36話   水晶と雷鳥(すいしょうとらいちょう)

 

 

 

ジョウト地方から、リュウキュウ地方へ旅立とうと、ウツギ博士の元を訪ねるために修行地・スリバチ山を下山したユウジは、フスベとワカバの間の街

トーカイタウンにやってきた。

ユウジ「ふう・・・・。」彼の顔は今や全国に知れ渡っているために、(そもそもエレブースの4番)無論多少の変装はしている。何時ものエレブースキャップではなく、黒く目立たない無地の野球帽を被り、自分が愛用しているバットもちゃんとケースに入れてあるので、大学野球部員くらいにしか見えないだろう・・。

ユウジ「・・・・後もう少しでコガネやな。クリスはまたゴールドと喧嘩してそうだな・・。」  かつての「仮面の男事件」で共に戦った、捕獲のスペシャリストの彼女との再会もまた今回の旅の目的だった。

しかし、平穏な旅はここでまた終結するとは彼も予想していなかっただろう・・・。

トーカイタウン郊外・・・・。

・・・・・あのポケモンは走っていた・・・・、主君での忠誠を誓うため・・・そしてこの世界の守護神として・・・・。そう。言うまでも無く古代三聖獣の一匹
スイクンである・・・・・。その水晶色の透き通った肌は、風を切り裂き走る・・・・しかし彼女には追っ手がいた。

スイクン(追っ手は・・・・1人・・・・例のロケット団という組織みたいね。) 辺りの嫌な気配に気づいていた彼女は一旦動きを止めてやり過ごす事にした。

スイクン(隠れているのは分かっているわ・・・・・早く出てきなさい!!)

スペクター「フフフ・・・・・・・さすがに伝説のポケモンとの事だけはあるな。」

またしても、宿命の戦いは始まってしまった。



そして、ワカバ側にいた、ゴールドとクリス・シルバーはその異変に一早く気づいたのだった。



ゴールド「・・・・・??」  ゴールドが辺りを見回す。

シルバー「・・・・・お前も気が付いたか?」シルバーも気が付いたようだ

クリス「・・・・確かに・・・・何かの気配を感じるわ・・・・しかもこの気配は・・・・スイクン!!?」

ゴールド「・・・・・あくまで俺の勘だが・・・・・こいつはマジでシャレになんねーぜ?」





そして、ワカバへ着々と近づいていたユウジは、遂にスイクン達の戦っている場所に来てしまったのである。


ズドオオオ!!!


ユウジ「これは!!?スイクンの水晶壁!!?」  ユウジが見つめる先・・・そこは、水晶壁が道を塞いでいた。



さらに中では・・・・・・。

ドガァァァ!!!!! ズドォォォン!!!!


水晶のように透き通った身体をもったスイクン・・・・彼女は傷ついていた。それも回復不能なほどの重傷を・・・・・・・。


そして彼女のにらみつける先には・・・・・・・恐ろしい目をした男・・・・・そう!ロケット団の首領、スペクターが立っていた。



スペクター「ククク・・・・・・水晶壁如きの技、ヤナギを利用させてもらって対処法は簡単なのだよ・・。さて、クロバット!!止めだ!!」

彼が言い放つと・・・・・クロバットはその赤い目を光らせながら・・・・・・・スイクンに止めの一撃を食らわせにかかった・・・・。


スイクン(く・・・・・・ここまで・・・ね。) 彼女はその目を閉じた・・・・。

ドガ!!!!!

しかし、彼女には衝撃が来なかったのだ・・・・・・・・不思議に思い目を開けると・・・・・。

そこにはクロバットの一撃を受け止めた・・・・・・エレキッドが・・・。

スペクター「何!?」

ユウジ「そこまでにしとけ・・・・・・大将はん?」 ユウジは怒りに燃えていた。

スペクター「ほう・・・・雷使いか・・・・だが、一人で戦うことができるのかな?」

ユウジ「・・・・お前くらいセレムが出るまでもない!!行くぞ」

ユウジはスペクターに飛び掛っていった。


スペクター「フフフ・・・・私のダークポケモンに勝てるとでも思うのか!!行け!!クロバット!!」

二人の直接対決が今始まった!!


