“さぁーっ、バトルはますます白熱してきているぞーっ!今のところ残るポケモンは4対5、まだまだ勝負の行方はわからない!さぁ、ワカナちゃんの次のポケモンはっ!?”


「やるわねサトリ、トレーナーになりたてなのにバッジ3つレベルのあたし相手にここまで戦えるなんて。でもここまでよ。そのスターミーをこの子が沈めるわ。行くのよオニドリル!!」
「ギャーン!!」


“あーっと!ワカナちゃん3匹目のポケモンはオニドリルだ!ここから逆転できるかーっ!?”


尖った嘴(くちばし)、鋭い目。サトリは嫌なことを思い出した。旅立ちの日、オニスズメの大群に襲われたことである。そのオニスズメの面影がオニドリルにはあった。図鑑を開いて確認してみる。
「オニドリル・・・嘴ポケモン。オニスズメの進化系。空高く飛び上がり・・・」
説明が終わる前にサトリは図鑑を閉じた。
「やっぱり、か・・・よしっ!行くわよ!先手必勝!スターミー、『トライアタック』!!」
3つのエネルギー球がスターミーのコアから放たれオニドリルに向かっていく。
「オニドリル、『高速移動』でかわしながら接近よ!」


“おーっと!オニドリル、3つの球を全てかわし、一直線にスターミーへと向かっていくーっ!おっ、何とオニドリル、回転を始めたぞ!”


「『ドリル嘴』!!」
「スターミー、『リフレクター』!!」
間一髪、リフレクターがドリル嘴を止めたように見えた。だが・・・

 

 

 

第22話 フルバトル!サトリVSワカナ:2 オニドリル逆襲

 

 

 

“あーっと!ドリル嘴がリフレクターを貫いたーっ!!そしてそのままスターミーのコアに突き刺さるーッ!!”


「ああっ!!」
オニドリルの嘴はスターミーのコアに難なく突き刺さり、回転しながらコアを貫いていく。オニドリルが嘴を引き抜くとスターミーはその場に倒れた。
「ス、スターミー戦闘不能・・・オニドリルの勝ち・・・」
教頭が少しびびりながらワカナ側のフラッグを挙げる。


“4対4!また並んだぁーっ!!このバトル、最後までわからないぞーっ!!”


「・・・ッ、スターミー戻って!この子が一撃でやられるなんて・・・よしっ!こっちも飛行型よっ、行くのよピジョン!」
「ピジョーッ!」


“サトリちゃんの次のポケモンはピジョン!空中戦が見られるかーっ!?”


「ピジョン、『電光石火』で近付くのよ!」
「オニドリル、『高速移動』でかわしてっ・・・」


“おーっとこれは!?いきなりのハイスピードバトルだあーっ!!ん?あーっとこれは!?”


「えっそんな・・・オニドリルが消えた!?」
「ピジョ〜?」
ピジョンも戸惑っている。と、ピジョンの背後に突然オニドリルが出現した。
「!?」
「オニドリル、『鷲掴み(わしづかみ)』よ!」
「ギャース!!」


“あーっとオニドリル、消えたと思ったら突然出現、ピジョンの背中を鷲掴みだーっ!!”


「そのまま振り回して!」
オニドリルはピジョンをつかんだまま体を激しく振り回した。ピジョンは目を回している。
「今よ、上に放り投げて!」


“おーっと、ピジョンが上空に放り上げられたーっ。オニドリルもそれを追いかけるーッ!!そして今度はピジョンの足を鷲掴み、逆さにしてそのまま落下していくーっ!!”


「ピジョン!」
ピジョンは地面に叩きつけられ、気を失った。
「ピジョン、戦闘不能!オニドリルの勝ち!」


“やったー!ワカナちゃん逆転!凄いぞ、強いぞオニドリル!!”


「ピジョン!大丈夫!?」
サトリは思わずピジョンに駆け寄った。
「大丈夫よ。力を30%位に抑えたから。全力でやるのは岩か鋼のポケモンと戦うときだけなの。あの『バードドライバー』はね。」
ワカナがわざわざサトリの傍に来て言った。サトリはムッとした顔をしてワカナを見る。
「ふーん、ありがと。さっ、バトル再開しましょ。お疲れさま、戻ってピジョン。」


“2人がそれぞれのサイドに戻り、バトルの再開です。さあ、サトリちゃん4匹目のポケモンは何かーっ!?”


