――――シンオウ地方
「うん・・そうだよ。大丈夫、無茶はしないさ。・・・うん、分かってる。姉さんこそ無理をしないで。
・・・そう、なら安心した。うん・・・うん・・・それじゃ、レッドさんに宜しく。」
――――Pi
「さぁ、行こうニューラ。あいつらも待っている。」
傍らのニューラに声を掛け、俺は仲間達の元へと向かった。
『ある少年の旅路』
俺は、今シンオウ地方と言う場所を旅している。
カントーの遥か北に位置する自然豊かな場所だ。
さて・・・旅の事を話す前に数ヶ月前・・・そうだな、俺の石化が解けた後の話をしておくとしよう。
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・・・・・・
・・・
ジラーチの力により俺やブルー姉さんの石化が解けた日、俺が聞いたのは『父が死んだ』と言うことだった。
これは、葬儀の時に知ったことだが父は・・・サカキは重い病を患っていたらしい。
成程、それでデオキシスを使ってまで俺を探すことに躍起になっていたわけか・・・
正直な事を言うと、それ程悲しみがこみ上げてきたわけじゃない。
・・・当然だ。
10年も会ってなくて、再開はR団を嫌っている者と、R団首領としてだった訳だからな。
それでも、サカキが俺の父であるという事実は変わらない。
ならば、父が亡くなった今俺のすべきことは何か?
答えは簡単だった。
『R団を壊滅させる』
恐らく、サカキが居なくなった事により組織が空中分解するのは時間の問題だろう。
だが、三獣士や幹部の連中は組織を再び纏め上げようとするだろう。
悪いがそんなのは御免だ。
葬儀が終わって直ぐに俺は連中が拠点としていた、ナナシマの5の島へと向かった。
無論1人で来た訳じゃない。
レッドさんとブルー姉さんが一緒に来てくれた。
「・・・グリーンさんは来れなかったんだな・・・」
「うん、ほら、結構な期間ジム空けちゃったからね。協会の方からジムリーダ職に専念するよう厳命されたらしいわ。」
「・・・肩書きってのも、面倒なものだね。」
「仕方ないさ、それより・・・見えてきたぞ・・・」
レッドさんの言葉に俺と姉さんは気を引き締めバトルの準備をする。
恐らく、残党員でも下っ端の奴らなら全く問題にならないだろう。
だが、幹部級となれば話は別だ。
だからこそこの2人に付いて来て貰った。
戦力的には問題無い。
そして、俺には『新たな仲間』が居る。
「思い出の塔の方に回してくれ!そこから連中の秘密基地を討つ!」
「あいよ!」
そして、船が着くと同時に、俺はヤミカラスで、レッドさんはプテラで、姉さんはファイヤーで空からの奇襲をかけた。
・・・姉さん、未だファイヤー持ってたんだな。
兎も角、奇襲は成功し下っ端どもは瞬く間に俺達の前にひれ伏すこととなった。
元々、強力なのは幹部クラスのみで、それ以外は一般トレーナーに毛が生えた程度の連中だ。
俺達の敵じゃあない。
難なく一番奥の部屋の前まで来たんだが・・・
「・・・電子ロックか・・・」
「おまけにポケモンの技を無効にする、目に見えないシールドがはられてるみたいだな・・・」
解除するには、特殊なキーか何かが必要なんだろう。
これを開けなければ、先に進めないわけだし・・・
「ふっふっふ・・・アタシに任せなさい。」
でも、こっちにはブルー姉さんが居るんだよなぁ・・・
「・・・楽しそうだな、ブルー。」
「まぁ・・・自分の得意分野だし。」
本当にハッキングとかしてる時のブルー姉さんて楽しそうだな・・・
「ふっふっふ・・・この程度のセキュリティでアタシのハッキングを逃れようなんて一千万年早いのよ!」
「・・・何やら、やばい事を言ってるような気がするんだが?」