そして、倒れているスイクンは・・・・・。

スイクン(くっ・・・・・セレビィ様に合流する為に・・・・・ここで負けるわけには・・・。)

なんとか立ち直ったスイクン、だが彼女のダメージは想像以上に深かった。

スイクン(このままではいけない・・・・・誰かに力を借りないと・・・・。)


その時、ちょうど辺りを通りかかってしまった一人の少女が居た。

スイクン(・・・・・仕方がない・・・・・・あの娘の力を借りましょう・・・)


次の瞬間、スイクンはその少女に近づいていった。

???「きゃあ!!!!!!」



パァーーーーーーーー!!!!!!  光に包まれたその少女は透き通るよな蒼い髪に変化し体もどこかスイクンの面影を残している。


???「うううう・・・・・・あああ!!!!!!」 しかし,無理な融合だった為か,彼女はその力をコントロールできない!!



ドォォォン!!!!!!


ユウジ「なんや!!?今の爆発は!!」

スペクター「む・・・・。」


戦いを始めた二人だったが異変に気が付いたようだ。

???「うああああ!!!!」

暴走してしまったその少女は,ザブドス目掛けて飛び掛ってきた.

ザブドス「うお!!!!」

???「ああああ!!!!!!」 彼女はさらに水の一撃を叩き込んだ.

ハイドロポンプクラスのその一撃に,ザブドスは思わず間合いをとった.

スペクター「ほう・・・・。スイクンも自爆を起こしてくれたようだな・・・・これは好都合だ。」

スペクターは不敵に笑うと・・・・その場からテレポートを発動した.

ザブドス「待て!!!まだ決着は付いていないぞ!!」

スペクター「心配するな・・・・・遅かれ早かれ貴様らは死ぬ・・・・それだけだ。」

言い切るとスペクターは消えていってしまった。

ザブドス「待て・・・・うおおお!!?」

深追いしたばかりに,さらにスイクンの攻撃を食らってしまった.

ザブドス「・・・・・今のは効いたぜ・・・・だが,スイクンよ,俺たちの目標はセレムの力になることだ!!違うか!!?」

スイクン「・・・・・・・・・。」

ザブドス「言葉さえ言えなくなったか・・・・・.仕方ない。力ずくで止める!!」

反撃とばかりに,ザブドスは自らの体を帯電させた。


ザブドス「うおりゃ!!!」  彼は帯電した状態で気合パンチを放った。 帯電しているため電撃のダメージも確実に相手に与えられる.

バシィ!!!!!バババババババ!!!!



スイクン「くっ・・・・・・・!!」 さすがに彼女もひるんだか・・・・少し距離をとる。




サブドス「一気にカタをつける必要がありそうだな。」


ザブドスは体内の電気を一気に開放した。


スイクン「・・・・・・・・」 一方のスイクンもまた、とてつもない冷気を発し始める。



ザブドス「行くぞ!!!100万ボルト!!!」

ザブドスの大技100万ボルトとスイクンの「絶対零度」が激突した!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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両者この一撃により・・・・・・お互いにダメージを負ったため、特にスイクンと同化していた少女のほうは失神していた。

そしてユウジはかつてより伝説のポケモンの集結する聖地、カントーとジョウトの境、トージョウの滝で身体を休めることにしたのだ。


雷の槌 ギガテックスマッシャー♯

ドドドドドドドド・・・・・・・・・・・・・
滝は相変わらずすごい勢いでその清流を滝つぼに叩きつけていた。

ユウジ「ふう・・・・しかしスイクンまで動き出したとなると・・・・スペクターの爺さん・・・またけったいなことを始める気やな。」


ユウジは隣に眠る少女とスイクンを見ながらため息をついた。


ユウジ「しかし、俺やジェードは運命的に奴らと対決する事になっていたような気がするが、こんな関係無い女の子まで巻き込ませてしまって・・・・、もっと早くスイクンを助けてやれればな・・・・。」

自分があの場にもう少し早く来ていれば・・・・と彼は自責の念に駆られていた。


”・・・・・・心配するな・・・・彼女は大丈夫だ、雷の使者、ザブドスよ。”


不意に声がしたので、ユウジは辺りを見回す・・・・・するとそこには金色の身体をポケモン、そう、あのホウオウが姿を現していた。


ユウジ「・・・・・ホウオウ!!?何故ここに・・・・。」

”・・・・別に驚くことはない・・・・・ここは我々の集まる聖地だからな・・・。”

