第四章
新・七話 (第三十四話) 赤VS漆黒(レッドVSジェット)
ジョウト地方、ワカバタウン ゴールド達の場合
仮面の男事件から3年の時が経過した。
今日もワカバには穏やかな風が吹いていた・・・・・・・・
そして3年前から見られるようになった光景もある。
???「ちょっとゴールド!!!起きて!!」
ゴールド「あんだよ!!?クリス!!まだ7時じゃねーか!!寝かせろ!!」
クリス「何言ってるのよ!!今日からウツギ博士のフィールドワークを手伝うんじゃ
なかったの?」
ゴールド「ああ〜〜?そういやそんな事オーキドの爺さんから頼まれたっけ?」
クリス「・・・・・呆れたわ。」 余りのゴールドのいい加減さにため息をしてしま
うクリスであった。
ゴールド「・・・・・とにかく、俺はレッド先輩と修行してきて疲れてんだよ?お前
ももーちょっと気が利くと可愛いんだけどな。」
クリス「なっ!!!?何言ってんのよ!!」
シルバー「・・・・・・・・・そこの二人。いい加減夫婦喧嘩はよせ」 さっきか
らうるさかったので様子を見に来たは良いが、結局入り込めなかったシルバーが愚痴をこぼした。
クリス「誰が痴話喧嘩よ!!」
ゴールド「コラ!!テメッ!!シルバー何言いやがる!!」
シルバー「全く仲のいいことだな・・・・。」
そんなこんなで3人は言い争いを止め、ウツギポケモン研究所に向かった。
そしてとき同じくしてフスベシティを南下し、ワカバに向かってきている青年がい
た。
ユウジ「ここを抜けたらワカバに到着や。」 破れたジーンズに黒のシャツ、そし
て愛用しているエレブースキャップはついに公式のキャップになった。何故なら彼がエレブースに所属しているからだ
そう、青年の名はユウジ=シルフ、コガネ産まれのヤマブキ育ちという異色の選手と
してエレブースにドラフト1位でコガネ高校から入団し
たのだ。 そして彼は一年目から投手兼三塁手となり 投手成績 12勝6敗 2
セーブ 防御率3・24 打撃成績 打率 298.
本塁打30 打点94で堂々の新人王を獲得したのだった。
その彼がオフに何故ワカバに来ようとしているのか? それは彼の行動を見てい
たら分かるであろう。
ユウジ「サンダーに言われるままにここに来てもうたけど、この間からわけ分からん
事だらけや。」 いきなりロケット団に狙われた事もあ
り、少々困惑している様子でもあったのだが・・・・・・。
サンダー(・・・・・・・五月蝿いぞユウジ)
と、ボールの中からサンダーが睨みを聞かせている。
ユウジ「ま、まあそう怒らんと、ワカバまであと少しなんやからな」 さすがのスー
パールーキーも雷鳥のまえには少々遠慮気味である
サンダー(全く・・・・・コイツにもあの森の神様にも困ったもんだ・・・・。)
4人が出会うときは近いのであろう・・・・・。
そんな頃・・・・・運命の歯車は無情にも動き始めていたのだ
???「フフフフ・・・・・・・・・遂に私が力を見せ付けるときが来たぞ!!」
何処かの社長室のような場所で、黒ずくめの男がそう言った。
???「ええ。誠に素晴らしきことですね、スペクター様」 その部屋にもう一人
立っていたほっそりした体格のなんとも嫌な笑いを浮かべ
ている男が一言言う。
スペクター「ところで?奴はどうしているんだ?準備は整ったのか?シュレイダー。」
問いかけられた痩せ型の男、シュレイダーが答える
シュレイダー「ご心配は無用でございます。あの憎っくきジェットは忠実な我等の手
足となっていますよ。」
ガチャ・・・・・・・ 突然部屋のドアが開くと白衣をきた如何にも科学者らしい男
と、赤い長髪の青年が入ってきた。
???「スペクター様、出撃の用意が出来ました。」
スペクター「ご苦労だったなシラヌイよ・・・・・お前の技術は我が組織の宝と言っ
ても過言ではないからな。そしてジェットよこの間言っ
たとおりにまずはこの3人を抹殺して来い・・。」
改めてジェード・イエロー・レッドの写真を見せるスペクターであった・・・・しか
も不気味な笑みを浮かべながらである。
ジェット「フン・・・・・。それじゃ俺は消えるぜ あばよ。それに俺は俺のやり方
でやらさせてもらう!!それ条件だったよな?爺。」
シュレイダー「ジェット君!!少しは言動を慎みたまえ!!」
ジェット「ああ?今度は首を切り落とされたいのか?このダニ。」
スペクター「まあ待てジェット、取りあえずお前の全力出し切れる相手と戦ってから
でも遅くないだろ?それにそういう性格は私は嫌いでは
ないぞ?」
ジェット「・・・・・・・確かにこんな馬鹿を相手にしてる場合じゃなかったな。
あばよ!!」
そしてジェットは部屋を飛び出していった
スペクター「さあ・・・・・・力を見せてくれ。我が組織の最強の刺客よ・・・・
・。」
そしてその矛先は・・・・・・・
シロガネ山・・・・・・。
その不穏な影を知らぬレッドとイエローは依然トレーナーとしてのレベルアップのた
めの修行をしていた。
レッド「イエロー!!もっと早く!!もっと的確に!!」
イエロー「ハッ・・・ハイ!!!」
