第九話 宿命の対決

 

 

 

ジェードは大急ぎへレッドの元へと向かった。
ミュウツーとの戦いで予想外に時間がかかってしまい、その間にレッドは既にサカキ
と戦っていた。

サカキ「私の部下になれ、レッド」
レッド「なっ、、、」
サカキ「惜しいと言ったのは攻撃の事ではない。お前のその実力が惜しいと言ったの
だ。その粘り、爆発力、ポケモンと心を通わせる感性(センス)、
お前の全てが欲しい。」
サカキは話続ける。
サカキ「お前と幹部との戦いの様子は私の耳にも入っていた。」
「最初は気にもとめていなかったがお前は一気に実力を上げ、遂に私の所へとやって
きた。」
レッド「だ・・・誰がロケット団なんかに。」
サカキ「そう言うだろうと思っていたよ。権力に屈しないところも私がお前を好きな
ところだからな。では、こういう賭けはどうだ。」
サカキはまた不気味な笑みを浮かべる。
サカキ「先刻告げたとおり私の持ちポケモンは、体を離れてすべて床だ。手に取り、
放つのに6秒かかる距離。一方、お前の腰にはまだ5匹のポケモンがいる。」
レッド「・・・・・・。」
サカキ「この状態からの勝負でお前が勝てば無理は言わん。お前の望むとおりの事を
受け入れよう。逆に、私が勝てば・・・、お前は生涯私の片腕としてそばに仕える

。どうだ?黙っているのはOKということかな?攻撃してこないのか?」
そこまでいうとレッドはボールを床に置き始めた。
レッド「ハンディがあるなんてまっぴらだ!勝負にはもちろん応じるぜ。対等な条件
でな!」
ジェード「ちょっと待った!」
そこへジェードが戻ってきた。
ジェード「僕も入る。」
そう言うとジェードも全てのボールを床に置いた。
サカキ「フ・・・フフフフ!それでこそ私が部下としてほしい精神!では!トキワの
ジムリーダーとして、勝負だ!」
レッドはカビゴンを、ジェードはカツラに復元してもらったオムナイトをそれぞれ繰
り出した。
レッド「俺のほうが早い!ゴン!メガトンパンチ!」
ジェード「オムナイト!体当たり!」
レッドとジェード、二人のポケモンの攻撃は普通のトレーナーであれば簡単にとおせ
たであろう。しかし、サカキは平然としている。
サカキ「ああ、レッド、ジェードお前たちの方が早いな、だが!」
「相手にわざと先手を取らせる場合もある。」
レッド「しまった!カウンターか!」
オムナイトは一撃でノックダウン、カビゴンは外に放り出された。
サカキ「最初にスピードを見せ付けられたせいでそちらにしか注意が行かなかった
か?さあ!次だ。」
サカキはペルシアンとゴローニャを出した。
ジェード「レッド、ゴローニャを頼む、スピード勝負なら負けない!行け!ライ
ジ!」
ジェードはピカチュウのライジを繰り出した。ジム内はゴローニャが転がり回ってい
る。
ジェード「ライジ、電光石火!」
サカキ「ペルシアン、きりさく!」
一見は両者互角と言った所だが。ジェードの様子がおかしい。
ジェード「痛・・・・。」
シルフでの戦いで負傷した左肩の傷口から血が出ている。
ジェード「く・・・クソ、こんな時に。」
その時、ジェードを心配してしまったライジが気を緩めた瞬間にペルシアンの切り裂
くが命中してしまった。
ジェード「し・・・しまった。」
サカキ「そんな状態でよく私に挑んできたものだハーハッハッハ!さてと、次はレッ
ド、お前だ。次の手はどうした。」
レッドはボールのほうに目をやる。
サカキ「ムッ!ゴローニャ!」
レッドはゴローニャの攻撃をかわすと、ゴローニャは先ほどゴンが投げ飛ばされて
いった穴の方へ飛んでいく。
レッド「オレが次のポケモンを出さなければ、シビレを切らしてこいつが向かう先は
・・・、あの壁の穴!」
レッド「よし!向かってくるのが分かってれば、受け止められる!行けえ!」
レッドの声と共にゴンが起き上がった。
レッド「砕けろ!"頭突き"!」
ジェード「よし!決まった。」
レッド「石頭比べだったらこっちに分が有る!」
サカキ「フフ・・・砕けて結構!ゴローニャの仕事は砕ける事だからな。」
レッド「しまった!ゴ・・・ゴン!気をつけ・・。」
サカキ「岩落とし」
砕けたゴローニャだが、その砕けた体をそのまま利用した。
「そして、"大爆発"」
轟音と共にゴンは倒れてしまった。
レッド「ゴ・・・ゴン。」
サカキ「遅い。レッド、・・・勝負あったな。」
次の瞬間にはスピアーがレッドの喉に針を突きつけていた。
サカキ「おまえがカビゴンを出した時点で決め技は"大爆発"と決めた。"大爆発"は室
内では使えない。だから外へ投げ飛ばした。これがトレーナーの駆け引きだ!レッ