「突っ込みは・・・この際無しにしてくれレッドさん。」
そろそろ扉が開くだろうから、気を入れないと。
・・・レッドさんもブルー姉さんも分かってるみたいだな。
セキュリティを解除したんだろう。
姉さんは『準備はいい?』と言う様に俺とレッドさんを見る。
『勿論』『当然だ!』その意味をこめてブルー姉さんを見返し・・・
「ギャラ!」
「ギャラドス!」
「「破壊光線!!」」
紅と蒼、2体のギャラドスの『破壊光線』で扉を吹き飛ばしつつ内部を攻撃する。
シールドさえなければ扉がロックされていようと関係ない。
破壊した扉から中に入ると・・・居た。
「石化が解けましたか・・・シルバー様。」
三獣士・サキが俺達を待ち構えていた。
「お前も、よくカンナの『氷の輪』から復活できたな?」
「フフフ・・・多少手間取ったがな。」
「そんなことは如何でもいい。」
こんな奴と話していても仕方ない・・・
「父は・・・サカキは死んだ。俺もR団の新たな首領になるつもりは無い。・・・解散した方がいいんじゃないか?」
「そうは行きません。サカキ様が自らの命を賭して築き上げた『悪の総本山』其れを解散させるなど出来ませんね。」
「・・・なら力ずくで壊すまでだ。」
「ふ・・・いいでしょう。ケン、リョウ、ハリー!お前達はレッドとブルーの相手をしなさい。」
サキの呼び声と共に現れた3人の中隊長はレッドさんとブルーさんに向かっていく。
・・・サキとは俺1人で戦う訳か。
「ペルシアン、スターミー!」
「行け!ニューラ、リングマ!」
まぁいいか・・・父さんの組織の後始末をするのは、俺の役目だからな。
「ニューラ、スターミーに『シャドー・ボール』リングマ、ペルシアンに『瓦割り』!」
この日の為に俺はポケモン達と特訓して己の力を磨いた。
前の様にはいかん!
「ヘヤ・・・」「ニ”ャ〜・・・」
弱点を突かれサキのポケモン達は一撃でダウンしてしまった。
「素晴らしい力です、シルバー様。それ程の力があれば組織の長としては申し分無い。なぜ凡人達と共にいるのです?
その力を持ってすればサカキ様の野望も継げるでしょう?」
「悪いが、俺はポケモンを悪事に使う組織なんかの首領になるつもりは毛頭無い。ポケモン達はトレーナーにとって掛買の無い仲間だ。
図鑑所有者達と会って其れを再確認した。ポケモン達の自由を奪い、生体実験を行い、悪事に使い、用無しになったら捨てる・・・
貴様らの非道は、断じて許さん!その悪事を今、此処で断つ!行け、エンテイ!」
放ったモンスターボールから現れた獅子の如き風貌の火炎ポケモン・エンテイ。
俺が石化が解けて直ぐに、この日の為に捕獲した伝説の存在。
「馬鹿な・・・!伝説の存在をノーマルのモンスターボールで?」
「別に驚くことじゃない。ボールの当て所さえ把握していれば捕獲自体は難しくない。
・・・尤も、ポケモンを道具扱いしてる貴様らには到底、無理だろうがな。」
『言うだけ無駄だろう、主よ。其れが分かればこのような集団に身をおく筈も無かろう・・・』
俺の頭に直接語りかけてくる。
俺を主として認めてくれたことで得られた、まぁ特権だな。
「其れもそうだな・・・行くぞエンテイ!『火炎放射』」
『承知!』
エンテイの放った炎は、サキとポケモン達じゃなく周りの機械やら何やらを一瞬で灰にした。
・・・まぁ、威嚇射撃と言うやつだ。
「もう1度だけ言う、組織を解散しろ。もう、これ以上は無意味だ。レッドさんと姉さんが相手じゃ中隊長達も敵う訳ない。
実験室のポケモン達を解放し、早急に立ち去れ。」
最後忠告だ・・・聞きはしないだろうがな。
「ふふ・・・ふははは!伝説の存在すら操るその技量!やはり貴方は我らの首領に相応しいお方だ!