仮面の男事件以降、イエローをジェードから託されたレッドは、トレーナーとしての
トレーニングを一日とも怠っていなかった。
そして、イエローの手持ちの強化も兼ねての激しい修行は始まった。
レッド「ふーっ・・・・・・・・・・・イエロー本当に強くなったな・・・・。」
一頻り特訓が終わり、レッドは笑顔で言った。
イエロー「そんな・・・・・・僕なんかまだ全然レッドさんの足元にも及んでないし
・・・・・、ジェード兄さんの足を引っ張ってばっかり
で・・・。」
レッド「・・・・・・ぷっ・・・。」 何故かいきなりレッドが噴き出した
イエロー「レッドさん!!笑うところじゃないですよ!!」 顔を真っ赤にして怒る
イエロー
レッド「ははは・・・・・・悪い悪い・・・・・・・。俺たちに追いつこうとする事
はうれしい限りなんだけど・・・。」
イエロー「・・・・・けどなんですか?」
レッド「・・・・いけね。言うこと忘れた。」 レッドはさらりと言ったが内心は・
・・・
(本当のところ・・・・・イエローに辛い思いをさせるのはもう嫌なんだ・・・。
ジェードもそうだけど兄妹そろって優しくて傷つきやすい
性格だからな)
イエロー「それでは・・・・・ポケモンセンターに戻り・・・・。」
イエローがそういいかけた時だった
レッド「!!!危ないイエロー!!」
とっさにレッドはイエローを突き飛ばした。
ザシュ!!!!!!
レッド「・・・・・・・っ。」
イエローの無事を確認して、彼は左腕に鋭い痛みを感じた・・・・。
レッド「・・・・・・誰だ。・・・・ううっ。」 森が暗くなり始めているため 傷
は深いのか浅いのか定かではないが・・・・とにかく血
が流れていることには間違いないだろう。
イエロー「レッドさん!!!!」 イエローが起き上がるとレッドの身体を支える・
・・・。
レッド「イエロー・・・・・・すごい殺気を感じないか?」
イエロー「ええ。嫌な予感がします・・・。」
すると背後から声がした
????「少しは手加減してやったんだがな・・・・・現チャンピオンがこの程度の
雑魚とは・・・・少々幻滅したな。」
レッド「・・・・・・・誰だ!!」
????「俺か?・・・・俺はロケット団の特殊幹部ジェット=ゼフィルードだ・・
・・・。スペクターの奴の命令は気に食わんがお前らに
は消えてもらおう。」
レッド「何だと・・・・。」
イエロー「・・・・・・・・・・。」
ジェット「まあ・・・・ジェード=デ=トキワグローブの居場所を教えてもらえば下
がってやってもいいが?」
イエロー「どうして兄さんの名前を・・。」
レッド「ジェードをどうする気だ!!」
ジェット「どうするもこうするもない・・・・・奴を叩き潰す・・・・それだけ
だ。」
レッド「なら・・・・・・・俺はアンタを止めるまでだ。」 レッドがボールに手を
かける・・・・。
イエロー「レッド待って!!」 しかしその右手はイエローによって静止される
レッド「イエロー・・・・・何で止めるんだ!?」
イエロー「あの人は・・・・・ジェットさんはジェード兄さんの・・・・義兄弟なん
です。」
レッド「何だって!!?」思わぬ事態にレッドは驚愕の表情を見せる・・。
ジェット「そういうことだ・・・・・。大人しく奴の場所を教えろ・・・・。ジェー
ドも親友を傷つけられたくないだろうからな。」
レッド「・・・・・・・くっ・・・・・。」
ジェット「・・・・・・・早く答えろ。俺は気が短いんでな。」
レッド「・・・・・・・・イエロー。ちょっとこっちへ・・・。」 レッドがイエ
ローに手招きする。
イエロー「レッドさん?・・・・・・ぐ!!・・・。」 突然イエローは腹部に衝
撃を感じる・・・・。
レッド「・・・・・・ゴメンな。どうやら一人で身体を張らないとお前を守れそうに
ない・・・・。」
イエロー「・・・・そん・・・な・・・・レッ・・・・・・さ・・・・・・・」 瞳
に涙を潤ませながら彼女は意識を手放した。
レッド「・・・・・ドドすけ・・・・・後は頼む。」イエローの相棒、ドドすけを
ボールから出し、彼のご主人をその背に乗せるとレッドは
ジェットの方を振り返った。
ジェット「覚悟はできたか?」
レッド「ええ・・・・・・俺があなたを止めて見せます、親友の居場所をそう簡単に
は教えられません!!!」
決意のこもった表情を見せたのだが・・・・・内心はかなり揺れている・・・・・。
レッド(くそ・・・・・・ジェードの兄さんじゃうかつに攻撃できない・・・。あの
目は洗脳されているとしか思えない)
ジェット「・・・・・・物分りの悪い奴だ・・・行くぞ!!」そういった瞬間ジェッ
トの目が彼のハッサムと同じように赤くなる・・・。
それだけではない・・・・・彼の長く、そして美しい真紅の髪は見る見るうちに黒く
なっていく。
レッド「行け!!ゴン!!」 レッドは彼の手持ち一番の体力自慢。ゴンを出した
ジェット「ハッサム!!音もなくして敵を斬れ!!サイレントブレード!!」
まるで彼と意思が伝わっているのではないかと思うほどの速さでハッサムは 一瞬で
その技を放った!!
