支部長の招集命令によりカントー支部に集まるジムリーダー達。一方、今日の修業を始めようとしたサトリだがジムへの挑戦を求める声が・・・。
「たのもーっ・・・いないのか?」
「ええ!?どうしよう!?」
「リーダー不在ってことを伝えたらどうかな?」
「そっそうね、よしっ行きましょ。」
2人はジムの入り口に向かった。先程からの声の主である少年がいる。
「ん?そうだ、ちょっと、失礼だけどこのジムは閉まっているのかい?」
「ええ、ママはカントー支部に行ってるから。」
「そっか・・・という事は君はここのジムの娘さんか、よしっ、じゃあ君とジム戦、OKかな?」
少年はとんでもないことを言い出した。サトリは慌てふためいている。
「あっそのっ・・・あたしはっ・・・はっ!・・・いっ・・・あぁ!!」
「よしっ、OKだね?そうだ、オレはケン、宜しく!」
言葉のつながりが『はい』に聞こえたのだろう。サトリはその場に立ちつくした。
(ど・・・どうしよう・・・あたしはまだジムリーダー資格持ってないのに・・・)
「お、おいサトリちゃん、大丈夫か!?」
コタロウが駆け寄るが、今のサトリには何も見えない、聞こえない。
第18話 集合!ジムリーダー(その2)
ポケモンリーグカントー支部、支部長室。
今現在3人のジムリーダーが集まっている。ハナダジムのサトミ、クチバジムのガイル、そしてヤマブキジムのナツミである。
「あっ、来たみたい!誰かしら?」
と、熱気が漂ってきた。
「オゥ、very hot!」
「あっつ〜い、さてはあいつね?グレン島ジムリーダー・・・」
「炎の男、ウィグ!」
周りの空気を揺らめかせながらダンディ系のおっさんが現れた。髪型はベッ○ム風である。
「オッス!久しぶりだな!」
「暑いーっ!」
「・・・だったら冷やしてあげる・・・」
どこからともなく声が聞こえると4人のジムリーダーの背筋に悪寒が走る。4人がそれぞれ自分の後ろを見るとガス状ポケモン、ゴーストが背中を撫でているではないか。
「ひっ、ひぇーっ!」
「キャー、セクハラぁ!」
ナツミは嫌がっているのだがどこか嬉しそうだ。
「・・・どう?冷えたでしょ・・・」
声が聞こえると同時に無数の人魂が出現した。その人魂が放つオーラが次第に人の形を成していく。
「Ohhhhhhh my ガァ〜〜〜〜〜ッ!!」
「あんた、相変わらず暗いわねぇ、シオンタウンジムリーダー、霊と語る娘、レイカ!」
ナツミは見慣れているのかどうかはわからないが平気な顔をしていた。。現れた少女は黒いローブを纏い(まとい)、傍ら(かたわら)に夜鳴きポケモン、ムウマを従えている。
「・・・あなたは相変わらずヘラヘラしてるのね・・・」
一方、サトリはジム戦の準備をしていた。準備といっても水着に着替えるだけなのだが。ここで説明しよう。サトリが今着ようとしている水着は彼女の母が着ていた物と同じ形状のものである。
「こうなった以上絶対勝たなきゃ・・・よし、準備OK!」
ベルトを締め、サトリはスタジアムへ向かう。そこにはもう挑戦者のケンと審判を買って出たコタロウが待っているのだ。
(よーし、修業してきたんだもの、負けないわっ!!)
スタジアムへ着いた。向こう岸にケンが、その中間のプールサイドに両手にフラッグを持ったコタロウがいる。サトリが入ってきた瞬間、2人の男はその場で一瞬硬直した。
(なんて格好だ・・・!そうか!こうやってこっちの心を惑わす作戦か!)←サトリにはそのつもりはありません(by作者)。
(うっ・・・サトリちゃん、かわいい・・・でもバトルは公平に審判しなくては・・・)←顔はかわいいけどスタイルは大人だぞ(by作者)。
「・・・バトルは2対2、ポケモンの交換は挑戦者のみ可とする。それでは、始め!」
コタロウは気を取り直してフラッグを振った。
支部長室に次々とジムリーダーが集まってくる。支部長がふと呟いた。
「あと1人・・・」
「あと1人っ・・・来てないのは誰かしら?」
サトミが支部長の言葉に反応する。
「ん?待て、まだあと2人のはずだ。おっ、そのうちの1人がお出ましのようだぜ!」
熱気を放ちながらウィグがドアを指差した。そこにいたのは青い着物を着た清楚な美少女だ。
「諸事情ありまして少々遅れてしまいました。ごめんあそばせ。」「タマムシジムのアオイか、これで欠席のマサラとニビを除いて全員揃ったな。」
「待てって、まだセキチクの奴が・・・あっ!!」
言いかけてふと天井を見たウィグは思わず声を上げた。その声で天井を見上げた他のジムリーダー達も驚いた。それもそのはず、2人の人間がそこに張り付いていたのだ。忍者風の着物を着た少年と少女である。彼等は音もなく天井から降り、整列した。
「い、いつからそこにいたんだ・・・それにお前等、リーダーじゃ・・・」
「そこの外人さんが入ったすぐ後さ。」
「この間パパからリーダーの座を継いだのよ。あたし達2人がね。」
「まあいい、だが初めてここに来るのであれば自己紹介ぐらいはしてもらいたいものだな。」
