12話 マインドコントロール

 

 

 

 「死にはしない。でも、君。一応病院に連絡しときな」

オルガはシャーウを指差しながら言う。ただ、顔はアイスを見据えている。久々に出会った兄は、凛々しいながらもどこか困った表情だった。

アイスは何か言おうと思うのだけど、兄はアイスに発言を許さないで話す。まずは挨拶、次に自分が父を倒したワケを丁寧に話すが、どうしてもアイスは今の状況が理解できずに居た。

 「お兄ちゃんっ!」

 「……アイス、く――。時間が無い。詳しい事はコイツに聞け!」

そう言ってオルガはアイスに向かってあるMBを投げてから、飛び去ってしまった。アイスの手には、兄から渡された何の変哲も無いボールのみが残っていた。

そして、近くの町からナースとドクターが走ってきたが、アイスの目線は父親よりもボールに移っていた。



 オルガが言った通りにマルスは大した怪我をしていなかった。彼の鍛え抜かれた体が助けたのだろう。出血はあったけど。

 「アイス……。マルスさんは――って、何してるの」

 「あのさぁ、運命って――信じる?」

アイスの手の中にあるボールには、見覚えのあるポケモンが眠っていた。一日中眠っているとされるポケモン。

 「は?」

 「……出てきてっ! ケーシィ!」



 『貴方はどうして僕のことを分かってくれたんだね。他のケーシィと変わらないのに……どうして分かったの?』

 「一度仲間になった子を忘れますかっ。シャーウは兎も角、私は忘れないよ? 貴方のお陰で、私はこの旅に出れたんだから」

念力で伝えられた言葉に答えると、ケーシィは一瞬微笑んだ気がした。

 『オルガさんを助けてあげて。あの人は――RSR団に――操られている人形……所謂、マインドコントロールを掛けられている。偶に自我に戻るけど、直ぐにその自我は封印される。このままじゃ――』

アイスの顔を見ると、苦虫を噛み潰したような表情だった。悔しそうな、そして――。

アイスたちが出会ったRSR団はオルガ一人で、組織の名前だけは聞いていても、実際には手下にも出会ったことが無いので、どんな組織なのか想像も付かない。きっとR団みたいなだと思うが。

だが、マインドコントロールは行き過ぎじゃないか? まるで四天n(ry)※ポケスペに関わるので削除いたしました。

 『僕は下っ端のネル=ジャラスに捕まったのをオルガさんに助けられた。あの人は……良い人だよ。ただ、その本来の人格は研究員によって封じられたけど。…………お父さんを刺したのも、自分の意思じゃない』

そこ言葉にシャーウが反応した。

 「その研究員の名前は……!?」

 『シルス――――クロッサー』



 シルス=クロッサーは所謂マッドサンエンティストであり、煉丹術を使ってシャーウの人格を封じた人間であるが、まさかシャーウ以外の人間にも使っているとはシャーウも思わなかっただろう。

仮にも自分の親なので、信じてやりたいと思う。

けど、その想いは残酷にも裏切られることとなる。

彼の親は、決して改心なんかしない。研究者とは常に研究するものであり、その心に満足など求めてはいけない。常に研究に探求することが研究者としての宿命なのだ。

 シャーウは一段階に過ぎない。

オルガはその進化状態となっているのだとすれば、オルガは……? 彼は、どうすれば元の状態に戻るのだろうか。錬丹術という薬の術は、どうする? 薬によって成されるという術は、謂わば薬漬けである。

薬によって人がどのように変化するか、想像くらいは出来るだろう? 覚せい剤、大麻、その他の麻薬によって身体を壊し人生も壊す人たちをニュースやドラマで見た覚え、一度はあると思う。