シュ・・・・・!!! かすかな空気の刃の音がする・・・・・しかしそのス
ピードは尋常ではない。
レッド「!!!ゴン!!」 その余りの攻撃の早さにたじろぐレッド。
ジェット「・・・・・つまらん。その程度か?」
レッド「・・・・・俺はあきらめない!!ゴン!!爆裂パンチ!!」
ジェット「ハッサム!!影分身!!」
何とかこらえて渾身の一撃を放つも・・・・。ハッサムは残像を残し消える・・・・
・。
ジェット「その程度のうすのろでは俺は倒せん。もっと素早い奴を出すんだな?」
レッド「くっ・・・・・・・・・ピカ!!お前しか居ないみたいだ・・・・・。行っ
てくれるな?」
本来はプテのスピードを生かしたいのだが、イエローとの特訓の直後でまだ回復し
きっていないのだった。
ジェット「そのねずみ一匹で何ができる!?ハッサム、ダークハイパーボールの力を
見せてやれ。」
レッド「ピカ!!!神速!!」
レッドがピカに命じたのはなんと!伝説のポケモン・ウィンディだけが体得を可能と
されている神速だった。
ドガ!!
ピカの渾身の一撃がハッサムに炸裂・・・・。
ジェット「ほう・・・・・・・中々やるじゃないか・・・・だが!!如何せんパワー
不足だ!!」
ハッサムのタイプは鋼・・・・・ノーマル攻撃の神速では効果が薄いのだ・・・・。
ジェット「遊びは終わりだ!!!・・・・・・。」 ジェットが突然右手の一指し
指を高々と上げる。
そして彼のハッサムの刃もまた光り輝く・・・・
ジェット「闇を切り裂く無音の衝撃・・・・・空烈奥義!ファントムインパル
ス!!」
レッド「!!!!まずい!!ピカよけろ・・・・。」 言ったがもう遅かった・・・
・。
次の瞬間には巨大な真空刃が目前に迫っていたからだ・・・・・。
ジェット「You heard it didn't you? The voice of wind...(貴様も聞いただろ?
風の・・・声を・・・)」
言い放つとジェットは結果を見るまでも無くその場を去ろうとする・・・・・最も彼
の背後にはまともに立っている者は居ないと確信してい
るからだ
そして、避けろと言ったままだったレッドはその場に倒れた。
ジェット「・・・・・・爺・・・・・任務完了・・・・。」無線でスペクターにそう
言い掛けた時だった
イエロー「待ってください!!」・・・・止めたのはさっきレッドが逃がしたはずの
イエローだった。
ジェット「・・・・・・イエローといったな。俺は義弟の関係する奴にはできるだけ
手を出したくないんだが・・・・邪魔をするのなら仕方
ない・・・消えてもらおう。」
ジェットは振り返ると・・・・そこには今まで・・・・・あの四天王・ワタルの時で
さえ見せた事のない鬼気迫る表情をしたイエローが睨み
つけていた。
イエロー「レッドさん・・・・・・ごめんなさい・・・・僕が無力なばっかりに・・
・・」倒れているレッドに一瞬、いつもの表情に戻り呟
く、 そして再びジェットを見ると
ジェット「・・・・・ハッサム!!」 ジェットは再びハッサムに構えを取らせる。
イエロー「兄さん(ジェード)・・・・レッドさん・・・・・今僕の特訓の成果を見
せます!! 行け!!レボ!!」
イエローが繰り出したのはジェードの手持ちであるブラッキーのレボだった。
ジェット「・・・・・・そのブラッキー・・・・・・アイツ(ジェード)のだな?」
イエロー「・・・・ええ。行きます!!レボ!!連続シャドーボール!!」
ジェット「数で勝負か・・・・・・ハッサム、はじき返せ!!」
ドォォォォドドドドォォォン!!!! ブラッキーの放った暗い紫色の球はハッサ
ムの鋏ではじかれてしまう
ジェット「今度はこっちから行かせてもらうぞ・・・・・サイレントブレード!!」
シュッ!!!!! 空気を切り裂くわずかな音がする・・・・。
イエロー「!!レボ、ジャンプして避けて!!」
ジェット「させるか!!銀色の風!!」
レボ(・・うううう!!!)