行けジュペッタ!シルバー様を我らの元へお連れするのだ!世界は・・・我らR団の物だー!」
・・・やれやれ、父が死んだことによって既に壊れていたか・・・
「この・・・馬鹿野郎!エンテイ!」
『悪しき心の愚者よ、我が炎で朽ちるがいい!』
「炎の嵐!」
火炎放射とは比べ物にならない強烈な炎がサキを・・・部屋と建物全体を焼き尽くす。
炎が治まった時、R団の基地は消滅し残ったのは俺と姉さんとレッドさん。
後は、サキや中隊長をはじめとするR団の残党員。
「後は警察が来るだけね。」
「暫くは目を覚まさないと思う。エンテイの炎を目一杯喰らったからな・・・」
「にしても、建物ごと焼き尽くすこたぁないだろ?デオのブラックホールで逃げたから良かった様なものの。」
「ふ、彼方なら建物に火が回る前に脱出するくらい雑作も無いだろ?俺はニューラに『守る』を使わせていたから大丈夫だしな。」
「そうそう♪それに、アンタあの程度じゃ死なないから大丈夫だって♪」
「お前等・・・人の事を化け物みたいに言うな!」
流石に言い過ぎたか?
まぁ、レッドさんも本気で怒ってるわけじゃない。
残党員達を監視しつつ談笑していると、程なく警察が到着し残党員達は残らずお縄となった。
俺がシンオウを旅することを決めたのはその数日後の事だった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
「どうかしたか?ぼ〜っとして。」
その声にハッと我に返る。
どうやら、物思いにふけっていたらしい。
「いや・・・少し考え事をしていただけだ。」
俺は軽く笑いながら、声を掛けてきた少年・・・サトシに言った。
俺がシンオウを旅してる内に会った3人のトレーナー、サトシ、ヒカリ、ノゾミ。
何の変哲も無い広場で出会って、サトシとバトルをして、そのまま一緒に旅をすることになった。
1人で旅をするつもりだったんだがこれはこれで悪くない。
サトシはマサラタウン出身でシンオウリーグに出場の為にこっちに来ているらしい。
更に、シンオウのジムを制覇する目標もあるらしい。
ヒカリとノゾミは双方シンオウの出身でポケモンコーディネーターだそうだ。
グランドフェスティバル出場が当面の目標らしい。
「リーグでは闘う事になるかもな。」
俺はサトシに向かって言ってやる。
「そんときゃ負けないぜ!」
「やる気だね、2人とも。」
「その為には、サトシは次のジム戦勝たなきゃね!」
「おう、任せとけって!」
談笑しながら歩いていると・・・
―――ガクン
「「「「え?」」」」
いきなり地面が消え・・・
「「うわぁぁぁぁ!」」
「「きゃぁぁぁぁ!」」
―――ドスン
どうやら、落とし穴に落ちたらしい。
「落とし穴だと?何でこんなところに・・・」
言った瞬間上空から声が聞こえた。
「落とし穴だと?の声を聞き!」
「光の速さでやってきた。」
「風よ!」
「大地よ!」
「おおぞらよ!」
・・・何だ、あいつらは?
俺の疑問を他所にそいつらは更に続ける。
「世界に届けよ、デンジャラス。」
「宇宙に轟けクライシス。」
「天使か、悪魔かその名を呼べば!」
「誰もが震える魅惑の響き。」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
「ニャースでにゃーす!」
「時代の主役はアタシ達!」
「我ら無敵の!」
「ロケット団!!」
―――シャキィィン!
妙なポーズを決めてくれた・・・
それにしてもR団だと?こんなところに残党員が残ってたのか?
「又、お前等か!」
「毎度毎度しつこいねぇ!」
サトシとノゾミの反応からすると良く現れるのか?
