言葉を聞きながらニャースの言っていたことを思いだした。


(扱いが難しいってこういう事だったのね・・・)


「これで1対2ね、不利になっちゃったけどそれを跳ね返してみせるわ!行くのよゼニガメ!」
「ゼニゼニッ!!」
「あっ、この子はオーキド博士からもらったゼニガメね?ちょっと大きくなったわね・・・でも手加減無し!ペリッパー、『水鉄砲』よ!」
「ペリーッ」
巨大な嘴(くちばし)から発射された水鉄砲は勢いが強くゼニガメを飲み込みそうな位太い。
「ゼニガメ、『高速スピン』!!」
「ゼニニニッ!!」
ゼニガメが首と手足を甲羅の中に引っ込め回転しだした。ペリッパーの放った水鉄砲はその回転によってはじかれてしまった。水しぶきが飛び散りサトリの体にもかかる。
「きゃっ冷たっ・・・」
「水も滴(したた)るいい女ねぇ。」
「からかわないでっ!ゼニガメっ、『スクリューロケッティア』ーっ!!」
ゼニガメの回転が横回転から縦回転に変化していく。
「今よ、発射ーーっ!!」
ゼニガメが回転しながらペリッパーに向かって飛んでいく。
「何て速さ・・・ペリッパーっ、よけるのよ!」
サトミが指示を出すより早くゼニガメは甲羅から頭を突きだしペリッパーに突っ込んだ。ペリッパーは宙を舞いながらやがてプールの中に落ち気を失って浮かんできた。
「ああっペリッパー・・・戻って!やるじゃないサトリ。おじいちゃんのジムで修業しただけのことはあるわ。でもあなたは勝てない。行くのよっパルシェン!!」
サトミの開いたボールの中から現れたのは殻を閉じた巨大な貝。両側に立派な棘が無数にある。サトリが図鑑をかざす。
「パルシェン・・・2枚貝ポケモン。殻が非常に堅くミサイルでも破壊できない。攻撃する時だけ開く。」
「念のため言っておくけど頭突きなんてしようものなら脳震盪を起こすわよ。小型のポケモンだったら脳障害を起こすこともあるの。どう?続ける?」
サトリはあせった。攻撃のしようがない。と、図鑑の言った事を思い出した。


(攻撃する時に殻が開く・・・チャンスはその時だけ!)


「こっちが攻撃する時がチャンスだと思っているのかしら?そうはいかないわ。」
まるでサトリの心の中がわかったかのようにサトミは言った。
「そ、そうよ!殻を開かなきゃ攻撃できないんでしょ!?パルシェンは。」
「残念でした。殻を開かなくても出来る攻撃がこの子にはあるのよ、見せてあげる。パルシェン、『棘キャノン』!!」
両側の殻に挟まれた真ん中の棘がまさしくキャノン砲のように発射される。それも1発や2発ではない。4、5発以上もの棘がゼニガメに向かっていく。
「言ったでしょ。あなたは勝てないって。」
棘は確実にゼニガメに向かっている。サトリは思わず叫んだ。
「わ・・・わかった・・・降参っ!降参よぉっ!!」
ゼニガメに向かっていた棘は皆ゼニガメの目の前の床に刺さった。初めから狙い撃ちにする気などなかったのだ。
「えっ・・・」
「サトリ、あなたの選択は正しいわ。これ以上続けても無駄にゼニガメを疲れさせ傷つけるだけよ。」
「・・・うん、でも次にバトルする時は負けないわ。特訓してもっと強くなる!だからまたバトルしてね!!」
「わかった。楽しみにしてるわ。」






ハナダジムでの親子対決、サトリは敗れてしまったが、次こそは勝つという思いを胸に特訓を始める事となった。というわけでサトリ達はまだハナダシティを離れない。従ってニャースの招き猫修業もまだまだ終わらない・・・。
「そんにゃ〜・・・」
「こらあっ、もっとピシッとやれえっ!!」






第15話(正確に言えば16話)に続く。






あとがきにかえて
サトミさんが着ていた水着は、彼女の母が『電撃ピカチュウ』1巻で着ていた物と同じ物です。あと、サトリの服装が変わりましたが今までの制服もハナダシティを旅立つ際は荷物として持って行かせますので制服好きな方もご安心を(何)。
あと、次回はサトリ達はお休みにし、別の人物を主人公にします。さあ、誰かな〜?(おい)

 

[一言感想]

 戦いを続けていれば、敗北は付き物。
 これにめげず、次の戦いこそ勝利しようというサトリに期待したいですね。
 それにしても、今回からサトリの格好がかなり過激になったそうな……。
 サトミの色気策で、サトリはコタロウをゲットできるのでしょうか(オイ)。

 

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