修業のためにポケモンゼミを訪れたサトリ。だがそこには小学校時代のクラスメイト、ワカナがいた。彼女の提案でフルバトルをすることになったが、バトルフィールドのあるグラウンドは彼女のファンやバトルを見るために集まった生徒達で埋め尽くされてしまった。そして今まさにバトルが開始されようとしている。
“さぁーっ、2人の最初のポケモンはーっ!?”
「行って、ゼニガメ!」
「行くのよ、ユキワラシ!」
“サトリちゃんが出したのはゼニガメ、そして我らがワカナちゃんはユキワラシ!お父さんがホウエン地方に行ったときのお土産だーっ!!”
「ゼニガメ、『水鉄砲』!」
「ゼニーッ!」
“おーっと、先制攻撃を仕掛けたのはゼニガメだーっ!ワカナちゃんどうするーっ!?”
「ユキワラシ、『凍える風』で体を包むのよ!」
「ユキーッ」
次の瞬間、水鉄砲がユキワラシに命中した。ダメージは免れないだろうと誰もが思った。が・・・
“な、何と!命中した水鉄砲が氷の柱になっているーッ!!これは一体どうしたことかーっ!!”
第21話 フルバトル!サトリVSワカナ:1 スターミー猛攻
「簡単な事よ。」
ワカナが答えた。
「水鉄砲が命中するより早く凍える風がユキワラシを包んでいたのよ。さてと、今度はこっちの番よ。ユキワラシ、『吹雪』!!」
ユキワラシが氷の柱を砕き、猛烈な吹雪を吐き出した。
“凄い!何と猛烈な吹雪!!爬虫類のゼニガメは大丈夫かーっ!?んっ!?おおーっ!!吹雪を起こす強い風で2人のスカートが思いきり捲れ(めくれ)上がったーっ!!”
集まった生徒のうち男達だけが全員サトリかワカナどちらかの丸見え状態のスカートの中を凝視している。
「ゼニガメ、『からにこもる』のよ!・・・何?この視線!?」
サトリはゼニガメに指示を出しながらも自分に注がれる熱い視線が気になっている。その視線は自分の下半身に向けられているようだ。
「はっ・・・イヤーッ!!」
サトリは慌ててスカートを押さえた。一方のワカナは嬉しそうだ。「オッホホホ・・・」
「あいつ・・・あたしに恥かかせる為にやったんじゃないでしょうね・・・」
“おーっ、残念ながら吹雪が止んでいくーっ、果たしてゼニガメはーっ!?”
ゼニガメは雪に埋もれて気を失っていた。甲羅にこもったものの耐えきれなかったのだろう。
「ゼニガメ、戦闘不能!ユキワラシの勝ち!」
審判を務める教頭がワカナ側のフラッグを挙げる。
(う〜ん・・・校長に見つかったら何と言われるか・・・)
“やったー!!我らがアイドル、ワカナちゃんがまず勝利だーっ!このまま残りの5匹もやっつけろーっ!!”
「ワ・カ・ナ! ワ・カ・ナ!」
グラウンドに盛大なワカナコールが響き渡る。明らかにサトリの旗色は悪い。ポケモンの数だけなら5対6と大した差はないが、このワカナコールが自分とワカナの差を大きくしているように感じるのだ。
(落ち着いて・・・観衆はみんな南瓜(かぼちゃ)・・・)
サトリは自分に言い聞かせた。
「戻ってゼニガメ!行くのよスターミー!」
「ヘアッ!」
“サトリちゃんの次のポケモンはスターミーだーっ!!果たしてどんなバトルを見せてくれるのかーっ!?”
「ふぅん、そんなポケモンも持ってたんだ。ユキワラシ、『霰(あられ)』を降らせるのよ!」
「ユーキーッ!」
ユキワラシが上を向き、氷の粒を含んだ息を吐き出した。
“おーっと、吐き出された氷の粒が霰となって降って来たーっ!いてっ・・・”
「こっちの体力を少しずつ削ろうとしてもそうはいかないわ、スターミー、『サイコキネシス』!」
スターミーの放つ念動波が霰の一粒一粒を包み込む。
「行っけぇーっ!!」
“な、何と!霰が全てユキワラシに向かっていくーっ!凄いサイコキネシスだーっ!!”
「ユキワラシ、よけてっ!!」
だが全ての霰をよけきることは出来ずいくつかは命中してしまった。
「今よスターミー、『高速スピン』でユキワラシを跳ね上げてあの技よ!!」
「ヘアッ!」
“あーっとスターミー、回転しながら体当たりしてユキワラシを空へと跳ね上げたーっ!・・・おっして、ユキワラシの真下から回転しながら次々と矢のように水を発射ーっ!!この技は一体・・・?”