「今日は基本に忠実な、落とし穴作戦なのだ!」
「つー訳でそこのピカチュウ、いただくよ!」
瞬間、気球から伸びてきたアームがサトシのピカチュウを掴んでそのまま奴等の檻に入れた。
・・・俺のニューラまで!
「あ〜ら、ニューラまで付いてきたじゃない。」
「この2匹をセットでボスにプレゼントすれば・・・」
「「「シンオウ征服、スピード出世でいい感じー!」」」
・・・あいつ等には妄想癖がありそうだな・・・
「それじゃあ、帰る!」
「あぁ!待て、ピカチュウを返せ!」
「俺のニューラもだ。」
俺達は穴から出ると気球を追った。
・・・これは、気球を落とした方が早いな・・・
「行け、クロバット。」
「ムクバード、君に決めた!」
「クロバット、『エアカッター』」
「ムクバード、『翼で打つ』!」
俺とサトシの命じた技は、気球を切り裂きR団を地面に墜落させた。
墜落と同時に壊れたんだろう、ピカチュウとニューラが俺達の元へ戻ってきた。
「おのれこうなったら・・・」
「力ずくで・・・」
「ボーマンダ、『破壊光線』」
―――ドォォン!
「「「やな感じー」」」
飛び掛ってきた連中を破壊光線が蹴散らした。
・・・何者だ?
「仕事の邪魔はしないでもらおうか?」
現れたのはボーマンダに乗った銀髪の女。
今のはこいつが?
「!お前は!」
知ってるのか?
「ポケモンハンターJ!」
ポケモンハンター?
「ポケモンを奪って他人に売りさばく極悪人よ!」
・・・成程。
「で、そのポケモンハンターが何の用だ?」
「・・・見ない顔だな?まぁいい用があるのはお前じゃない、そこのピカチュウだ。」
サトシのピカチュウが狙いか?
「『ボルテッカー』を使い、地面タイプですら退けるそのピカチュウを欲しいと言う奴が居てな・・・
大人しく渡してもらおうか?」
「誰がお前なんかに!」
「・・・待て。」
飛び出そうとするサトシを静止し、俺はJを睨み付ける。
「Jと言ったな?何故こんな事をする?理由は聞いてもいいだろう?」
「難しいことではない、単なるビジネスだ。」
こいつ・・・
自分の中の怒りが燃え盛るのを確認しつつも冷静に言い放ってやる・・・
「・・・外道が。貴様等の様な輩は断じて許さん!」
況してや俺の仲間に手を出そうなど・・・
「ふ・・・いいだろう。どの道大人しく渡すなどとは思っていない。お前を倒した上で奪い取るとしよう。」
「・・・サトシのピカチュウは渡さん!そして、他のポケモン達もな!行け、オーダイル!サトシ!」
俺が呼びかけると、サトシは頷いてヒカリ、ノゾミと共にその場を去った。
「あいつらを逃がすな、追え!」
Jが部下達に命令するが、あいつ等ならこの程度の相手問題ないだろう。
「行け、ボーマンダ!『破壊光線』」
「オーダイル、『ハイドロポンプ』」
同時に放った技は、互いに相殺しあい軽い爆発を起こす。
「(ボーマンダはドラゴンタイプ・・・接近してきた時が勝負・・・!)オーダイル、『目覚めるパワー』!」
「かわして『ドラゴンクロー』」
俺の攻撃に対してカウンターの接近戦・・・其れが狙いだ!
「迎え撃てオーダオル!『冷凍パンチ』!」
―――バキィ!
