初めてのジム戦は挫折?

 

 

 

 勝てないと解っていても戦うのは、トレーナーの性なのかもしれないな……。

トレーナーは、戦う事で『力』を強め、負けて更に向上する。

負けの無いトレーナーは、強いけれど『挫折』を知らない為に、負けたときに心が折れてしまうんだ。しかし、お前達は違う。

お前達は『挫折』も『敗北』も『勝利』も知っているから、たとえ強い奴に負けても心が折れないと俺は思っている、信じているぞ。





 「……お父さん……。ふ、煩いよ……! 認めないくせに」

 夢に出てきた父は、昔のように大きくて偉大で優しい人だったから、彼女はそれに反抗するかのように呟いた。

これは、ジム戦をする前日の夢で、それは彼女に折れないように忠告しているかのようであり、彼女は未だに父を超えられない悔しさが心の中に広がった。

父を超えられないのは知っている。

 それでも、悔しい。悔しくて仕方が無い。

今でも自分は父の言葉に背中を押してもらわないと挫けてしまうのかと思うと、唯々悔しくて仕方が無かった。


 
 「シャーウは……そーいや、用事があるって言ってたっけ?」

結局、彼女は一人でジムに『乗り込む』ことにした。

 「レイ・R・ラーク! 勝負してくれぇ!!」

 「……なんとも、ボーイッシュな子ですね。でも、礼儀くらいは身に着けておかないと淑女として恥ずかしいですよ」

女性とも男性とも呼べない中性的な美貌の人物は、『ほわーん』という擬音が似合う微笑を見せると、彼女が口を開く間も与えずにボールを投げた。

そこから現れたキノココは、直ぐに彼女自身に痺れ粉を与える。

 別に、規則違反なんかじゃない。

殆どのトレーナーは、トレーナー自身を狙ったりはしないのだが『それも一種の方法』とかポケモン協会会長が言い出した為に、『この地域』はトレーナーを狙っても文句は言えない。

これがもし、カントー等だったら許されていないだろう……。

 「く……そっちも、紳士としてどうなわけ? 人を麻痺させて勝ち? 相手はポケモンも出していないのに、ねぇ」

 「遅いほうが悪いだろう? キノココ、メガドレインで吸ってやれ。余計な脂肪も消えて喜ばれるだろう」

 キノココが吸い取る準備をする。

それが我慢できなかったのだろうか? 『幽霊』であるその子はボールをすり抜けて外に出てきてキノココの上にのしかかった。

 「カゲボウズ!?」と彼女がつい、叫んでしまったのも頷ける。

 「……カゲボウズ! こっちに来い!」

 カゲボウズがふわふわと飛んで彼女の肩にくる。まるでインコのように彼女の肩に捕まると、カゲボウズは目つきを豹変させてキノココを睨み付けた。

 ――私の信頼する大事な人を傷つけた罪は重いよ?

 ――ふふ、後悔しても遅いからね?

そうカゲボウズは呟くが、その言葉がわかるのは同じポケモンであるキノココだけで、トレーナー……人間にはわからない。

 カゲボウズはナイトヘッドをキノココに当てると、直ぐに違う技を与える。

しかし、その技は彼女にもジムリーダーにも判らない不思議な技で、人間二人は眼を丸くしてカゲボウズとキノココを見た。

 「か、けげぼーず? と、止まって……! く、戻れぇ! 戻れ、今すぐに!」

反抗するような眼をしたカゲボウズだが、ボールから出る紅い光に仕方なくボールの中へと戻って行った。

 「……キノココ……。ポケモン協会ルールに従って、君にリーフバッチ≠与えます。
このバッチは、ポケモンリーグの通行証にもなるので無くさない様に。 えっと……ポケモンリーグに行くには、バッチを8個集めなければいけないです。8個集めると、ポケモンリーグの予選をシードで進む事ができますので、集めると良いと思われます」

何かの説明書を読んでいるように、棒読みで淡々と話すリーダー。

 「……ありがとう。そして、ごめんなさい」

彼女はジムを飛び出すように出て行った。その手の中にはカゲボウズの入ったボールを強く握り締めて……!

涙目で、『ごめんなさい』と何度も呟きながら飛び出していった。

 別に悪くないのに。彼女は勝ち、彼は負けた。

それが勝負の世界と知っておきながら、彼女は悪く思ってしまった。



 「お父さん、負けるのが挫折なんだよね? じゃぁ、勝者は? 私は勝ったのに、勝ったのに、全然嬉しくないよ……! 寧ろ心が苦しくって、破裂しそうなくらい苦しいよ! なんでだろうね?  私、今悲しいよ。心が折れてしまいそうなくらいに苦しいよ……!」



          挫折は人に大事なものです。

挫折を知らないものは、後で後悔するのです。それを、我が父は教えてくれました。ですが、勝った自分が苦しいのはどうしてでしょうか?    【ice diaryより抜粋】



津波 「はぁい、津波です」

アイス「……今回のウラバナは『カゲボウズ』です。この子は、後に重要な子となる上に、今回この子が使った技はオリジナル技です。 津波には初めてに近い挑戦ですね」

津波「あーーー! 私の台詞うぅぅぅ! ……まぁ、いいか。 では、ポケモンリーグの裏設定を話しましょう」

           ポケモンリーグ(大会)

バッチを8個持っていなければ、大会に出る事も出来ない大会とレベルが高い。

 しかし、そのバッチはジムバッチだけではなく、リボンでも可。

大会の種類は多種にあるが、唯一共通のルールが8個以上通行証を持つということである。

津&ア「では、次回にレッツリーディング!」

     初めて揃った二人です……。

 

[一言感想]

 ポケスペでも、結構人がダメージ受ける事ありますからねぇ……。
 あ、でも公式戦じゃ、そうそうないかな。
 アイスは、怒らせると恐いようです。
 ジムリーダーも朗らかな顔して悪どい戦い方でしたが、寝た子を起こしてしまったようですね。

 

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