「はっ!申し訳ありません!私(わたくし)、新たにセキチクシティジムリーダーに就任しましたクウ、こちらは姉のリクと申します。」
「ジムリーダーの皆様、そして支部長殿、以後お見知り置きを。」忍者姉弟は腰を低くし一礼した。
「双子か・・・?」
誰かが呟くとリクが言葉を返した。
「いえ、本当は三つ子なの。でも真ん中の弟は旅をしているの。」クウも続ける。
「リーダーにはならないと言っていたのさ。」
「話はそれまでにしてくれ。・・・さて、本日君達を招集したのはある指令があるからなのだ。」
支部長の言葉にジムリーダー一同は静まり返った。
「よーしっ、行くのよピッピ!」
「ピッピ!」
「ん?ハナダジムは水系ポケモンのジムだと聞いていたけど・・・まあいいや、行けっライボルトっ!」
ハナダジムではサトリのバトルがスタートした。相手の出したポケモンは主にホウエン地方に生息しているポケモンである。サトリは図鑑をかざした。
「ライボルト・・・放電ポケモン、空気中の電気をたてがみに集め頭の上に雷雲を作り出す。」
「へぇ、この辺りでは見ないポケモンを持ってるのね。でもだからって手加減はしないわよ。ピッピ、『スピードスター』!」
「ピピーッ!」
ピッピの掌(てのひら)から星形弾が無数に撃ち出される。
「オレはホウエン地方から旅をしてるんだ。ライボルト、こっちも『スピードスター』!」
「ライッ!」
お互いの星形弾は全てぶつかり合い消し飛んだ。連射力、威力共に互角のようだ。
「やるな、それなら・・・ライボルト、浮島に跳び移れ!」
「ライッ」
「ピッピも浮島へ行って!」
「ピッピ!」
今度は接近戦だ。格闘能力の優れたポケモンが有利だが、ぐらぐらと揺れる浮島の上ではそれだけでなくバランス感覚も重要だ。
「ピッピ、『はたく』のよ!」
ピッピの平手打ちがライボルトの頬に命中する。ライボルトは一瞬よろけたがすぐにバランスを取り直した。
「ライボルト、目一杯『充電』してから『スパーク』をかましてやれ!」
「ラーイーッ!!」
ライボルトの体が何やらバチバチと音を立てている。空気中の静電気を集めているのだ。
「今だ!」
ライボルトの体から電撃が放たれた。その衝撃でピッピは上に弾き飛ばされてしまった。
「ああっ、ピッピー!」
「とどめだ!『スピードスター』・・・んっ!?」
ピッピは空中で体制を立て直しライボルトの方に向き直った。
「なーんちゃってねvあたしのピッピは空中の方がバランス感覚が冴えるのよ。でもこの子の能力はそれだけじゃないっ!行っけェーっ!!」
ピッピの右手がスパークしている。ライボルトにその右手の指先向け、小さな電撃球を連続で撃ち出した。
「やるぅ!この技は、えっと・・・『スタンマシンガン』!なんてどうかな?」
「いいんじゃないの・・・って、馬鹿な!」
ライボルトはスタンマシンガンをまともに受け、プールに落ちてしまった。陸上型のライボルトは泳ぎが苦手である。やがて腹を上にしたライボルトが浮かんできた。コタロウはすかさずサトリ側のフラッグを上に掲げる。
「ライボルト戦闘不能、ピッピの勝利!」
「やったー!」
「戻れっライボルト・・・やるな、こっちの技を盗み、尚かつ元から持っていた技と組み合わせて自分の技にするなんて。」
ケンは驚いている。だが誰でも驚くだろう。空中のバランス能力。相手の技を瞬時に覚え、自分の技と組み合わせる能力。勇者の資質だろうか。
「どう?降参する?」
(お願いーっ、降参してーっ!!)
サトリは心の中で叫んだ。が、それは通じなかった。
「まさか!次のポケモンはこいつで行くぜっ!!」
第19話に続く。
あとがきにかえて
サトリのサービスカットはいかがでしたでしょうか?(蹴)それはさておき、クチバジムのガイルの名前は某格闘ゲームのキャラから採りました。グレン島のウィグは鬘(かつら)という意味です。タマムシジムのアオイはクリスタル版の合い言葉DJとは関係ありません(何)。
カントーにはジムが沢山(ボクの記憶では少なくとも11は)ありましたが、有名ジムのリーダーの名前だけ決めました。シオンタウンにもジムが出来たのです。トキワジムは・・・閉鎖されているそうです(ぇ)。
あと、挑戦者のケン君は募集キャラです。だいす けん様(『イーブイタウン』の管理人さんです)の小説「エレメント・オブ・イーブイマスター」のケン君とは名前が同じなだけで関係はありません(わかるわ)。
[一言感想]
前回に続き、更に新しいジムリーダーが続々と出てきました。
で、一方でジムリーダー代行として(?)バトルを行う事になったサトリ。
仮に相手が勝っても、無効試合となるのかどうなのか……。
ていうか、何が何でもサトリが勝つしかないんじゃないかと(ぁ)。
しかしサトリも、あの過激な水着を着るはめになったようですね。
あんまし抵抗なさそうだけど……。
とはいえ、コタロウにまで効果抜群な様子。
いくら年齢差あるって言っても、今の歳で十分誘惑できるんじゃあるまいかと心配半分、期待半分(ぇ)。