弱点を突いた一撃が炸裂し、そのままボーマンダは戦闘不能に陥った。
当然だな。
「馬鹿な。弱点とはいえたったの一撃で・・・?」
「ふ、おかしい事は無い。タイプの相性、ボーマンダの突進速度を利用したカウンター、急所に当てた事による威力の倍増・・・
これだけの力を集中させればボーマンダとて一溜りも無い。況してやボーマンダのタイプはドラゴンと飛行。氷系の技とは相性最悪だからな。」
まぁ・・・自分のポケモンを信用してなきゃ出来ない芸当だがな・・・
「ソレよりどうする?俺は構わないが、あんまり長いこと戦ってると不味いんじゃないのか?
お前なら兎も角、追いかけていった連中じゃあいつらの足元にも及ばないぞ?直にジュンサーと一緒に戻ってくるぞ?」
「・・・ならばお前を倒してターゲットを確保するまで、行け、ドラピオン!」
「・・・戻れ、オーダイル。」
・・・全く、諦めの悪い・・・
「戻すのか?」
「如何やら、お前には決定的な力で屈服させる以外大人しくさせる方法がなさそうだからな。」
俺は、アイツが入ったモンスターボールへと手を伸ばす。
「コイツは滅多に使わないんだ・・・拝めることに感謝した方がいい。行け、エンテイ!」
ボールから飛び出したエンテイは気迫十分と言った感じだ。
「!・・・ソイツは!」
「伝説のポケモン、エンテイ。俺の手持ち最強のポケモンだ。」
「ターゲット追加、そのエンテイも貰おうか。それ程のポケモンなら、欲しがる奴はいくらでも居る。」
・・・やれやれ、全く呆れたもんだ・・・
これも、一種のプロ意識か?
『我を売り物にする気か?・・・救い様の無い愚者だな・・・』
「手加減不要。思いっきりやってくれ・・・」
『良いのか?久方ぶりの戦闘で、我も昂っている。荒っぽい対応になると思うが?』
「構わない。・・・久しぶりに本気で頭に来てるんだ。今回は最低限の指示しか出さない・・・」
『ふ・・・成程。承知した、主よ。』
相当にやる気らしいな・・・
エンテイの周囲にはその身から発する炎熱によって、陽炎が揺らめいている。
「伝説の力、見せてもらおう!ドラピオン『毒針』」
『小賢しい!』
毒針はエンテイにかすることもせずに発せられた炎熱によって消滅する。
面倒くさい・・・一瞬で終わらせるか・・・
「く・・・ドラピオン『クロスポイズン』」
「滅ぼせ・・・エンテイ。」
『消え失せろ!』
「破壊熱線!」
破壊熱線・・・火炎放射と破壊光線を融合した俺のオリジナル技だ。
威力は、そうだな・・・究極技に匹敵するくらいは有るか?
「馬鹿な・・・ドラピオンまで・・・」
「最後通告だ。・・・諦めろ。」
そう言った所でサトシ達が、ジュンサーと戻ってきた。
ソレを見たJは、自分の専用機で脱出しようとする。
「待ちなさい、ポケモンハンター!」
「今日のところは引いてやる・・・だが次こそは・・・」
そう言って離陸したJの専用機・・・
だが・・・
―――ゴォォォ!
空から降り注いだ光がソレを討ち落とした。
ソレからは実に呆気なかった。
大破した専用機から、Jが引きずり出され、敢無くお縄となった・・・
まぁ、悪人の最後なんぞこんなものか?