それを、アイスも知っているし、シャーウは自分がその生活だったのだから理解している。

兄が壊れていくのを黙ってみていられる人間だったら、彼女はこのまま自分の旅を進めていくだろうけど、アイスはそんな人間じゃない。

自分が無力と知っていても、何も出来ない小娘だとしても、その結果で自分が窮地に陥っても、何もしないよりはマシだと思う無知な少女だ。

 「私はお兄ちゃんとの思い出は少ないけど、お兄ちゃんのお陰で私が救われたのは真実だ。それに、兄を救いたいのに理由なんて要るわけ無い! 私は、私の気持ちに素直に従うさ!」

兄は何故ケーシィを寄越したか。鳴くことも少なく、念力で自分の意思を伝えられるから。

オルガは、救いの手を差し伸べて貰えないから。所謂囚われの身。

実験体であり、例え幹部だったとしてもその身は、RSR団の繁栄のために使われる。

血は繋がって無くてもアイスの兄。マルスの実の息子。

マルスがこの事実を知ったらどう思うだろうか? きっと殴りこむ。

それは力強くても、アイスはマルスにこの事実を言わないつもりだった。それは、マルスの身体を考えているからではなく、ただいつも苦労しているマルスにこの事を言うのは酷だと思ったからでもなく、アイスは何故か言ってはいけない気がした。

 「ケーシィ、案内して。ボスは――組織はどこで活動しているの?」

思いは膨らんでいたが、ケーシィの言葉でしぼむこととなる。

 『RSR団本部は――ポケモンリーグ会場だ』

まだ、無理やないか。

――――ウラバナ――――

津波「お久? な裏津波です。裏と言ってもそっちの裏じゃないけど」

シルス「意外と私を使うんだな」

津波「いやぁ、自分も意外でした。本来シルスは改心して終わりの筈だったんですけどね……。因みにシルスは町を出てボスの所にいるので、代わりのリーダーが就任してます」

シルス「大体、錬丹術ネタはどこから出てるんだ?」

津波「人気小説『吉永さん家のガーゴイル』のハミルトンからですw」

シルス「分かる人いるのか?」

津波「さぁ?」

シルス「しかし、ポケモンリーグ会場が組織の場所ってどういうことだ?」

津波「質問多いですねぇ。そのまま、ですよ? リーグ会場自体が組織の本部で、リーグはボスによって支配されてるんです」

シルス「つまり、ポケモン協会会長がボスなのか?」

津波「それは詰まらないでしょ(苦笑)ボスは不明ということで」

シルス「ところで、今回が12話でバッチはあまり取ってないだろ? 大丈夫なのか?」

津波「貴方に心配されるとは世も末ですね。大丈夫、頑張ってバッチ集めしますから! それより、貴方の人気は急加速で落ちてますよ、悪役だし」

シルス「Σお前のせいだろ」

津波「良いじゃないですか。元々無いし」

シルス「無いとか言うな! なら、私の人気は何位なんだ?」

津波「186位です。因みに最下位」

シルス「そんなにキャラいた!?」

津波「通りすがりの人とか、ポケモンセンターのナースさんとか、野生のポケモンとか」

シルス「それも入れるのか! てか、私の人気はそれより下なのか!?」

津波「両極端で素晴らしい! 因みに私の人気は3位です」

シルス「裏にしか出てこないのに!? どんだけ人気なんだよ」

津波「人気番組ですから。あ、時間押してますね」

シルス「番組なの!?」

津波「ではシーユーアゲイン!」

 

[一言感想]

 今回で第一部が終わりだそうです。
 ちなみに第二部以降は、津波さんのサイトで掲載されます。

 敵はポケモンリーグにあり……って、バッジ集めないと、やっぱり辿り着けない感じ?(ぁ)
 逆にいうと、それだけの力を得てからでないと、倒せる相手ではないのかも知れませんが。
 マルスは割と平気だったみたいですね。
 しかし、操られた兄、そしてシャーウの父と、乗り越えねばならない障害は多数のようです。

 ちなみに、あのケーシィは結構好きだったので、再登場は嬉しかったです。

 

戻る