「特訓中に編み出した技よ。名付けて『スピニングランドリー』!!」
スターミーの攻撃が終わり、ユキワラシが地面に落ちてきた。気絶している。
「ユキワラシ、戦闘不能!スターミーの勝ち!」
“これで5対5、バトルは振り出しに戻ったぞーっ!さて、ワカナちゃん、次のポケモンは!?”
「戻ってユキワラシ。やるじゃない、バトルのやりがいがあるわ。行くのよっゴルダック!」
「ぐわーっ!」(←叫び声にあらず)
“おーっとワカナちゃん、水ポケモンには水ポケモンで対抗かーっ!!”
「水ってだけじゃないのよこの子は。ゴルダック、『サイコキネシス』!」
「えっ!?スターミー、こっちも『サイコキネシス』!」
“あーっと、サトリちゃん少々驚きながらも同じ技で対抗したーっ!お互いの念動波がバトルフィールドの中央でぶつかり合って渦を作りだしているーっ!これでは押し負けた方がそのダメージを全て喰らうことになるぞーっ!!果たしてどちらが押し勝つのかーっ!?”
「もちろんワカナの方だーっ!!」
「そうだーっ!ワカナが勝ーつ!!」
「ワ・カ・ナ! ワ・カ・ナ!」
またワカナコールが始まった。その声がサトリを今にも押しつぶしてしまいそうだ。
「ええーい、南瓜ども五月蠅ーいっ!!!!スターミー、負けないで!押し返すのよっ!!」
「ゴルダック、最大パワーで押し返してっ!!」
2匹は念動力を強くしていく。と、次の瞬間、ボンという音がした。
“な、何と!渦となっていた念動波が爆発を起こしたーっ!これでは両方にダメージが来るぞーっ!!”
「ダメージなんて何のその!スターミー、『自己再生』するのよ!」
“スターミーの体の傷が見る見るうちに消えていくーっ!一方のゴルダックは片膝をついている、大丈夫かーっ!?”
「ダメージを回復されるなら回復できなくすればいいのよ。片膝をついているのはダメージの影響じゃないわ、この技のため。ゴルダック、『サイケ光線』!」
「ぐわっ!」
ゴルダックが両手をVサインにして額にかざす。すると額の宝石から不思議な光線が放たれた。
「よけきれそうにない・・・だったら『光の壁』よ!」
スターミーの前に光の壁が出現、サイケ光線を食い止めた。
“おっとスターミー、間一髪でダメージを免れたぞ。!あーっと!ゴルダックがダッシュでスターミーに近付いていくーっ!何をするつもりだーっ!?”
「こうするつもり!『乱れ引っ掻き』よ!!」
ゴルダックの爪が四方八方からスターミーに襲いかかる。ねらいはコアだ。コアが壊れれば自己再生は出来なくなるし、技の威力も大幅にダウンする。だが大切な部分であるためそう簡単には壊れない。以前ピジョンの突進を喰らったときも少しひびが入った程度なのだ。
「それぐらいじゃひびを入れるのも無理よ、スターミー、『妖しい光』!」
“あーっと!コアが妖しく光り出したーっ!その光を見たゴルダック、苦しそうに頭を抱えているぞ、大丈夫かーっ!?”
大丈夫なワケはない。妖しい光は直接眼に入ると脳の働きを一時的に狂わせるのだ。
“おーっ!?ゴルダック、自分の頭を殴りだしたーっ!!”
「こらーっ、ゴルダックやめなさーいっ!」
ワカナの声も届かない。
「今よ、スターミー、ゴルダックを跳ね上げて!」
「ヘアッ!」
“あーっと!ユキワラシの時と同じようにゴルダックを跳ね上げたぞーっ!この技は・・・”
「『スピニングランドリー』ーっ!!」
混乱しているゴルダックは頭を抱えながら水の矢の攻撃を受け、地面に落ちた。
「ゴルダック戦闘不能、スターミーの勝ち!」
“何と、サトリちゃん逆転です!これで残りポケモンは4対5ーっ!!”
(なんてこと・・・あのスターミーを何とかしないと下手すればあたしが負ける・・・)
“さあ、ワカナちゃんの次のポケモンはーっ!?”
第22話に続く。
あとがきにかえて
今回の見所は何と言ってもサービスカットだぜ!・・・いや、スターミーの活躍です。新技はスターミーの回転式ボディを見て思いつきました。かなりの自信作です。でも重い相手には通じないかな・・・。
あと、2人のスカートの中身はひ・み・つv(蹴)
[一言感想]
場所としては、相手のテリトリー。
周囲の空気としても、サトリにとっては戦いづらいフィールドとなるのでしょうが、それでも五分に渡り合う様子はさすがです。
出だしこそ遅れを取りましたが、一気に盛り返しましたね。
しかし、緊張どころで観衆をかぼちゃに脳内変換するっていうのは、お約束ながらも1つのスキルですよね……。
サービスカットについては、さすがポケFと言ったところ(ぇ)。