それにしても・・・さっきの光、アレはいったい・・・
一瞬みえた白銀の存在が俺の脳裏に焼きついていた。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
『恐らくソレは”アルセウス”じゃな。』
「「「「アルセウス?」」」」
ポケモンセンターに着いた俺達はさっき見た白銀の存在をオーキド博士に聞いてみた。
『うむ、お前さん達の居るシンオウに伝わる伝説のポケモンじゃ。その存在は神話の中でしか知ることは出来ん。
ディアルガ、パルキアを統べる存在とも言われておる。』
「それ程の存在が、何故あんな場所に?」
『それは分からん。まぁ伝説の存在に出会うなど滅多に無いことじゃ、運が良かったのう。
これからの旅路きっといいことがあるぞ?それではまたな。』
「失礼します。」
「またね、オーキド博士。」
「バイバイ♪」
「ありがとう御座いました。」
――――プツ
通信を終えた俺達は、センターのホールで休息を取る事にした。
「シルバーって大人〜。」
「・・・何だ唐突に?」
「だって、コーヒーブラック・・・」
ただ甘いのが苦手なだけなんだが・・・
「・・・お前とサトシのは甘そうだな?」
「砂糖入れすぎじゃないのかい?」
一応説明しておくと俺のコーヒーはブラック、ノゾミはミルクのみ、サトシとヒカリは砂糖もミルクも入ってる。
ついでに言っておくと、サトシは角砂糖3個、ヒカリは5個・・・それは既に砂糖水じゃないのか?
・・・見てるだけで胸焼けがしてきた、よく飲めるもんだ。
「その意見については同感だね・・・」
ふと考えてみる。
思えば、こんなにゆっくり安心して過ごしたのはいつ以来だろう?
ホウオウに攫われて以来、そんなことは感じている暇も無かった。
「ふ・・・」
「如何したんだい?」
「いや・・・こんな雰囲気も悪くないと思ってな。」
「「「???」」」
「・・・何でもない、これから先がもっと楽しみになってきただけだ。」
旅立つ前にレッドさんの言っていたことが脳裏に蘇る。
『仲間との旅ってのもいいもんだぜ?』
その通りだな。
「今日は此処に泊まっていくか。」
「そうだね。」
「さんせーい!」
「え〜?早く先に進もうぜ?」
・・・サトシ、お前は少し空気を読め。
「ポケモン達も疲れてるだろう、何よりリーグの会場は逃げないだろうが。」
「そうだよ?『急いては事を仕損じる』って言うしね。休むときは休まないと。」
「そうそう♪」
「う”〜〜〜分かったよ。」
「その代わり、後でトレーニングに付き合ってやるから我慢しろ。」
「本当に?」
急に上機嫌になったな・・・
扱いやすいのか、難しいのか分からんなこいつは。
「あぁ、特別にエンテイで相手してやるよ。」
「エンテイか。頑張ろうぜピカチュウ!」
『ピッカー!』
きっとこれからも、こんな感じで旅を続けていくんだろう。
昔なら考えられないが・・・
そうだな、俺自身こいつらと居るのを楽しんでいるんだな。
シンオウリーグ開催まであと1ヶ月。
俺の・・・否、俺達の旅は・・・まだ終わらない
FIN
後書きという名の座談会
吉良(以下、吉)「・・・と言う訳で、シルバー短編です。」
シルバー(以下、シ)「今回はアニメとリンクか。」
サトシ(以下、サ)「俺達も初登場♪」
ヒカリ(以下、ヒ)「アタシの出番が少ない〜。」
吉「話の都合上仕方ないだろう。」
ノゾミ(以下、ノ)「アタシが居るのは何でだい?」
吉「出したかったから。」
ノ「至極真っ当?な意見だね。」
シ「作者、聞いておきたいことがあるんだが。」
吉「何?」
シ「サト×ヒカ派か?」
吉「そうだよ?」
シ「・・・ノゾ×ヒカ派でもあるな?」
吉「勿論!」
シ・サ・ヒ・ノ「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」(ドン引き)
吉「どした?」
シ「・・・そろそろ帰らせてもらおう・・・」
サ「そうだな・・・」
ヒ「ソレがいいわ。」
ノ「付き合いきれないね・・・」
吉「お〜いどこいくの〜?」
<座談会終了>
[一言感想]
僕は、サトハルやサトカノが特に好みです(ぇ)。
それはさておき、ポケスペ原作では石化オチになったFR・LG編。
いずれ、このように復活を遂げてほしいものです。
ちなみに扉を破壊光線でぶち抜いてましたが、シールドだけでなく扉の開閉はブルーできなかったんだろうか……(ぇ)。