ユウジ「・・・・・・確かにガキの頃からここには来た時から・・・異様な気配はしてたで。」


”随分とあの男にやられたようだが?プライドの高いお前がこうも落ち込むとは珍しいな”

ユウジ「ああ・・・・まだ俺は力不足や・・・・なんというか力のコントロールが出来んのや。情けない話やで。」

”・・・・・・・制御か・・・・、滝の上に行くと良い、お前の望む物がそこにあるはずだ”

ホウオウはそれだけ言うとそのまま何処かへ飛び去ってしまった。


ユウジ「待て!!ホウオウ・・・・・・・・滝の上・・・・行ってやろうや無いか!!」

ユウジ「ヌオー!!たきのぼり!!」

ユウジはスイクンを一旦ボールに入れ、少女をおぶり、ヌオーに飛び乗り滝の上まで一気に上った。 するとそこにあったのは・・・・・。



ユウジ「な、なんや・・・・?この場所は。」


滝の上にあったもの・・・・・それは、4体の石像だった。

そしてその内の2体の石像の前には、真紅に輝く、それも条線(スター)の入ったルビー、
さらに黄色に輝く、同じく条線の入ったトパーズが置かれてあった。
しかも驚くべきはその石造の人物・・・・・。

ユウジ「ジェード・レッド・俺に・・そして・・・?」ユウジはもう一つの女性の像が分からなかった。」

その人物の顔こそ、 ジェード・アンバー・レッド・ユウジだった。

石像の足元にはこう記されてあった。

大地を創造し、平安を作りし炎・氷・雷・地・草の使者たち。

モルトレス・アーティクノ・ザブドス・そしてセレム。

燎原の不死鳥(まきばらのふしちょう)モルトレス:その炎の腕でこの世に命の炎を灯す。

氷晶の女神 (ひょうしょうのめがみ)アーティクノ:その冷気でこの世に「知性」と「理性」をもたらした氷の女神

雷の剛券闘士 (かみなりのごうけんとうし)ザブドス:その天下無双の力でこの世に「競争」、「力」をもたらす。雷神

深緑の守護神 (しんりょくのしゅごしん)セレム:大地に「豊穣」と「再生」をもたらす、
全てを統率する大地の神。


ユウジ「・・・・・・なるほど、俺たちの運命は途方も無い昔から継続されてきたんやな。」

そして、彼は過去の「自分」の持ち物・・・・スタートパーズを掲げた!!

ユウジ「うおおおおおおおお!!!!!!」すると彼の頭上には雷雲が集まり始め・・・・
そしてその雷雲は大きな槌へと変化を遂げていく。



ズシィィィィン!!!!!


ユウジ「・・・・・・これが俺の武器・・・・・ギガテックスマッシャーか。」

ユウジはおもむろにその槌・・・・というよりは鎖付きの鉄球を振り回し始めた。


ユウジ「うん・・・・なかなかしっくり来るな・・・・。よっしゃ一暴れするで!!」

雷の使者もまた動き始めた。

続く


未来の座談会


再びトキワの酒場

ジェード「そうか・・・・ユウジはそんな事があったんだな・・・。」

ユウジ「そうやで、こっちはしんどかったわ。」

アンバー「でも、その時にあったその女の子が・・・・・今やねえ・・・・。」

???「ええ・・・・・ジェードさん達には本当にお世話になりました。」

ユウジ「なんや?あの後クリスと合流するまで俺はおぶっていったんやぞ?言うべき人がちゃうやろが。」

???「ちゃんとあなたには感謝してるわよ・・・・・・ユウジ」

ユウジ「しかし・・・・・最悪の出会いやったな・・・・・アリサと俺は。」

アリサ「そうだったわね・・・・目が覚めた後・・・・・。」

ジェード「おっとそれ以上はネタバレになるから。」

アンバー「今日はこの辺で締めましょう。」

ジェット「・・・・・・37話、精々頑張るんだな?作者」

翡翠「わーってるよ、ジェット・・・それではまた!!

 

[一言感想]

 シェリーさんによると、ザプドス、アーティクノ、モルトレスは、それぞれサンダー、フリーザー、ファイヤーの英語名なのだそうです。
 ……由来がサッパリ分かりません。−−;
 僕は英語版ポケットモンスターに詳しくないですが、かけはなれた名前は小説ネタにはうってつけなのでしょう。
 相変わらず半端無い力のスペクターですが、こちらの戦力も少しずつ集まってきましたね。

 

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