ド。」
サカキは余裕の笑みを浮かべた。
サカキ「フフフ、覚悟を決めたらどうだ。」
ジェード「僕を忘れてないか?」
サカキ「何」?
振り返るとピジョットを出したジェードが立っていた。
「ハア・・・ハア、ピ、ピジョット!"吹き飛ばし"」
左肩の痛みに耐えながらジェードはピジョットに命令した
猛烈な突風が敵を襲う!
サカキ「ク!」
ジェード「今だ!レッド!」
レッド「おう!」
レッドは足のボールのスイッチを押した。
サカキ「足の裏に、ボール!」
レッドはプテをだすと、
「誰が降参するもんか、プテ!"破壊光線"」
ジェード「ピジョット!"空を飛ぶ"!」
ジェードとレッドは天井まで飛び上がると反撃を仕掛けた。
まだ辺りには煙が立ち込めている。
ジェード「ナイス!レッド!」
レッド「ったく、お前も無茶するよな、怪我しているのに。」
二人はガッツポーズをした。
だが煙が晴れて、二人は愕然とした。
レッド「消えた!?」
ジェード「一体何処に!?」
二人は床に降りて、辺りを調べた。
二人「「床に・・・穴!!」」
ゴゴゴゴ・・・・・・
レッド「地震だ!ジムが崩れる!」
ジェード「早く脱出しないと」
レッド「ま、まずい!ニョロ!!」
レッドはニョロを助けようとしてガレキにぶつかった。
レッド「ぐう!」
背中に激痛が走る
ジェード「く、クソ!肩が、、、」
ジェードも長時間の戦闘により左肩の傷が完全に開いてしまって痛みの所為でうまく
動けない。
やがてジム全体が崩れた。
ズズウン!!!!シュウウウウウウウ・・・・・・
命からがら脱出したレッドとジェードだが。今のでさらにダメージを受けてしまっ
た。
ジェードにいたっては意識を失いそうなほどである。
レッド「う・・ぐあ・・。」
ジェード「ハア・・・ハア・・・ハア。」
ズン!
ジェード「ニドキング!」
レッド「今のは・・・こいつの"地震"!?」
サカキ「フ、さすがだレッドとジェードよ!!、今までスピアーやパルシェン等の専
門外の連中を使って来たが、どうやらベストメンバーで望ばねばならんらしい。」
ジェード「・・・・。」
レッド「くそ!プテ!」
サカキ「"しっぽをふる"だサイホーン」
レッドのプテラは吹っ飛ばされてしまった。
サカキ「フフ、これで上空へ逃れる術は封じた。」
レッド「ク、ジェード!」
ジェード「・・・・。」
ジェードは気絶してしまっているようだ。
サカキ「フフフ、もう気絶してしまったか、我が息子とはいえ情けない。」
レッド「何?」
サカキ「そろそろとどめを刺させてもらうぞ!サイドン!"地割れ"!」
レッド「うわああああああ!」
ジェードとレッドはかろうじて崖につかまった。どうやらジェードも気が付いた様だ