サトリは考えていた。残った3匹のポケモンのうちどれを出そうか。


(ニドラン・・・駄目だ、攻撃が相手に届かない・・・ピッピ・・・飛び道具系の技が不完全だわ・・・。マルマイン・・・相性もいいし、飛び道具系の技も使える。よしっ!)


「行って、マルマイン!」
「ビビーッ!!」


“サトリちゃん、相性の良さで来たーっ!ワカナちゃんはどう出る!?”


ワカナは不敵な笑みを浮かべた。
「相性の良さで攻めるのはセオリーよね。でもバトルっていうのはセオリー通りにいくとは限らない。そういえばあなたのおじいさんはセオリーを覆すのを得意としていたのよね。」
「つまりは、そのオニドリルでこのマルマインを倒すって言いたいのかしら?」
サトリの問い掛けに、ワカナは微笑みを浮かべながらうなずいた。
「わかったわ。マルマイン、『充電』しながら『スピードスター』よ!」


“さぁーっ、最初に仕掛けたのはサトリちゃんだーっ!!”


(エネルギーをためながら飛び道具系の技で相手の体力を削って電気技でトドメをさすッ・・・!)


無数の星形弾が一直線にオニドリルへと向かっていく。
「オニドリル、こっちも『スピードスター』よ!」


“あーっと!ワカナちゃん、同じ技で対抗だーっ!!”


お互いの星形弾がぶつかり合い、全て消えてしまった。


(そんなっ、完全に相殺された!?これじゃあ相手の体力を削れないっ・・・!)


「隙ありっ、『鎌鼬(かまいたち)』!!」


“ワカナちゃん反撃ーっ!真空の刃がマルマインを襲うーっ!!”


「はっ!マルマインよけてっ!」


“間一髪のところでマルマイン、鎌鼬をかわしたーっ!さて、どう反撃に出る!?”


「『充電』を続けながら『ソニックブーム』よ!」
「ビビーッ!」
「『鎌鼬』で相殺!」


“あーっと、お互いの真空刃がぶつかり合って・・・消えた!スピードスターの時と同じだぁーっ!”


(このままじゃ決着がつかない・・・接近戦に持ち込めれば・・・そうだわ!)


「マルマイン!オニドリルを『挑発』するのよ!」
「ビッビーッ!」
「ギャ!?ムギャーッ!!」


“おーっとオニドリル、マルマインの挑発に乗ってしまったーっ!!一直線にマルマインへと突っ込んでいくーっ!!”


「こらーっ!オニドリルーっ!やめなさーいっ!」
ゴルダックの時と似た状況だ。当然ワカナの声はオニドリルには届かない。
「今よマルマイン、『充電』してから『10万』・・・」
オニドリルが迫ったその瞬間、マルマインが爆発を起こした。充電のしすぎで体内の電気許容量を超えてしまったのだ。
「えっ!?」


“な、何と!両ポケモン同時ダウン!立ち上がれるかーっ!?”


両方とも立ち上がれないであろう。オニドリルは至近距離で爆発を喰らい、マルマインも爆発によってエネルギーが0になったのだ。
「両ポケモンとも戦闘不能。引き分け!」


“ひ、引き分け!相打ちであります!これで残るポケモンは3対2ーっ!!”


グラウンド内に一際大きな歓声が響き渡る。と、審判を務めている教頭の肩を叩くものがいた。
「どうしたのかね教頭先生、この騒ぎは・・・」
はっとした教頭が振り返ると、そこにはカイゼル髭を生やしたジェントルマンがいた。
「こ、校長先生っ!?」






第23話に続く。






あとがきにかえて
カイゼル髭ってなんじゃいと思う方、どうぞ各自でご調査ください(殴)。冗談です。カイゼル髭というのは、両端がピンと跳ね上がった大きな髭のことです。歴史が好きな方はよくご存知かと思いますがドイツやロシアの皇帝がよくそんな髭を生やしていますよね。カイゼル(ドイツ語で皇帝という意味)が生やしていた髭だから『カイゼル髭』というのです。ドイツのことなら任せ・・・られても困りますなあ(蹴)。

 

[一言感想]

 オニドリルは強かったですね。
 実質サトリは、3匹もオニドリルを前に戦闘不能にさせてしまった事になります。
 最後はまぁ、結果オーライ? それとも失敗?
 いずれにせよ、終わりが見えてきましたね。

 

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