ジェット「そのまま連続切り!!」
ザザザザシュ!!!!!!!!
イエロー「レボ!!!!」
ジェット「・・・・・・・俺は無駄な戦いはしたくない・・・・・。さっさと奴
(ジェード)の居場所を教えろ・・・。」
イエロー「絶対に言いません!!!」
ブラッキー(そうだ!!まだ僕は負けない!!イエローを守れ・・・・僕はジェード
からそう言われたんだ)
なめるなとばかりに勢い良くブラッキーは起き上がった。
レッド「・・・・・その通り・・・俺も諦め・・・・・て・・・・・ないぜ?」
いつの間にかレッドも立ち上がっていた
イエロー「レッドさん!!!立ち上がるなんて無茶です・・・。」 彼女の言うこと
ももっともだ、レッドはさっきのイエローを庇った時に
受けた左肩から血が止まっていないのである・・・。
レッド「大丈夫・・・。俺はこの通り・・・・・・うっ!!」 強引に身体を動か
して大丈夫なことをアピールしたかったのだが身体は言
うことを聞いてくれなかった。
レッド「・・・・・・・どうやら俺は動けないみたいだな・・・・・・ハハ・・・・
イエローを守るのは俺の役目なのに・・・・俺が守られ
るとは・・・・・カッコ悪ぃや・・・・・・。ジェードに合わす顔が無いな」 珍し
く自嘲気味に笑っているレッド。
イエロー「・・・・・・血が止まっていないんですから・・・・・無理しないで・・
・。」
レッド「いや、お前に少しでも力を貸したいから・・・・・・行け・・・・・ブ
イ!!」
レッドは何とかブイを出すことができた。
ジェット「ほほう・・・・・2人がかりで来るか。」 以前対峙している相手・
ジェットは余裕を見せている。
レッド「ブイ!!サイコキネシスで相手の動きを封じるんだ!!」
ジェット「ならばこっちも2体目を出すか!!行け!!サマヨール!!」
イエロー「レボ!!サマヨールにだましうち!!」
イエローがさらにサマヨールを迎撃する・・・・。
しかし・・・・・・・・レボの様子がおかしい・・・・・さっきから止まったままで
ある。
イエロー「レボ!!どうしたの?」 彼女は慌てて気を読み取る・・・・すると。
???「イエロー・・・・ついにこの記憶をたどる時が来てしまったみたいだね。」
聞き覚えのある優しい声だった
イエロー(兄さん!!?) そう、紛れも無く兄ジェードの声だ
ジェード「・・・・・・この記憶を辿っているということは、また辛い戦いが始まっ
たって事だから悲しいけど・・・。レボに俺が教えてお
いた奥義を使わせるためにも・・・・そして目の前の相手を倒すために・・・・。」
ジェード「それじゃあ教えるよ・・・・・・おれ自身も恐れている奥義・・・・・ブ
ラックホールクラスターを。」
そしてジェードが技の打ち方を教えると、記憶の旅は終わりを告げた。
イエロー「!!!レボ!!」 イエローはハッキリとした口調で叫ぶ
イエロー「兄さんと僕で使う、奥義・ブラックホールクラスター!!!」
レッド「・・・イエロー?」 レッドが見た先にはすでに巨大なブラックホールが
ジェット目掛けてとんでいった後だった。
ジェット「・・・・ば・・・・・馬鹿な・・・・・その奥義は・・・俺の・・・・・
俺の・・・・・うおおおおおお!!!」
ジェットは闇の空間に飲まれていった・・・・。
イエロー「・・・・・・・・終わっ・・・・・・た。」
続く
[一言感想]
ていうか、結局ジェットに容赦ない(ぇ)。
まぁ、無事でしょうけどね……。
イエローは大分腕を上げましたね。
レッドも……腕がなまってる訳じゃないのでしょうが、今回ばかりはしてやられました。
そういえばブイとレボって、元々2匹そろってロケット団の改造を受けてたんですよね。
揃って戦う姿というのも、考えてみると深いものがありました。
さて、ゴールドとクリスは今後も仲良くやっていけそうです(笑)。