二人「く!」
サカキ「足場を崩す・・・。そういえばキミも使った手だったな。」
レッドとジェードは睨み返した。
サカキ「ジムリーダーはそれぞれあるタイプのポケモンのエキスパートだ。『電気』
のマチス、『毒』のキョウ。『念』のナツメ、そしてこのサカキの専門は『地』」
ジェード「!」
サカキ「ダグトリオ、サイドン、サイホーン、ニドクイン、ニドキング。トキワジム
ジムリーダー!『大地のサカキ』!!」
レッド「"大地のサカキ"、行方不明の最強のジムリーダー!」
ジェード「地面使いなら、足元に気を付けたらどうだい?」
途端、また地震が起こった。
サカキ「な・・何!?」
ジェード「僕がジムが崩れる時にバックスを穴に潜らせてたんだよ!バックス!"地
割れ"!」
ゴゴゴゴゴ・・・・・・
足場が不安定になると、サカキがよろめいた。
ジェード「今だ!"かみつく"!」
バックス・・・ハガネールはサカキに噛み付いた。
サカキ「く!」
サカキ自身は回避したが、ジェードは笑っている。
ジェード「そこだ!"アイアンテール"!」
ジェードは鋼タイプ最強技アイアンテールを放った。サカキが避ける時落としたボー
ルの開閉スイッチが狙いだったのだ。
ジェード「よし、、、バッ・・・クス、た・・・い・・・あ・・・・。」
止めを刺そうとしたその時ジェードは気絶してしまった。
レッド「ジェード!」
サカキ「フフ・・フフフ、まだまだ甘いな。・・・ニドクイン!」
サカキはニドクインを繰り出した。
レッド「バカな、お前の手持ちは全て出し切ったはず。」
サカキ「こんなこともあろうかと、ニドクインだけはガレキでの中で待機させてあっ
たのだ。」
レッド(どうする?・・・・オレの手持ちは未だにガレキの中、、、、)
そのとき!一個のボールがレッドの元に飛んできた。
レッド(ピカ!オレの気持ちに応えようと自分から!よし!)
レッド「サカキ!・・・この戦いはもうただのジムリーダー戦じゃない!戦う!ロ
ケット団を倒す戦いとして!お前を倒す!」
サカキ「フハハハ!あの時と変わっていないな、レッド!まだ戦うと言うのなら・・
・。予告しよう!」
「お前の最後の1匹はピカチュウ!最大必殺技は"10万ボルト"!」
「ボールを開き、ピカチュウが出現するまで1秒。"10万ボルト"のエネルギーを溜
めるのに2秒合計で5秒かかる!その間にニドクインはお前を打ち抜く!」
レッド「いいや!ピカの攻撃はお前より速い!!」
レッドがボールを開くとそこにはエネルギー蓄積を完了したピカが飛び出してきた。

サカキ「バカな、エネルギー蓄積が完了している!」
レッド「"10万ボルト"!!」
バババ・・・・バリバリバリバリバリバリ!
遂にサカキとニドクインは倒れた!
レッド「ハア・・・ハア、ボールを開いてからエネルギーを溜めてたんじゃあ間に合
わないのなら、エネルギー集中はボールの中で済ませておけばいい!」
サカキ「・・・ま・・さか・数万ボルトの電流が流れるボールを・・・つかんでいら
れるはずが・・・。」
レッドは自分の両腕を見せた。
サカキ「!それは!我が軍の絶縁グローブ!・・・こんな所で計算が狂うとは・・
・!!!・・・見事だ、マサラタウンのレッド!」
サカキが倒れると、ジェードが立ち上がってきた。
ジェード「よくやったな・・・レッド。」
レッド「ああ、終わった、でもサカキの一番の計算違いは、故郷であるこの森を悪事
に使われたコイツの怒りに気付かなかったことさ。」
ジェード「次はセキエイで会おう!」
レッド「ああ、」
そこまで言って、二人の意識は途絶えた。
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ジェードは目を覚ました。
ジェード「こ、ここは・・・・?」
少女「気が付いたあ!」
ジェード「君はさっきの、、、。」
少女「森の入り口で二人とも倒れているんだもの、驚いちゃったー。」
ジェード「そういえば、そうだ!森はどうなったの!?」
少女「ウフフ、この町の人たちがね、、やっと腰を上げたのよ。暴れているポケモン
をおとなしくさせるためにみんなで森に向かっているわ。」
ジェード「レッドは何処にいるの?」
少女「もう一人のお兄ちゃんならもういないよ。」
ジェード(そっか、先を越されたな。」
ジェード「それじゃあ僕も手伝いに。」
少女「あのぅ・・・。」
ジェード「何だい?」
少女「さっきのお兄ちゃんにも言ったんだけど、この町の人ポケモン強くないでしょ
う?だから教えてくれる新しいリーダーが欲しいな・・・なんて。」
ジェード「僕かレッドが?」
少女「ウン。」
ジェード「わかった。できるだけ強いトレーナーになって帰ってくるよ。僕はトキワ
の人間だし。じゃあね。」
こうして物語は続いていく、、、、。


つづく

 

[一言感想]

 何も知らずに見てたら、この少女はただの可愛らしい少女どまりなんでしょうね(謎)。
 しかし、サカキは強かった……レッドとジェードの2人がかりでもいっぱいいっぱいで。
 最後にはレッドが勝ちましたが、結果としてジェードとの決着はおあずけといった所でしょうか。
 サカキもここで終わるような男ではないでしょうし、改めて次の激突が気になりますね。

 

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